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翻訳は「手段」であって「目的」ではない

弊社は、「コミュニケーションサービス」を提供している企業ですが、そのうち、翻訳や通訳といった言語サービスを中心にご提供を行っています。

お客様からサービス提供への対価をいただきながら、経済活動を行っていますが、時折、そこに該当しないケースがあります。より大きな目的(弊社の場合には経営理念の実現)の場合であれば、それは問題ありませんが、そうでないケースも以前は散見されました。

このあたりはもしかしたら業界構造や業界の変化にも関連しているかもしれません。

翻訳の功と罪

今回はビジネスとして「勘違い」してしまいがちな点について考察します。

陥りやすい「手段の目的化」

今はもうほとんどありませんが、以前に多かったのは、手段の目的化です。翻訳や通訳サービスは、それを利用するクライアントのビジネスコミュニケーションをスムースにするためのツールのひとつであるべきで、それ自体が目的になってしまうのは本末転倒です。

具体的には、翻訳者の訳文がクライアントが求めるものとずれ、クレームになる場合などを指します。プロの翻訳者が行なう翻訳作業なのですから、ある一定の精度があるはずです。にもかかわらず、どうしてクレームになるのでしょうか?

考えられる原因はいくつかあります。

  1. 翻訳者の実力不足
  2. 翻訳会社のヒアリング不足、不適切なアサイン
  3. クライアントが翻訳以上のものを求めている
  4. クライアントの好み(恣意的なもの)
  5. 納期等のその他の条件

 

できない原因はあげればキリがないので、このあたりにしておきますが、いずれにしても様々な原因でクライアント期待とは違うものが納品されてくるとクレームになる場合があります。

つまり、上記のような点がずれているから起きてしまうトラブルやクレームが一定数存在します。

何のために翻訳するのか?通訳するのか?

手段を目的化しないために、最初からブレてはいけないのは、この翻訳、通訳の目的は何か?何のためにクライアントは翻訳や通訳を利用するのかということです。

これは翻訳会社としてもしっかりヒアリングしなければならない部分ですし、それをコーディネーターから的確に翻訳者に伝えなければならない点です。

そしてそれをしっかりと汲み取って訳文を作ったり、通訳していくことができれば、大きな齟齬というのは出ないはずです。※特に通訳の場合には、現場での対応になり、クライアントの担当者と直接打ち合わせができることも多いため、本来の目的を確認しやすいと言えます。

どの企業も、どの業界でも共通しているのは、ビジネスのコミュニケーションをスムースにして期待する成果を得ることであり、それを達成するために私たちは何ができるのか?ということです。

これを見失ってしまうと、クライアントの期待する翻訳や通訳サービスにはなりません。誤解を恐れず言えば、独りよがりのサービスになってしまうのです。

翻訳や通訳というサービスは、限りなく商品に近いところにあるために、ついつい勘違いしそうですが、それ自体は目的にはなりません。もし「翻訳すること」自体が目的であれば、それはビジネスではなく、ボランティアや趣味、また自分自身の勉強のためであることがほとんどではないでしょうか。(ちなみに、これらが悪いというのではなく、ビジネスコミュニケーションサービスとして提供する以上はクライアントがいるわけですから、その要望も汲み取っていかなくてはならないということです)

これは英会話なども同様です。英語と言うツールを使って、仕事をスムースに進めることが重要なのであって、英語が話せますという話ではありません。実際の現場では、TOEIC の点数が非常に高くても、ビジネスの基礎がない人は活躍することできないのは説明するまでもないでしょう。

エグゼクティブ専門英会話 [Be Confident]

翻訳という仕事をしていると、どうしても TOEIC が高得点でなければならないといった類のことを言われることも多いですが、実態はそうではありません。「翻訳力」とでも言うべき能力はまったく定義が異なります。

 

「翻訳力」とは何か

 

「お客様に喜んでもらう」ことがひとつのバロメーター

仕事とはどれも相手(お客様)がいます。そのお客様のために価値を提供することが重要なのであり、結果として収入や報酬があるのです。

クライアントが困っていることに対し、自ら蓄積してきた能力や経験で解決することが重要です。大ざっぱに言ってしまえば、人の役に立つことです。お客様の役に立つことを本気で考えれば、自ずととるべき行動は定まってくるでしょう。それは自己満足でも自慢でもないはずです。手段が目的化されている場合には、「自分がやったから結果が出たんだ」となりがちなので要注意です。

それよりも全力を尽くし、その結果としてお客様から感謝されるほうが自分が持つ能力が誰かの役に立てたと思えるのではないでしょうか。こういう真摯な気持ちで仕事に向き合ったとき、人はさらなる成長をすることができます。

翻訳も通訳も「お医者さん」と同じ

翻訳も通訳も様々なテクニックや最新のツールやテクノロジーがあります。ドキュメントによって訳し方が違ったり、分野によっても扱うドキュメントは様々です。

しかしそれ以前のスタンスの問題として自覚しておかないといけないことがあります。

それは、プロフェッショナルとしての翻訳者や通訳者は、その高い専門性や高い言語能力を駆使して、お客様の困りごとを解決できるということです。いわば「お医者さん」と同じように正しい診断を行い、治療法を提案していくこと、また専門性が高ければ、ブラックボックス化せず、インフォームドコンセントを行い、クライアントが満足する治療を受けることができるのです。

この正しい心構えを持ち、最新のテクノロジーを駆使し、自らの能力を最大限発揮することができれば、クライアントの悩み(顕在的/潜在的)を解決することができるのです。


登録翻訳者の人数が多ければ良い翻訳会社なのか

お客様から時折、以下のようなお話をお伺いします。

「A 社さんは、翻訳者が1万人もいるんだって」

「B 社さんは、全部で翻訳者 5万人もいるって書いてあるよ」

このようなお話をお聞きするたびに、毎回ご説明を差し上げておりますが、今回はこのテーマについて考えてみたいと思います。

多くの翻訳会社がフリーランス翻訳者の登録で成り立っている

まずはじめに、多くの翻訳会社は、フリーランス翻訳者を登録することによって実際の翻訳作業を賄っています。稀に社内翻訳者を抱えることで、社内で翻訳作業を行なっているケースもあります。彼らは「インハウストランスレーター」と呼ばれたりもします。

翻訳会社から見た場合、社外の登録翻訳者のコントロール、いわゆる「リソースマネジメント」が重要になります。

これは翻訳業界だけではなく、制作会社ならフリーのエンジニアやデザイナー、出版社ならライターといった職種と共通事項がありますので、何も特別なことではありません。

繰り返しになりますが、このように、多くの翻訳会社はフリーランスの翻訳者に登録してもらうことによって、クライアントから依頼された実際の翻訳作業をこなすことができます。

また翻訳業界全体や翻訳会社の基本的な機能については以下の記事をご覧ください。

翻訳業界と翻訳会社

フリーランス翻訳者として必要なもの

さて、今度は翻訳者の立場から考えてみましょう。

「フリーランスとして生きていく」という選択をした場合、翻訳作業だけでなく翻訳会社への営業やマーケティングも必要です。またコスト管理も外せません。確定申告なども年に1回発生しますから、経費精算など日々の地味な作業も発生します。

また「自分」を商品として考えた時に、「誰に対して、いくらで、何を、どのくらい売るのか」ということを様々な角度から検証していかなくてはなりません。

これも翻訳者だけが特別なのではなく、フリーランス全般に言えることなので、特に珍しいことではありません。むしろ誰もが理解していることです。(理解していなければフリーランスは向かないでしょう)

これらは自分を「会社」として考えれば、すべて必要なことです。そしてこの責任があるからこそ、同等の自由があると言えます。

フリーランス翻訳者は 1社のみ取引をするのか、複数社との取引なのか

この自由と責任が一体となっているフリーランスですが、本テーマに沿って考えていくと、フリーランス翻訳者にとっては特定の翻訳会社とだけ付き合っていく方がいいのか、もしくは複数社と付き合っていけばいいのかという疑問が浮上します。

こちらの回答としては、正解はありません。

なぜなら個々人のフリーランスとしての矜持やフリーランスとしてのそれぞれの戦略、方向性によって答えは変わってくるためです。自分が思うようにやるしかないのであり、そこにも自由と責任があります。

しかしながら、一般論として論じるのであれば、複数の翻訳会社と取引や口座を持っておく方が毎月の売上(収入)のリスクヘッジにはなります。逆に、年間契約のように1社専属で取引ができる状態で、かつそれがずっと継続する保証があるなら、登録するのは1社だけで問題ありません。

とはいえ、万物は流転します。この世に変化がないものはありません。企業は生き物である以上、必ず良い時も悪い時もあります。そう捉えた時には、やはり複数の翻訳会社に登録しておくことで、A 社から仕事がないときには、B社でフォローするというのは通常の考え方ではないかと思われます。

※ここでは「フリーランス翻訳者としてどう振る舞うのか」がテーマではないので詳細は割愛します。

つまりここから分かることは、(一般的に)フリーランス翻訳者は複数の翻訳会社と取引をしている実態が間違いなく存在するということです。

もし「登録翻訳者 100万人」と「登録翻訳者 100人」という翻訳会社があるとすれば、どちらが良い翻訳会社なのか?

さて、この事実を直視し、冒頭のフレーズに戻ります。

例えば、これは極端な例ですが「弊社は翻訳者が100万人います」と言うのと、「弊社は翻訳者が100人います」という言葉では、実際の業務にどのくらいの違いがあるのでしょうか?

そして、一体どちらが良い翻訳会社なのでしょうか?

もちろん単純に「数」という点で考えれば、100万人の登録翻訳者がいる翻訳会社の方が良いのでしょう。ただこれは完全に片手落ちの状態です。

なぜなら「100万人の翻訳者に常時仕事を発注しているわけではない」からです。100万人のうち、その案件に見合った人、クライアントの指名の人、継続案件の人など仕事にも様々な状態があるからです。

仮に、まんべんなく100万人分の仕事を継続して発注できる/しているという翻訳会社があるとすれば、それはかなり優秀だと言えますし、そういう会社は世界を見渡せばあるのかもしれません。

とはいえ、翻訳産業は 100% 受注産業です。そのため、まず初めに仕事が発生しなければ、翻訳の仕事のオーダーはありません。ということは、クライアントの市場規模や趨勢、世の中の流れなどによって常に翻訳ニーズは変動しているということです。多い時もあれば少ない時もあるはずです。

これを裏付けるものとして、「登録はしたけれど、仕事の連絡はない」ということもあるでしょう。しかし実は、これは「翻訳会社とフリーランス翻訳者」だけでなく「1次翻訳会社と下請の翻訳会社」という関係でも同じことが起きています。

大元の翻訳会社からすれば、「(受注産業なので)いつ大型案件が発生するか分からない。だから翻訳会社の登録だけ増やして済ませておく方がいい」という判断でしょう。ビジネスとしては当然のことです。

そしてこの構図がフリーランスの翻訳者に対してもあてはまるのは何ら不思議ではありません。

また、どんな仕事でも同じですが、同じやり方で何年も仕事を続けられるような甘い世界はありません。常に改善し効率を上げていかなければならないのです。職人の世界でさえ、外側からは目に見えない小さな変化や改善を加えているのです。

逆に言えば、これら大小の変化がテクノロジーの発展やイノベーションを支えているわけであり、より良い世界の実現へ向かう原動力とも言えます。

翻訳業界でいえば、AI を代表とする機械翻訳、MLV などのグローバル企業の参入など驚くほどのスピードで様々なビジネスモデルとテクノロジーが参入しています。

様々な参入者、そして今後翻訳サービスはどうなるのかについて以下の記事をご覧ください。

翻訳の功と罪

マクロ的視点でもミクロ的な視点でも、変化は常に起きています。それを忘れてはなりません。

こう考えると、本当の意味で、「100万人の登録翻訳者のいる翻訳会社」と「100人の登録翻訳者のいる翻訳会社」とではどちらが良い翻訳会社なのでしょうか?

一概に、100万人のフリーランス翻訳者がいる会社とは言い切れなくなってくるのではないでしょうか。

結局、身の丈に合ったビジネスしかできない

そうなると、大切なのは登録人数ではありません。

発注側として、もし人数で判断しなければならないのであれば、登録されている翻訳者のうち「週ごと、月ごとなどでどのくらいの人数が実際に稼働しているのか」を確認したほうがよいでしょう。

これは翻訳会社側としての方針となりますが、結局、どれだけ大きく見せようとしても、実態がかい離してしまうとあまり説得力が無くなってしまうわけで、身の丈に合った形で、少しずつでもきちんと登録翻訳者を増やし、得意分野を伸ばしていくしかありません。そしてそれはとても地道ですが、一番の近道であると言えるでしょう。

もちろん、今大手と呼ばれる翻訳会社は、こういうプロセスをコツコツと大胆に進めてきたからこそ、今の形になっていると推測しますし、翻って弊社も見習っていかなくてはなりません。

まとめ

いかがでしょうか。実際のところ、どの産業でも戦略上、数で勝負しなければならないステージは存在しますし、ある一定の数を超えていなければ、勝負にすらならない(土俵に上がることもできない)という事実も一方であります。

また「沢山いる/あることはイイことだ」という、ある種の固定概念に縛られてしまっているケースもあります。「どんなに実力があっても数人ではこなせない」という側面もあるでしょう。ですから、すべてがこうだとは言いにくいのですが、今回のテーマに限っては、翻訳会社が単純に「数」だけを全面に押し出してくるケースがあること、また発注側としてはそれをそのまま真に受けてしまうことにはリスクが伴うということです。

「質と量のバランス」こそが最も大切なのだと言えるでしょう。

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いま、求められる翻訳、ローカライズサービスとは

いま、求められる翻訳、ローカライズサービスとは

いま、求められる翻訳、ローカライズ(日本語化/多言語化)サービスとは

翻訳会社や翻訳エージェント、ローカライズベンダーが溢れる中、貴社にとって最適な翻訳会社を選ぶことはもちろん重要ですが、最近ではそれだけでは通用しないようになってきています。
そこでこの機会に真の翻訳・ローカライズ サービスとはどういうものなのか、改めて考えてみてはいかがでしょうか。

学習能力を持つ翻訳会社、翻訳エージェント

今までの翻訳(産業翻訳)の定義では、

「翻訳とは、原文に忠実に翻訳すること」

というルールを持っていましたが、最近ではそれに加えてプラスアルファとしての付加価値を求めるお客様が多くなってきています。

例えば、英語から日本語への翻訳やローカライズの場合で考えてみると

・日本語訳だけを読んで、日本語のドキュメントとしてきちんと成立しているかどうか

・繰り返し仕事をしていく中で、お客様ごとにフィットした翻訳を作り、品質を向上させることができるかどうか

などがあげられます。

つまり、「英語をそばにおいておかないと日本語訳として成立しない」訳文ではもはや通用しなくなってきているということです。特に専門用語が頻繁に出現し直訳を好むマニュアルよりも、カタログやプレスリリース、ブローシャなどのマーケティングマテリアル(販促資料)の翻訳のケースで上記の例は多く見受けられます。

翻訳会社にとって、完全に意訳することは産業翻訳のルールから大きく逸脱してしまいますが、プラスアルファの機能を持つ翻訳会社でなければ、お客様の高度な要求に応える事ができなくなってくるでしょう。

また、学習能力を持っている翻訳会社は、日々進化しています。 お客様の要求に応えるための努力をしているからです。

スタッフひとりひとりのモチベーションがとても高いため、貴社にフィットしたサービスをより的確に提供できるようになります。 「役に立ちたい」「喜んでもらいたい」という気持ちの中から、貴社だけのご提案やアイデアを生み出し、ご提供することが可能なのです。

確かに、翻訳やローカライズそのものは地味な仕事かも知れません。
しかし、その経験の積み重ねを続けることが、お客様からの信用を得ることを知っています。訳文の品質を上げていく継続的な努力は、翻訳会社として当然であり、厳選された翻訳者と共に歩む翻訳会社こそ、次世代の翻訳会社と言えます。

このような翻訳会社とビジネスを進めることは、貴社のさらなる発展にも大きく貢献するでしょう。

安心できる翻訳会社、翻訳エージェント、ローカライズベンダー

貴社の好みに翻訳品質をフィットさせていく、というのは何も訳文に限ったことではありません。「サービス」の定義は広く、会社組織全体としての対応も非常に重要な要素の 1 つであると言えます。

例えば、各個人の社員によって対応がバラバラであれば、それは貴社にとって不安要素以外の何者でもありません。組織レベルでのホスピタリティが無ければ、サービス業としては不完全なものと言わざるを得ません。

では、安心できる会社の対応はどうでしょうか。 全てのスタッフが、その企業理念を共有し生き生きと働いています。 お客様の為になることを考え、行動しています。時にはミスをすることもありますが、スタッフ同士がフォローし合います。 本当にお客様のためを思うなら、お客様にアドバイスをすることもあります。 言われたことをきちんとやるのは当然です。常に、それ以上の付加価値を提供しようと考えているからです。

こういった翻訳会社は明るい雰囲気があります。自然にパートナーも協力してくれますし、一体感の中でお客様に対して最高のサービスを提供することが可能です。杓子定規だけではなく、柔軟性を兼ね備えているからこそできるのです。

このような翻訳会社、いえ、ローカライズベンダーや外注業者に出会えたらいいと思いませんか? 一流レストランや一流ホテルのサービスレベルを実現しようとしている翻訳会社こそ、安心できる翻訳会社であると言えます。ローカライズベンダーという位置づけではなく、パートナーとしてのポジション、関係性です。

いかがでしょうか。このように納品されるまでは目に見えない翻訳・ローカライズというサービスは、翻訳品質だけ、翻訳価格だけという基準で選択し判断することが非常に難しいサービスであると言えます。

そのために、「最適なバランスであるかどうか、納得できる結果を得られるのかどうか」をイメージし、判断する必要があるのです。

トライベクトルの翻訳・ローカライズ サービス

はじめて翻訳やローカライズをアウトソースする場合には、何を基準に選んだらいいのか分かりません。

・「マニュアル、取扱説明書を翻訳したいんだけど・・・」

・「ウチの分野の翻訳はできるのだろうか」

・「このソフトウェアをローカライズしたいんだけど、どこに頼めばいいのかな?」

・「本社の Webサイト(ホームページ)をローカライズして更新、管理していきたいのだができるだろうか?」

・「PDF ファイルしか手元にないんだけど・・・・」

 など、翻訳やローカライズといったサービスに色々な疑問をお持ちではないでしょうか。これらのご不安を少しでも解消していただくため、弊社では無料小冊子『翻訳会社の正しい選び方~損せず得とる 5 つの秘訣~』をプレゼントしております。ご希望の方は、お気軽にお申し込みください。


翻訳、ローカライズ用語集

専門用語の意味と定義を正しく知ることの大切さ

ここでは、翻訳業界や翻訳会社、またローカライズ業界で一般的に使用されている専門用語についてご説明します。用語の意味を正しく知ることは、ご発注時にも、また翻訳会社との交渉時にも大変重要な役割を果たしてくれます。特に言葉の意味と定義について、それぞれすり合わせておかないと、同じ言葉でも違う解釈をされてしまうためトラブルの元となりかねません。そういったことを避けるためにも、翻訳・ローカライズ業界における用語の意味をきちんと理解しておきましょう。

映像翻訳(えいぞうほんやく)

映画、DVD や CD、ビデオといったエンタテイメント性の高いジャンルの翻訳を行う。通常、産業翻訳や出版翻訳とは一線を画しており、映像翻訳専門の翻訳会社が存在する。字幕翻訳とも呼ばれる。

エージェント(えーじぇんと)

いわゆる代理店だが翻訳会社とほぼ同義で使用されることが多い。一般的な翻訳会社の社内機能は、翻訳者はフリーランスとして登録してもらい、翻訳・ローカライズ作業前後に発生するマネジメント機能が中心となっている。 高品質の翻訳に仕上げ、顧客向けに翻訳・ローカライズサービスを提供する。

営業(えいぎょう)

翻訳の仕事を獲得するための重要なポジション。Webサイト(ホームページ)が営業マンの代わりとなっていることも多いが BtoB ではまだ対面での営業は捨てきれず、クライアントの重要な窓口として多岐に渡る翻訳・ローカライズの知識と交渉力が必要となる。

オペレーター(おぺれーたー)

翻訳作業後のレイアウト作業(体裁を整える作業)を行う。DTP と呼ばれる、FrameMaker(フレームメーカー)や InDesign(インデザイン)といったアプリケーションの知識に長けたスタッフが、翻訳者によって翻訳された訳文を元のデータに流し込み、体裁を整える。その後印刷工程に進むこともある。

機械翻訳(きかいほんやく)

人間が翻訳するのではなく、ソフトウェアが訳文を生成する。TRADOS(トラドス)などの翻訳支援ツールとは異なる。近年では、機械翻訳で訳文を作成し、それを翻訳者が編集する(ポストエディット)ような流れもある。自動翻訳と同義。

機械翻訳(自動翻訳)と翻訳支援ツール

 

キャプション(きゃぷしょん)

マニュアルや取扱説明書などのドキュメント中で、UI、スクリーンショット、図や画像の下にある説明文のこと。

グロッサリー(ぐろっさりー)

用語集、ターミノロジーの別名。ほぼ同義で使用される。翻訳・ローカライズ作業時に使用する大変重要な資料。元の言語と訳語がセットになっている。翻訳品質管理に欠かせないものであり、クライアント個別の用語の使い方が掲載されているため、翻訳会社、翻訳者はそれに準拠しなければならない。

校正(こうせい)

翻訳または DTP レイアウト作業などが指示通りに進められているかを確認すること。主にクライアントからのフィードバックがきちんと修正、反映されているかどうかを確認すること。英文の校正とは異なる。

 

ネイティブチェック

 

コーディネーター(こーでぃねーたー)

翻訳コーディネーター。翻訳会社に必要なポジションであり翻訳会社の要。主に登録翻訳者の窓口として、スケジュール管理からコスト管理、ときには品質管理、プロジェクト管理までを担当する。翻訳業界では様々な場面で中心となる役割。

コールアウト(こーるあうと)

マニュアル本文などでは図やイラストがあるが、そこから引き出されている線を指す。翻訳では、引き出し線に付随するテキストを対象として翻訳することが多い。

産業翻訳(さんぎょうほんやく)

あらゆる産業で発生するドキュメントを翻訳・ローカライズする。映像翻訳/字幕翻訳、出版翻訳、産業翻訳の中ではもっとも市場が大きいと言われる。ただし各分野、各ジャンルによって専門性が高いものが多いため、すべてを網羅することは難しく、各社で得意分野を持っていることが多い。

翻訳業界と翻訳会社

参考資料(さんこうしりょう)

翻訳作業にあたり参考になる資料のこと。主に原文と訳文のセットであることが多い。「どの言葉がどんな訳に変わっているのか」「どんな訳調が好まれるのか」などを確認することで、翻訳対象のドキュメントの方向性を絞ることができる。専門用語集やスタイルガイドもこの参考資料に含まれる。

翻訳に役に立つ参考資料とは

 

仕上がり枚数計算(しあがりまいすうけいさん)

「翻訳された後の言語で、何ページ程度に仕上がるのか」という予想計算方法。紙原稿しかなかった時代には重宝された計算方法ではあるが、現在はほとんど使用されない。原稿はすでにデータ化されていることが多く、文字数やワード数のカウントがすぐに正確に出るため、現在はほとんどが単価計算方式を採用している。

また仕上がり計算の場合には、予測に基づく計算のため、実際の仕上がった枚数に増減があることが多く、予算取りやスケジュールが決めづらいという側面も。

辞書(じしょ)

翻訳作業に必要な用語が記載されている。市販の辞書とは若干意味合いが異なる。特に顧客ごとで使い分ける必要がある用語などを記載することで、その製品特性やサービスの特長などを分かりやすく伝えることができる。用語集、ターミノロジー、グロッサリーなどと同義。

出版翻訳(しゅっぱんほんやく)

洋書(ジャンル問わず)などを日本語に翻訳し出版する。または日本語書籍を海外へ多言語に翻訳する。報酬は印税方式。また最近では日本の漫画やアニメ、ゲームといった文化(サブカルチャー)を海外へ向けて発信することも増えている。。

シングルランゲージベンダー(しんぐるらんげーじべんだー)

単数の言語を取り扱う翻訳会社やローカライズベンダーのこと。多くの翻訳会社がここに当てはまる。対して、多言語の翻訳・ローカライズサービスを行っているベンダーをマルチランゲージベンダー(MLV)と呼ぶ。

※参考:ま行の「マルチランゲージベンダー(MLV)」をご覧ください。

スタイルガイド(すたいるがいど)

翻訳やローカライズ作業時に必要なルール。主に表記ルールや訳し方などが記載されている。スタイルガイドに準拠して翻訳を進めるのも翻訳者の実力の 1 つ。大手外資系企業などから支給されるスタイルガイドはゆうに 100 ページ以上を超える場合もある。

スクリーンショット(すくりーんしょっと)

マニュアルや取扱説明書などのドキュメント内にある実際のソフトウェアの画面のこと。文字通りスクリーンショットであるため、通常はそのまま翻訳せずに使用するか、翻訳・ローカライズ後の言語に開発されたソフトウェアから同じ画面を持ってきて使用する。

多言語、他言語翻訳(たげんごほんやく)

さまざまな言語へ翻訳したりローカライズすること。日本では主に、日本語から英語、中国語(簡体字/繁体字)、韓国語、フランス語、ドイツ語、スペイン語、イタリア語などへ展開することを指す。大手企業の場合には、10言語、20言語同時展開という場合もある。

多言語翻訳

ターミノロジー(たーみのろじー)

用語集、グロッサリーの別名。ほぼ同義で使用される。

単価計算(たんかけいさん)

原文の文字数やワード数をベースに金額を算出する計算方法。英語から日本語への翻訳では英単語数(ワード数)、日本語から英語への翻訳では日本語の文字数がベースとなる。現在はほとんどの翻訳の見積もりがこの方法に基づいて計算される。

チェッカー(ちぇっかー)

翻訳者から納品された訳文をチェックする役割。誤訳、訳抜けがないか、スタイルガイドに準拠しているか、クライアントからのその他の指示に準拠しているかなどを確認する。言わば、翻訳の品質管理の最終工程にあたる。レビューアとも呼ばれる。

DTP レイアウト(でぃーてぃーぴーれいあうと)

翻訳作業後の訳文をデータに流し込んで、体裁(見た目)を整えていくこと。DeskTop Publishing の頭文字。DTP オペレーターが行う。MS-OFFICE や Adobe FrameMaker(フレームメーカー)、InDesign(インデザイン)、QuarkXpress、Illustrator、Photoshop、Robohelp、MadCap など取り扱うアプリケーションは多岐にわたる。

テクニカルライティング(てくにかるらいてぃんぐ)

原稿を作成すること。製品の技術的仕様や特長など、様々な情報を盛り込む。主にマニュアル(取扱説明書)などを作成することを指す。コピーライティングとは異なる。

テクニカルライティング

テクニカルチェック(てくにかるちぇっく)

翻訳されたマニュアルや取扱説明書の内容が技術的な側面から正しいかどうかを判断するためのチェック作業。対義語としてリンギスティックチェックがある。

ドキュメント(どきゅめんと)

マニュアル、取扱説明書、カタログ、プレスリリース、契約書などの翻訳・ローカライズ対象原稿のことを指す。Webサイトローカライズ(ホームページ翻訳)やソフトウェアローカライズの場合には、その製品やサービスそのもののことを指す。

ネイティブチェック(ねいてぃぶちぇっく)

ネイティブスピーカーによるチェック作業のこと。日本でネイティブといえば多くの場合は、日本語から英語になるため、英語圏の人を想像することが多い。プルーフリード、英文校正、英文校訂、英文校閲などもほぼ同義。英文添削は異なる。

ネイティブチェック

プロジェクトマネージャ(ぷろじぇくとまねーじゃ)

大型の翻訳・ローカライズプロジェクトや長期の翻訳・ローカライズプロジェクトを管理するマネージャ。数万円から数千万円までプロジェクトサイズは様々ではあるが、すべてをプロジェクトとして捉え、見積もりから納品までを推進する役割。

翻訳支援ツール(ほんやくしえんつーる)

翻訳者が翻訳作業を行う際に使用する。主にマニュアル翻訳やWebサイトローカライズ(ホームページ翻訳)、ホームページ翻訳では、SDL TRADOS(トラドス)をはじめとして多くの翻訳支援ツールが使用される。機械翻訳や自動翻訳とは異なる。

TRADOS によるマニュアル翻訳

翻訳者(ほんやくしゃ)

翻訳作業を行うポジション。主にフリーランスが多く、翻訳会社や翻訳エージェントに登録し、仕事を請け行う。個人(SOHO)が多く、自宅で作業を行うのが一般的。個人事業主であるため、仕事の 1 から 10 までを自分で管理していく能力が求められる。高い専門性と翻訳言語の高い表現力が求められる。花形の職業ではあるが日々の勉強も必要になる上、強い責任感と向上心等も必須。

翻訳会社(ほんやくがいしゃ)

営業スタッフ、プロジェクトマネージャ、翻訳コーディネーター、翻訳チェッカーなどで構成される。大小さまざまな翻訳会社があり、それぞれに特色がある。

翻訳業界と翻訳会社

フィードバック(ふぃーどばっく)

クライアントからの訳文への修正指示のこと。最終的にどんな訳文になったのか、どんな訳文がクライアントの好みなのかが具体的に分かる。具体的でないフィードバックの場合は、改善のための対策が打ちにくいため、翻訳の品質向上にあたって遠回りになってしまうことがある。

翻訳、ローカライズのフィードバックの重要性

フォント(ふぉんと)

文字の種類。言語が異なると同じフォントサイズでも、見た目が変わってくるため適切なフォント、適切なフォントサイズに変更する必要がある。Webサイト(ホームページ)の制作やローカライズでは、翻訳、ローカライズ後のフォントに何を選択するかでデザインにまで影響を及ぼす。フォントデザインは見過ごしがちなポイントではあるが、ユーザに与える印象が大きいため、慎重に利用する必要がある。

ページバイページ(ぺーじばいぺーじ)

DTP 作業を行う際に原文どおりのページ構成で翻訳後のドキュメントを整えること。異なる言語に翻訳されると、翻訳された文章は原文と比較して長くなる傾向にある。そのため、原文で 1 ページ目に記載されていた情報が、訳文では、1 ページ目に収まらず、2 ページ目・・・と続いてしまうことがある。この場合、最終的なページ数などもさることながら見た目も変わってしまうことがあるため、フォントや行間などの調整を行うことによって原文と同じような体裁を保つ必要がある。

ホームページの翻訳

Webサイトローカライズとも呼ぶ。ある言語で書かれた ホームページを、使用する国や地域の言語に置き換えること。またできればターゲットの国や地域の商習慣や文化、伝統を意識して設計、ローカライズすることが望ましい。

Webサイト ローカライズ

マルチランゲージベンダー(MLV)(まるちらんげーじべんだー)

シングルランゲージベンダー(SLV)の対義語。多言語の翻訳・ローカライズサービスを取り扱う。通常、各国に支社を持っており、支社同士が連携することで大規模プロジェクトを進めることができる。

※参考:さ行の「シングルランゲージベンダー(SLV)」をご覧ください。

無料翻訳トライアル(むりょうほんやくとらいある)

クライアントが翻訳会社やローカライズベンダーを選定するために行う。主に翻訳の品質を見極めるものだが、トライアル時の翻訳の品質を信じて発注先を決定するためトライアルの品質だけが高く、実際の仕事は別の翻訳者が担当するという問題も起きている。

無料翻訳トライアル

 

また、フリーランスの翻訳者が翻訳会社に登録するために実施されるトライアルも無償で行われる。

ユーザーインターフェース(UI)(ゆーざーいんたーふぇーす)

ソフトウェアやアプリなどに出現するメニュー名などのこと。ユーザビリティを考える上で、UI や UX というのは非常に重要で、使い勝手が悪かったり、直観的な操作ができないと、ユーザは離れてしまう傾向が高い。そうならないために UI を使いやすくし、また理解できるように翻訳しなければならない。

有償翻訳トライアル(ゆうしょうほんやくとらいある)

翻訳会社がそれぞれ規定する無料翻訳トライアルの規定の分量より多い場合、クライアントの了解の上、定められた範囲を有償で行うことがある。

用語集(ようごしゅう)

ターミノロジー、グロッサリーの別名。ほぼ同義で使用される。

リライト(りらいと)

翻訳作業後にさらに文章を読みやすくするため、ブラッシュアップする作業。産業翻訳の場合は原文から離れないことが大前提のルールとして存在するため、クライアント側で手を加えることが多い。

リライト・編集

リンギスティックチェック(りんぎすてぃっくちぇっく)

翻訳者より納品された翻訳の表現、表記を中心にチェックすること。テクニカルチェックが対義語。

レビューア(れびゅーあ)

チェッカーと同義語。翻訳者から納品された訳文をチェックする役割。誤訳、訳抜けがないか、スタイルガイドに準拠しているか、クライアントからのその他の指示に準拠しているかなどを確認する。翻訳・ローカライズの品質管理の最終工程。

ローカライズ、ローカリゼーション(ろーからいず、ろーかりぜーしょん)

ソフトウェアや Webサイト(ホームページ)、マニュアル、取扱説明書、オンラインヘルプなど、製品・サービスを文化・習慣を考慮に入れて現地語化を行うこと。ローカライズを行うことで各国の市場に適切に対応したマーケティング戦略を可能にする。

ローカライズとは

 

ローカライズ、ローカリゼーションベンダー(ろーからいず、ろーかりぜーしょんべんだー)

ローカライズサービスを提供する翻訳会社のこと。各国に支社を持ち、支社間で大規模プロジェクトを推進する。

ワード数

英語から日本語へ翻訳する際に、元原稿(この場合は英語)の単語数のことを指す。このワード数に基づいて翻訳の見積もり金額を算出するのが一般的。紙原稿しかない、スキャンした原稿しかない、などの場合には、従来の「仕上がり枚数計算」方式を使用するが、データが存在する場合には、ワード数を数えて算出する。

ワンソースマルチユース

1つのアプリケーションから複数の異なる使用用途に展開すること。例えば、FrameMaker(フレームメーカー)で作成されたマニュアルを翻訳し、FrameMaker(フレームメーカー)の日本語版を作るだけではなく、そこから Webworks Publisher 等で HTML 形式に変換し、さらには RoboHelp や MadCap 等でコンパイルを行い、HTML Help を作成し使用するなど、ユーザに対して様々なタッチポイントを増やすことができる。

1×1 ソリューション

Adobe Acrobat(アドビ アクロバット)

アドビシステムズ社の製品。PDF ファイル形式が閲覧可能になる。翻訳業界では、PDF 形式でのファイルのやり取りが多く、コメント機能などの多機能性によって仕事のスピードが上がる。

Adobe FrameMaker(フレームメーカー)

アドビシステムズ社の製品。翻訳業界では、主にマニュアルや取扱説明書の制作で使用されることが多い。海外本社にて FrameMaker(フレームメーカー)によって制作され、SDL TRADOS(トラドス)を併用して日本語版マニュアルを完成させるのが主流となっている。FrameMaker(フレームメーカー)では索引機能や book 機能、コンディショナルテキスト、インセットテキストなどの高機能が搭載されているため、大量のボリュームのドキュメント(特にマニュアルや取扱説明書)を制作するのに向いている。 FrameMaker(フレームメーカー)+ TRADOS(トラドス)によるマニュアル翻訳プロセスは非常に有名で一般的。

FrameMaker(フレームメーカー)の機能と特長

 

TRADOS+FrameMaker

Adobe InDesign(インデザイン)

アドビシステムズ社の製品。大量のドキュメント制作のアプリケーションは、FrameMaker(フレームメーカー)から InDesign(インデザイン) へ移行すると言われている。実際に最近では InDesign(インデザイン)で作成されているドキュメントが増加傾向にあるため、今後は InDesign(インデザイン)が中心になると予想される。

TRADOS + InDesign

Alchemy CATALYST(アルケミー カタリスト)

ローカライズツール。主に UI(ユーザインタフェース)を翻訳する際に使用する。シンプルな操作でリソースファイルのほか、様々なファイル形式に対応している。インタラクティブな操作性により直感的に使用可能だが新しいバージョンの SDL TRADOS(トラドス)等ではカタリストを使用せずに UI(ユーザインタフェース)を翻訳することもできるようになっているため、市場シェアの変化が発生している。

Arbortext EPIC(エピック)

XML エディタ。XML/SGML コンテンツを強力にサポートする。

QA(Quality Assurance)(クォリティ アシュアランス)

翻訳やローカライズの品質チェックのこと。プロジェクト単位での仕事では、品質チェック工程も重要なプロセスになる。「どうチェックするか」「何をチェックするか」「誰がチェックするか」などきちんと決定し実行することで、より高い効果を発揮する。

Madcap(マッドキャップ)

MadCap Software 社。Robohelp の開発スタッフが設計、開発。Macromedia、Adobe による Robohelp の買収の経緯から、あらたに設計された Madcap Flare は、Robohelp のプロジェクトを利用できるため、Robohelp からの移行もスムースで大変親和性も高い。

 

ヘルプファイル翻訳

RoboHelp(ロボヘルプ)

アドビシステムズ社の製品。WebHelp や HTMLHelp などの様々なヘルプファイルを作成、コンパイルすることができる。ドキュメントの翻訳に代わり、ヘルプファイルで顧客への情報提供を行う場合に適している。

ヘルプファイル翻訳

SDL TRADOS(トラドス)

TRADOS(トラドス)社が SDL 社に買収されたことにより、SDL TRADOS (トラドス)として名称が変更。翻訳業界ではデファクトスタンダードとなっている翻訳支援ツール。TRADOS(トラドス)は、FrameMaker(フレームメーカー)や InDesign(インデザイン)、Word や HTML などの様々なアプリケーションに対応している。FrameMaker(フレームメーカー)や InDesign(インデザイン)で作成されたマニュアル翻訳など、大量のボリュームを処理するときに効果を発揮する。

TRADOS によるマニュアル翻訳

SDL TRADOS(トラドス)の解析アルゴリズム

Translation Memory(トランスレーション メモリ)

TRADOS(トラドス) を使用して生成される原文と訳文がセットになって取り込まれるデータベース。バージョンアップ時に、旧版とマッチング(解析作業)させることで、流用可能なものとそうでないものに分けることができる。

TM の精度について

WebWorks Publisher(ウェブワークス パブリッシャー)

FrameMaker(フレームメーカー)形式のファイルを HTML 形式へ変換するためのツール。同一内容のドキュメントをユーザの使用用途に合わせて様々なファイル形式で提供する「ワンソース マルチユース」というコンセプトが根底に流れる。

XML(エックスエムエル)

マークアップ言語。データの構造などを記述するための言語のこと。XML 形式でのドキュメント管理も増加傾向にあり、XML ベースでの翻訳・ローカライズ対応も迫られている。


「翻訳なんて誰がやっても一緒」だが、誰もが「言葉に魂を込めている」ものを求めている

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職業に貴賎なし

「翻訳なんて、結局、誰がやっても一緒でしょ」

と、はっきりと面と向かって言われたことがあります。この発言をしたクライアントは、有名企業に勤める部長クラスの方でした。

打ち合わせの中で、金額やスケジュール、品質のバランスを一通りご説明し終わっての発言でした。

少なくとも立場的には(おそらく)現場レベルではないと思いますので、その場合は金額とスケジュールに重きが置かれます。それはとても理解できますが、ここまではっきりと、面と向かって言われるという経験は後にも先にもありませんでしたのでとてもビックリしたのを覚えています。

本来、「職業に貴賎なし」と言いますが、翻訳サービスや翻訳業界、翻訳者を下に見ているのではないかと強く感じたのも事実です。

原因は、「伝わっていない、理解されていない」こと

正直申し上げて、この方がおっしゃった発言は決して気持ちの良いものではありませんし、もっと言えば「侮辱されている」と感じたのも事実です。もちろんそのご本人にはその気はないのでしょう。もし気にかけているならこういう発言自体をしないだろうからです。

翻訳や通訳は、2カ国以上をさまざまなレベルで繋げることのできるコミュニケーションツールです。

残念ながらこういう発想を持っていないからこそ「つい」出てくる言葉だと思います。

ちなみに、その時に同席されていたのは、翻訳のことをよく知っている方(現場担当者)で、この発言の瞬間に非常に気まずい表情をしていたのも大変印象的でした。

ここで、私たちが勘違いしてはいけないのは、この部長さんが悪いかというと決してそういう訳でもないということです。

まずはじめに、この方は現場の人ではありません。マネジメントクラスの方なので、コスト管理、リソース管理、スケジュール管理といった「マネジメント」が主たる業務であり、(これは予想ですが)恐らく、翻訳会社だけでなく、さまざまな業者に対して「○○なんて誰がやっても一緒だよ」という発言をしていると思われます。もっと言えば、それは単なる口癖なのかもしれません。

ただ、こちらとしては、言われた瞬間にそこまで想像することは難しいですし、そんなに心を広く持っているわけではありません。ただ、今から考えると背景事情があるのかなと想像できるわけです。

ほかの仕事や業種は分かりませんが、殊、翻訳という仕事に関して言えば、ほとんど「知られていない」のが現状ではないでしょうか。

一般の人が「翻訳や通訳」という言葉を聞いたときに何を想像するのか

「翻訳を仕事にしています」と言えば、「すごいね~」とか「英語話せるの!」といった回答が多くなると思います。

すごいかどうかは主観なのでそれは別として、「英語が話せる」というのは翻訳とは一切関係ありません。あえて関係あるとするなら通訳でしょうか。

「翻訳力」のある翻訳者情報

揚げ足を取りたいわけではなく、つまり、翻訳はそれだけ「一般の人には知られていない」という厳然たる事実がそこにあるということです。

ですから、知らない人からすれば「翻訳なんて誰がやっても一緒」という発想になっても何ら不思議なことではありません。冒頭の発言をした人に腹を立てても仕方ないのです。

私たちは、考える基点をここに持ってくる必要があるのではないでしょうか。

「言葉に魂を込めていますよね」という言葉

また、一方でこんなことを言われたこともあります。

「翻訳って言葉に魂を込める仕事ですよね」

そう、その通り!と言いたくなる気持ちもありますが、このような発言をするのは、ほとんどの場合、翻訳のコツやツボを知っている人です。かつて翻訳業界で仕事をしていたとか、自身が翻訳者だったとか、または翻訳の担当窓口などでしょう。

現場に近い方は、自分でも翻訳したり、レビューしたりするので、翻訳という業務を(上述の部長さんのようには)バカにしません。

翻訳の難しさと面白さを知っているからです。

この方のおっしゃっていた「言葉に魂を吹き込む」というのは、とてもよい表現だと思いますし、実際、その通りだと思います。できることならこういうお客様とだけお付き合いしたいと思うのも本音ですし、こういった方がある程度の権限をお持ちの場合には、仕事が非常にやりやすくなり、結果としてかなり高品質の翻訳・通訳サービスを提供することができます。まさに Win-Win の関係を作りやすくなります。

ビジネスとして成立するのは、圧倒的に前者が多いという事実

しかしながら、決裁者が完全な理解を示してくれるということは稀です。

弊社で取り扱っている翻訳サービスはボランティアではありません。そのため「価値=価格」や「価値>価格」という式が成立しなければなりません。

ビジネスとして成立させるとき、価格や予算の決定は、先ほど登場した部長さんのような立場の方が決めることがほとんどです(現場からの進言はあるとしても決定権は現場にないことが多い)。

企業にとってはどんな仕事でもコストを下げることは至上命題です。翻訳サービスもそのひとつでしかありません。全体の中の一部なのです。

私たちが、どんなに「安かろう悪かろうだと、御社のレビューが大変になるから余計な時間がかかってしまいますよ」と言ったところで伝わりません。これらは現場レベルには理解されますが、マネジメントクラスになるとまったく異なる力学やロジックが働くことがあるため、「とにかく安く」なっていればいいということも往々にしてあります。

どんなビジネスでも「お金」は大変重要なファクターです。

そして、このことは(翻訳や通訳サービスに限らず)現実にどこでも起きていることですし、そもそも自分たちでどうにかできる問題ではありません。完全にコントロール外の出来事になります。

色々な「お客様」がいることを理解する

大切なのは「お客様」という括りでも、相手の立場によって権限が変わり、大切にするものの優先順位が変わってしまうという事実をしっかりと理解することです。

  • マネジメントレベル:コスト優先、スケジュール優先
  • 現場レベル:品質優先

上記は極端な例ですが、こういう認識を持った上で、私たちが何をすべきか、何ができるかを把握することが重要です。簡単に言えば、以下の2点に集約されるでしょう。

  1. 良い翻訳を心がけること、そしてその努力を継続すること
  2. お客様(特にマネジメントレベル)に説明を怠らないこと

 

例えば、「こんなポイントがありますよ」「このあたりに気をつけると見積金額も抑えられますよ」ときちんと価値を説明し提供することも大切です。

コンスタントに良い品質の訳文を手に入れるための 5 つのポイント

翻訳の見積もりに必要な6つのポイント

どちらか一方だけになってしまうと、文字通り、片手落ちになります。

翻訳は分かりにくい商品であるため、クライアントの理解度にも大きな差があります。それらのギャップを少しずつ埋めていくことは、とても大切な作業だと言えます。

「ウチの翻訳には間違いない」「ワタシが翻訳しているんだから高くても当然だ」というロジックは、作り手のみのロジックで、これだけでは片手落ちになってしまいます。作り手はその情熱を注ぎ続けているからこそ、そう思うのは当然ですが、買い手はそこまで含めて理解してくれることは(特にマネジメントレベルでは)ほとんどありません。

だからこそ、私たちはそのギャップを埋めていかなくてはならないのです。

「翻訳なんて誰がやっても一緒」という言葉を発する人も、結果的に「言葉に魂を込めている」という言葉に感動するのは事実ですし、それをないがしろにすることはできないはずです。

ちなみに、「言葉に魂を込めている」という人は「翻訳なんて誰がやっても一緒だ」とは言いません。

なぜなら、「翻訳」というサービスに価値を置くかどうか、またどのくらいの価値があると考えているかどうかが問われているからです。

特に、Web全盛のこの時代では、言葉の品質はダイレクトにビジネスに影響を与えることになります。SEO 然り、ライティング然り、表現が変われば相手に与える印象が大きく変わってしまうのです。

そしてこのことは決して他人事ではなく、私たちにも当てはまることですから、どうやったらより高い価値を提供できる翻訳サービスを開発できるのか、どうすれば満足度の高い通訳サービスを提供できるかといったことを常に考えなくてはならないのではないでしょうか。

そして、そういったことが業界の底上げに繋がるのではないかと感じています。

弊社も翻訳業界だけの常識にとらわれることなく、業界以外の方の理解を促すように努力をしていきたいと考えております。

そのひとつの取り組みとして翻訳者のタマゴ、翻訳者になりたい方のための「プロフェッショナル翻訳者への道」という Podcast 番組を配信していますので、ご興味があればお聞きください。

参考:Podcast「プロフェッショナル翻訳者への道」

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「翻訳なんて誰がやっても一緒だよ」と発言する人はこれからも出てくるでしょう。そしてその度に腹を立てても、否定してもあまり意味はありません。そうではなく、「翻訳サービスって言葉に魂を込める素晴らしい仕事ですよね」という人を、どうやって増やすのかを考え行動しなければならないのではないでしょうか。

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外資系企業での翻訳、ローカライズ業務の進め方

翻訳やローカライズ、通訳が存在するための絶対必要条件があります。

それは「同時に2つ以上の言語が発生しなければならない」ということです。そして伝えるものがなくてはなりません。

これはとても当たり前のことですが、実はとても重要な要素であり、これによってさまざまな思惑が引き起こされるのです。今回はそれについて解説してみます。

まずは標準的なプロセスを見てみましょう。今回は内容を分かりやすくするために以下の前提条件を設定します。

 アメリカ本社の IT 企業。従業員数 300人程度。APAC では日本とシンガポールに支社がある。

日本支社は20人~50人程度。

日本支社は立ち上げ(スタートアップ)から5年ほど経過。

日本支社の立ち上げからビジネス拡大につれて変化する翻訳、ローカライズ業務の変遷

※以下は標準的なプロセスですのであくまで大まかな流れとしてご覧ください。

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それでは順番にみていきたいと思います。

プロセス1:翻訳は各国でそれぞれ独自に対応

process1

どんな業種でもどんな企業でも同じですが、スタートアップというのはとても重要な時期であり、そこにはとてつもないパワーが必要とされます。

「企業内起業」であっても、そこに関わるスタッフは、多大なエネルギーを必要としますし、様々な決断、選択をスピーディに行っていかなくてはなりません。

仮にアメリカ本社企業が日本支社を作ろうとした場合、そこには、日本支社を管理するマネージャーの採用、市場調査、パートナーの選定、商品の輸出入、企業設立に関わる登記などの諸手続きなどなど、さまざまな準備が必要になります。

その中でもスタートアップ時からすぐに必要なのは、その国の言語への翻訳です。この例では、日本支社の立ち上げですので、日本語への翻訳が必要になります。

日本支社(まだ登記もされず支社になってもいないケースがほとんどですが)のマネージャーは、翻訳会社を選定し、発注をかけて Webサイトの翻訳やローカライズ、商品カタログや会社案内の翻訳などを行っていきます。

オーナーの権限がよほど強いプライベートカンパニーでない限り、ある程度の予算を持って翻訳やローカライズを進めていくことになります。

どんな仕事もそうですが、最初から右肩上がりに急激に日本のビジネスが立ち上がるかといえば、そういうわけではありませんので、できるだけスピーディに、できるだけリーズナブルに翻訳を行っていく必要があります。

弊社では、スタートアップ企業様とのお取引実績も豊富で、日本支社がカントリーマネージャーおひとりの時から、5人、10人、30人、50人と成長するような関係性を大切にしております。

日本ネティーザ株式会社様

F5ネットワークスジャパン株式会社様

プロセス2:翻訳やローカライズの中央集権化

process2

日本支社が立ち上がり、事業が軌道に乗り始める(売り上げが立ち始める)と、翻訳やローカライズ、通訳などの分量も増えてきます。しかしそれと同時に、本社側でも日本語をはじめとした多言語展開を行うようになってきます。同時に、質にもこだわり始める時期がやってきます。

本社サイドには、翻訳やローカライズの担当者がアサインされるようになり、一元管理体制(中央集権化)に代わります。日本支社で担当者が(ある種)自由に決断していたドキュメントの翻訳などが、すべて本社もしくは APAC を通す必要があります。

本社で承認された案件だけを翻訳していくことができます。徐々に日本支社での決裁権などが少なくなっていく状態です。

本社側としては、日本支社だけのことを考えているわけではなく、グローバルでの管理であり「多言語翻訳」という括りになるため、妥当といえば妥当な判断だと言えます。

そしてそれはやがて「中央集権化」されていくことになります。

中央集権化によって引き起こされる副作用とは

中央集権化するとたいてい問題になるのが、日本支社の担当者からの翻訳品質の低下の懸念です。それまでざっと読むだけで済んでいたレビュー作業が、中央集権化されたことにより、品質にバラツキが出たり、レビュー負荷が急激に上昇したりすることがあります。

  • 残業してレビューしなくてはならない
  • ほかの業務を後回しにしてレビューしなくてはならない

といったことが発生するのがこの時期です。

多言語翻訳を行う上で本社側の判断基準とは

一方、本社サイドではそのような状況は見えないため、多言語の一括管理を進めていくことになります。ここでは、翻訳サービス自体も、翻訳支援ツールだけではなく、機械翻訳や自動翻訳といったサービスも含めて業務フローに組み込まれていきます。

機械翻訳(自動翻訳)と翻訳支援ツール

このような様々な要素を検討しながら、多言語翻訳を行っていくわけですが、その判断の大きな基準となるのは、圧倒的に「料金」です。

どの翻訳会社に発注するかという判断は、この基準が大きな力を持っています。

それはなぜでしょうか。

答えは簡単です。欧米の企業が「日本語の品質を正しく評価することはできない」からです。

もっとも定量化され分かりやすいのは価格であり料金です。ですから、中国やインドなどのローカライザーが席巻することになります。

翻訳の功と罪

翻訳会社も、世界中に展開している MLV(Multi Language Vendor)が、多言語翻訳を一括でアメリカ本社から受注し、 自社の各国支社へ振り分けることでコストダウンを実現します。ただしその場合、必ずしもその国の言語の翻訳を、その国の翻訳者が行うとは限りません。例えば、日本語の翻訳でも、MLV の中国支社が請負い翻訳を行うことも多くあります。

それぞれのメリットとデメリット

簡単にまとめると次の表のようになります。

※これはあくまでも海外本社と日本支社のそれぞれから見た視点です。

meritdemerit

どうして日本支社は、本社に対して強く言えないケースがあるのか

これはあくまで推測でしかありませんが、全世界での売上に対しての日本支社の売上の割合が関係していると思われます。品質に難があっても本社の決定に従わなくてはならないのは、いくつか理由があります。

  1.  企業全体の売上に対しての日本支社の貢献度:ほとんど売り上げがあがっていない場合には、予算を持ってくることすら困難になります。まずはしっかりと売上を作らなければ交渉の余地も無いということです。語弊を恐れずに乱暴な言い方をすれば、「売れていればある程度強く言えることもある」ということです。実績や結果が大切というのはどの国も変わりません。
  2. 本社担当部署のダブルバイト圏への理解度:アジア圏をどの程度重視しているのか、日本のユーザの細かい要求が事実として存在していることために、ある程度の品質の日本語訳を作る必要があることを理解しているかどうかという点です。
  3. 日本の担当者の熱意:日常的にしっかりと状況をレポートし、人間関係を築いておけるかどうかは隠れたポイントでもあります。急に話が持ち上がっても相手にされないことが多いためです。これは世界共通の人間心理です。

ビジネスである以上、これは当たり前のことです。このようなパワーバランスが存在していることを前提に、どうやって翻訳やローカライズ業務を進めていくのかを考えていかなくてはなりません。

プロセス3:ユーザの指摘、担当者のレビュー負荷増大

process3

中央集権化が進み、システマチックに翻訳やローカライズを進めていくと、少しずつ綻びが出るケースがあります。それは「ユーザからの指摘やクレーム」です。

  • 日本語が分かりにくい

ユーザからのこの指摘は、シンプルではありますが、日本支社にとってはじわじわとボディブローのように効いてくることがあります。

また一方で、レビューを一生懸命に行っていても、上記の指摘やクレームが出るように、品質の向上にも限界が見えてきます。

  • レビュー負荷の増大

特に、日本の顧客(ユーザ)は品質にうるさく、それは商品そのものだけでなく、付属するドキュメントなどにも同様の質を求めることが多くあります。

様々なポイントに気を張り巡らせているにも関わらず、ユーザからのクレームが増えていくことになります。

プロセス4:日本支社への権限譲渡と品質管理

process4

プロセス3まで進むと、日本支社の担当者はこれ以上のレビュー負荷をかけるわけにはいかないとして、本社担当者に交渉を行います。

「翻訳、ローカライズの予算は日本で持つから日本の翻訳会社を使いたい」

というシンプルな動機です。

根気強く交渉を続けることで本社の担当者の理解を得ることができます。ただし、外資系企業の場合には、担当者の転職など頻繁に行われるために、運用ポリシーがせっかく決まりかけていてもひっくり返ってしまうことも往々にしてあります。

そういったリスクもありますが、それらを乗り越えてあらためて日本での翻訳、ローカライズを行うことができれば、品質的には向上すると言われており、またレビューもスムースに、ユーザへの提出もスピーディになり、顧客満足度も上昇する傾向にあります。(年単位での移行となるケースが多い)

まとめ

  • 企業ごとに、中央集権化⇔分散化のプロセスは常に変動している

中央集権化が良い、分散化が良いという二元的な結論ではありません。どちらもメリットデメリットがありますし、企業によってステータスが変わりますのでどれがベストかというのは、答えが変わってしまいます。(ただ傾向としてローカルでのコントロールのほうが柔軟性があるので運営はしやすいようです)

  • 中央集権化を体験した企業は、ローカルで翻訳をコントロールしようとする

日本支社の視点から見ると、品質が低下するのはそのまま業務に直結するのでどうしても避けたいところです。日本の市場がグローバルでの売上構成に貢献していることで発言力が強くなる(売れていなければコントロールすることはできないということ)

  • 一部の企業は、品質が耐え得るレベルにない場合には「ローカルにコントロール権が還ってくる」という現象が起き始める

翻訳やローカライズを日本支社でコントロールできるようになると、Web サイトやその他の業務も同様に交渉しやすくなります。自分たちの手元でプロジェクト管理ができれば、業務はずっと楽になります。(結果も出しやすくなります)

どの企業もビジネスを行う上での目標のひとつとして「売上の増大」「利益の確保」があります。コスト削減はとても重要な要素です。

大切なのは、コストと品質のバランスをどう取っていくのかということであり、安かろう悪かろうや、また過剰な品質は意味がありません。外資系企業の場合にはしかもこれらを二国間以上で行わなくてはならないため、非常に難しい問題であると言えますが、この大きな流れがあることを理解していれば本社との交渉なども比較的やりやすくなるのではないでしょうか。

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壁が壊れるとき

既存の枠組みが壊れていく過渡期

今回は、映像翻訳と産業(実務)翻訳との垣根が壊れつつある点について、記載したいと思います。

弊社では「テープ起こし+翻訳+字幕編集」までを一式 20,000円(税別)でご提供する字幕翻訳プラン [FUNSUB]があります。

字幕翻訳プラン FUNSUB

本プランは、大変リーズナブルであるため、海外本社で制作された動画をマーケティングツールとして、また PR やプレゼンに使用したり、展示会で流したりと様々な使い方をされていらっしゃるお客様が多くいらっしゃいます。

弊社ではこのようなニーズに数多く応えるべく「字幕翻訳プラン」をご提供しておりますが、今回はそこから得られた知見をご紹介したいと思います。

誰もが動画を撮り、編集できる時代がやってきた

Youtuber(ユーチューバー)と呼ばれる人々が徐々に増えています。自分で撮影した動画を Youtube にアップロードして閲覧者数を増やして広告収入を得るという流れが生まれつつあります。

Youtuber とは

https://ja.wikipedia.org/wiki/YouTuber

これまで、動画の撮影には高価な撮影機材や知識、優秀な撮影クルーが必要でした。そうしなければ動画や映像を撮影することなどできなかったのです。

しかし今は違います。

簡単な動画であれば携帯やスマホでも撮影ができ、そしてアプリ等で編集ができ、アップロードも可能になります。すべてが自分ひとりの「手のひらの中」で完結します。
そしてこのことは従来のビジネスを大きく変化させるほどのインパクトをもっていました。もちろん、簡単になったことによって、Youtuber という職業だけで生きていくというのは決して楽ではないということも調査の結果明らかになっています。

ユーチューバー、成功しても生活苦しい恐れ

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2018-02-28/P4UN9V6TTDSW01

個人利用から企業利用へ

このように誰もが簡単に動画を撮影できるようになると、当然それは個人レベルだけでなく企業レベルでも行われるようになります。

非常に安価な導入コストで、訴求力の高い動画を作ることができると気づいた企業は会社案内や導入事例、インタビュー、製品や商品の解説用の動画、製品の操作方法など、様々な種類の動画を作るようになりました。

動画による導入事例制作プラン

http://casestudy.trivector.co.jp/price_movie.html

具体的に考えてみましょう。

例えば、海外で撮影、制作された動画があります。
ビデオには CEO が登場し、今後の会社の戦略や方向性などを語っています。当然ながら日本支社をはじめとした各国の支社のスタッフにも同様のメッセージを届けなくてはなりません。

わずか 5分程度の動画ですが、理念の共有は非常に重要ですから、それらをしっかりと伝えなくてはなりません。さもないと、一丸となってビジネスを推進することはできないからです。しかし異なる言語のスタッフに CEO のメッセージを伝えるには、以下の 2つの方法しかありません。

  • 字幕を入れる
  • ナレーション(音声)を入れる

ビデオの内容をしっかりと理解してもらうことが目的であり、そのためには上記のいずれかの方法を選択する必要があります。

具体的には、複数の国でビジネスを展開しているなら、多言語で字幕を入れるか、または多言語でナレーションを入れることになります。(ここで弊社の字幕翻訳プランやナレーションプランをご利用いただいております。字幕翻訳プランでは、英語のみならず、中国語や韓国語の字幕編集の対応も可能になりました)

  •  字幕翻訳プランのポイント

http://www.trivector.co.jp/movie/points/

  • 字幕翻訳プランの中国語、韓国語

 http://www.trivector.co.jp/movie/service/pricelist/

こうして企業は、これらのプランを活用しながら、自社のメッセージを内外に発信していきます。

  • 字幕翻訳プラン 制作実績

https://www.trivector.co.jp/movie/result

映像翻訳と産業翻訳(実務翻訳)との融合が始まり、垣根が崩れるとき

上記にあげた例のように、一般企業が「字幕翻訳をやりたい」という流れが加速してきました。
顧客のニーズが、それまで「映像翻訳」と「産業翻訳」とを明確に分けていた垣根を崩しつつあるのです。
ところが、翻訳サービスを提供する側としては、そこだけに注目してはいけません。

「一般企業や個人が動画を自由に使えるようになってきた」という事実を見つめたときに本当に考えないといけないのは「映像翻訳」との違いを理解しておくことです。

そもそも翻訳業界は、産業翻訳、映像翻訳、出版翻訳に分けられます。

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翻訳業界と翻訳会社

映像翻訳は、字幕翻訳などとも呼ばれますが、一番わかりやすいところだと映画の翻訳が象徴的です。

例えば、日本で作られた映画を世界中の人に見てもらうために多言語翻訳を行ったり、ハリウッド映画を日本語の字幕や音声ナレーションをつけたりする仕事です。

この場合、どちらも役者の台詞の意味を考え、決められた文字数の中で表現することが求められます。文字数がオーバーしてしまえば、画面が切り替わってしまい、字幕そのものの意味がなくなってしまうためです。

産業翻訳も文字数制限がないとは言いませんが、映像翻訳の方がはるかに厳しいでしょう。これらを踏まえて、映像翻訳や字幕翻訳と呼ばれる分野と、産業翻訳や実務翻訳との「境目」はどこにあるのかを検討してみたいと思います。

一般企業の意図とは

まず初めに、この流れの中で特に注意しなければならないのは、一般企業が「字幕をつけたい」といったときに、一体どういうものを「完成品」としてイメージしているのか?ということです。

業界人であれば、「映像翻訳はこういうもの、産業翻訳はこういうもの」という括りやルールを知っているので、実はこの 2つは似て非なるものだということが分かります。ところが、クライアントはそこまで知らないことが普通です。

 「自社の動画に字幕を入れたい。きっと映画の翻訳みたいになるはずだ」

という完成イメージを持っている方が圧倒的に多いのです。(もしかしたら、翻訳関係の方もそう思う人がいるかもしれませんが・・・)

そしてこのギャップが、産業翻訳における字幕翻訳に対するクレームを生み出すことがあります。この違いを理解してもらうのはなかなか大変です。実際にはなかなかそこまで期待通りの形にはなりにくいからです。

「 映像翻訳の字幕翻訳」と「産業翻訳の字幕翻訳」の違いとは

通常、字幕翻訳といった場合、字幕は映像と一緒に表示されないといけないため、当然ながら文字数の制約を受けます。

例えば、日本語の場合、文字数制限は「1秒間に3文字~4文字以内」と言われています。

これ以上の文字数を入れて表示させたとしても、読みきれずに次の文章や画面に移ってしまうため、意味がありません。

どんなに素晴らしい文章であっても、観客に読まれなければ何も伝わりませんから、これは映画であろうが企業の紹介動画であろうが絶対のルールだと言えます。

では産業翻訳の字幕翻訳と映像翻訳の字幕翻訳では、いったい何が違うのでしょうか。

それは「求められる翻訳」です。

具体的には「もっと映画のセリフっぽく」とか「もっとこなれた日本語で」といった内容です。一般企業の担当者が上記に述べたように「映画のように翻訳される」と思っていれば当然の要求として出てくるのです。

しかし、産業翻訳(実務翻訳)では、それがなかなか難しい。

なぜ難しいのでしょうか?

誤解を恐れず言えば、映画では台詞の意味を理解して翻訳するために、情報の取捨選択を行います。そうしないと定められた文字数内に収まらないからです。
ところが企業の動画では、(勝手に)情報の取捨選択をした場合、それは「誤訳」や「訳抜け」と指摘される可能性があります。このギャップがお客様の期待を裏切ってしまうことがあります。

さらに、一般企業の作る動画というのは、映画のような作品ではありません。PR 用や説明資料のような何らかのはっきりとしたメッセージを持っているものです。映画とは違います。

つまり、その作品の意図を伝えたいわけではないので、解釈が異なり、企業ごと、担当者ごとに「訴えたいポイント」が違うことがあります。そのために(ある意味)翻訳作業時に勝手に文章を丸めたり、縮めたり、付け足したり、端折ったりすることはできません。原文にある情報を過不足なく翻訳しなければならないのです。観客の解釈に伝えたいことを委ねるということではありません。

しかし、それを知らないお客様の方が多いでしょう。

「もっと短くしてほしい」
「もっと日本語っぽくしてほしい」

こういったリクエストと実態がかけ離れてしまうのは、取り扱っているのものがあくまで産業翻訳や実務翻訳においての「字幕の翻訳」であり「字幕の編集」だからです。
お客様が想像する「字幕編集」や「字幕翻訳」は映画の字幕なのです。

ここに、「映像翻訳の字幕翻訳」と「産業翻訳の字幕翻訳」の違いが明確に出てしまいます。

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翻訳者リソースの問題

また一方で、翻訳者リソースの問題もあります。以下は、極端な例ではありますが、理解しやすくするために二分します。

  •  映像翻訳者は一般企業の求める字幕翻訳はできるのでしょうか?

映画の会話や台詞を翻訳するスキルはあっても、もし製品の紹介動画なら、専門知識が必要な場合もありますし、独自の判断で内容を端折ってもいいのでしょうか?

  • 産業翻訳者は一般企業の求める字幕翻訳はできるのでしょうか?

今度は逆に、産業翻訳者は翻訳はできても、映画や映像のように(できる限り)日本語を短く表現したり、文字数制限に対応することができるのでしょうか?

では、一般企業や個人が作成する動画に字幕をつけたいと思ったとき、どちらの翻訳者がよりスムースに対応できるのでしょうか?そもそも、そこに明確な回答はあるのでしょうか?

明確な線引きは難しいかもしれませんが、何らかの棲み分けが必要になるように思われます。

大切なことは「目的」を見失わないこと

いかがでしょうか。
これらの違いを一般企業のみならず、翻訳会社も理解しなければなりません。そして当然ながらクライアントに説明する必要があります。結局のところ、動画を使用する目的が異なるためにこのような問題が起きるのです。

映像翻訳は、作品そのものを取り扱っています。映画なら作品それ自体が一人歩きしていきます。
ですからきっちりと訳文を作り、自分たちの手を離れても誤解を生むことなく「伝わる」ものではなくてはなりません。また観客の解釈に委ねるという部分も大きいでしょう。

そのため、字幕もナレーションも同じ機能を持たなくてはなりません。

一方で、一般企業の動画は、あくまでコミュニケーションツールです。この動画そのものを販売するのではなく(そういうケースもあるかもしれませんが)、商品や製品を販売するための、または社員に大切なメッセージを伝えるための補助的なツールです。
つまり、クライアントの「ニーズありき」になるため、毎回求められる仕様もバラバラになります。

そして目的が違っていればやり方も変わりますし、リソースもプロセスも変わります。

目的を失わずに字幕翻訳を行い、字幕翻訳を行うことが大切です。

  • 映像翻訳、映画の翻訳レベルの品質を求めるのか(映像翻訳としての字幕翻訳なのか)
  • 動画を活用できるレベルの翻訳を求めるのか(産業翻訳としての字幕翻訳なのか)

これによって発注先も翻訳者リソースも変わります。大切なのは「何のためにそれをするのか」という目的を失わないことです。やみくもに映画っぽさを求めるのではなく、目的をもった動画の制作や動画の編集、字幕翻訳などを行うべきではないでしょうか。

なお、弊社ではこれまで述べてきたことをしっかりと説明し、ご理解いただいた上でご発注をいただいております。

  • 字幕翻訳プラン 制作実績

https://www.trivector.co.jp/movie/result

誤解されがちですが、産業翻訳の翻訳品質が映像翻訳より劣るとか、またはその逆があるということはありません。単純比較できないものだからこそ、お客様が勘違いされたりするので、私たちのしっかりとした説明が必要なのです。

※本記事はあくまで現時点での見解であり、ご自身の責任においてご理解ください。

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翻訳の功と罪

世の中に存在する多くの翻訳サービスから、どれを選択するか

いまや翻訳サービスは、翻訳会社だけが行なうものではありません。IT 企業が自動翻訳(機械翻訳)を開発したり、子会社を作って翻訳サービスに参入したり、外に目を向ければ、中国やインドなどの低価格の外資系ローカライザーが群れを成しています。

さらに機械翻訳の世界は日々進化しており、ちょっとした翻訳はそれで済んでしまうこともあります。Google のディープラーニング(AI)技術によって翻訳の精度が飛躍的に高まったのも記憶に新しいところです。

また学校教育や子供の頃からの教育によって英語をはじめとした母国語以外の言語スキルがアップすることで、翻訳そのもののニーズがなくなってしまうということも起きています。

そして、その波は今後もとどまることを知らないでしょう。

ナレッジベースの「機械翻訳(自動翻訳)と翻訳支援ツール」にも記載していますが、Google 翻訳をはじめとした機械翻訳は精度があがり、SDL TRADOS(トラドス)をはじめとした翻訳支援ツールはバージョンアップを繰り返しています。

このように「人の手による翻訳」以外にも多くのサービスが乱立している世界から、「自社にあったものはどれか?」を選択するのは、容易なことではありません。

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翻訳業界の変化

このように、あちこちから変化が起きている翻訳業界ではありますが、それはお客様側から見たとき、「選択肢が多すぎる」という状況とも呼ぶことができます。

そして、結果として「どれにすればいいのか分からない」という事態に陥ってしまうこともあります。それだけドラスティックに変化しているのが翻訳業界なのです。

翻訳には、資格が不要です。明日から「翻訳者をやります」といえば出来てしまう世界です。だからこそさまざまなサービスが生まれては消えていきます。

クライアントとしてどこに発注するのかは、今後も重要な判断を迫られる

弊社にお問い合わせいただくお客様にもいくつか種類があります。

  1.  純粋に専門性の高い翻訳サービスを探しているお客様(良いものを作りたいお客様)
  2.  翻訳以外の色々と手間のかかることも全部任せたいと考えているお客様
  3.  とにかく急いでいるお客様
  4.  金額の安さのみで探しているお客様
  5.  下請けとして探しているお客様(翻訳会社)

 

弊社の定義する「お客様」は、1と2(まれに3)のみです。

これは前回のアンケートにもあったように、弊社のお客様に限っては「金額、品質、納期、対応」の4つのバランスを考慮し、ご検討いただいた上でご発注いただいているからです。

ご相談内容から分かる「失敗しない翻訳サービス」とは

それ以外のお客様は、弊社の定義するお客様ではないため、仮に受注してお渡しできたとしても、クレームになったりトラブルになったりすることがあります。

十分な設計や準備なしに「お客様のご希望されるレベル」でいいものを作ることはできません。

こういったことを考えると、結果としてお互いに不幸になってしまったり、結果として余計に時間を喰ってしまったといういことになりかねません。

しかしこれはお客様が悪いのでしょうか?その答えは、NO です。その理由を説明いたします。

翻訳業界を衰退させる参入方法

どの業界も同様ですが、商品やサービスが「コモディティ化」し始めると、それらは衰退していきます。

例えば、これまで述べてきたように翻訳業界はいくつかの要素が重なり合っています。

  •  翻訳サービス経験のない企業の参入による「翻訳の理解不足によるサービスの低下」
  •  過度なグローバル化(海外ローカライズベンダーの価格の安さ、品質は不明)
  •  機械翻訳による価格破壊(ある一定層に対して)
  •  上記に影響されるため、翻訳会社の単価の下落および翻訳者への価格の圧力、そして品質の低下

何処にでも起きていることで翻訳業界だけの話ではありません。上記の流れは、ある意味ごく自然なことと言えます。

本質的な問題は上記ではなく、お客様がこの状況下において最適な選択肢を選ぶための「正しい判断基準がない」ということです。

「正しい判断基準」がないというのはどういうことか

「正しい判断基準」がないというのは、以下のような例が挙げられます。

  • マニュアルでもカタログでも契約書でもなんでも「とにかくコストを下げる」という理由で翻訳支援ツールを使う(コンテキスト=文脈などが無視され、読みやすさが失われることがある)
  • 誰が読むのか、対象読者など想定せずにドキュメントの性質を無視して翻訳を行なう
  • 自社にとっての「良い品質」がどういうものかが明確でないため、分かりやすい「価格」だけ面で翻訳会社や翻訳サービスを選んでしまう

翻訳、ローカライズの品質とは

 

このような基準で選んでしまった場合、想定していたものとは違った翻訳品質になってしまう可能性が高いです。

そして、毎回同じように発注することで、どんどん不満が増えていくことになります。

誤解されるかもしれませんが、これは「お客様が悪い」のではなく「翻訳業界が悪い」のだと考えます。

賛否両論ありますが、「自分たちの仕事は専門性が高く、高度な仕事なのだ」という価値観から、昔ながらの「翻訳家の先生」といった風潮が残っていることは完全に否定できません。(今はほとんど見かけなくなりましたが)

それは作り手のプライドであり、失ってはならないものですが、しかし一方でそれだけではいけないというのも事実です。

専門性の高い仕事であれば、そこに対してのフィーはもちろん正当でなければなりません。しかし、それをお客様に理解してもらうには、その理由をしっかりと「説明する責任」もまたあるのではないでしょうか。

翻訳はたしかに「職人的な世界」ではありますが、ある種、そこにとどまってしまった時代があったからこそ、IT企業の翻訳サービスやクラウドサービス、機械翻訳などが入る余地があったのではないでしょうか。

いや、とどまらなかったとしてもこれらのサービスは参入したでしょう。しかし、その参入の仕方は少し違っていたのではないかと思います。

安さだけで参入できる業界は、それを意識しすぎてしまうと、自分たちの存在価値を見失ってしまいます。当たり前の話です。

自分たちが、「翻訳という仕事を通じて何を伝えていきたいのか」を考えたとき、その「想い」を捨ててしまうと価格競争に巻き込まれたり、仕事が取れなくなるため、自ら「専門性の高い」はずの「翻訳の価値」を下げてしまっているのだと思います。

そしてそれは結果として、市場のコモディティ化を生み出し、お客様側も正しい判断基準を持つことができずに金額のみで判断したり・・・というスパイラルを作っているのではないでしょうか。

大切なのは「翻訳の基準」を作ることであり、翻訳業界全体の「ものさし」を持つことこそ、これからさらに迫りくる機械翻訳や翻訳支援ツールの進歩、海外ベンダーとの競争、そしてお客様の多様な判断基準や求める品質に光を当てることではないでしょうか。

翻訳や通訳は、世界に橋を架けるための大変素晴らしいコミュニケーションツールです。

海外にしかないドキュメントを英語の読めない日本人に紹介し、その書物を読んだ読者に感動や知己を得たり、日本の素晴らしい「Made in Japan」製品が海外に渡り、海外ユーザーが満足し、生活が豊かになるのは、翻訳をはじめとしたコミュニケーションサービスがなければ起きないものです。

だからこそ、その思いをしっかりとお客様に説明し、ご理解いただき、ドキュメントの用途やお客様の諸条件とつき合わせ、ビジネスとしてきちんと推進することが本当に大切なことではないかと考えています。

コミュニケーションを提供する企業が、お客様とのコミュニケーションを端折ったり、怠ったりしてはならないのです。

しっかりコミュニケーションをとることによって、翻訳サービスの価値を認めていただき、そのサービスをご利用いただければ、お客様だけでなく、その先のお客様にも、そして私たち翻訳会社も、そしてもちろん翻訳者も満足度が高くなるのではないでしょうか。

翻って、弊社は何が出来るのか。弊社の経営理念に基づいたコミュニケーションサービスのひとつである翻訳サービスやローカライズサービスに付加価値を与え、お客様のご満足を引き出し、より一層高いレベルへ向かうことができるのではないかと考えています。

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