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これからはハイコンテクストとローコンテクストのコミュニケーションを使い分けて成果を出す時代に

グローバル化した世界では、多種多様な人々との交流が必須になります。またグローバル化によってコミュニケーションも形を変えています。言い換えれば、slack や skype などのチャットツールだったり、ZOOM だったり、様々なクラウドサービスだったり、スマホを使えばすぐに海外の人々とコミュニケーションを取れる時代だということでしょう。

日本は島国であり、「ガラパゴス」と揶揄されています。それは他国と異なり、自然と日本人以外の人種の方々とのコミュニケーションを最小限にしていたことにも起因します。

そしてそのことによって日本語の特殊性がより一層際立っている事実があります。「日本はハイコンテクスト文化、ハイコンテクスト社会だ」と言われる所以です。

今回はこの「ハイコンテクスト」と対極となる「ローコンテクスト」の 2 つのキーワードに迫ります。

ハイコンテクスト、ローコンテクストとは何か

まず初めに「ハイコンテクスト」と「ローコンテクスト」とは何かを解説します。

「コンテクスト」とは、「文脈や背景」と訳されますが、つまり言外の部分=「文化、慣習、知識、価値観」などのことを指します。

「ハイコンテクスト」とは、「コンテクスト」が共通認識となっている状況であり、この場合には、すべてを言葉にする必要がなくともお互いに理解し合えるので、ハイコンテクスト文化と呼ばれます。

一方、こういった背景が共有できていない場合には、すべて言葉で説明しないといけないため「ローコンテクスト」と呼ばれます。これは例えば様々な人種がいるアメリカのような国の場合は、背景がそれぞれ違うので「言わないと理解してもらえない」ということです。

 ハイコンテクスト社会ローコンテクスト社会
背景・単一民族、単一国家である意味でクローズドな環境
・醸成される価値観などが似通っている
・移民や他の人種が極端に少ない
・様々な人種が住む世界
・文化や歴史的背景が多様
・価値観も多様
特長・言葉ですべて説明しなくても意思疎通しやすい
・間接的な表現が多い
・「空気を読む」ことができる
・「察する力」が必要とされる
・きちんと正確に意図を伝える必要がある
・相手に敬意を払いつつ直接的な表現を使う
・言わなかったことは言わない方が悪い
・察するよりもきちんと伝える

ハイコンテクスト文化からローコンテクスト文化へのシフトはすでに始まっている

このように「はっきり具体的に伝えないと相手には伝わらない」というのが「ローコンテクストの社会」です。

そしてご存知の通り、世界はローコンテクスト社会です。

しかし残念ながら私たち日本人は、このローコンテクストが非常に苦手なのです。「ツーカー」という言葉や「阿吽の呼吸」という言葉、または「空気を読む」などという日本語があるくらい、日本語というのは、「言外を察する」ことを求められていますし、私たちはそれに慣れ切っています。

受け手の解釈に委ねられている部分が大きいとも言えます。(「気が利く」というのは褒め言葉ですが、まさにハイコンテクストならではでしょう)

ところが、世の中は多様化しています。日本だけで考えても明白でしょう。

その変化スピードは落ちるどころかますます早くなる一方です。日本の中でも世代によっては価値観がまるで異なっています(働き方ひとつとってもそう)し、歴史的側面からも考え方が違えばハイコンテクストな状態を維持するのは難しくなっています。

これは世界基準で見れば、当然前述のようにローコンテクストですから、日本国内でも、きちんと説明しなければならない世界に傾いているということです。

つまり受け手ではなく、話し手側が、必要な情報を必要なタイミングで必要な量を提供しなければならないということです。

参考:落ちぶれるハイコンテクスト人材、台頭するローコンテクスト人材

https://diamond.jp/articles/-/186382

「コミュニケーションの欧米化」と「察する時代」の終焉

これまで述べてきたとおり、コミュニケーション自体が欧米化(=ローコンテクスト化)しているということです。

例えば、海外の、特に欧米で作成される契約書はとても厚さがありますが、これは契約時に誤解を無くすためであり、「すべて文字にして書いておく」のは当たり前というひとつの好例ではないでしょう。

そして日本でもインバウンドブームしかり、外国人労働者しかり、このグローバル化=ローコンテクスト化の波は確実にやってきています。

今までは「アレ、やっといて」で済んでいたものが「いつまでに、どうやって作業してほしいのか」ということを確実に伝えなければなりません。

これは日本人にとってみると大変煩わしい部分もあります。しかし、(繰り返しますが)誰もが「空気を読む」ことはあり得ないですし、「察する」という行為が通用しない時代なのです。

つまり、個人の価値観が多様化しているということなのです。

ローコンテクスト社会に適応するために

ローコンテクストな社会では、「1から10まで誤解を生まない表現で説明をする」必要があります。

私たち日本人はなかなかこの発想になれませんが、この根底には「自分と相手は違う」という価値観があります。この部分は、コミュニケーションの根幹でもあり、これまでのコラムでも何度も述べてきました。

上手なコミュニケーションをとるための要諦とも言えますが、「価値観の違いを認める」ところがスタートなのです。

コミュニケーション能力の高い人が行っている6つの行動

 

コミュニケーションが「うまくいく」ときの 5つの要素

 

「僕はコミュニケーション能力があります」と発言した人の話

 

これらのコラムでもポイントは「自分と相手が違う」という前提です。だから「価値観も違う」という理解です。

これが完全に欠落してしまっている場合、いったい何が起こるのか想像してみましょう。

話し手は、受け手の知識や経験を考慮することなく、「自分の話したい順番で、略語を使い、相手の理解度を確認せずに、主観と客観を混在させ、一方的に、話す」ことになります。

そして、話したほうは満足します。「全部伝えることができた」と感じます。

一方、受け手が上述の前提を理解していない場合、話している内容以外の話し方や素振り、態度ばかりに目が行ってしまいます。

ときには「この人、本当は違う意見なのではないだろうか」といった(ある種)勘ぐってしまうような心理が働いてしまいます。

※コミュニケーションにおいてノンバーバルな部分は言語よりも多いので、あながち間違ってはいないのですが、これが過度になると「察する」ことばかりに意識が向いてしまい、肝心の部分を聞き逃してしまうことにもなりかねません。

これは、受け手が(勝手に)想像力を駆使するから、誤解が生まれてしまうケースです。

そしてこれがこれまでの日本社会のコミュニケーション方法だというのは誰しも経験があるでしょう。

では、こういった無駄なトラブルを回避し、ローコンテクスト社会に適応するためにはどうすればいいのでしょうか?

実は、簡単に実践できます。

1. テンプレートやフォーマットを用意する

ローコンテクスト社会では、「言わないと伝わらない」ため、必然的に話し手の責任が大きくなります。これは先ほどの契約書の例と同じですが、説明する量が圧倒的に増えるのです。説明責任が大きくなると言えます。

これは、ビジネスでは上司が部下に伝えるときがイメージされやすいですが、ホウレンソウにおいては、部下から上司への説明でも同様です。

徹底的な「ホウレンソウ」でコミュニケーションを活性化する

 

「正確に伝える」ことがビジネスで成果をあげる上で非常に重要になります。正確に伝えるために、いつでも同じ品質で行動するためには、報告する項目をテンプレート化したり、フォーマットに則って話をするということが考えられます。

どんな人でも、このルールさえ守っていれば一定の品質で情報を伝えることができますし、受け手も安心です。

まず、同じ部署、同じグループといった数人でスタートしてみましょう。

これなら明日からと言わず、今日からでも実践できるでしょう。最近は、チャットツールなども沢山ありますので、これらをカスタマイズしたりすれば、すぐに実践できますし、さほど追加コストもかかりません。

2. 運用ルールを徹底する

テンプレートやフォーマットを準備したら運用ルールを定めます。この「フォーマットに則って報告すること」が絶対です。例外はありません。例外を作った時点でルールではありません。

またルールを破った場合には何らかのペナルティを課しても良いでしょう。全員で「テンプレートで基本的なコミュニケーション取るのだ」というルールを徹底するためです。

これには聞き手も話し手も関係ありません。どちらの立場の場合も順守します。

3. 業務マニュアルなどに集約し発展させる

ルールを徹底するとスムースに運用できるようになります。そしてローコンテクスト社会でのコミュニケーションに慣れて来たら、それらを拡大させるために業務マニュアルに落とし込んでいくことが必要です。

このようにして、グループや部署から事業部、全社、世界へと展開していきます。ローコンテクスト社会への適応は日本人にとって決して簡単なことではありません。

しかし、徐々に変化させていくことで「習慣化」されますので、いつしかそれが当たり前になってくるでしょう。

ハイコンテクスト(日本語)からローコンテクスト(英語)にするとき、言葉を補うから長くなる

ちなみに、翻訳の場合、日本語から英語に翻訳する場合、英語の方が文章として長くなる傾向があります。これはまさにハイコンテクストとローコンテクストの文化の違いが影響していると言えます。日本語は省略できますが、英語はなかなかできません。補足する必要があるからです。

どの言語も歴史や文化の影響をモロに受けていますから、文法構造が違ったり、逆に似たような言葉を遠い国が使用していたりすることもあります。

ハイブリッド コミュニケーション

これまでローコンテクスト社会へのシフトとその対応をお伝えしましたが、日本語の良さ、日本の良さというものもできるだけ失いたくありません。

また現実的な問題として、すべてをローコンテクストのコミュニケーションで行うということは不可能ですから、私たちが意識するのは TPO に応じた「使い分け」ではないかと思います。

簡単に言えば、仕事とプライベートでの切り分けです。

仕事は、必ずその先にお客様がいます。そのお客様へ商品やサービスを提供するために、「正確なコミュニケーション」が必要になります。そのためにはローコンテクストコミュニケーションの方が安全です。

一方、プライベート、例えば家族で話をするのにローコンテクストである必要はありません。(もちろん敬意を払うという点は前提としてありますが)「アレ」「コレ」という言葉が出てきても、相手も理解できるでしょう。

また、最悪の場合、まったく理解されなかったとしてもコミュニケーション上の問題はありません。(他の問題はあるかもしれませんが)

例えば、日本のお笑いなどはハイコンテクストコミュニケーションです。もしローコンテクストになってしまえば言外の意味まで説明することになり、「オチ」が先に分かってしまったり、想像する楽しみがなくなってしまいます。

日本語の素晴らしさは、その「奥ゆかしさ」や「間接的な表現」でもあります。読み手の想像力に委ねる部分も大きいのです。だからこそ、同じ言葉を見ても、様々な感じ方ができるわけです。感性に問う言葉も多いのは日本語ならではでしょう。

日本はハイコンテクスト文化、ハイコンテクスト社会の代表格です。察したり、気を遣うというのは日本の美点だとも言えます。これがあったからこ発展したものも多くあります。

一方、ローコンテクストはこれらをすべて破壊するものではなく、相手との関係性によって使い分けることが大切です。

そして、私たち日本人は、ハイコンテクストでもローコンテクストでも、どちらの文化、世界を知っているからこそ、「ハイブリッドなコミュニケーション」を取れるのではないでしょうか。

 


5W1Hはコミュニケーションの基本

他者とのコミュニケーション、特にビジネスにおいては「言った言わない」という低レベルの話をしている時点で仕事はできないというレッテルを貼られてしまいます。

当然ながらそういったことが起きないように、議事録があったり、Slack やチャットワーク、メールなどの様々なツールがあるわけです。

これは社内外問わず同じことです。

本来、コミュニケーションにおいて抑えるポイントが分かっていれば、このレベルの話にはならないはずですが、誰でも一度は経験があるのはなぜでしょうか。日常的に起きているのは何故なのでしょうか。

相手との相性が悪いから?ウマが合わないから?

そうではありません。相性が悪いなら悪いなりの、会わないなら合わないなりのコミュニケーションの手段はあるはずです。

今回は他者とのコミュニケーションの基本となる「5W1H」について解説します。

「5W1H」とは何か

5W1H という言葉は学校の英語の授業などで習うと思いますが、ビジネスコミュニケーションでは、どれもが非常に重要です。ひとつずつ解説します。

5W は、W から始まる英単語、「なぜ(Why)、いつ(When)、どこで(Where)、だれが(Who)、なにを(What)」の 5つの W を取っています。

1H は、「どのように(How)」です。

※なぜ誰でも知っているような「5W1H」をわざわざ説明するのかと言えば、言葉の定義の統一を図るためです。相手(この場合は読み手)が勝手な解釈をしないために、それぞれ定義しておくことで、これ以降の説明の理解度を深める働きを持っています。

この辺りは「自分と他者が違う」という前提を持っていなければできないことですが、以下の記事も参考にしてみてください。

コミュニケーション能力の高い人が行っている6つの行動

 

このように、5つの W と 1つの H を「5W1H」と呼ぶわけですが、多くの方がご存知でしょう。しかし、これをきちんと使いこなせているでしょうか。

特に日本語は、主語が無かったり、動詞が最後に来るので結論を最後まで聞いていないといけないわけですが、そこがはぐらかされたり、言わなかったりということは多くあります。

なお、「ツーカーの仲」「阿吽の呼吸」で理解するには、相手を深く知らないといけないため、それまではしっかりとしたコミュニケーションをとる必要があります。

ビジネスコミュニケーションの「5W1H」

ビジネスでは、自分に関わる登場人物が多くなります。自分が顧客との窓口(接客や営業)であれば、相対するお客様、さらに自分の上司、上司の上司、他部署の人たち、さらにお客様が企業ならお客様の上司などなど、どんどん増えていきます。

しかも「阿吽の呼吸」仕事ができる仲間や同僚、上司、パートナー、クライアントとなるとかなり厳しいことが分かるでしょう。

登場人物が多いこと、それぞれが持つバックグラウンドが異なることなど、指数関数的に状況が変わっていきます。

このようにある種、伝言ゲームになりがちな仕事をしなければならないとき、「5W1H」が機能しなければどうなってしまうでしょうか。

以下は「5W1H」がはっきりせず起きたトラブル例です。

営業:「部長、昨日私あてに連絡があったみたいなんですけど、先日注文のあったお客さんが来週までに A 商品をあと500個追加したいということでした。」

(直属の)部長:「そうか、それは良かったな。ただ恐らく、ウチの部に A の在庫はそこまでないだろうから、在庫は管理部に聞いてみてくれ」

営業:「分かりました。確認します」

営業:「すみません、A 商品の追加の注文がありまして、500個ほどなんですが、それってそちらにありますか?」

管理部社員「A 商品ですか?ちょっと調べてみますね」

管理部社員「ああ、先週にちょうど500個注文してくださったお客様がいらっしゃって、そちらにすべて納品の手配をかけてしまいました」

営業:「ああそうだったんですか・・・それだと 500個はないですね」

管理部社員:「はい、今はありませんね。これからの生産予定を見ますと・・・えーと・・ああ、これだ、完成するのは来月ですね」

営業:「来月ですか・・・ちょっとそれだと遅くて・・・何とかなりませんか?」

管理部社員:「そう言われても無いものは出せないですしねえ・・・そうしたら、ほかの支社にあるかもしれませんが、私では分かりかねるので、部長に聞いてもらえますか?」

営業:「分かりました。お手数かけました」

営業:「部長、管理部に聞いたんですが、500個分の在庫は無いそうです」

(直属の)部長:「そうか、で、どうするつもりなんだ?」

営業:「えっ?いや、それは部長に聞いてみてくれと言われまして・・・」

(直属の)部長:「はあ?オレが分かるわけないだろう。オレは在庫管理してないぞ」

営業:「そうですよね。。。。」

これは極端な例ですが、これは Who(誰が)が曖昧なケースです。「部長」という役職名だけで会話が進んでいます。もし「○○部長」や「管理部の部長」「私の上司」などがあれば、このような勘違いはしません。

営業:「すいません、すっかり勘違いしちゃって。管理部の部長さんですよね」

管理部社員:「え?ええ・・・はい(そりゃそうだろ)」

管理部の社員も「納期はいつですか?」と聞けばよかったのですが、完成品が出来上がる時期だけを伝えて、あとは知らん振りです。

営業:「部長すいません、すでにご存じかもしれませんが、私の担当するお客様で、A商品の追加注文をいただいておりまして、在庫を確認していただいたのですが、ここにはない為、ほかの支社にあるかどうかを確認させていただきたいのですが・・・」

管理部部長:「ああ。話は聞いたよ。支社への連絡は部下にさせるが、いつまでに必要なんだ?」

営業:「はい、来週です」

管理部部長:「来週?!私は来週とは部下から聞いてないぞ」

営業:「し、失礼しました。私が伝え忘れていました。申し訳ありません」

管理部部長:「うーん、とにかく来週だったら、今週中にはどうにかして発送しないといけないじゃないか。部下からは在庫が支社にあるかどうか確認したいという事しか聞いてないんだ。そんなに急ぎなら、もっと早く言ってくれないと困るよ」

営業:「も、申し訳ありません。。。よ、よろしくお願いします」

これは、W のうち、When(いつまでに)を伝えていないために起きるケースです。直属の部長には報告してあったのですが、それで自分は報告したつもりになっており、管理部に相談するときに伝えていなかった(=忘れた、または伝える意志がそもそもなかった)ため、時間が経ってから納期が無いという事が発覚しました。

そして3日後。

管理部社員:「他の支社に当たったら、3か所分を集めれば、500個あるそうなので、急ぎこちらに送ってもらうようにしました。まとまったらお知らせしますね」

営業:「ありがとうございます!助かります(ああ、良かったー、これでお客さんに迷惑かからなくて済む・・・)」

これで何とか在庫を確保し、発送できるようになりました。めでたしめでたし・・・とはならないのが仕事です。

お客さま:「お世話になってます。この間お願いした A 商品の追加注文なんだけど、アレ、もう届いたから結構です」

営業:「えっ?まだこちらからはお送りしていませんよ」

お客さま:「いや、今日届きましたよ。今、私の目の前にありますし。間違いなく御社からですよ?」

営業:「ええ?ちょ、ちょっと待ってくださいね、、、(どうなってるんだ??)」

お客さま:「とにかくこちらはもう大丈夫なので、請求書だけ送ってください。よろしくお願いします」

あ営業:「え、ええ・・・(一体何が・・・)」

何とかかき集めた 500個分の商品ですが、すでにお客様に納品されているというのは一体どういうことなのでしょうか。

実はこれは冒頭の管理部社員との会話にヒントがあります。

管理部社員「ああ、先週にちょうど500個注文してくださったお客様がいらっしゃって、そちらにすべて納品の手配をかけてしまいました」

この「お客様」ですが、実は同じお客様だったのです。担当者がいない時に追加注文をしていたことが社内できちんと伝わっていないために起きてしまいました。

営業のいう「お客様」と管理部社員のいう「お客様」は同じ企業だったのです。

営業:「部長、先日の件ですが実はちょっと問題がおきまして・・・」

(直属の)部長:「何っ?納品が間に合わなかったのか?それとも在庫が無かったのか?」

営業:「いえ、在庫はあったんですが・・・実は、すでに500個納品されたみたいなんです・・・」

(直属の)部長:「えっ?間に合ったってことか?それは良かったじゃないか。それの何が問題なんだ」

営業:「あ、いえ、違うんです。ご相談した 500個ではなく、別の 500個がお客様のところに・・・」

(直属の)部長:「何だと?一体どういうことだ、それは・・・・!」

あくまでもこれはコミュニケーションにおいて 5W1H を理解するための例文のため、これ以降の会話は割愛させていただきます。

ホウレンソウは「5W1H」を意識して話す

上記は極端な例ではありますが、これに近い会話はあちこちで起きています。

上司への報告や相談、お客様への連絡では必ず「5W1H」にそって話をするようにします。

逆に言えば、「5W1H」のうち、When(いつ)、Where(どこで)、Who(誰が)は外すことなく伝えなくてはいけません。時間と場所、主語を取ってしまうと急にぼやけた話になり、責任の所在も曖昧になってしまうためです。

上記の例でいけば、Who=「部長」、When=「来週まで」から始まり、ミスを報告する際にも部長への報告が時系列で整理されて話されていないため、部長は「間に合ってよかったじゃないか」と勘違いしています。ミスの報告自体にミスが含まれている状態です。

お客様に対しても、社内のコミュニケーションがスムースに進んでいないのが明白です。

※実際には、在庫管理システムなどがあればこういった事態は起きないとは思いますが、コミュニケーション上の行き違いや勘違いはシステムでもどうにもできない部分があります。

徹底的な「ホウレンソウ」でコミュニケーションを活性化する

 

まとめ

「5W1H」をしっかり意識して話をするだけで、ミスコミュニケーションはかなり回避できると考えられます。

冒頭でも書きましたが、日本語は省略しても意味が通じる言語体系を持っています。そしてそれはある意味では非常に便利です。

ところが、グローバル化が進むにつれてハイコンテクストなコミュニケーションではなく、ローコンテクストのコミュニケーションが重要になっています。

様々な価値観を持つ人々を相手にビジネスをするために、キッチリ、ハッキリ伝えていかなくてはならないのです。言わなくても分かるだろという会話は、日常生活では OK でも、ビジネスでは致命的です。

それらを回避するために、「いつ、どこで、誰が、どうするのか」を間違いなく伝えることは、発信者の責任だと言えるのではないでしょうか。

そして同時に、上長はこれらの要素が満たされていないホウレンソウは、しっかりと確認する責任があります。

仕事は1つの目的を達成するためにチーム一丸となって取り組む必要があり、その潤滑油として機能するものこそコミュニケーションなのです。これをサボるというのは、必要な油を差さずに機械を動かそうとするのと同義です。

実際、機械なら定期点検やメンテナンス日がありますが、コミュニケーションにはそれがありません。だからこそ、定期点検やメンテナンスの代わりに「5W1H」をしっかり使うことが必要とされるのです。


日本語を理解できない日本人

AI などのテクノロジーが進化するに従い、「日本語が読めない」「話が噛みあわない」といった記事も増えています。コミュニケーションは常に他者との対話から始まります。今回はこのコミュニケーションのズレはどうして起きるのかを読み解いていきたいと思います。

文章の読解ができずに単語で反応する人たち

先日、以下の記事が拡散されていました。

日本の生産性を引き下げている「文章を読めない人」

http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/53224

「日本人が、日本語を理解できなくなっている」という驚愕の事実です。以下、記事の一部を引用します。

昔からそうだが、ニュースサイトのコメント欄を見ても、明らかに文章を読んでいない人のコメントや、1つのキーワードだけに反応し、文脈をまったく無視したコメントが無数にアップされている。文章を読んでいない、あるいは読めていない人が一定数存在しているのは間違いない。

またそれに伴い、生産性の低下にもつながっている、との記述も。

投資銀行家で「ぐっちーさん」の愛称でも知られる山口正洋氏は、ビジネス上のメールの内容をきちんと読めていない人が多いと自身のコラムで指摘している。内容があいまいなまま物事が進むので、実際に会って内容を再確認しなければならず、これが日本の生産性を引き下げているという。

これが本当だとしたらかなり致命的ではないでしょうか。

この記事でもうたっていますが、主な理由としては「読解力の低下」が著しいことが原因でしょう。

「読解力」は、学力の基本と言われています。実際、子どもの読解力も低下しているという調査もあります。

OECD生徒の学習到達度調査(PISA2015)のポイント

PISA2015年調査国際結果の要約

ベストセラーにもなった「AI vs. 教科書が読めない子どもたち」でも、人間(日本人)の読解力不足が指摘されています。

AI vs. 教科書が読めない子どもたち

https://amzn.to/2QsDuyB

「教科書が読めない」子どもたち 教育現場から見えた深刻な実情

https://dot.asahi.com/aera/2018041200052.html

そもそも「読解力」とは何か

では、「読解力とは何か」また「読解力を上げるためにはどうすればいいのか」を考えてみましょう。その答えのひとつをご紹介します。

子どもの学力は読解力で決まる(斎藤孝 著)

https://amzn.to/2pElgi1

メディアでもよく見かける有名な斎藤先生の本によれば、読解力は子供の頃からトレーニングし、獲得すること、そしてそのために具体的に何をすればいいのかが書かれています。子どもの学力というタイトルですが、大人が読んでも十分ためになる内容です。

詳細は省きますが、読解力を上げるためには

  • 本を読むこと(名作を読む)
  • その本の一番言いたいことは何かを把握する(要約、客観性)
  • その上で自分なりの視点を持つ(コメント、主観性)

が大切とあります。細かい説明は著書をご覧いただくとして、確かに読解力がなければ、意味を理解することができないので、要約することもできずに、表面上のリアクションしか取れません。

実は、読解力は対人においても大いに活かされています。「相手が何を言いたいのか?」を理解することができない(読解できない)からこそ、冒頭でご紹介した「日本語の読めない日本人」が増えてしまったわけです。

コミュニケーションは、対人関係を成立させる上で重要ですが、「話が噛み合わない」「何が言いたいのか理解できない」「どう伝えればいいか分からない」ということが増えれば増えるほど、自分自身が苦しくなり、対人コミュニケーションそのものへの恐怖が生まれます。

逆に、読解力があれば、コミュニケーションが楽になり周囲との意思疎通も良くなりますから、仕事もやりやすくなるでしょうし、多少大げさかもしれませんが、自分自身が生き生きと働けるかもしれません。

誰しも経験があると思いますが、コミュニケーションがうまくとれない人とは、やはり何をしても上手く行かないものです。そしてそれはもしかしたら自分自身の「読解力」に原因があるのかもしれません。

コミュニケーションがうまくいかない、ズレていると感じるときは、「読解力」を疑ってみる必要があります。

翻訳でも同じことが起きる

さて、翻訳という業務においても同じ「言語」や「読解力」という枠組みで考えれば、同様のことが起きています。例えば、プロの翻訳者が翻訳したものを、レビューする人の読解力が低い場合、仮に訳文が正しいものだったとしても、理解されない=受け入れられないかもしれません。(ちなみに、プロの翻訳者自身の読解力が低い場合には、訳文もそれに伴った品質になりますが、プロである以上は、読解力があるはずという前提です)

これは極端な例ですが、もしこれが頻発すればその企業にとっては致命的です。

前述の記事にも以下のような記載があります。

米国のサイトの方が英語という外国語であるにもかかわらず、内容が直感的に理解できるのだ(参考までに、筆者は外国に住んだ経験はなく、ごく一般的な英語力しかないので、英語の基礎力が高いことで内容が容易に理解できているわけではない)。

日本のサイトは、統計データと関連するおびただしい注記事項が羅列してあるだけというケースが多く、情報が整理されていない。様々な立場の人が読むことをまったく想定していないのだ(あるいは想定していても、体系立てて表記できないのかもしれない)。

確かに、日本語はその「曖昧さ」が美しい表現を支えている部分もありますし、行間を読むような「相手の読解力」や「共感力」に委ねる部分もあります。(いわゆるハイコンテクスト)

しかし、ビジネスにおいては、(そういうシーンが許されることがあるとしても)大抵が明確であり正確であることが重要です。この部分にもっとフォーカスしなければなりません。

「理解できないのは相手の問題」と一蹴するのは簡単ですし、ある特定の内容であれば、相手も同程度の読解力があるという前提になりますから、難解な表現でも通じる可能性が高いでしょう。

しかし、これまで述べてきたように、日本語力の低下は一部に起きるものではありません。全体への影響が大きいと推測されます。その時に、「相手の読解力の問題=相手が悪い」という見解だけでは仕事としても成立しないでしょう。

翻訳や通訳をサービスとして利用する理由は、本業のビジネスをうまく成功させるためです。主従が逆転することはあり得ません。

翻訳は「手段」であって「目的」ではない

 

また、百歩譲って「相手の問題」であったとしても、読解力の低下に合わせて文章を短くしてみたり、平易な言葉を選択したりすることによって、相手のビジネスがスムースになることを主眼に置かなくてはならないのではないでしょうか。

翻訳サービスを提供する上では、「読者は誰か、読み手は誰なのか」という観点を見失ってはならないのです。読み手の読解力に依存するのは危険だと言えます。

※自分の趣味で翻訳する場合には他人が読むことはないので、難解であっても長文であっても問題ありません。

これからはハイコンテクストとローコンテクストのコミュニケーションを使い分けて成果を出す時代に

まとめ

読解力を持つことは、これからの時代ますます大切な能力となります。AI への代替やよりクリエイティブな仕事が求められるようになるためです。単純労働では、人間が働く価値は見いだせなくなってしまう可能性があります。

より一層クリエイティブな仕事をするためには、自分一人の知見だけでなく、チームを組み、様々な意見を出し合うことが求められます。その時に、読解力がなければ、表面的な意見ばかりになってしまい、生産性が上がることはないでしょう。

そうならないためにも、日頃からしっかりと「日本語を読める」状態にしておく必要があるのではないでしょうか。


翻訳は「手段」であって「目的」ではない

弊社は主に「コミュニケーションサービス」を提供している企業ですが、そのうち、翻訳や通訳といった言語サービスを中心にご提供を行っています。

お客様からサービス提供への対価をいただきながら、経済活動を行っていますが、時折、そこに該当しないケースがあります。より大きな目的(弊社の場合には経営理念の実現)の場合であれば、該当しなくても(長期的には整合性が取られるため)問題ありませんが、以前にはそうでないケースも散見されました。

このあたりはもしかしたら業界構造や業界の変化にも関連しているかもしれません。

翻訳の功と罪

今回はビジネスでついつい「勘違い」してしまいがちな点について考察します。

陥りやすい「手段の目的化」

今はもうほとんどありませんが、以前に多かったのは「手段の目的化」です。翻訳や通訳サービスは、それを利用するクライアントのビジネスコミュニケーションをスムースにするためのツールのひとつであるべきで、それ自体が目的になってしまうのは本末転倒です。

具体的には、翻訳者の作る訳文がクライアントが求めるものとずれ、クレームになる場合などを指します。プロの翻訳者が行なう翻訳作業なのですから、ある一定の精度があるはずです。にもかかわらず、どうしてクレームになるのでしょうか?

考えられる原因はいくつかあります。

  1. 翻訳者の実力不足(一定の精度が無い訳文だった)
  2. 翻訳会社のヒアリング不足(営業窓口の力不足)、不適切なアサイン(人には向き不向きがある)
  3. クライアントが翻訳以上のものを求めている
  4. クライアントの好み(恣意的なもの)
  5. 納期等のその他の条件

 

これ以外でも、できない原因はあげればキリがないので、このあたりにしておきますが、いずれにしても様々な原因でクライアント期待とは違うものが納品されてくればクレームになる場合があります。

つまり、上記のような点が「ずれているから」起きてしまうトラブルやクレームが一定数存在します。

いったい何のために翻訳するのか?通訳するのか?

手段を目的化しないために、最初から最後までブレてはいけないのは、この翻訳、通訳の目的は何か?いったい何のためにクライアントは翻訳や通訳を利用するのか?ということです。

これは翻訳会社としてもしっかりヒアリングしなければならない部分ですし、それをコーディネーターから的確に翻訳者に伝えなければならない点です。

逆に、それをしっかりと汲み取って訳文を作ったり、通訳していくことができれば、理論上は大きな齟齬というのは出ないはずです。

※特に通訳の場合には、現場での対応になり、クライアントの担当者と直接打ち合わせができることも多いため、本来の目的を確認しやすいと言えます。

どの企業も、どの業界でも共通しているのは、ビジネスのコミュニケーションをスムースにして期待する成果を得ることであり、それを達成するために私たちは翻訳や通訳サービスを提供することで何ができるのか?ということです。

これを見失ってしまうと、クライアントの期待する翻訳や通訳サービスにはなりません。誤解を恐れず言えば、「作り手の独りよがりのサービス」になってしまうのです。

翻訳や通訳というサービスは、限りなく商品に近いところにあるために、ついつい勘違いしてしまいそうですが、残念ながらそれ自体は目的にはなりません。もし「翻訳すること」自体が目的であれば、それはビジネスではなく、ボランティアや趣味、また自分自身の勉強のためであることがほとんどではないでしょうか。(ちなみに、これらが悪いということではなく、ビジネスコミュニケーションサービスとして提供する以上はクライアントがいるわけですから、その要望も汲み取っていかなくてはならないということです)

これは英会話なども同様です。英語と言うツールを使って、仕事をスムースに進めることが重要な目的であって「英語が話せます」という話ではありません。実際の現場では、TOEIC の点数が非常に高くても、ビジネスの基礎がない人は活躍することできないのは何も英語に限った話ではありませんので、細かく説明するまでもないでしょう。

エグゼクティブ専門英会話 [Be Confident]

翻訳という仕事をしていると、どうしても TOEIC が高得点でなければならないといった類のことを言われることも多いですが、実態はそうではありません。「翻訳力」とでも言うべき能力はまったく定義が異なります。

 

「翻訳力」とは何か

 

「お客様に喜んでもらう」ことがひとつのバロメーター

仕事にはどれも相手(お客様)がいます。その「お客様のために価値を提供する」ことが重要なのであり、結果として収入や報酬があるのです。

クライアントが困っていることに対し、自ら蓄積してきた能力や経験で解決することが重要です。大ざっぱに言ってしまえば、人の役に立つことです。お客様の役に立つことを本気で考えれば、自ずととるべき行動は定まってくるでしょう。それは自己満足でも自慢でもないはずです。手段が目的化されている場合には、「自分がやったから結果が出たんだ」となりがちなので要注意です。

それよりも全力を尽くし、その結果としてお客様から感謝されるほうが自分が持つ能力が誰かの役に立てたと思えるのではないでしょうか。こういう真摯な気持ちで仕事に向き合ったとき、人はさらなる成長をすることができます。

翻訳も通訳も「お医者さん」と同じ

翻訳も通訳も様々なテクニックや最新のツールやテクノロジーがあります。ドキュメントによって訳し方が違ったり、分野によっても扱うドキュメントは様々です。

しかしそれ以前のスタンスの問題として自覚しておかないといけないことがあります。

それは、プロフェッショナルとしての翻訳者や通訳者は、その高い専門性や高い言語能力を駆使して、お客様の困りごとを解決できるということです。いわば「お医者さん」と同じように正しい診断を行い、治療法を提案していくこと、また専門性が高ければ、ブラックボックス化せず、インフォームドコンセントを行い、クライアントが満足する治療を受けることができるのです。

この正しい心構えを持ち、最新のテクノロジーを駆使し、自らの能力を最大限発揮することができれば、クライアントの悩み(顕在的/潜在的)を解決することができるのです。


企業が求めるコミュニケーション能力とは

経団連は「新卒採用に関するアンケート調査結果」でコミュニケーションをする上で16年連続で「コミュニケーション能力」を選考時に重視していると発表しました。

https://www.keidanren.or.jp/policy/2018/110.pdf#page=2

https://www.keidanren.or.jp/policy/2017/096.pdf#page=2

「新卒採用に関するアンケート」結果を公表

2018年度

https://www.keidanren.or.jp/policy/2018/110.pdf

2017年度

http://www.keidanren.or.jp/journal/times/2017/1214_08.html

これらを読む限り企業が新卒採用時に求めるものは、毎年「今年の新人は○○型」と流行りのキーワードになぞらえて発表されるにもかかわらず、この16年間、根っこの部分は何ひとつ変わっていないのでしょう。

つまり、学生が「○○型」だろうが、大切なのは「コミュニケーション能力」ということです。今回はこのコミュニケーション能力、特に企業の求めるコミュニケーション能力について改めて考えてみます。

必要な言葉の定義

どんな言葉でも「意味」を持っていますが、「勘違いや早とちり、誤解」というのはその言葉の「意味」が違っていることから起きるケースも少なくありません。そのため、まずは「コミュニケーション能力」という言葉の定義を行う必要があります。「どんな意味でその言葉を使うのか」という共通認識です。

こちらの記事にも記載していますが、「言葉の定義が統一された共通言語」を使うことでコミュニケーションはスムースになります。

徹底的な「ホウレンソウ」でコミュニケーションを活性化する

 

企業が求めるコミュニケーション能力とは

では、企業が求めるコミュニケーション能力というのは具体的に何を指すのでしょうか?

それは「論理的な思考力」です。

例えば、以下の会話を考えてみましょう。

上司「A 君、B社(クライアント)のプロジェクトの納期はもう1日早くならないか?」

部下「いえ、難しいと思います。エンジニアも不足している状況で今の納期でもギリギリの状態でして・・・」

上司「そうか、、、もうどうにもならないか」

部下「はい、ただ期日通りには納品できると思いますので、B 社さんにはそのようにお伝えいただけると助かります。ここで無理をして不完全なものをお渡ししてしまうと結果的に B社さんにもご迷惑をおかけしますし。。。」

上司「分かった。先方にはそのように伝えておこう」

これは「納期」という要素に対して、部下は顧客の納期を変更したいという希望を拒否しつつ、ただ最善の努力はしているということを伝えています。また長期的な信頼関係を構築するという点でも、上司と部下は同じ見解であり、クライアントである B社に対して、プロジェクトに対して誠実であろうとしていることが分かります。

ではもうひとつの事例を見てみましょう。

クライアント「先日ご提案いただいた貴社のサービスですが、社内でも前向きに検討中です。そこで1点教えてほしいのですが、このサービスをすでに導入した企業さんですが、差し支えの無い範囲で構いませんので、どの点が最も効果があったとおっしゃってるんでしょうか?」

営業マン「そうですね、先日お話しした通り、コスト削減にはかなり貢献しているようですし、あとは期間の短縮も見られましたし、ああ、あとは管理がすごく楽になったとおっしゃっていましたね」

クライアント「ということは、その企業さんは、コスト削減がもっとも良かったと?」

営業マン「あー、そうですね。元々は弊社のサービスがオールインワンなので、管理が簡単になるのではないかということでしたが」

クライアント「ええと、ということは、最初は効率的な業務管理をするためにサービスを探していらっしゃったんですね」

営業マン「でも今回は、コスト削減や期間短縮もできたので喜んでいただけたんじゃないかと思います」

クライアント「なるほど。コスト削減は素晴らしいことなんですが、元々お持ちだった悩みは業務管理を楽にしたいということですよね?」

営業マン「はい、コスト削減だけでなく、予想以上にスケジュールの短縮もできたというのが弊社のサービスを採用していただいた理由ですね」

クライアント「そ、そうですか・・・ありがとうございます」

このクライアントは、他社の事例を聞き、そこで得られた最も大きな効果を知りたがっていたわけですが、営業マンが回答しているのは「コスト削減、期間短縮、管理が楽になった」という3つの要素であり、これらを並列に答えてしまっていることによって、クライアントが混乱しています。

そこでクライアントは途中で質問の仕方を変え「事例のクライアントの悩みは何だったのか」と聞き直しています。「悩み=解決したサービスのポイント」と考えたからでしょう。自社の悩みや自社の求める効果と同じなのか、それとも違うのかを確認したかったと考えられます。

しかし残念ながらこの営業マンはそれに気づくことなく、相変わらずすべての要素を並列に回答しています。

一見、コミュニケーションが成立しているように見えますが、実際には噛みあっていない会話になり、クライアントはストレスを抱えています。

論理的思考力があれば、これらの要素を並列ではなく、従属関係に置き換え、構造化することができ、相手にとって分かりやすい回答をすることができます。

企業が求めるのは、こういったシーンでのコミュニケーション能力です。

「考える力」はインプット&アウトプット&フィードバックの繰り返しによって強化される

では、論理的な思考力、つまり「考える力」というのはどうやって磨けばいいのでしょうか。

例えば、赤ちゃんが言葉を覚える過程を想定してみましょう。この場合、赤ちゃんは周囲の(特に親の)圧倒的な(本人にとっては意味不明な)量の言語情報を浴びることになります。

これらの言葉(というよりは音)を聞き続けることで、徐々に単語を聞き分けることができるようになります。しかし意味はまだ分からないので言語としては認識できません。

それでもずっと言葉を浴び続ける(学習する)と、意味を含めて言語を理解することになります。単語、文法、構成などは意味を繋げるものであり、それらを自分で発音したり真似をしたりしながら、少しずつ自分のものにすることができます。

これらのインプットを中心とした生活から、発言したり様々な表現をすること、つまりアウトプットすることへとシフトしていきます。

また、アウトプットすることによって何らかのフィードバックがあります。そのフィードバックを取り入れ、再度インプットし改善していきます。そしてまたアウトプットするというサイクルが繰り返されていきます。

このように学習することにより、「考える力」が育っていくことになりますが、逆に考える機会が少ない場合、相手が何を期待しているのか、また何を望んでいるのかを察知しにくくなりますし、言われたことは遂行できても自分で考えていないので応用がききません。

さらに日本語は元々省略されやすいハイコンテクストな言語体系で、いわゆる「察する」「空気を読む」といった傾向が強く、考える力がないとそれも分からないという事態も現実には起こります。(「察する」「空気を読む」こと自体の是非はここでは論じません)

インプットとアウトプットをつなげるのは「考える」こと

コミュニケーションというのは他者とのやり取りになるわけですから、「話す」「書く」という部分がインターフェースとして重要になります。

しかしそれらを支えるのは実は「聞く」、「読む」のインプットです。取り込んだ情報を元に自分自身の意見や考えをまとめていきます。これが「考える」ということです。

インプットした情報を加工して(=相手に伝わるように)アウトプットするには、考えなくてはならないのです。つまり自分で「考える力」こそが、インプットとアウトプットをつなげる機能を持っているということになります。

企業の求めるコミュニケーション能力を向上させるために

例えば「空気を読む」といった能力があれば、確かにベターですが、それ以前に企業としては「5W1H」で過不足なく情報(事実)を伝えてくれて、それに対しての主観や提案をしてくれる人物の方が評価は高くなります。空気を読むことができても、指示待ち人間になってしまえば、成果を出すことは難しいでしょう。

上述のとおり、インプット→考える→アウトプットの流れにあるわけですから、結局のところ企業の求めるコミュニケーション能力のベースとなるのは「考える力」を鍛えていくことしかありません。

そしてすべては学習する(インプット)ことからスタートしているといっても過言ではありません。

企業の求めるコミュニケーション能力を磨くためには、「考える力」があるかどうかを意識してみるといいでしょう。

「コミュニケーション能力」不足は新卒に限った話ではない

この問題は、実は企業と学生間の話だけではなく、社会人の中でもバラつきがあるのが実情です。

そもそも「なぜコミュニケーション能力が大切だ」と企業が考えるのか?ということですが、これは裏を返せば「社会人になってもコミュニケーション能力が低い人がいて、とても困っているから」ということです。

自分の発言が誤解されたり曲解されたりした経験は誰でもあるはずです。それは相手との共通言語や共通認識がなかったりする場合に起きやすく、また逆に相手に甘え、省略し過ぎてしまうケースでも起こります。ですから、誤解のないように前提を共有し、端折らずにしっかり系統立てて伝えることが重要なのです。これができない社会人が多いからこそ、企業がコミュニケーション能力を重視していると言えます。このことは決して対岸の火事ではありません。

まとめ

いかがでしょうか。さらに昨今のネット時代では「書く」という行為の比重はますます増えていくでしょう。メールでもチャットでも、テキストのやり取りが爆発的に増加し、コミュニケーションは重要度を増しているのです。ますます自分の考える力を駆使してアウトプットしていかなくてはならないのです。

働き方改革等で、作業効率を上げるという部分がフォーカスされていますが、コミュニケーションにかかるストレスが大きい人というのは、それだけで敬遠されます。実際に想像すれば分かりますが、何度説明しても理解してくれない人、報告も例のように的を射ていない人と仕事をしようとは思いません。それが無理でもできるだけ接触頻度をさげようとします。

自身を取り巻く状況を冷静に把握して、それに見合ったアウトプットを出すこと、そしてそのアウトプットを支えるインプット、学習を怠らないことなど、知的集約産業におけるコミュニケーション能力について理解しておきたいものです。


徹底的な「ホウレンソウ」でコミュニケーションを活性化する

4月に社会人デビューした方も、そうでない方も、ビジネスでは世代を超えたコミュニケーションがとても重要であることは理解できるでしょう。

コミュニケーションを取りながら、相互補完しつつ、ゴールに向かって進んでいくというプロセスはどの企業活動でも同じです。基点となる他者/他社とのコミュニケーション能力が低いと、総じてその後のゴールまでのプロセスの精度が下がってしまいます。また最悪の場合にはゴールまで辿りつかず頓挫してしまうこともあります。

今回は、そうならないためにも、基本の「ホウレンソウ」を徹底活用することをお薦めします。

うまくいかないコミュニケーション

コミュニケーションの手法はいくつもありますが、そもそもコミュニケーション量が少ないと仕事がスムースに進まないこともあります。とはいえ、何でもかんでもすぐに話ができるわけでもありません。まずは信頼関係がなくてはならないからです。

ホウレンソウの前に、まず必要なのは「信頼関係の構築」です。コミュニケーションがうまくいかないのは、信頼関係がないからです。

そもそもお互いに「違う人間」だということが前提にあることを理解する

では、信頼関係はどうすれば構築できるのでしょうか?

相手を信頼するために必要なステップの第一歩は「自己開示」です。相手に信じてほしければ自分をオープンにすることが大切です。「自分はこんな人間です」ということを伝え、相手にも心を開いてもらう必要があります。

相手からすれば、「いったいどんな人なのか?」という風に思っているわけですから、まずはその不安を取り払わなければなりません。

これはつまり、本質的には「自分と相手は違う人間だ」という前提を理解しているかどうかです。

相手と違うからこそ、自己開示をし、信頼関係を構築していき、コミュニケーションをスムースにさせなくてはなりません。

違う人間同士が協力するには絶対に「共通言語」が大切

自分とは違う相手と手を取ってビジネスを進めるために必要になるのが「共通言語」です。共通言語とはそのビジネスで使用している専門用語かもしれませんし、社内用語かもしれません。業界用語の場合もあるでしょう。

これらをきちんとピックアップしてまとめて、共有することが最初のステップとなります。「身内ネタ」は共通言語ではないですし、そこに登場する言葉も伝わりませんから、ビジネスで使用しても一切通じません。これらはちょっと考えれば分かることなのですが、意外と無意識に使ってしまうこともあるのではないでしょうか。

また、社内の一部で使っているような略語などもついつい使ってしまいがちですが、「どうして分からないのか?」と嘆く前に、「もしかしたらこれは共通言語でない、特有の言葉を使っているのではないか?」と自問してみましょう。

共通言語は、共通の意味を定義付ける

共通言語をピックアップしたら、その意味を定義づけます。

実は同じ言葉を使っていても微妙にその意味が違っているということは往々にして起きていることです。相手は「○○という意味のつもりで話していた」と後から分かったという経験はないでしょうか。

例えば、納期に絡む言葉で「~まで」といった表現をします。実際のビジネスの現場では、以下のようなことが起きています。

「納期は4月30日までに提出」

と言う言葉の意味は、

「4月30日中に提出する」

という解釈をするケースが多いと思いますが、稀に4月30日を含まずに、

「4月29日中に提出する」

という解釈をする人もいます。

「まで」は、その日(この場合は 4月30日)を含むかどうかという解釈の違いです。

このように、せっかく同じ言葉を使っているのに意味が違えば、コミュニケーションのボタンの掛け違いは解決しません。むしろ少しずつ意味が違うので大きな事故につながってしまう可能性が高いでしょう。

「私はその言葉をこういう意味で理解していますが、どういう意味で使っていますか?」とすり合わせておくことが重要になります。

※ちなみに先ほどの例の「まで」は、一般的には「当日を含む」解釈が正解です。

高い質のコミュニケーションをお互いに取るというのは、「共通言語」を使って対話すること

共通言語をピックアップし、意味の定義づけを終えれば、あとはそれらを使ってコミュニケーションをとっていくことになります。そこで大切なのは定性情報と定量情報をバランスよく伝えることです。

ホウレンソウは、その頻度も大切ですが、定性情報と定量情報がなければビジネスでは成り立たないということを知っておきましょう。

例えば、「頑張って売り上げます!」という報告があったとしても何の意味もありません。「誰に、どうやって、いくら売るのか?その具体的な目標金額はいくらなのか?今どれくらい達成しているのか?」を伝えなければ報告にはならないからです。ただ「頑張ります」を100回報告したとしても相手はそれを聞いて納得はしません。定量情報を含めて、一度にきちんと報告するほうがベターなのは明白です。

つまり「徹底的なホウレンソウ」というのは、量を増やすということでなく、相手にとって過不足なく情報を伝えることが大切だという意味です。

この定性情報と定量情報をバランスよく入れるには、「フォーマットを作る」ことでカバーすることができます。もちろん SFA ツールでも問題ありません。ただ、ツールを増やし過ぎて3つも4つも導入するとどこに何があるのか分からなくなってしまいますし、作業効率が下がります。できるだけシンプルで簡単にアクセスできる SFA を選択するようにしましょう。

どんなツールでもフォーマットでもいいのですが、毎日簡単に報告するには、基本的なところでは以下の情報があればよいでしょう。

例えば、部下からの営業活動の日報だとしたら、以下のような項目になります。

項目詳細
企業名xxxx 株式会社
案件名/プロジェクト名xxxxx プロジェクト
行動訪問件数、見積金額、コール件数など
目標売上xxxxx 円
今日の売上xxxxx 円(進捗率 xx %)
気づいたこと、感じたことなど実は異なる二―ズがあった、今度の担当者はxx からの異動なのでxx あたりを注意したほうがよさそうだ等

定性情報から定量情報に転換することもあるので、どんな風に感じたのかなどは重要な情報となります。

一方、部下からの報告を受けた上司は、ただその報告を見ていればいいということではありません。むしろ上司からどんどんコミュニケーションを取らなくてはなりません。せっかく現場で感じたことを部下があげてきたなら、長年の経験から分かるアドバイスや対策などをしっかりフィードバックしなければなりません。

上司からのフィードバックの例としては、「xx 社の担当者さんは、以前に xx という商品に興味を示していた。今回は予算次第では、xx の提案をしてもいいと思うし、必要なら同行して提案説明もする」といった内容でしょう。

数字を達成するために行なうアドバイスはもちろんですが、定性情報に対し、経験を駆使してアドバイスができるのが上司の強みです。部下にとっては「目標の達成までの道のりが見えるようになる」わけですから、適切なフィードバックをすることが重要です。ここにもホウレンソウが活きてきます。

一方、社内での信頼関係を構築するケースでもホウレンソウは大切です。

部下に信じてもうためには、まずは「自己開示」をします。そして信頼関係の基盤を固めていきます。普段から相手の興味がある共通の話題などでコミュニケーションを円滑にしておきます。冗談のひとつも言い合えるような関係性が理想的です。なぜなら、コミュニケーションにおいて「笑い」というのは大変重要な要素だからです。

普段からしっかりと関係性ができていれば、仕事の本題に入るときもスムースですし、同じ温度感で話をすることができます。

例えば、打ち合わせでは「そのテーマや目的を伝える」「相手に何を期待しているのか(役割分担)を決める」「いつまでに行うのか(期限)を決める」というのはしっかり伝えます。

コミュニケーションはお互いの意思のキャッチボールです。フォーマットに則った精度の高い言語のやり取りは、チーム力向上には欠かせません。

まとめ:「ホウレンソウ」を徹底的に活用する

このように、チームが活性化するときというのは、このホウレンソウが適切な量と質で回っているときです。チームプレーでプロジェクトを推進したり、大きな案件を受注するためにチームが一丸となっていくというプロセスでは適切な量と質のコミュニケーションが欠かせません。

繰り返しになりますが、がむしゃらに報告すればいいわけでもありませんし、何でもかんでも相談すればいいということでもありません。また口を出し過ぎてしまったり、細かすぎるところまで言う必要もありません。

それらの適切な量と質を担保するために、システムを活用する、ルールを決める、定義を決めるなどが重要になってきます。

強いチームを作り、共に戦っていくためにも徹底的に「ホウレンソウ」を回すだけでも大きな効果が得られるのではないでしょうか。


コミュニケーションが「うまくいく」ときの 5つの要素

コミュニケーションに関しての講座や記事、研修など、世の中には多くありますが、コミュニケーションが重要な能力であるのは疑いようもない事実です。

「コミュニケーションがうまくいっている」時と言うのは、テクニックだけでも、また精神論だけでもなく、「お互いを理解している」という感覚を持つことができます。そしてそれは取り立てて珍しいことでもありません。

にも関わらず、ビジネスとなると急に「コミュニケーション能力」や「コミュニケーションの難しさ」がクローズアップされるのは何故でしょうか。

それをひも解いてみれば、どんなところに「うまくいく」ポイントがあるのか気づくことができるのではないでしょうか。今回はこの点に注目したいと思います。

「うまくいっている」というのはどういう状態か

そもそも、コミュニケーションが「うまくいっている」というのは、具体的にはどういう状態を指すのでしょうか。これが曖昧なままだと、目指すゴールがはっきりしないため、改善しているかどうかさえ評価することができません。

ここでは、「うまくいっている」という状態は、イコール「相互理解がある」と定義し、そのためには具体的にどうすればいいのかを考えてみます。

そもそも、「うまくいっている」と感じるのはどういう時か

さて「相互理解」というのは、「お互いの考えを理解することができること」であり、それによって、自身も前向きな気持ちで安心して行動に移すことができるということです。

家族や仲の良い友人たちとの会話であれば、特に意識せず、この状態を得ることができ、またこのように感じることができるでしょう。

ただ、ビジネスにおいてはこれだけではうまく行かないというのも事実です。そこで、以下の5つのポイントを押さえておく必要があります。

1. テーマや方向性が共有されている

大前提として、話すテーマや進むべき方向性やゴールがはっきりしていて、共有されていることが必須となります。「何が言いたいのか分からない」「どんな意図があるか不明」という不安を覚えるときというのは、何のためにそんな発言をしているのかという意図が見えないからです。

ひとたび不安を覚えれば、疑心暗鬼のまま、コミュニケーションが進みますので結果としてうまくいきません。

例えば、「今期の売上を20%アップするためにはどうすればいいか」という目的を共有していれば、コミュニケーションはこの目的を達成するための会話となるはずですし、それはお互いに理解しているからこそ、建設的なコミュニケーションを構築することができると言えます。

2. テーマに対してそれぞれ意見や感想がある(価値観が見え隠れする)

テーマが共有されているからこそ、はじめて自分の立ち位置がハッキリします。

「今期の売上を20%アップするには、これまでのやり方を踏襲していてはダメだ。もっと抜本的な改革が必要だ。これまで事業部制にしていたが、プロジェクト単位の横断的なチーム編成にする」

という意見があるかもしれませんし、

「いや、これまでの事業部制に問題があるのではなく、取扱商品の価格低下と新規商品への新たな投資やマーケティング活動に力を入れた方がいい」

という意見もあるかもしれません。いずれにせよ、目的達成のための意見があるとき、その発言者の「真意」が見えます。

  • 本当にその方法を推薦したいと考えているのか?
  • それとも、立場的にそう言わざるを得ないのか?

こういった部分まで話し込むことができれば、意見の対立はあっても相互理解は進むはずです。

3. お互いに意見を言い合える、また聞くことができる(自己開示、関係性がある)

対立意見があっても、それ以外は共感することが多い、という関係性もあるでしょう。またこれは社内だけでなく社外でも有効ですが、人間関係は信頼関係でもあります。異なるバックグラウンドを持つ人間が集まって1つの方向に進もうとするわけですから、様々な調整も妥協も必要です。しかしそれらが禍根を残すことなく健全な関係性を保つことができるのは、お互いにどんな人かを知っているからです。

そしてお互いを知っているというのは、つまり「自己開示」があるかどうかに限ります。

「実は先日子供の学校の運動会に出まして・・・」

「来月に両親と妻の両親と入籍前の顔合わせがあるんですけどね」

「今年は海外旅行に行こうと思ってて、貯金してるんですよ」

「娘が高校受験するって言うので、家の中がピリピリしてましてね。。。」

「正月に久しぶりに親戚一同が集まる機会がありまして、これが意外と盛り上がったんですよ」

「実はプライベートで大きな悩みがありまして。。」

「聞いてくださいよ、先週の日曜日にとっても嬉しいことがあって」

といった様々なレベルでの「自己開示」を行うことによって自分がどんな人間か、どんなことを大切にしているのかといったことを知ることができます。

これによって程度の差こそあれ、相手も開示してくれるでしょうし、そういう関係から会話が始まると、仕事の話はその「関係性の延長線上に存在する」ことになるので非常にスムースになります。

また対立する意見が出ても比較的発言しやすくなるのは、想像に難くありません。これは、あらかじめ自己開示による関係性が構築されているからだと言えます。

4. ユーモアをはじめとした「笑い」が存在する

良い関係が築けているかどうかのひとつの判断基準として、そのコミュニケーションの中に適度な「笑いが存在するかどうか」があります。

これも想像するのは簡単ですが、緊張関係では絶対笑顔にもなりませんし、なれません。また笑顔や笑い声は自分自身だけでなく相手にも伝染し、影響を与えます。張り詰めた空気も、同じように伝染します。

「会社の雰囲気」や「社風」といった言わゆる目に見えなくても、感じることができるものがコミュニケーションをスムースにするかどうかのカギを握っていることはよくあります。

プライベートでもビジネスでも「笑い」の無い関係は長続きしません。遅かれ早かれコミュニケーションはうまく行かずに失敗するでしょう。

5. 会話のテンポやリズムがある(共同作業)

「相性がいい」という表現は良く使われますが、これはコミュニケーションでも同じでしょう。同じスピードで言葉のキャッチボールが出来ることや、言葉の定義が一致しているため同じ用語を使えるなど、リズムのあるコミュニケーションが展開されていくのは、お互いに心地よいものです。

また嫌味の無い範囲でミラーリングやオウム返しのようなテクニックを駆使することができれば、より一層関係性を強くすることができるでしょう。

まとめ

このように、5つのポイントを抑え実行するだけでコミュニケーションをスムースに進めることができればそれに紐づくビジネスの結果もおのずと向上するでしょう。また社内であれば上司や同様、後輩や部下との関係性も強くなるでしょうし、同じ方向を向いて強力なチームワークを発揮することができるといえます。

多様性が叫ばれるこの時代にコミュニケーションはますます重要になることは間違いありません。チームビルディングの要素でもあり、人間関係の基本とも言える「良好な関係性」をベースに、ビジネスを推進することができるのではないでしょうか。


「旅の恥はかき捨て」だが「受け入れ側の恥はずっと残る」という話

インバウンドの伸びに伴い、様々なトラブルも増えている

年々、インバウンド需要が高まる中、同時に様々な課題や問題も起きています。

例えば、以下のようなものが挙げられます。

忍び寄るオーバーツーリズム 日本も危機に?

https://www3.nhk.or.jp/news/web_tokushu/2018_1017.html

「観光公害」とは何か?京都の夜桜ライトアップ中止に見る実際の観光公害事例

https://honichi.com/news/2017/06/21/kankokogai/

新たな観光公害 訪日客の「医療費未払い問題」…解決策はあるのか?

https://honichi.com/news/2017/08/21/medicalexpensesunpaid/

観光庁 温泉などの入浴施設にタトゥー・入れ墨を入れた訪日客への対応改善を促進も、日本人一般客は半数が入れ墨NO!

https://honichi.com/news/2016/08/16/kankochoonsennadonony/

訪日香港人観光客が好む移動手段:レンタカー利用者が多い反面、事故などのトラブルも多発

https://honichi.com/news/2016/05/27/honichihonkonjinkanko/

これらは、外国人観光客側への十分な説明が不足していたり、外国人観光客側のマナーの違いとそれぞれのギャップによるものだったりしますが、外国人観光客数が増えれば増えるほど、今後もこういった何らかのトラブルや問題は起きると言えます。

「観光立国」を目指していく以上はこれらのトラブルへの対応や事前の対策もさらに徹底していく必要があります。

そもそも旅行というのは「非日常」であるわけで、普段経験できない事やモノを見たり、聞いたり、触れたり感じたりしたいわけです。日本の伝統や文化などに触れたり、日本でしかできない体験などを求めています。

「旅の恥はかき捨て」という言葉もありますが、誰しも気持ちが解放的になるのは仕方がないことでしょう。また「非日常」の世界に移動するわけですから、文化的な背景や知識を持っている観光客の方が珍しいという前提で考えるが妥当です。

これは外国人だからというわけではなく、旅行する人なら誰でも当てはまることです。

しかし、一方で「かき捨て」ることができないのが、受け入れ側の問題です。受け入れ側として上記のようなトラブルや問題を起こさないために、何ができるのでしょうか。

【解決法:1】まずは外国人観光客が困っていることをきちんと解決する

受け入れ側が真っ先に行うことは、どこにでも載っていますが「外国人観光客が困っていること」を順番に解決することです。

観光庁:受入環境について訪日外国人旅行者にアンケート調査を行いました

http://www.mlit.go.jp/kankocho/news08_000233.html

こちらのアンケート結果にもありますが、Wifi 問題は解決の方向に向かっています。

しかし一方で「コミュニケーション」はあまり改善しているとは言い難い状況です。特に「飲食や小売店」でのコミュニケーションです。

具体的には、以下のように「スタッフとのコミュニケーション」と「多言語表示」に分けることができます。

旅行の場面ごとの多言語表示・コミュニケーションの課題が明らかになりました ~多言語表示・コミュニケーションの受入環境について訪日外国人旅行者にアンケート調査を実施~

http://www.mlit.go.jp/kankocho/news08_000239.html

※弊社サイトでも接客英会話について記載しております。

これさえ覚えれば大丈夫!外国人観光客向け 接客英会話 22フレーズ(飲食店編)

コミュニケーションをどうやって円滑にするのか

アンケートを見てもわかるように、言語の違いはあっても、結局はコミュニケーションの問題ですので、本質をしっかり抑える必要があります。

「コミュニケーションの本質は何か」と言えば、それは「思いやる心」「慮る心」「姿勢」です。

受け入れ側として、まずは「外国人観光客が困っているコミュニケーションを改善する」ことに腐心しなくてはなりません。

「とにかくメニューを多言語化し、注文はタッチパネルで」というのは理解できますが、それ以上に相手の状況を理解したり声をかけるという部分は人間にしかできない部分です。

「ハードとソフトの組み合わせ、そしてバランス」という点は今回のテーマとは異なりますので、割愛しますが、外国人観光客がコミュニケーションが取れないと感じるのは、何も「注文がスムースにできればそれでいい」ということだけで解決するのではないということです。

何故なら現地の「人との触れ合い」も旅の醍醐味だからです。

そういう意味での「コミュニケーション」をどうスムースにしていくのかと言えば、言語のプロフェッショナルとしては「地道な学習と実践しかない」というお伝えするしかありません。

根本的な解決は「継続的な学習」しかないためです。

英語の学習法は様々ですが、やはり日々の継続がモノをいうので、コツコツと行うしかありません。そこでまずは「外国人観光客の不満を解消するため」という目的を持てば、「接客英会話」という括りで学習するのが効果的でしょう。

弊社では「飲食店向け接客英会話」を不定期で開催しております。

「飲食店向け接客英会話」セミナーのご案内(終了いたしました)

※チェーン店様の場合などは、法人向けサービスとしてもご提供しております。ご興味があれば別途お問い合わせください。

この「コミュニケーション」は決して上手である必要はありません。大切なのは、離そうとすることであり、伝えようとすること、相手の言うことを理解しようする「姿勢」です。

その「姿勢」こそが外国人観光客に届けば、多少やり取りが増えたとしても、それを含めた「非日常」体験となるからです。

「楽しんでもらいたい」「楽しい思い出を作ってもらいたい」という「姿勢」こそが、最も大切でそれこそが「おもてなし」なのではないかと思います。

コラム:銀座のお店

銀座にある化粧品店の話です。

そのお店は昨今のインバウンドブームで中国人旅行者が大挙をなしておしかけています。もちろん売り上げは順調です。

しかし、ひとつ大きな問題があります。それはお店のスタッフの質です。

・どうせ日本語が分からないだろうからと、目の前で「早く決めろ」といったことや「邪魔なんだよ」といった小声で暴言を吐く

・周りのスタッフもそれを止めないどころが、便乗する

こんな態度を取っていれば、日本語が分からなくても誰でも気づきます。このお店はブームの最中にも関わらず、徐々に旅行者が来なくなりました。

実は、それ以前に別の女性スタッフが、暴言や接客態度が悪いことを経営陣に報告していたのですが、それも改善されることなく時間だけが過ぎていっていました。

当然この女性スタッフも「この店は将来がない」と見切りをつけて早々に辞めていきました。

優秀な人は辞め、暴言を吐く人だけが残るお店に、いったい誰が来店するのでしょうか。

【解決法:2】この先も見据えて、「恥にならない翻訳」をする

ちなみに、コミュニケーションをすぐにスムースにすることができるツールとしては(手前味噌になってしまいますが)「多言語翻訳」は今後も重要なツールだと言えます。

最も分かりやすい例として英語で考えると、対人の場合には英会話となりますし、表示物であれば英語への翻訳となります。

飲食店なら

  • 接客英会話(お客様とスタッフ)
  • 英語翻訳(メニューや看板など読むもの)

でしょう。後者の翻訳は、テキスト情報としてずっと目に触れるものです。ですから、その品質を軽んじてしまうと、それなりのものにしかならないということです。

例えば、こんな事例があります。(名称等は伏せております)

  1. 某庁の肝いりのプロジェクトで、日本全国に点在する某観光施設のパンフレットの多言語翻訳を行なうことになった
  2. 大手代理店や制作会社が担当し、プロジェクトは年度末の納品で決定
  3. プロジェクトのキックオフミーティングが開かれることもなく、なし崩し的にプロジェクトがスタート
  4. 打ち合わせが曖昧で、作業の仕様が揺れているために、各担当者とのやり取りもどんどん煩雑になり、結果的に制作会社も代理店も翻訳会社も納期に間に合わせるため、やっつけ仕事になった
  5. 結果、納期には間に合い、印刷をし全国の施設に配布されたが、外国人観光客からは「訳抜けや誤訳、スペルミスなどが多く散見されるパンフレットとなった
  6. 大型のプロジェクトだったので目立ってしまい某メディアや書籍で「失敗事例」として取り上げられる

これらは、よく聞く話と言えばよく聞く話です。一番大切な「外国人観光客視点」が完全に抜け落ちてしまっています。

翻訳を行う上で、大切なのは「読者は誰か」を把握し、「伝わる翻訳」を作ることです。その視点を見失ってしまうと上記のような問題は頻繁に起きるでしょう。

また AI 翻訳のミスとしてこのような事例もありました。

堺筋だけやない、天下茶屋は… 大阪メトロのサイト誤訳

https://www.asahi.com/articles/ASM3M32R5M3MPTIL006.html

「堺筋」→「サカイ・マッスル」? 大阪メトロ外国語版サイト「めちゃくちゃ誤訳」多数で閉鎖に

https://mainichi.jp/articles/20190318/k00/00m/040/164000c

これと似たようなケースでは、「コスト優先が強すぎて品質が置いてけぼりされた」ということもよく聞きます。入札案件などでは常にこのリスクを抱えることになります。

莫大な費用をかけて新しい技術を導入するのもいいですが、まずは正確に読者が分かるように翻訳することの方が先決ではないでしょうか。

上記のように本末転倒になってしまったプロジェクトは関係者も徒労感に襲われますし、最もまずいのは、受け入れ側として、「この先ずっと残る訳文」になってしまったわけです。(大阪メトロの場合はサイト閉鎖という事態に)

そして、それを利用しなくてはならない外国人観光客はどう思うでしょうか?

冒頭のアンケートにあった「コミュニケーションが取れないことによって困った」というのは、まさにこのことではないでしょうか。

言葉には100点満点はありません。しかし、インバウンドの大きな潮流の中、文章の品質というのは、外国人観光客に直接目に触れるものであり、決してないがしろにしてはならないもののはずです。

その直接のコンタクトポイントを適当に済ませてしまうことは、長期的に見てもあまりにもリスキーではないでしょうか。

まとめ

一生の思い出で日本に旅行にやってくる観光客もいます。決して安くないお金を支払ってくるわけですから、その期待に応えていくことはリピーターになってもらう場合でも重要なことでしょう。

彼らに対してコミュニケーションをしっかりとるためにも、以下の2点は改善していくことが期待されます。

  1. すでに顕在化した「外国人観光客が困っていること」をまずは解決する
  2. 特にコミュニケーションは、会話と文字情報に分け、文字情報は後に残るものとしてしっかり翻訳する
  3. その上でおもてなしの心を持って外国人観光客と接する

 

受け入れ側がしっかりと対応することが、これからのインバウンド対策にはより一層求められていくことになります。

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「僕はコミュニケーション能力があります」と発言した人の話

ビジネスマンにとって必須の能力である「コミュニケーション能力」-「コミュ障」や「コミュ力」といった言葉が乱立する中、「本物のコミュニケーション能力」を伸ばすためにはどうすればいいのだろうか。

「僕はコミュニケーション能力があります」という発言

「僕はコミュニケーション能力があります」と発言した若者がいた。

当然これは「ビジネスにおけるコミュニケーション能力がある」という意味での発言だ。

「ビジネスにおけるコミュニケーション」というのは大変難しい要素を多く含んでいる。どんな資格よりも「コミュニケーション能力」を最重要視する企業が多く、「コミュニケーション」というキーワードで Amazon を検索すれば、おびただしい数の書籍が結果として表示されるのは、それだけコミュニケーション能力が簡単なものではないという証拠でもある。

これだけ困難なコミュニケーションについて、それでも取り組まなければならないのは、他者とのコミュニケーションが取れなければ、せっかく培ってきた能力や資格も活かしきれないというのが、(残念ながら)社内外問わずビジネスの現場だし、真実だということだ。

これには大前提がある。

ビジネスは設定した目的を達成することにある。それは言い換えれば、与えられた持ち場で「求められる成果を出す」ということだ。

そのために、様々な能力を持った人間が集まり、プロジェクトチームを作り、一丸となって目的を達成するために日々行動する。

この「成果を出す」という前提を共有していない場合には、「コミュニケーションとは何か」「ビジネスで求められるコミュニケーション能力とは何か」というテーマを同じレベルで語ることはできない。

「成果を出す」という重要な視点が欠落しているためだ。

冒頭の発言に戻ろう。

「僕はコミュニケーション能力があります」と発言した人は、続けてその理由を述べた。

「僕はいつも『少し静かにしてほしい』と言われるくらい、よく話しているからです」

 

いかがだろうか。この発言では、「コミュニケーション能力がある」という証拠にならないのは誰が見ても明白だ。

しかし本人としては、「(自分が)色々なことを沢山話しているのだから、(相手と)コミュニケーションが取れている」という確信があるはずだ。

具体的な内容に置き換えて考えてみる。

例えば、「僕はあなたにクライアントのプロジェクトに関する重要なファイルの話をした。そのファイルの場所も話したし、アクセス方法も教えた。だからあなたは、そのクライアントのファイルがいかに大切か、そしてその格納場所も完全に理解し、覚えていなくてはならない」と言っているのと同義だ。

話し手としては、滔々と沢山の言葉を使って話したことによって、ある種の「自己満足=私は話した」を満たすことは十二分にできるが、聞き手としては「ワーッと話されただけ」かもしれないし、順番が守られていなければ「何を言っているか分からない」かも知れないし、ほかの仕事があれば「早く終わってほしい」と思って我慢していただけかもしれない。

コミュニケーションというのは、相手の理解度がどの状態にあるかを、都度、話し手が進捗を確認しなければならないものだ。

当然ながら話し手が「自分の話を一方的に話すこと、また話す量が多ければコミュニケーション能力がある」とはならない。

「自分にはコミュニケーション能力がある」と言い切ってしまってしまうと、「相手の立場や状況」を慮ることができなくなるため、相手のことを完全に無視した状態で話が進められてしまう。

結果、高い確率でその会話は「一方通行」だし、結局「何が言いたいのかわからない」ものに終始するだろう。

「自己満足のただの話し好き」と「コミュニケーション能力が高い人」は決定的に違うものがいくつかある。

本物のコミュニケーション能力とは

では、「話し好き」ではなく、「本当にコミュニケーション能力が高い人」になるためにはどんな 要素が必要になるのだろうか。

相手への敬意や興味があること

冒頭の「僕はコミュニケーション能力があります」と発言する人の場合、相手のことを理解しようという姿勢が見られないため、一方的な話になりやすい。

「相手は、自分と同じ知識や経験をしていない人なのだ」という前提を持ちながら話をするからこそ、相手にとって理解の手助けとなるであろう有効な例え話をしたり、簡略化してみたり、表現方法を工夫したりする。

しかしながらその前提がなく、またそれを怠って「自分の話は伝わっている」と思いこむのは、ある意味であまりに傲慢だし、相手への尊敬の念や相手への興味がないと言われても仕方がない。

ビジネスには必ず相手がいる。それはクライアントかもしれないし、パートナーかもしれない。さらにその先のユーザかもしれない。その人たちへの尊敬や敬意、または興味を持っていなければ当然ながら一方通行のコミュニケーションになりやすい。

相手の立場に立つこと(気を遣うこと)

簡単ではないが、真剣に相手の立場に立って考えてみる。それができれば、自ずと言葉は選ぶようになるし、気を遣うこともできる。私たちは学校教育でそれなりの教育を受けているはずだ。

「空気を読む」というのは少し違うが、気遣いができるかどうかは、相手を尊敬しているかどうかに密接に関わっていると言える。

関係性を大切にする

これも同様だが、自分の家族や大切な人であれば、一方的に話して終わりにはならないだろう。それは何故かと言えば、「密接な関係性がすでにあり、自分のことを理解してほしいし、相手のことも心から理解したい」と考えているからだ。

一生懸命聞くし、一生懸命伝えようとする。それも様々なテクニックを使って。

そしてこれは、プライベートだけでなく、仕事でも同じことが言える。

相手にも大切にしていることやモノ、考えがあり、それらを尊敬しつつ、自らの意見や考えを伝えていくことがコミュニケーションの基本だ。

ビジネスの場合には、その目的や方向性が同じであることが重要であり、テクニック以前に「姿勢」が大切だということだ。

信頼関係や相互依存の関係無しに、本物のコミュニケーションは成立しない。

言葉で意思の疎通を図りたければ、言葉以外の部分に注意を払わなければならない。

冒頭の発言をした人の真意は測り知ることはできないが、少なくとも、「聞き手である相手はどう思うのか?どう感じるのか?」を推測していないということは断言できる。

まとめ

クライアントとの商談、社内チームとの打ち合わせ、パートナーとの商談、同僚との打ち合わせ、上司への報告、部下への連絡など、どんな状況でも必ず相手がいるからこそコミュニケーションが求められる。

特に「知的労働」に分類される仕事の場合には、チームワークが重要になる。その中で「成果を上げる」ために最も重要で潤滑油の役割を果たすコミュニケーション能力について、どんな組織でも重視するのは当たり前の話で、今後もその要求レベルが下がることはないだろう。

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初心者が動画マーケティングで抑えておきたいたった2つのこと

多くの企業が使用している動画ですが、貴社のマーケティング活動プロセスにしっかりと組み込み、結果を出すためには、何から考えて着手すればよいのでしょうか。今回は動画マーケティングの失敗を避け、成功のためのステップについてお伝えします。

動画マーケティングの「ゴールは何か」を決める

まず最初に決めなくてはならないのは「貴社のゴールは何か」です。ゴールの無いマーケティングは効果測定できないばかりか、ほとんど意味がありません。独りよがりのマーケティング活動では決してうまく行きません。

ゴールは定性的なものではなく、しっかりと数値で設定しましょう。例えば、

2か月後には動画の再生回数を10,000 回にする

Youtube チャンネルへの登録数を 50 % アップする

といった具合です。明確な目標があれば、一連のマーケティング活動の成否を計測することができますし、費用対効果、成功要因、失敗要因などの分析が可能になります。

動画を見てほしい「ターゲットは誰か」を決める

次に決定しなければならないのが、ターゲットの設定です。いわゆる「ペルソナ」の決定です。

ペルソナを決める上では例えば以下のような質問項目を設定し、それに回答する形でターゲットを明確にしていきます。(回答はあくまでサンプル)

質問項目回答(サンプル)
性別は?男性
年齢は?35歳
居住地は?どこに住んでいるのか?神奈川県
家族構成は?妻と娘、息子の4人暮らし。妻はパートで週5日程働いている。娘は 小学1年生、息子は幼稚園に通っている。
日常の交通手段は?○○線を利用、朝は通勤ラッシュを避けるため1時間ほど早めに通勤している。
普段の服装はどんなものが好きか?普段はスーツだが休日はラフな格好を好む。
趣味は?休日は学生時代からのフットサルチームに参加。練習後には友人たちと食事が王道パターン。
最近の悩みは何か?仕事のやりがいはあるが、給与や条件面を考えるとさらにステップアップして転職するかどうか。年齢的にも転職するなら次が最後にしたい。

どんな価値観を持っているか?(何を大切にしているのか)

仕事もプライベートも大切にしたいと思っているが、結婚してからというもの、子供の将来に何が残せるのか、何を伝えていけるのかという想いが強くなってきた。

動画制作時に抑えておきたい 2 つのポイント

ゴールとターゲットが決まったら、いよいよコンテンツに取り組みます。動画のコンテンツは、設定したペルソナに向けてのものとして制作しなければなりません。コンテンツを制作するときに抑えておきたいポイントを解説します。

ポイント1:動画コンテンツは「ストーリー」が大切

どんな動画でもストーリーは大切です。動画は最初の20秒で継続して視聴するかしないかが決まると言われています。

簡単に言えば、「つかみが大切」ということです。「つかみ」が面白くなければ、よほどのことがない限り、ぞのまま見てもらうことはできません。

ちなみに、2016年にもっともシェアされた動画広告のランキングというものがあります。

unruly 社によってランキングされていますのでご覧ください(英語ページ

John Lewis’ “#BusterTheBoxer” Tops Most Shared Ads Of 2016

これらは、特徴的な動画ばかりでしっかりとストーリーがあり、ついつい見てしまうものばかりですね。

ご覧になったことがある動画もあるのではないでしょうか。ただ、ここで考えたいのは、「どうしてこの動画を自分は見たいと思ったのか?」という質問です。

そこに動画マーケティングのヒントがあります。

ポイント2:SNS 等で紹介、拡散されるコンテンツを作る

もうひとつ例を挙げましょう。以下は Youtube 公式が公開しているその年に流行ったものをまとめています。

YouTube Rewind 2018: Everyone Controls Rewind| #YouYubeRewind

YouTube Rewind: The Shape of 2017| #YouTubeRewind

YouTube Rewind: The Ultimate 2016 Challenge | #YouTubeRewind

これらのまとめを見ると、毎年ドンドン新しいキャラクターやブームが登場しているのが分かります。TV メディアよりも Youtube の方がメディアパワーが強くなっているのが分かります。

これは BtoC の話だけではありません。youtuber のビジネスへの台頭、つまり彼ら自身がコンテンツとしての独自性を持っているわけです。

そしてどんどんシェアされていくことで、その拡散スピードは指数関数的に膨れ上がっていきます。

企業活動においても動画マーケティングは大変重要ですから、例えば、企業のキャラクターを設定してアニメ動画にしたり、企業ブランドに即した形のコンテンツを企画することが重要です。

このように動画はストーリーが大切だというのがご理解いただけたでしょうか。

動画の用途はさまざま

これまで述べてきたように、動画の制作時に抑えておきたいポイントを理解し、制作することができるようになれば、プロモーションのみならず様々な用途にも使えるようになります。なぜなら基本的な部分は従来のマーケティングツールと同じだからです。

プロモーション以外で活用できる分野としては「ハウツー系」や「お悩み解決、Q&A系」、「ニュースメディア系」、「お客様の声、インタビュー、事例」などがあります。

「ハウツー系」といえば e-Learning を代表とする教育・研修などの社内向けの教育研修コンテンツや取扱声明書のようなものを制作することができます。

「お悩み解決、Q&A系」では、「購入した商品の使い方」や「便利な方法」など、手順を動画で説明することができます。文字だけではイメージしにくいものは動画の方が便利です。

「ニュースメディア系」では、まだユーザーに知られていない最新情報など、お役立ち情報をお届けすることができます。

「お客様の声、インタビュー、事例」では、文字通りお客様にインタビューをしたり、動画事例として制作することで「使用感」「実際の反応」を視聴者に伝えることができます。

どの企業でも必ず商品やサービスを販売しており、その先にはユーザー(お客様)がいるわけですから、ニーズは顕在化されており、彼らをターゲットとしてコンテンツを設計することが比較的簡単にできます。(前後しますが、だからこそターゲット=ペルソナの設定が大切です)

動画は「体験」に近づける

動画の用途がさまざまある中で、テキストよりも動画が持っているのは「自分自身の体験に近づく」という点です。

例えばテニスを教える動画があったとします。ラケットの持ち方やフォームなどを動画として見ることができます。

実際に自分でラケットを握って振ってみる際には、テキスト(本)を読むよりも動画を何度も再生して真似をしてみる方が習得は早くなります。(もちろん、見るだけ、読むだけでは習得はできません。最後は行動しなければなりません)

動画を見るだけで実際の体験はできませんが、疑似体験はできます。言葉では伝えにくいニュアンスなどを伝えるときには動画は大変有効です。

また、もうひとつの例としては、営業マンのロールプレイングを動画で撮影し、Youtube にアップして後から研修で使用することができれば、客観的な視点で分析もできますので大変便利です。

大抵の営業マンは恥ずかしがってやりませんが、逆に言えば、それを乗り越えて客観的に自分を分析できれば、より信頼される営業マンになれるということです。

もはや「当たり前」の動画マーケティングをより効果的に使うために

これまで述べてきたように、動画マーケティングは何も難しいことはありません。撮影技術は年々初心者でもできるようにシンプルになってきましたし、リーズナブルな価格で動画の業者も数多くいますから、信頼できる業者とともに作ることが可能になりました。

先端技術やテクニックももちろん大切ですが、もっと大切にしたいのは「ペルソナに対して、貴社の商品やサービスは何ができるのか」を真剣に考えることであり、「その部分に対してどういう提案をするのか」であり、「それを動画でどのように見せるのか」ということです。

それがはっきりしなければ、目標もペルソナもストーリーも意味を成しません。

この点を最重要ポイントとして動画制作を行っていきましょう。

字幕翻訳プラン[FUNSUB]

弊社では動画制作のみにならず、既存の動画をローカライズすることでスピーディに動画を使用していただくことができる字幕翻訳プランもご用意しております。

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中企業経営者向けマーケティングガイド

また、今回の内容は動画に関してお伝えしましたが、ペルソナやストーリーといったマーケティング的な視点は、どの分野でも必要です。世の中には「知られていない良い商品」が沢山あります。

中小企業の場合はリソースが限られているため、それらを知ってもらう機会が極端に少ないと言えるでしょう。だからこそマーケティングが非常に重要であることは間違いありません。

そんな方々のために、弊社では「今すぐできる!知識・経験ゼロの中小企業経営者向け マーケティングガイド」を販売しております。マーケティングとは何かから始まり、実際に手を動かすワーク形式となっておりますので、貴社の強みや戦略を含めて企画検討することができます。

なかなか予算がかけられない、しかし何とかしなくてはならないとお考えの方には最適な1冊となります。

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