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多言語翻訳を行う際に抑えておきたい言語の選び方

日本企業が海外進出する際やインバウンド対応の一貫として多言語対応することは、今の時代、当たり前のことです。

ただお客様によっては、よくよく聞くと「多言語翻訳しなければならない」というだけで、弊社でも、具体的に「どうやったらいいか分からない」「そもそも何語から翻訳すべきなのか?」というご相談を受けるのも事実です。

そこで今回は、多言語翻訳、多言語での展開をしなければならないとき、何語を選択すべきなのか考え方のひとつをご紹介します。

貴社の多言語翻訳の目的とは何か

そもそも論になりますが、貴社が多言語翻訳を行う目的は何でしょうか?何のために多言語に翻訳するのでしょうか?

それはお客様ごとに異なっているはずですし、違っていないとおかしいですよね。選択した言語が結果として同じだったとしても、そこに至る思考プロセスは違っているのは当然です。

分かりやすい例で言うと、中国に進出すると分かっているのに「最初はタイ語に翻訳する」という選択はあり得ません。

もっと言えば、「そもそも翻訳する必要って本当にあるの?」という点も見落としがちです。(翻訳会社がこんなことを言ってはいけないのかもしれませんが)「それって、翻訳いらないよね?」というドキュメントや「テキストは辞めて、サインやピクトグラムなどのビジュアルにした方がいいんじゃない?」ということもあるはずです。

つまり、

  • そもそも本当に翻訳する必要があるのか(目的を明確にする)
  • するとしたら、なぜその言語に翻訳するのか(目的を達成するための手段)

という点は、一番に抑えておきたいポイントです。

貴社のプロダクトやサービスは、「誰の」「どんな課題」を解決するのか

翻訳とは少しずれてしまいますが、この視点も外せません。

貴社の製品やサービスが、その国の「誰」に向けて作られたものなのか、そして「彼らの持つ課題や悩みを解決してくれるのか」という点を考え抜く必要があります。

これが明確でなければ、どんなに翻訳が素晴らしくても売れるということはないでしょう。

例えば、骨折しているのに、風邪薬を処方されても意味がないのと同じですね。

そして、これらがハッキリしていないと翻訳にも支障が出てしまいます。なぜなら「対象読者も分からない」「サービスの特長も無い」ような文章は、それなりの文章にしかならなず、結果として誰に向けての翻訳なのか分からなくなり、何の効果も得られなくなります。この部分は翻訳そのものとは直接的には関係しませんが、間接的には大変重要ですので押さえておきたいところです。

世界の言語数とマーケットの把握

さて次は、マクロ的な視点からマーケットを理解します。この世界にどのくらいの言語数があるのかをご存知でしょうか。

Ethnologue によると、その数なんと「7,111言語」だそうです。

https://www.ethnologue.com/

これだけの言語があるとはいえ、少数の話者しかいない言語も多く、実際には統廃合が繰りかえされるそうですから、言語を維持していくというのは並大抵のことではありません。

しかもそれらを使う人がいなければ始まらないわけです。

その上で「自社製品やサービスをどこに打ち出していくのか」と合わせて知っておかなければなりません。

どのマーケットが向いているのかを決める際に、他社の事例や海外進出コンサルタントなど、プロフェッショナルにアドバイスを受けながら進めることもあるでしょうし、自社のスタッフが現地調査を行うこともあるでしょう。

いずれにせよ、ある程度のコストをかける以上は、マーケット調査は必要です。

「マーケットイン」か、「プロダクトアウト」か

製品やサービス開発でも同様ですが、「他の国で売れる=社会的に役に立つ」という点から考えた時、2つの視点があります。それがマーケットインとプロダクトアウトという考え方です。

Wikipedia プロダクトアウト/マーケットイン

https://ja.wikipedia.org/wiki/プロダクトアウト/マーケットイン

それぞれ正しい考え方ですので、どちらが自社に合っているのかを詳細に検討していきましょう。

人口だけで決めていいのか?それともプロダクトのコンセプトから考えるべきか?

一般的には「マーケットイン」と「プロダクトアウト」マーケティングのセオリーで行くなら、マーケットインの方が成功しやすい(=失敗しにくい)と言えます。

ニーズを捉え、そのニーズを満たすためのプロダクトやサービスを提供することができるためです。

ただ、iPhone が初めて登場した時のような、「ユーザも自覚していないニーズ」=「潜在ニーズ」を満たすようなイノベーティブな製品やサービスは生まれにくいと言えます。

また、世界的に見ると人口は増加していますが、その国の経済成長性や IT リテラシーなどの教育普及率などは国ごとに違うので、より重要な指標となるでしょう。人口が多いだけで、IT が生活に入り込んでいなければ、そもそも製品やサービスを使ってもらえない(使える環境がない)ということもあるからです。

例えば、何らかのアプリを多言語翻訳して世界展開をすると想定したとき、

  • メジャーな言語、かつその言語の話者が多いこと
  • IT リテラシーが高いこと
  • スマートフォンの普及率が高いこと
  • マーケットが成長していること

などがあるとすれば、どのように優先順位をつければいいのでしょうか。

これは、母数が多ければダウンロードは増えるだろうということなのか、このアプリは○○というコンセプトなのだから IT リテラシーが高くないといけないということなのか、というように抑えておくべきポイントが変わってくるはずです。

これらを考えずに、むやみにテストを繰り返してもあまり効果は出ないでしょう。

ペルソナの設定

マーケットがハッキリしたらそこに生活するユーザのペルソナを設定しましょう。ペルソナ設定は多言語翻訳をする上で大いに関係があります。

対象読者を設定していない翻訳は、誰に読んでほしいのか、使ってほしいのかが分からないままになってしまうので、せっかく訳文を作っても効果が半減してしまうといっても過言ではないでしょう。

極端な例を出すと、エンドユーザ(男性、50代、患者)に読んでほしい医療についてのサービスなのに、お医者さんにしか分からないような専門用語のオンパレードだと理解されません。読者は医者ではなく患者だからです。

サービスでも製品でも「誰に売るのか」を考えるのは基本です。これは冒頭の「誰の」悩みを解決するサービスや製品なのかと表裏一体のはずです。

そのため、この時点でペルソナが設定できないということはないでしょう。分かり切っていても、共通認識として言語化しておきましょう。アウトソーシングや社内の共通認識などで必要になるためです。

言語の選定と優先度(タイミング)

マーケットもペルソナも設定できたらどの言語に翻訳すべきかというのは決まったも同然です。ここはそれほど悩むべきポイントではありません。

どちらかと言えば、複数言語(多言語)の場合には「どの順番で翻訳して、対象マーケットのペルソナに対して製品やサービスを投入していくか」の方が重要ということです。

これは弊社のお客様でも色々とお悩みいただくところで、「これが正解!」というものはありません。プロダクトの性質やサービスのビジネスモデルによって異なるでしょうし、マネタイズの方法によっても異なるでしょう。

ただし、これらの要素を検討しすぎると複雑化してしまい、逆に動けなくなってしまうため、その時点で最良と思われる言語に展開するしかありません。誰も未来のことは分からないからです。高速で PDCA を回す方が結果としてうまく行くというのは事実でしょう。

「その時と思った時がそのタイミング」なのです。

元の言語は何語がいいのか?英語から?日本語から?

では、誰に何を売るのか明確になったとします。次に考えるのは、ターゲット言語ではなくソース言語(元の言語)です。

弊社にご依頼いただくお仕事の多くが、通常は日本語で開発されることが多いですから、日本語から外国語に翻訳するというのが一般的です。ゲームにしてもアプリにしても、日本語から行っているハズです。

もちろんそれでも問題はないですが、稀に、英語からヨーロッパ言語への翻訳など、別の言語(多いのは英語)を起点にするというプロセスもあります。

これには様々な理由がありますが、ひとつには文法構造の問題があります。英語の文法構造と、ヨーロッパ言語の文法構造が似ているから翻訳しやすかったりするためです。

また、文法だけでなく単語のルーツや発音も似ていることもあるので、意味を想像しやすいこともあるでしょう。

さらには、日本語からヨーロッパ言語へ翻訳できるネイティブ翻訳者は少ないが英語からだったら対応可能な翻訳者の数が多くなるというキャパシティ上のメリットもあるかもしれません。(ここは各翻訳会社によって異なります)

いずれにしても、どの言語から多言語翻訳するのかは、スケジュールや金額にも密接にかかわってくるため、慎重に検討すべきです。

 

多言語翻訳

 

またゲームアプリなどの場合、それらの持つ「世界観」やシナリオの重要度というのは、コンテンツの中核を成していますので、決して品質をおろそかにしないように注意が必要です。世界観を理解していない翻訳者や、社内スタッフで作業してしまったりすると、ユーザーからクレームが入ったり、不自然な表現が多くなり、ゲームそのものを楽しめなかったりします。

 

翻訳における「ゲームの世界観」をどう表現するのか問題

 

結果として販売も伸びず・・・というのもよく聞く話です。

スケジュールと品質の兼ね合いにはなりますが、「ペルソナがそれで納得して楽しめるのか?」「ペルソナの役に立てるのか?」という視点は忘れたくないものです。

何でもかんでもお金をかければいいというわけではありませんが、最も重要なユーザとのコンタクトポイントはどこか?と想像したとき、少なくとも翻訳はそのひとつに入ってくるのではないでしょうか。

まとめ

このように、実は多言語翻訳を行う際には、それ以前に検討しなくてはならない点が数多く存在し、しかもそちらの方がより重要であることも多いのです。

逆に、すでにターゲット言語が決まっている場合には、その言語の品質をどう担保するのか(品質プロセス)や金額、スケジュールといったより具体的なポイントを精査していくことができます。

ぜひ今回のポイントを抑えていただき、成果の出せる多言語翻訳を行っていただければと思います。


翻訳における「ゲームの世界観」をどう表現するのか問題

弊社では、ゲームアプリ等の翻訳サービスも行っておりますが、その翻訳プロセスの中でも非常に重要になるのが「世界観」です。

この「世界観」を多面的に、且つ深く理解しないと「お客様が本当に望む品質」を作ることが難しいと考えています。

そこで今回はこの「ゲームの世界観」というテーマを、翻訳という側面から考察したいと思います。

ご依頼時に多い「世界観」の翻訳やリライト作業

冒頭でお伝えした通り、まずゲーム開発会社のお客様とお話しすると、必ずと言っていいほど出てくるフレーズがこの「世界観」というキーワードです。お客様からはこのようなご相談があります。

「今回のゲームアプリの世界観を踏まえて翻訳してほしい」

「自社スタッフが翻訳したが、ゲームの世界観を理解した上で文章をブラッシュアップしてほしい、リライトしてほしい」

お客様のおっしゃっている「世界観」とはいったい何のことを指しているのでしょうか?

これはゲーム業界共通の用語で、誰もが同じ意味で使っているのでしょうか?それとも会社ごとに違うのでしょうか?そして翻訳会社としてどう受け止めるべきキーワードなのでしょうか?

これを理解しないと、本当の意味で、上記のお客様のご要望に対応することができません。

「ゲームの世界観」とは何か

「世界観」という言葉を検索するとこのような説明があります。

Wikipedia:世界観

世界観(せかいかん、Weltanschauung)とは、世界を全体として意味づける見方[1]・考え方のことである。人生観より広い範囲を包含する[1]。単なる知的な理解にとどまらず、より情意的な評価を含むものである[1]。情意的な面、主体的な契機が重要視される[2]

この説明ですと仰々しい側面は否定できません。いささか哲学的です。しかしどうやら「ゲームの世界観」という言葉を理解するには、これだけだと完全にマッチしないようです。

次に「ゲームの世界観」で検索した場合、以下のようなサイトが表示されます。

ここでは、「コンセプトアート」というキーワードも登場します。

Togetter:「ゲーム性」と「世界観」、重要なのはどっち?

https://togetter.com/li/133180

こちらは、世界観そのものの説明ではありませんが、「ゲーム性」という点もポイントだと述べています。確かにそうですね。

ここで改めて考えてみましょう。

一体、お客様はどういった意味で「世界観」という言葉を使っているのでしょうか?

色々なサイトを見てみても、どうやら「世界観というのはこういうことだ」という明確な答えは無いようです。

そうではなく、どちらかというと、「世界観」とはこういうものだと断定するのではなく、多くの要素が集まった集合体が「世界」を作っていると考える方がしっくりきます。

それらひとつひとつの要素がそれぞれ相互にどのように作用し合うかという部分で、求めるべき「世界観」が決まるのではないでしょうか。

例えば、以下のような要素です。

これらを無限に組み合わせていくことで独特の世界は生まれます。そしてその世界を見て、どう感じるか/どう感じてもらいたいかが「世界観」なのではないでしょうか。

ということは、Wikipedia にも記載されているやや哲学的な「情意的な面、主体的な契機が重要視される」という部分も間違っていないということになります。

つまり言い換えると、世界観というのは、実際には明確な定義がなく、「主観的な感覚が優先されるもの」だということです。人々がまたはそのゲームタイトルを見た時、デザインを見た時、そのゲームのストーリーやキャラクターをプレイしてみた時に認知する「感覚」だということです。

なお、「世界観」の「観」とは「観念」のことですが、この「観念」というのは哲学用語です。

https://ja.wikipedia.org/wiki/観念

観念(かんねん、英: idea、希: ιδέα)は、プラトンに由来する語「イデア」の近世哲学以降の用法に対する訳語で、何かあるものに関するひとまとまりの意識内容のこと。元来は仏教用語。

 

Weblio 観念(かんねん)とは何?

https://www.weblio.jp/content/観念

人間が意識の対象についてもつ、主観的な像。表象。心理学的には、具体的なものがなくても、それについて心に残る印象。

このように「主観的なもの」が観念だとすれば、その「世界観」というのは、ゲームのキャラクターや彼らが存在する世界、人々の性格や特徴、法、生活などあらゆるものごとが、あるひとつの方向性でまとまった「状態」であるとも表現できます。

ただし個々人の主観だけに左右されないためのある一定の枠組みは必要であり、それこそが圧倒的に作り手のクリエイティブなアイデアが具現化していなければならない「世界」なのでしょう。

「ゲームにおける世界観」とは、つまり非常に主観的な要素を含んでいるのだと言えます。

「世界観」を踏まえた文章の翻訳やリライト

では、これらを踏まえて「翻訳やリライト」について考えてみます。

文章には「好み」があります。例えば、翻訳としては正しくても、「読み手の好みに合ってない」と言われることは少なくありません。

また、ある文章を書きかえた場合(リライト)でも、その後の文章が洗練されているかどうかには、様々な基準があります。

例えば、「翻訳くささが抜けている」とか、「忠実ではないけれど意味を捉えて流暢になっている」とか、「冗長な表現が改善されている」などです。

しかし、大前提として、そもそも文章に100点満点はないのです。その文体が好きな人、嫌いな人は必ずいるからです。村上春樹が好きな人もいれば、肌に合わない人もいるわけです。それはどちらも間違っていないはずです。

では、一体どうやって世界観に基づいた文章(セリフなど)がきちんと翻訳されている、リライトされていると判断するのでしょうか?

それを最初に判断するのは誰なのでしょうか?

そうです、それはもちろん原稿を書いたシナリオライターです(社内、社外問わず)。

※ユーザが読み、判断、評価できるのは、製品がリリースされてからの話です。

では、そのシナリオライターによって書かれた文章(仮に日本語とする)を、英語に翻訳する際、オリジナルの日本語文章を正確に翻訳することはできるのでしょうか?または、リライトすることはできるのでしょうか?

答えとしては「できる」と言えます。そういう人材は確かにいるからです。しかし、仮にできたとしても非常に難易度の高い作業のため、限られた人材だと言えます。

これまで説明してきたように「世界観」は主観性の高いものだからです。その登場するキャラクターの性格、価値観、それに基づく成長過程、経験から出る口癖(特にセリフなど)を完全に理解するのは困難だと言えます。もしかしたら、開発会社内でも統一の世界観を持つというのは大変なこともあるのかもしれません。

世界観を理解していれば、翻訳やリライトはできるはずです。しかし、その「理解」が「主観的」な要素が強くなってしまう場合や、世界を構成する要素が非常に多く、すべてを理解することが難しい場合、読み手からは「理解していない」と判断される可能性もあります。

これはまさに文章における「好み」と近いものがあると言えます。

文章はそのゲームの品質を大きく左右する重要なパーツ

このように、ゲームの世界観を理解して行う翻訳やリライトは、非常に難易度の高い作業だということが分かると思いますが、だからこそ「文章」が非常に重要なパーツだと言えるわけです。

これらの文章はそのキャラクターや世界観の「意志」そのものだからです。例えば、「このキャラクターはこういう話し方を好む」「この主人公は、こういう口癖や語尾になる」というのは、事前に設定があるはずです。

この部分をアウトソースしていくのは、実は簡単なことではありません。

ゲームプレイヤーは、翻訳されたそのキャラクターの言い回しや口癖などを「世界観」として捉えて楽しむわけですから、そこに向かっていくためには、背景(=世界観)の理解なしには難しいでしょう。

ネイティブチェックとの違い

一方、「自社で翻訳したけれど、英語として正しいかどうかチェックしてほしい」というリクエストも少なからずあります。しかし、ゲームに限っては、単純なネイティブチェックにならないこともあります。

弊社の場合、一般的なネイティブチェックは以下のように規定しています。

ネイティブチェック

また、「ネイティブチェックの真実」という記事も掲載していますのでよろしければご覧ください。

ネイティブチェックの真実

つまり、お客様の本当のニーズは「世界観を踏まえて英文をチェックしてほしい」ということだったりするわけです。

こうなると弊社の定義するネイティブチェックの範疇には入らず、どちらかというとリライトのような作業になってしまう可能性があります。もちろんこれらは個別に精査した上で切り分けが必要ですが、切り分けたところで実現できるかどうかというのは分かりません。

例えば、「この要素とこの要素を満たしていれば、このゲームの世界観になる」という基準が言語化されていなければ、単純に感覚的な話になってしまうということです。

ゲームの世界観を守っていくために

とはいえ、お客様の理解度を100とするなら、90や95くらいまで背景を理解して翻訳したり、リライトすることができる人も(多くは無いですが)存在します。

ですから、弊社としては無料トライアルを実施し、お客様の望む「世界観」にできるだけ近しい品質を作り出せる人をアサインしたり、ゲームの背景やキャラクター設定など詳細にお伺いしたり、また場合によってはトレーニングに参加したりと、「そのゲームの世界に入っていく」ことを愚直に繰り返すしかありません。

確かに時間がかかるかもしれませんが、しかし、せっかくアウトソーシングし、コストも時間もかけていくのであれば、この点は手を抜かずに取り組む必要があると考えています。また一方で、単純な「テキスト文章」ではなく、キャラクターの行動に直結するものなのですから、そういった点からもこだわらなくてはならないのではないでしょうか。

「世界中のプレイヤーのために」

その上で、開発プロセスにおける LQA をしっかり行い、ギリギリになりがちなスケジュールをやり繰りしていくことで、日本語版だけでなく英語や中国語などの多言語版ゲームも高い評価を受けるわけです。

私たちは、お客様の持つ「自分たちが開発したこのゲームを、世界中のプレイヤーに体験してほしい」という想いを痛切に感じています。

だからこそ、その「世界観」を理解した上で、弊社の翻訳サービスをご提供できればと考えています。

  • どのようにアウトソーシングするのか?
  • そもそも、本当にアウトソーシングしていいのかどうか?

このような視点を持って弊社のような翻訳サービスをご利用いただくことで「ゲームの世界観」を保持しながら、世界に向かって発信することができるのではないでしょうか。

 


登録翻訳者の人数が多ければ良い翻訳会社なのか

お客様から時折、以下のようなお話をお伺いします。

「A 社さんは、翻訳者が1万人もいるんだって」

「B 社さんは、全部で翻訳者 5万人もいるって書いてあるよ」

このようなお話をお聞きするたびに、毎回ご説明を差し上げておりますが、今回はこのテーマについて考えてみたいと思います。

多くの翻訳会社がフリーランス翻訳者の登録で成り立っている

まずはじめに、多くの翻訳会社は、フリーランス翻訳者を登録することによって実際の翻訳作業を賄っています。稀に社内翻訳者を抱えることで、社内で翻訳作業を行なっているケースもあります。彼らは「インハウストランスレーター」と呼ばれたりもします。

翻訳会社から見た場合、社外の登録翻訳者のコントロール、いわゆる「リソースマネジメント」がとても重要になります。

これは翻訳業界だけではなく、制作会社ならフリーのエンジニアやデザイナー、出版社ならライターといった職種と共通事項がありますので、何も特別なことではありません。

繰り返しになりますが、このように、多くの翻訳会社はフリーランスの翻訳者に登録してもらうことによって、クライアントから依頼された実際の翻訳作業をこなすことができます。

また翻訳業界全体や翻訳会社の基本的な機能については以下の記事をご覧ください。

翻訳業界と翻訳会社

フリーランス翻訳者として必要なもの

さて、今度は翻訳者の立場から考えてみましょう。

「フリーランスとして生きていく」という選択をした場合、翻訳作業だけでなく翻訳会社への営業やマーケティングも必要です。またコスト管理も外せません。確定申告なども年に1回発生しますから、経費精算など日々の地味な作業も発生します。

また「自分」を商品として考えた時に、「誰に対して、いくらで、何を、どのくらい売るのか」ということを様々な角度から検証していかなくてはなりません。

これも翻訳者だけが特別なのではなく、フリーランス全般に言えることなので、特に珍しいことではありません。むしろ誰もが理解していることです。(理解していなければフリーランスは向かないでしょう)

これらは自分を1つの「会社」として考えれば、すべて必要なことです。そしてこの「責任」があるからこそ、それと同等の「自由」があると言えます。

フリーランス翻訳者は 1社のみ取引をするのか、複数社との取引なのか

この自由と責任が一体となっているフリーランスですが、本テーマに沿って考えていくと、フリーランス翻訳者にとっては特定の翻訳会社とだけ付き合っていく方がいいのか、もしくは複数社と付き合っていけばいいのかという疑問が浮上します。

こちらは、正解はありません。

なぜなら個々人のフリーランスとしての矜持や価値観、フリーランスとしてのそれぞれの戦略、方向性によって答えは変わってくるためです。結局のところ、自分が思うようにやるしかないのであり、そこにも自由と責任があります。

しかしながら、一般論として論じるのであれば、複数の翻訳会社と取引や口座を持っておく方が毎月の売上(収入)のリスクヘッジにはなります。逆に、年間契約のように1社専属で取引ができる状態で、かつそれがずっと継続する保証があるなら、登録するのは1社だけで問題ありません。

とはいえ、万物は流転します。この世に変化がないものはありません。企業は生き物である以上、必ず良い時も悪い時もあります。そう捉えた時には、やはり複数の翻訳会社に登録しておくことで、A 社から仕事がないときには、B社でフォローするというのは通常の考え方ではないかと思われます。

※ここでは「フリーランス翻訳者としてどう振る舞うのか」がテーマではないので詳細は割愛します。

つまりここから分かることは、(一般的に)フリーランス翻訳者は複数の翻訳会社と取引をしている実態が間違いなく存在するということです。

もし「登録翻訳者 100万人」と「登録翻訳者 100人」という翻訳会社があるとすれば、どちらが良い翻訳会社なのか?

さて、この事実を直視し、冒頭のフレーズに戻ります。

例えば、これは極端な例ですが「弊社は翻訳者が100万人います」と言うのと、「弊社は翻訳者が100人います」という言葉では、実際の業務にどのくらいの違いがあるのでしょうか?

そして、一体どちらが良い翻訳会社なのでしょうか?

もちろん単純に「数」という点で考えれば、100万人の登録翻訳者がいる翻訳会社の方が良いのでしょう。ただこれは完全に片手落ちの状態です。

なぜなら「100万人の翻訳者に常時仕事を発注しているわけではない」からです。100万人のうち、その案件に見合った人、クライアントの指名の人、継続案件の人など、仕事にも様々な状態があるからです。

仮に、まんべんなく100万人分の仕事を継続して発注できる/しているという翻訳会社があるとすれば、それはかなり優秀だと言えますし、もしかしたら、そういう会社も世界を見渡せばあるのかもしれません。

とはいえ、翻訳産業は 100% 受注産業です。そのため、まず初めにニーズが発生しなければ、翻訳の仕事のオーダーはありません。ということは、クライアントの市場規模や趨勢、世の中の流れなどによって常に翻訳ニーズは変動しているということです。多い時もあれば少ない時もあるはずです。

これを裏付けるものとして、「登録はしたけれど、仕事の連絡はない」ということもあるでしょう。しかし実は、これは「翻訳会社とフリーランス翻訳者」だけでなく「1次翻訳会社と下請の翻訳会社」という関係でも同じことが起きています。

大元の翻訳会社からすれば、「(受注産業なので)いつ大型案件が発生するか分からない。だから翻訳会社の登録だけ増やして済ませておきたい」という判断でしょう。ビジネスとしては当然のことです。

そしてこの構図がフリーランスの翻訳者に対してもあてはまるのは何ら不思議ではありません。

また、どんな仕事でも同じですが、同じやり方で何年も仕事を続けられるような甘い世界はありません。常に改善し効率を上げていかなければならないのです。職人の世界でさえ、いえ、職人の世界だからこそ、外側からは目に見えない小さな変化や改善を加えているのです。

逆に言えば、これら大小の変化がテクノロジーの発展やイノベーションを支えているわけであり、より良い世界の実現へ向かう原動力とも言えます。

翻訳業界でいえば、AI を代表とする機械翻訳、MLV などのグローバル企業の参入など驚くほどのスピードで様々なビジネスモデルとテクノロジーが参入しています。

※様々な参入者、そして今後翻訳サービスはどうなるのかについて以下の記事をご覧ください。

翻訳の功と罪

マクロ的視点でもミクロ的な視点でも、変化は常に起きています。それを忘れてはなりません。

こう考えていくと、本当の意味で、「100万人の登録翻訳者のいる翻訳会社」と「100人の登録翻訳者のいる翻訳会社」とではどちらが良い翻訳会社なのでしょうか?

一概に、100万人のフリーランス翻訳者がいる会社とは言い切れなくなってくるのではないでしょうか。

結局、身の丈に合ったビジネスしかできない

そうなると、大切なのは登録人数ではありません。

発注側として、もし人数で判断しなければならないのであれば、登録されている翻訳者のうち「週ごと、月ごとなどでどのくらいの人数が実際に稼働しているのか」を確認したほうがよいでしょう。

これは翻訳会社側としての方針となりますが、結局、どれだけ大きく見せようとしても、実態がかい離してしまうとあまり説得力が無くなってしまうわけで、身の丈に合った形で、少しずつでもきちんと登録翻訳者を増やし、得意分野を伸ばしていくしかありません。そしてそれはとても地道ですが、一番の近道であると言えるでしょう。

もちろん現在大手と呼ばれる翻訳会社は、こういうプロセスをコツコツと大胆に進めてきたからこそ、今の形になっていると推測しますし、翻って弊社も見習っていかなくてはなりません。

まとめ

いかがでしょうか。実際のところ、どの産業でも戦略上、数で勝負しなければならないステージは存在しますし、ある一定の数を超えていなければ、勝負にすらならない(土俵に上がることもできない)という事実も一方であります。

また「沢山いる/あることはイイことだ」という、ある種の固定概念に縛られてしまっているケースもあります。「どんなに実力があっても数人ではこなせない」という仕事もあるでしょう。ですから、すべてがこうだとは言いにくいのですが、今回のテーマに限っては、翻訳会社が単純に「数」だけを全面に押し出してくるケースがあること、また発注側としてはそれをそのまま真に受けてしまうことにはリスクが伴うということです。

「質と量のバランス」こそが最も大切なのだと言えるでしょう。

Podcast「プロフェッショナル翻訳者への道」

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「原稿の意味を汲んで翻訳して欲しいのに」というご要望への解決策

お客様の本質的な悩みとは

お客様から寄せられるご相談のうち、特に多いのがこの悩みです。

“原稿の意味を汲んで翻訳してほしいのに、全然できない会社が多い”

ご訪問してお伺いすると、このようなご不満やお悩みをお伺いすることがあります。これは最近に限った話ではないのですが徐々に多くなっています。

今回は、それは何故なのか、そしてどうすればお客様のご要望にお応えすることができるのかを考察します。

「原稿の意味を汲む」というのはどういうことか

そもそも、多くのお客様の言う「原文の意味を汲む」というのはどういうことを指しているのでしょうか。

その意味を正確に理解するために、現状をしっかり把握する必要があります。

はじめに、産業翻訳の場合には「原文に忠実に翻訳する」というルールがあります。

これは、翻訳業界にとってはデファクトスタンダードであり「翻訳会社や翻訳者を守る」という点でも明確なルールでもあります。原文に書いてあることを勝手に省略したり、原文に書いていないことを勝手に付け加えたりすれば、「誤訳だ、訳抜けだ」となるからです。

しかしながら、この状態が長く続いているからこそ、冒頭のお客様の「原文の意味を汲んで・・・」という発言につながる可能性があります。事実、このように発言されるお客様が非常に多いことは否定できません。

となると、お客様の望んでいる品質と、産業翻訳業界での「原文に忠実に」というルールは相容れないことになります。

直訳とは何か、意訳とは何か

では「直訳」ではいけないということでしょうか。すべてお客様に合わせるべきでしょうか。

「直訳」とは何でしょうか。またそれに対する「意訳」とは何でしょうか。

https://ja.wikipedia.org/wiki/直訳と意訳

翻訳会社の立場から言えば、「直訳」であっても何も問題はありません。「産業翻訳」としては、誤訳も無く、訳抜けもない、問題のない品質だと言えます。

しかし、お客様から見ると「直訳では問題だ」という事実もあるわけです。この事実に目を背け、「いや、問題ありません」というだけでは、議論は平行線のままです。

大切なのはこの事実をそのまま受け止め、このギャップを埋めることです。

産業翻訳のルールを変えればいい

もしお客様が求める品質がすべて「正」だとしたら、(極端に言えば)産業翻訳の「原文に忠実に翻訳する」というルールをすべて変更すればいいように思えます。(どのように変更すればいいかは置いておきます)

しかし、少し考えてみるとこれもおかしいということに気づきます。

なぜなら、お客様側には一貫した判断基準がないからです。「お客様」自体がさまざまな業種、さまざまな職種にはじまり、企業ごとの状況も異なっています。その中でどこまでが直訳で、どこからが意訳なのか、またどういう方向性(文体や表現)を好んでいるのかなどはお客様ごとにバラバラで「正解」が見えにくいのです。結局のところ、「お客様」という大きな括りになってしまうと、誰に合わせたらいいのか分からないため、非常にぼやけた話になってしまいます。

また、ドキュメントの性質から考えた場合、正確な翻訳(=直訳)の方が大切で必要だというケースも多く存在します。

※ドキュメントの性質や用途をまとめた「ドキュメントマップ」をご覧ください。

翻訳ドキュメントマップ

つまり「産業翻訳のルールを変えればいい」という単純な解決方法ではうまくいかないということになります。

ドキュメントの用途や性質には大きな関連がある

上述のように多様な「お客様」の判断基準は一貫性がありません。無くて当たり前だからです。しかし一方で、一貫性があるのは「ドキュメントの用途や元々持っているドキュメントの性質」です。

例えば、契約書なら契約書なりの翻訳の表現がありますし、財務書類なら財務書類の翻訳の仕方があります。

これらの特性を理解して翻訳することは、翻訳会社からすれば当たり前の話です。そのためにコーディネーターがいます。

分野や専門性を考慮し、そのドキュメントに適した訳し方をすることによって、読み手にとって理解しやすいものとなるわけです。

しかし、適した翻訳者をアサインしているにも関わらず、冒頭のお客様の声が増えているのは何故なのでしょうか。翻訳会社が作り上げる訳文がダメだということも無さそうです。

マッチしているときとそうでないときがあるということは、ドキュメントによってかなり訳し方が違うということが分かります。特に冒頭のお客様のコメントで多いのは、どちらかというとマーケティング資料(カタログや Web など)に対してです。

これは、「読み手にしっかり伝わる文章を作りたい」「伝わらなければ意味がない」というリクエストがより強く出てくるドキュメントは、マーケティング資料が多いためです。

ここに、今回のテーマの答えがありそうです。

最近では、 Web サイトの翻訳やローカライズにおいて、テキスト(文章)はますます重要な位置づけを占めており、そこにフォーカスした翻訳サービスをご提供する必要があります。

仮に英語が原文だとした場合、それをそのまま日本語に翻訳しただけでは、Webサイトには適さない翻訳になってしまうこともあるでしょう。これは日本語から英語への翻訳でも同様のことが言えます。

特にキャッチコピーのようなものは、字面を追いかけて翻訳するくらいなら、英語のままにしておいた方が「カッコいい」場合もあります。

クリエイティブに翻訳するということ

ひとつの解決策として、弊社では、「通常の翻訳以上、ライティング未満」という位置づけで「クリエイティブ翻訳プラン」をご用意しています。

コンテンツ向けクリエイティブ翻訳プラン

https://www.trivector.co.jp/service/contentstranscreation/

SNS向けクリエイティブ翻訳プラン

https://www.trivector.co.jp/service/snstranscreation/

「翻訳を超えた翻訳」を作ることが唯一の解決策

このように、マーケティング関連のドキュメントは、ますますテキストが重要となっています。

例えるなら、「翻訳を超えた翻訳」を作ることです。これが SEO 対策としても重要ですし、何よりもっとも大切なのは、そのテキスト(文章やキャッチコピー)を読んだ人が「次の行動」を起こせるかどうかということです。

  • SNS(Facebook や Instagram等)の広告を見て、クリック(タップ)するかどうか
  • コンテンツを読んで問い合わせするか、申し込みをするか、購入するかどうか

まとめ

「原稿の意味を汲んで翻訳してほしい」というご要望にお応えする解決策としては、

  • ドキュメントの性質や特徴をつかむこと
  • そのドキュメントに合った表現や言い回しをすること
  • それは翻訳を超えた翻訳、つまり「クリエイティブな翻訳」をするということ

と言えます。

せっかくお金を払って翻訳するのですから、「翻訳はコストではなく、プロフィットである」という観点から効果的な翻訳を行っていただくことをお薦めします。


要注意!無料翻訳トライアルの「落とし穴」

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「無料翻訳トライアル」は、デパ地下の「試食」や OA 機器の「デモ」と同じ

世の中に多く存在する翻訳会社ですが、その多くは、お客様に翻訳の品質を確認してもらうために少量の分量で「無料翻訳トライアル(試訳)サービス」を提供しています。(提供していない企業もあります)

「無料で品質を確認できる」ことはお客様にとって大きなメリットですが、これは別の業界で言えば試食やデモ機の貸し出しと同じことです。

お客としての立場で考えると、試食であれば、食べて美味しいと感じたものを「買いたい」と思いますし、デモ機を導入してもらってその操作性やスピード、コストなどを実感できれば、正式に契約するということになります。

しかしながら翻訳業界の場合、事情が少し違います。

翻訳会社の「無料翻訳トライアル」とは何か

具体的にどう違うのでしょうか?翻訳の品質を事前に確認することは他のお試し行為と何ら変わりはありません。弊社でも無料翻訳トライアルを行っております。

無料翻訳トライアル

 

例えば、弊社の場合には

  • 言 語:英語 → 日本語の場合
  • 分 量:原文英語ワード数 200 ~ 300 ワード程度
  • 納 期:約 1 週間程度
  • 言 語:日本語 → 英語の場合
  • 分 量:原文日本語文字数 300 ~ 400 字程度
  • 納 期:約 1 週間程度

といった条件で対応しています。(分量が極端に多い場合には、有償トライアルという形でも対応します)

これは概ねどの翻訳会社でも行っていることだと思われますし、ここまで見てもほかのお試しサービスとの違いは感じません。お客様にとっては、このトライアルを行うことによって同じ品質の安心感を得ることができます。だからこそ初取引の場合には特に、金額だけで判断することなく、翻訳品質とのバランスが取れているかどうかを確認しなくてはなりません。

 

ご相談内容から分かる「失敗しない翻訳サービス」とは

 

翻訳会社の行う無料トライアルは積極的に有効活用することをお薦めいたしますが、ただ1点だけ注意してほしいことがあります。

「黙っていれば分からない」という声にどう対処すべきか

注意点とは、翻訳会社によっては、「トライアル合格のために、トライアル専用の翻訳者を使用し、実際には別の翻訳者を使用する」という点です。違う言い方をすれば、「トライアルさえ合格してしまえば問題ない」「黙っていれば分からないと考えている」ということです。

そんなバカなという声も聞こえてきそうですが、実際にこういったことが発生しているのは事実であり、いうなれば「トライアルを悪用する」ようなものです。

これが続けば、トライアルそのものの意味がなくなり形骸化することになりますので、由々しき問題です。

実際のお仕事の際には、翻訳会社から納品されたものを確認すれば分かってしまうことの方が多いでしょう(というよりも、ほとんど分かってしまうはずですが)。

しかし、それはあくまで結果論であり、そもそもがそういうリスクを抱えていること自体が問題なのであって、それを回避するにはどうすればいいのでしょうか。

お客様側が個人の翻訳者を指名することはできないケースも多いですが、良心的な翻訳会社であれば、お客様を騙すような行為はそもそもしませんし、そういったシステムになっていません。

トライアル時の翻訳者と実際のお仕事のときの翻訳者は同じ人物かという点を、翻訳会社のスタッフにしっかり確認しておくだけでも大きな予防策になるでしょう。また登録翻訳者の経歴や実績も公開可能な範囲で見せてくれる場合もありますので確認するというのも大きなポイントです。


■コラム:「ドキュメントをわけて発注すればタダになる!?

これは実話ですが、お客様からのトライアルのお問い合わせでビジネスマナーに則っていないものが、ごく稀にあります。

例えば、5ページのドキュメントがあった場合、複数の翻訳会社(5社)に1ページずつ「無料翻訳トライアル」という形で依頼し、それをひとつにまとめて、結果として5ページ分を無料で翻訳するということがあります。

品質はともかく、当然、このようなケースではトライアルの結果なども教えてもらうどころか、一切連絡が取れなくなってしまうこともあります。元々お仕事として発注する気がないのですから当然といえば当然です。

これはクライアント側も無料翻訳トライアルを悪用することもできるという一例で、私たちもにわかに信じられないような話ですが、残念ながらこれもごく稀に起きているケースです。

もはやこれらは仕事と呼べるものではありません。倫理的に間違っているようなクライアントであれば事前にお断りしなければなりません。


化かし合いのような仕事は誰も得しない

例えば、商品についているラべル表示と、実際の原材料や原産国が違っていれば大きな問題となります。通訳の場合には実際のその人が現地に赴きますので誤魔化すことはできませんが、翻訳の場合には「ブラックボックス化」が起きやすいため、今回取り上げたような事態が稀に起きていると言えます。

もちろん、実施されるトライアルのほとんどは「トライアルの翻訳者=実際の作業の翻訳者」ですし、気づかないお客様も多くはないと考えられます。

こういった仕事は短期的にも長期的にも良いことがひとつもありません。どちらも重要な「信頼関係」を失うだけです。

長期的に見て付き合うべきかどうかは、品質だけでなく「バランス」を見る

結局のところ、このようなことが起きるのは、どこかがアンバランスな状態や仕様だからでしょう。バランスの取り方を間違えているということかもしれません。

価格だけでも、品質だけでも、納期だけでもダメなのです。比較検討するのであれば、このすべての項目について検討しなければなりません。本当に信頼に足る会社なのかを見極める目を持たなくてはなりませんが、その一助となれば幸いです。

ご相談内容から分かる「失敗しない翻訳サービス」とは

翻訳業界のこと、翻訳会社のことをもっと知るには

なお、今回の内容は、弊社作成の無料小冊子『翻訳会社の正しい選び方』に詳しく記載しております。またこれ以外の注意点などもまとめておりますのでご興味がございましたらお気軽にお申し込みください。

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また翻訳や通訳に関する情報も公開しておりますのでご覧ください。

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自動翻訳 API の失敗事例から学ぶ目的の重要性

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成功事例というのは世にあふれていますが、なかなか「失敗事例」についてはお目にかかることが少ないと思います。そこで今回は、失敗事例から学べることをご紹介したいと思います。

※架空の企業 A 社の事例を解説

A 社の多言語翻訳プロジェクト背景

  • 近年増え続けるインバウンド(外国人観光客)向けの Web サイトの多言語翻訳プロジェクト
  • 取り扱う言語は英語や中国語など合わせて5言語以上
  • インバウンド情報を各言語で定期的に発信
  • 多言語への翻訳が必要になるのでコストもそれなりにかかる

最近はよく聞く話ですが、この A 社様では上記の多言語翻訳を行う際に、すべて手動で行うかもしくは、自動翻訳 API を使うかという検討期間がありました。

翻訳が「意味不明」「読めない」という事態

結果としては、「手動で行うとコストもかなりかかるので、自動翻訳で行う」という方針に決定しました。そしてその多言語で自動翻訳された言語を、翻訳会社にチェックしてもらおうという流れになりました。

まずはテストとして少量を自動翻訳し、翻訳会社に見てもらったところ、翻訳会社からは以下のようなコメントが寄せられました。

「この文章が何を言っているのかがわからない。意味を成していない」

「この中国語は簡体字と繁体字が混在していて読めない」

つまり、そもそもの訳文が、チェックしてどうにかなるレベルではないということでした。これには担当者も困り果ててしまいました。当然ながらチェック料金で対応できるものではなく、やり直したほうがいいということになりかねません。

確かに予算が無尽蔵にあれば、手動で翻訳を依頼するほうが品質的には良くなるのかもしれません。しかし、実際にはそんなことはありません。なんとかコストを抑えつつ・・・ということで自動翻訳を選択したものの、テストしてみればそれでは今度は使い物にならないというジレンマ。

そんな状態で進めても Web サイトそのももの評価が下がるのは目に見えています。今回の Webサイトは、インバウンド向けですから、色々な国の方が閲覧する可能性が高いわけです。そのために制作するのですから当たり前です。社内文書ならともかく、外国人が見てネガティブな口コミなど広がってしまったら、その方が影響が大きくなってしまい修復できません。

結局、この後、A 社としてなかなか方向性が定まらず、いったんプロジェクトは頓挫してしまいました。

何を優先するのかの見極めを

これらはよく聞く話かもしれません。ただ実際に「金額と品質と納期」のバランスをどうやって取るのかは本当に難しいものがあります。

ご相談内容から分かる「失敗しない翻訳サービス」とは

 

関連する内容になりますが、数年前に以下の記事を掲載しています。

 

機械翻訳(自動翻訳)と翻訳支援ツール

 

この記事でも触れていますが、自動翻訳にせよ、翻訳支援ツールにせよ、ツールやAPI が悪いではなく、それらを使う「人間がどういう判断基準をもって使用するのか」が重要だということです。

本質的な部分で理解をしていないと、ツールが悪い、API が使えないという話になってしまいます。テクノロジーが進化していっても、それを使う側の発想がまったく進んでいないという事態になれば、ますます「不適切な場面」で使用したり、「必要な場面」で使用しなかったりということになりかねません。

テクノロジーに原因を求めるのではなく、何を優先するのか、つまり「目的は何か」をしっかりと見極めることがますます重要になってきていると言えます。

AI の進化でますます求められる人間の役割とは

「ディープラーニング」という言葉を多く見かけるようになりましたが、このディープラーニングが今後進化し、発達すれば、人間に代わるほどの言語処理を行うことができる可能性があります。

それほどこの「ディープラーニング」は自然言語処理技術でも注目されているテクノロジーです。こちらの内容を解説してしまうとテーマと外れてしまうため、割愛いたしますが、AI が研究段階にある現在では、やはり人間がきちんと基準をもって判断をしていかなくてはならないという事実は何も変わりません。

いやむしろ、AIの真価が進めば進むほど、私たちはより一層人間的な部分を使わなくてはならなくなります。

そうなると、「全体をざっと自動翻訳しておいてあとはチェックすればいい」という発想では、まったく太刀打ちできないということになります。(すでに Google 翻訳はその精度が飛躍的に向上したというニュースが流れたのも昔の話です)

また現時点では、想定される翻訳品質が上述のようなものであれば、翻訳者も喜んで対応するということはないのではないかと推測します。(実際、弊社の翻訳者さんでも、機械翻訳や自動翻訳で翻訳された訳文を積極的にチェックしたいという方はひとりもおりませんでした)

となると、お客様側の想いだけが先行してしまって、その実情が伴ってこないという事態になりかねません。

一番大切なのは「伝わるか伝わらないか」

もっと言えば、自動翻訳でも AI でも人間が翻訳する場合でも、大切なのはその目的が果たせられるかどうかということです。

上記の例であれば、Web サイトを利用する外国人観光客が、この Webサイトを見て、「すごく便利だし使いやすいし、わかりやすいね」と思ってもらえるかどうかが重要なのであって、常に考えなくてはならないのは、それを達成するためにあなたはどうしますか?ということです。

テクノロジーはそれらをサポートしたり効率アップのためのツールです。しかし残念ながら現状ではそこまで辿りついていないとすれば、何か他の手を考えたり組み合わせたりという発想の転換が必要になります。

繰り返しになりますが、この点こそがひとつの多言語翻訳プロジェクトを成功させるかどうかの分岐点になると言えます。

まとめ

  • 自動翻訳 API も人間による翻訳も AI もそれぞれの特性がある
  • その特性を見極めることこそ、人間の重要な仕事
  • 目的に沿った明確な判断基準を持つことで「使われる」のではなく「使いこなす」ことができる

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「翻訳なんて誰がやっても一緒」だが、誰もが「言葉に魂を込めている」ものを求めている

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職業に貴賎なし

「翻訳なんて、結局、誰がやっても一緒でしょ」

と、はっきりと面と向かって言われたことがあります。この発言をしたクライアントは、有名企業に勤める部長クラスの方でした。

打ち合わせの中で、金額やスケジュール、品質のバランスを一通りご説明し終わっての発言でした。

少なくとも立場的には(おそらく)現場レベルではないと思いますので、その場合は金額とスケジュールに重きが置かれます。それはとても理解できますが、ここまではっきりと、面と向かって言われるという経験は後にも先にもありませんでしたのでとてもビックリしたのを覚えています。

本来、「職業に貴賎なし」と言いますが、翻訳サービスや翻訳業界、翻訳者を下に見ているのではないかと強く感じたのも事実です。

原因は、「伝わっていない、理解されていない」こと

正直申し上げて、この方がおっしゃった発言は決して気持ちの良いものではありませんし、もっと言えば「侮辱されている」と感じたのも事実です。もちろんそのご本人にはその気はないのでしょう。もし気にかけているならこういう発言自体をしないだろうからです。

翻訳や通訳は、2カ国以上をさまざまなレベルで繋げることのできるコミュニケーションツールです。

残念ながらこういう発想を持っていないからこそ「つい」出てくる言葉だと思います。

ちなみに、その時に同席されていたのは、翻訳のことをよく知っている方(現場担当者)で、この発言の瞬間に非常に気まずい表情をしていたのも大変印象的でした。

ここで、私たちが勘違いしてはいけないのは、この部長さんが悪いかというと決してそういう訳でもないということです。

まずはじめに、この方は現場の人ではありません。マネジメントクラスの方なので、コスト管理、リソース管理、スケジュール管理といった「マネジメント」が主たる業務であり、(これは予想ですが)恐らく、翻訳会社だけでなく、さまざまな業者に対して「○○なんて誰がやっても一緒だよ」という発言をしていると思われます。もっと言えば、それは単なる口癖なのかもしれません。

ただ、こちらとしては、言われた瞬間にそこまで想像することは難しいですし、そんなに心を広く持っているわけではありません。ただ、今から考えると背景事情があるのかなと想像できるわけです。

ほかの仕事や業種は分かりませんが、殊、翻訳という仕事に関して言えば、ほとんど「知られていない」のが現状ではないでしょうか。

一般の人が「翻訳や通訳」という言葉を聞いたときに何を想像するのか

「翻訳を仕事にしています」と言えば、「すごいね~」とか「英語話せるの!」といった回答が多くなると思います。

すごいかどうかは主観なのでそれは別として、「英語が話せる」というのは翻訳とは一切関係ありません。あえて関係あるとするなら通訳でしょうか。

「翻訳力」のある翻訳者情報

揚げ足を取りたいわけではなく、つまり、翻訳はそれだけ「一般の人には知られていない」という厳然たる事実がそこにあるということです。

ですから、知らない人からすれば「翻訳なんて誰がやっても一緒」という発想になっても何ら不思議なことではありません。冒頭の発言をした人に腹を立てても仕方ないのです。

私たちは、考える基点をここに持ってくる必要があるのではないでしょうか。

「言葉に魂を込めていますよね」という言葉

また、一方でこんなことを言われたこともあります。

「翻訳って言葉に魂を込める仕事ですよね」

そう、その通り!と言いたくなる気持ちもありますが、このような発言をするのは、ほとんどの場合、翻訳のコツやツボを知っている人です。かつて翻訳業界で仕事をしていたとか、自身が翻訳者だったとか、または翻訳の担当窓口などでしょう。

現場に近い方は、自分でも翻訳したり、レビューしたりするので、翻訳という業務を(上述の部長さんのようには)バカにしません。

翻訳の難しさと面白さを知っているからです。

この方のおっしゃっていた「言葉に魂を吹き込む」というのは、とてもよい表現だと思いますし、実際、その通りだと思います。できることならこういうお客様とだけお付き合いしたいと思うのも本音ですし、こういった方がある程度の権限をお持ちの場合には、仕事が非常にやりやすくなり、結果としてかなり高品質の翻訳・通訳サービスを提供することができます。まさに Win-Win の関係を作りやすくなります。

ビジネスとして成立するのは、圧倒的に前者が多いという事実

しかしながら、決裁者が完全な理解を示してくれるということは稀です。

弊社で取り扱っている翻訳サービスはボランティアではありません。そのため「価値=価格」や「価値>価格」という式が成立しなければなりません。

ビジネスとして成立させるとき、価格や予算の決定は、先ほど登場した部長さんのような立場の方が決めることがほとんどです(現場からの進言はあるとしても決定権は現場にないことが多い)。

企業にとってはどんな仕事でもコストを下げることは至上命題です。翻訳サービスもそのひとつでしかありません。全体の中の一部なのです。

私たちが、どんなに「安かろう悪かろうだと、御社のレビューが大変になるから余計な時間がかかってしまいますよ」と言ったところで伝わりません。これらは現場レベルには理解されますが、マネジメントクラスになるとまったく異なる力学やロジックが働くことがあるため、「とにかく安く」なっていればいいということも往々にしてあります。

どんなビジネスでも「お金」は大変重要なファクターです。

そして、このことは(翻訳や通訳サービスに限らず)現実にどこでも起きていることですし、そもそも自分たちでどうにかできる問題ではありません。完全にコントロール外の出来事になります。

色々な「お客様」がいることを理解する

大切なのは「お客様」という括りでも、相手の立場によって権限が変わり、大切にするものの優先順位が変わってしまうという事実をしっかりと理解することです。

  • マネジメントレベル:コスト優先、スケジュール優先
  • 現場レベル:品質優先

上記は極端な例ですが、こういう認識を持った上で、私たちが何をすべきか、何ができるかを把握することが重要です。簡単に言えば、以下の2点に集約されるでしょう。

  1. 良い翻訳を心がけること、そしてその努力を継続すること
  2. お客様(特にマネジメントレベル)に説明を怠らないこと

 

例えば、「こんなポイントがありますよ」「このあたりに気をつけると見積金額も抑えられますよ」ときちんと価値を説明し提供することも大切です。

コンスタントに良い品質の訳文を手に入れるための 5 つのポイント

翻訳の見積もりに必要な6つのポイント

どちらか一方だけになってしまうと、文字通り、片手落ちになります。

翻訳は分かりにくい商品であるため、クライアントの理解度にも大きな差があります。それらのギャップを少しずつ埋めていくことは、とても大切な作業だと言えます。

「ウチの翻訳には間違いない」「ワタシが翻訳しているんだから高くても当然だ」というロジックは、作り手のみのロジックで、これだけでは片手落ちになってしまいます。作り手はその情熱を注ぎ続けているからこそ、そう思うのは当然ですが、買い手はそこまで含めて理解してくれることは(特にマネジメントレベルでは)ほとんどありません。

だからこそ、私たちはそのギャップを埋めていかなくてはならないのです。

「翻訳なんて誰がやっても一緒」という言葉を発する人も、結果的に「言葉に魂を込めている」という言葉に感動するのは事実ですし、それをないがしろにすることはできないはずです。

ちなみに、「言葉に魂を込めている」という人は「翻訳なんて誰がやっても一緒だ」とは言いません。

なぜなら、「翻訳」というサービスに価値を置くかどうか、またどのくらいの価値があると考えているかどうかが問われているからです。

特に、Web全盛のこの時代では、言葉の品質はダイレクトにビジネスに影響を与えることになります。SEO 然り、ライティング然り、表現が変われば相手に与える印象が大きく変わってしまうのです。

そしてこのことは決して他人事ではなく、私たちにも当てはまることですから、どうやったらより高い価値を提供できる翻訳サービスを開発できるのか、どうすれば満足度の高い通訳サービスを提供できるかといったことを常に考えなくてはならないのではないでしょうか。

そして、そういったことが業界の底上げに繋がるのではないかと感じています。

弊社も翻訳業界だけの常識にとらわれることなく、業界以外の方の理解を促すように努力をしていきたいと考えております。

そのひとつの取り組みとして翻訳者のタマゴ、翻訳者になりたい方のための「プロフェッショナル翻訳者への道」という Podcast 番組を配信していますので、ご興味があればお聞きください。

参考:Podcast「プロフェッショナル翻訳者への道」

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「翻訳なんて誰がやっても一緒だよ」と発言する人はこれからも出てくるでしょう。そしてその度に腹を立てても、否定してもあまり意味はありません。そうではなく、「翻訳サービスって言葉に魂を込める素晴らしい仕事ですよね」という人を、どうやって増やすのかを考え行動しなければならないのではないでしょうか。

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外資系企業での翻訳、ローカライズ業務の進め方

翻訳やローカライズ、通訳が存在するための絶対必要条件があります。

それは「同時に2つ以上の言語が発生しなければならない」ということです。そして伝えるものがなくてはなりません。

これはとても当たり前のことですが、実はとても重要な要素であり、これによってさまざまな思惑が引き起こされるのです。今回はそれについて解説してみます。

まずは標準的なプロセスを見てみましょう。今回は内容を分かりやすくするために以下の前提条件を設定します。

 アメリカ本社の IT 企業。従業員数 300人程度。APAC では日本とシンガポールに支社がある。

日本支社は20人~50人程度。

日本支社は立ち上げ(スタートアップ)から5年ほど経過。

日本支社の立ち上げからビジネス拡大につれて変化する翻訳、ローカライズ業務の変遷

※以下は標準的なプロセスですのであくまで大まかな流れとしてご覧ください。

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それでは順番にみていきたいと思います。

プロセス1:翻訳は各国でそれぞれ独自に対応

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どんな業種でもどんな企業でも同じですが、スタートアップというのはとても重要な時期であり、そこにはとてつもないパワーが必要とされます。

「企業内起業」であっても、そこに関わるスタッフは、多大なエネルギーを必要としますし、様々な決断、選択をスピーディに行っていかなくてはなりません。

仮にアメリカ本社企業が日本支社を作ろうとした場合、そこには、日本支社を管理するマネージャーの採用、市場調査、パートナーの選定、商品の輸出入、企業設立に関わる登記などの諸手続きなどなど、さまざまな準備が必要になります。

その中でもスタートアップ時からすぐに必要なのは、その国の言語への翻訳です。この例では、日本支社の立ち上げですので、日本語への翻訳が必要になります。

日本支社(まだ登記もされず支社になってもいないケースがほとんどですが)のマネージャーは、翻訳会社を選定し、発注をかけて Webサイトの翻訳やローカライズ、商品カタログや会社案内の翻訳などを行っていきます。

オーナーの権限がよほど強いプライベートカンパニーでない限り、ある程度の予算を持って翻訳やローカライズを進めていくことになります。

どんな仕事もそうですが、最初から右肩上がりに急激に日本のビジネスが立ち上がるかといえば、そういうわけではありませんので、できるだけスピーディに、できるだけリーズナブルに翻訳を行っていく必要があります。

弊社では、スタートアップ企業様とのお取引実績も豊富で、日本支社がカントリーマネージャーおひとりの時から、5人、10人、30人、50人と成長するような関係性を大切にしております。

日本ネティーザ株式会社様

F5ネットワークスジャパン株式会社様

プロセス2:翻訳やローカライズの中央集権化

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日本支社が立ち上がり、事業が軌道に乗り始める(売り上げが立ち始める)と、翻訳やローカライズ、通訳などの分量も増えてきます。しかしそれと同時に、本社側でも日本語をはじめとした多言語展開を行うようになってきます。同時に、質にもこだわり始める時期がやってきます。

本社サイドには、翻訳やローカライズの担当者がアサインされるようになり、一元管理体制(中央集権化)に代わります。日本支社で担当者が(ある種)自由に決断していたドキュメントの翻訳などが、すべて本社もしくは APAC を通す必要があります。

本社で承認された案件だけを翻訳していくことができます。徐々に日本支社での決裁権などが少なくなっていく状態です。

本社側としては、日本支社だけのことを考えているわけではなく、グローバルでの管理であり「多言語翻訳」という括りになるため、妥当といえば妥当な判断だと言えます。

そしてそれはやがて「中央集権化」されていくことになります。

中央集権化によって引き起こされる副作用とは

中央集権化するとたいてい問題になるのが、日本支社の担当者からの翻訳品質の低下の懸念です。それまでざっと読むだけで済んでいたレビュー作業が、中央集権化されたことにより、品質にバラツキが出たり、レビュー負荷が急激に上昇したりすることがあります。

  • 残業してレビューしなくてはならない
  • ほかの業務を後回しにしてレビューしなくてはならない

といったことが発生するのがこの時期です。

多言語翻訳を行う上で本社側の判断基準とは

一方、本社サイドではそのような状況は見えないため、多言語の一括管理を進めていくことになります。ここでは、翻訳サービス自体も、翻訳支援ツールだけではなく、機械翻訳や自動翻訳といったサービスも含めて業務フローに組み込まれていきます。

機械翻訳(自動翻訳)と翻訳支援ツール

このような様々な要素を検討しながら、多言語翻訳を行っていくわけですが、その判断の大きな基準となるのは、圧倒的に「料金」です。

どの翻訳会社に発注するかという判断は、この基準が大きな力を持っています。

それはなぜでしょうか。

答えは簡単です。欧米の企業が「日本語の品質を正しく評価することはできない」からです。

もっとも定量化され分かりやすいのは価格であり料金です。ですから、中国やインドなどのローカライザーが席巻することになります。

翻訳の功と罪

翻訳会社も、世界中に展開している MLV(Multi Language Vendor)が、多言語翻訳を一括でアメリカ本社から受注し、 自社の各国支社へ振り分けることでコストダウンを実現します。ただしその場合、必ずしもその国の言語の翻訳を、その国の翻訳者が行うとは限りません。例えば、日本語の翻訳でも、MLV の中国支社が請負い翻訳を行うことも多くあります。

それぞれのメリットとデメリット

簡単にまとめると次の表のようになります。

※これはあくまでも海外本社と日本支社のそれぞれから見た視点です。

meritdemerit

どうして日本支社は、本社に対して強く言えないケースがあるのか

これはあくまで推測でしかありませんが、全世界での売上に対しての日本支社の売上の割合が関係していると思われます。品質に難があっても本社の決定に従わなくてはならないのは、いくつか理由があります。

  1.  企業全体の売上に対しての日本支社の貢献度:ほとんど売り上げがあがっていない場合には、予算を持ってくることすら困難になります。まずはしっかりと売上を作らなければ交渉の余地も無いということです。語弊を恐れずに乱暴な言い方をすれば、「売れていればある程度強く言えることもある」ということです。実績や結果が大切というのはどの国も変わりません。
  2. 本社担当部署のダブルバイト圏への理解度:アジア圏をどの程度重視しているのか、日本のユーザの細かい要求が事実として存在していることために、ある程度の品質の日本語訳を作る必要があることを理解しているかどうかという点です。
  3. 日本の担当者の熱意:日常的にしっかりと状況をレポートし、人間関係を築いておけるかどうかは隠れたポイントでもあります。急に話が持ち上がっても相手にされないことが多いためです。これは世界共通の人間心理です。

ビジネスである以上、これは当たり前のことです。このようなパワーバランスが存在していることを前提に、どうやって翻訳やローカライズ業務を進めていくのかを考えていかなくてはなりません。

プロセス3:ユーザの指摘、担当者のレビュー負荷増大

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中央集権化が進み、システマチックに翻訳やローカライズを進めていくと、少しずつ綻びが出るケースがあります。それは「ユーザからの指摘やクレーム」です。

  • 日本語が分かりにくい

ユーザからのこの指摘は、シンプルではありますが、日本支社にとってはじわじわとボディブローのように効いてくることがあります。

また一方で、レビューを一生懸命に行っていても、上記の指摘やクレームが出るように、品質の向上にも限界が見えてきます。

  • レビュー負荷の増大

特に、日本の顧客(ユーザ)は品質にうるさく、それは商品そのものだけでなく、付属するドキュメントなどにも同様の質を求めることが多くあります。

様々なポイントに気を張り巡らせているにも関わらず、ユーザからのクレームが増えていくことになります。

プロセス4:日本支社への権限譲渡と品質管理

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プロセス3まで進むと、日本支社の担当者はこれ以上のレビュー負荷をかけるわけにはいかないとして、本社担当者に交渉を行います。

「翻訳、ローカライズの予算は日本で持つから日本の翻訳会社を使いたい」

というシンプルな動機です。

根気強く交渉を続けることで本社の担当者の理解を得ることができます。ただし、外資系企業の場合には、担当者の転職など頻繁に行われるために、運用ポリシーがせっかく決まりかけていてもひっくり返ってしまうことも往々にしてあります。

そういったリスクもありますが、それらを乗り越えてあらためて日本での翻訳、ローカライズを行うことができれば、品質的には向上すると言われており、またレビューもスムースに、ユーザへの提出もスピーディになり、顧客満足度も上昇する傾向にあります。(年単位での移行となるケースが多い)

まとめ

  • 企業ごとに、中央集権化⇔分散化のプロセスは常に変動している

中央集権化が良い、分散化が良いという二元的な結論ではありません。どちらもメリットデメリットがありますし、企業によってステータスが変わりますのでどれがベストかというのは、答えが変わってしまいます。(ただ傾向としてローカルでのコントロールのほうが柔軟性があるので運営はしやすいようです)

  • 中央集権化を体験した企業は、ローカルで翻訳をコントロールしようとする

日本支社の視点から見ると、品質が低下するのはそのまま業務に直結するのでどうしても避けたいところです。日本の市場がグローバルでの売上構成に貢献していることで発言力が強くなる(売れていなければコントロールすることはできないということ)

  • 一部の企業は、品質が耐え得るレベルにない場合には「ローカルにコントロール権が還ってくる」という現象が起き始める

翻訳やローカライズを日本支社でコントロールできるようになると、Web サイトやその他の業務も同様に交渉しやすくなります。自分たちの手元でプロジェクト管理ができれば、業務はずっと楽になります。(結果も出しやすくなります)

どの企業もビジネスを行う上での目標のひとつとして「売上の増大」「利益の確保」があります。コスト削減はとても重要な要素です。

大切なのは、コストと品質のバランスをどう取っていくのかということであり、安かろう悪かろうや、また過剰な品質は意味がありません。外資系企業の場合にはしかもこれらを二国間以上で行わなくてはならないため、非常に難しい問題であると言えますが、この大きな流れがあることを理解していれば本社との交渉なども比較的やりやすくなるのではないでしょうか。

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お客様のお悩み(その3)「翻訳会社はたくさんあるけど、どう選べばいいの?」

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お問い合わせいただく中でも、このご質問も多く、お客様がかなり混乱されているのが良く分かります。弊社では、そんなお悩みをお聞きし「自社に合った翻訳サービス」を一緒に考え、最適なサービスをご提案いたします。

翻訳サービスの全体を知ろう

まず、全体像を知らなければ選択することはできません。

台頭する翻訳サービスは、主に以下の4つに分類されます。

  1. 翻訳者が対応する翻訳サービス
  2. 機械翻訳、自動翻訳(例:Google 翻訳)
  3. クラウド翻訳サービス
  4. 海外ローカライズベンダー

 

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このうち、貴社にとってどれが最適であるのかも含めて一緒に考え最適なご提案をさせていただきます。

なお、上記の4分類において弊社では以下の記事にてさらに詳細の考察を行っております。

翻訳の功と罪

翻訳業界情報について

また弊社では、様々な形で最新の翻訳業界情報をお届けしております。

翻訳業界と翻訳会社

 

メールマガジン

翻訳会社の正しい選び方

Podcast「プロフェッショナル翻訳者への道」

これらの情報も同時に取得し、業界情報を理解することで現在のトレンド、また自分の仕事へ応用していただくことも可能です。

自分に合った翻訳・通訳サービスとは

上記のように自社に合った翻訳・通訳サービスを選ぶのには、まず「判断基準が何か」を考えなくてはいけません。例えば、以下の4つはお問い合わせいただく中で多いご相談です。

  • とにかく安ければいい
  • 多少コストがかかっても品質が高いほうがいい
  • 急いでいるからスピード優先で
  • 色々相談しながら決めたい

これらの要望は、それぞれ「金額優先」「品質優先」「納期優先」など、優先順位が異なっています。優先順位が違えば、それに合わせて弊社でご提案させていただく内容も変わります。

弊社では、初めてのお客様でもご安心いただけるよう、様々なご要望をお伺いしながらお仕事を進めております。

弊社の既存のお客様の声

お客様の声/翻訳者の声

トライベクトルが選ばれる6つのポイント

以上のように、弊社では、「コミュニケーションとバランス」を大切にしながら貴社に合った翻訳サービスをご提供しております。

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「たくさんある翻訳会社や翻訳サービスの中で、どうしてトライベクトルが選ばれたの?」

その6つの理由について解説しておりますのぜひご覧ください。

トライベクトルの強み

ご相談内容から分かる「失敗しない翻訳サービス」とは

まとめ

弊社は「翻訳・通訳」サービスを事業のひとつとしてお届けしておりますが、実際のところ弊社が販売しているのは「バランスの取れたコミュニケーション」です。

弊社の最大の強みである「品質、価格、納期、対応のバランス」をベースに、マーケティングコミュニケーションにおける様々なお手伝いを行っております。

「バランス」を失ったビジネスや事業は、長期的な繁栄はありません。私たちは翻訳も通訳も、バランスのとれたサービスをご提供することを大切にしています。ぜひお気軽にお問い合わせください。

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お客様のお悩み(その2)「初めて依頼するのに、料金体系がよく分からない」

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翻訳料金については、業界特有の計算方法などがあり、かなり難解なケースがあります。よく分からない計算方法で、お客様が混乱されご相談いただくこともございます。

弊社の場合は「単価計算方式」にて翻訳のお見積もりを作成しております。その計算方法と翻訳業界を取り巻く現状をご説明いたします。

翻訳料金の算出方法

現在では紙原稿だけしかない、ということはあまり多くありません。ほとんどのドキュメントでは、必ずと言っていいほどデータが存在しています。そして、データがあれば基本的には以下の計算式でお見積もり金額を算出することが可能です。

formula

この中には、翻訳者の作業、弊社でのレビュー作業などがすべて含まれております。そのため翻訳のみをご希望のお客様の場合には、これ以外に金額が発生することはありません。

また、翻訳以外の作業で DTP やコーディング、印刷などをご希望のお客様の場合には別途お見積もりとなります。

従来の計算方法とその問題点

以前の翻訳業界では「仕上がり計算方式」という方法が採用されていました。

これは例えば「英語を日本語に翻訳した場合、いくら位になるのか」という考え方に依っています。これはかなり大きな問題です。

問題点①:計算式が各社バラバラ

一番大きな問題は、計算式が各社バラバラだということです。なぜそういったことが起きるのでしょうか?

例えば、以下の仕上がり枚数の例を考えたとき、どれが一番安いのか、そしてどれが一番高いかが分かるでしょうか?

例:英語から日本語への翻訳の場合

 日本語仕上がり 350字/3,000円(英語200ワードあたり)

 日本語仕上がり 800バイト/3,000円

 日本語仕上がり 400文字/3,500円(英語 250ワードあたり)

いかがでしょうか。ルール(計算式)が分かれば計算はできそうですがそもそもお客様側にそういった負担をかけること自体が計算方法として推奨できません。

なおこの方法は、紙原稿しかないなど、正確に分量を把握できない場合などでは必要ですが上述のように今ではあまり使われなくなっています。

問題点②:予算超過の危険性

さらに2つ目のリスクとして、仮に予算を確保しても「実際に翻訳してみないと正確な金額は分からない」という可能性が残されてしまいます。

あくまでこの計算方法は「予想」ですから、実際に翻訳してみたら 50枚のところが55枚になってしまった、ということも起きる可能性を孕んでいます。

その場合、お客様側としては「50枚で予算を取っていたのに、55枚になってしまうとその分予算を超えてしまう」という事態が発生することになります。

改めて予算を割りあえててもらうことができればいいのですが、通常そんなに簡単なことではありません。またそういった手続き自体がストレス要因となります。

翻訳料金のご案内

翻訳料金は、難易度や分量、納期によって多少の変動がありますので、具体的にどんなドキュメントを翻訳しようと考えているか、どこまでの作業が必要なのかをご確認ください。

料金のご案内

お得な翻訳プラン

いかがでしょうか。弊社では上述のようなお客様の余計なストレスを最大限無くすため、以下のように、翻訳やそれに関連する業務について様々なプランをご用意しております。

翻訳業務関連プラン

コンテンツ向けクリエイティブ翻訳プラン

SNS 向けクリエイティブ翻訳プラン

用語集構築・運用

多言語翻訳まとめてお得プラン

通訳業務

通訳サービス

マーケティング業務関連プラン

初めての場合、余計なコストがかかるかもしれないというご不安をお持ちになるのは当然です。
そこでこれらのプランをご利用いただくことで、プラン内ですべて完結するサービスをご提案しております。

料金サンプル

上記をふまえ、弊社にご依頼いただいた場合の翻訳料金サンプルをご覧ください。

各ドキュメント、各分野ごとに、翻訳を行った場合のおおよその参考価格となります。

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まとめ

はじめてお客様がお問い合わせされる際に気になるのは、品質もさることながら、「一体いくらかかるのか?」という点です。弊社では、お客様にすぐにご理解いただける料金体系と計算方法によってご安心してご依頼いただける体制を採用しております。

弊社の最大の強みは「品質、価格、納期、対応のバランス」です。

 

ご相談内容から分かる「失敗しない翻訳サービス」とは

「安かろう悪かろう」という結果を招くのではなく、この4点の「バランス」をとりながら、既存のお客様からのリピートオーダーにつながり、実績を重ねていると自負しております。「このドキュメントはいくら位かかるのだろうか?」と気になりましたら、どうぞお気軽にお問い合わせいただければと思います。

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