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ビジネスコミュニケーションの「キホンのキ」

ビジネスにおけるコミュニケーションの重要性は、今さら取り上げるテーマではありません。多くの人々が、他者/他社とのコミュニケーションで悩み、苦しみ、時にはメンタルに支障をきたしてしまうことがあります。

特にビジネスの場合には、価値観は多様で、経験値、知識、環境などなどのあらゆる要素において、自分と同じ人はおらず、その前提を踏まえてコミュニケーションをとっていかなくては仕事になりません。

仕事ですから「合わないから嫌だ」という訳にはいかないのです。

コミュニケーションに関わる仕事だからこそ

弊社では、そのようなビジネスコミュニケーションに関わる問題や解決策など、これまで多くの記事でお伝えしてきました。

それは、翻訳や通訳というサービスの根幹は、コミュニケーションそのものだからです。

「ただ良い訳文を作っていればいい」というスタンスではなく、お客様に「他者とのコミュニケーションを円滑にしてビジネスで成果を出していただく」ということを目的としているからです。

トライベクトルが考える「良い翻訳」とは|翻訳会社トライベクトル

一見、翻訳や通訳とは関係のないと思われることも、このような考えのもとに「コミュニケーション」をテーマにお伝えしてきました。

ビジネスコミュニケーション関連記事のまとめ

おかげ様で、翻訳や通訳サービスのご案内等のページへのアクセスと同じくらい(ときにはそれ以上に)、コミュニケーションをテーマにした記事へのアクセスが増えております。

特に、新型コロナウィルスの影響もあってか、「テレワーク」というキーワードから派生し、どうやってコミュニケーションを取ればいいのか、どんな風にアクションを起こせばいいのかなど、管理職でも新人でも悩んでしまうケースがあり、そんな時こそコミュニケーションの基礎を知る必要があるという意図で、記事をご覧いただいております。

そこでこれまで掲載してきたコミュニケーション関連の記事を以下にまとめさせていただきました。

未読のものや読み飛ばしてしまったもの、また一度ご覧になったものなどもあるかと思いますが、本ページにまとめさせていただきました。

ぜひ、貴社のビジネスコミュニケーションに活用していただけますと幸いです。

 記事タイトル解説
テレワーク時代のテキストコミュニケーションコロナウィルスによりテレワークが広がり始めています。テレワーク時のコミュニケーションのヒントを掲載しています。
「分からない人が悪い」という傲慢自分の視点だけでコミュニケーションを取ろうとしてもうまくいきません。ビジネスでの成果を上げるために必要な姿勢とは
これからはハイコンテクストとローコンテクストのコミュニケーションを使い分けて成果を出す時代に最も読まれている記事です。ハイコンテクストとローコンテクストを理解すればコミュニケーションがスムースになります。
5W1Hはコミュニケーションの基本学校で習った「5W1H」を使ったコミュニケーションを使うだけでぐっと楽になります。
日本語を理解できない日本人読解力不足が叫ばれている中、いったい私たちはどのように読解力を高め他者とのコミュニケーションを図ればいいのでしょうか。
企業が求めるコミュニケーション能力とは毎年ランキング1位となるコミュニケーション能力。他者との意思疎通ができない人を企業は採用しません。「この人を採りたい」と思う人のコミュニケーションとは?
徹底的な「ホウレンソウ」でコミュニケーションを活性化する上司と部下、同僚、クライアントなど様々な立場の人とコミュニケーションに欠かせないのがこの「ホウレンソウ」です。
コミュニケーションが「うまくいく」ときの 5つの要素いつも仕事の成果を出している人に共通するコミュニケーションの取り方とは?
「僕はコミュニケーション能力があります」と発言した人の話コミュニケーションは定義が曖昧だからこそ、勘違い発言も多いものです。本当の意味でのコミュニケーション能力とは何でしょうか。
コミュニケーション能力の高い人が行っている6つの行動6つのポイントを抑えることで意思疎通が簡単になります。
大切なのは「自分が何を言ったか」よりも「相手にどう伝わったか」ということ話し手の立場だけで話すのではなく、聞き手を意識して話すことの重要性と難しさを理解しましょう。
読み書きができないと取り残される時代がやってきたWeb全盛の時代に、書く力は必須です。
「聞く力」がない人は成果を上げることはできない営業マンをはじめ、ビジネスパーソンにとっては、聞く力は話す力よりも重要である場合が多いです。


テレワーク時代のテキストコミュニケーション

コロナウィルス(COVID-19)が世界中で猛威を振るっています。各国における感染拡大は日に日に増大していますが、そんな中で私たちのビジネス、そして働き方というものも大きく変容を遂げようとしています。

その中でも、特にテレワーク/リモートワークへとシフトしたときのコミュニケーションの取り方は、これまでよりもさらに高度なものになっています。

この機会に改めて考えてみましょう。

テレワークの定義

「在宅勤務」という言葉よりも一気に広まった感がある「テレワーク」ですが、そもそもどういう意味なのでしょうか。

日本テレワーク協会によると「テレワーク」は造語だそうです。

テレワークとは、情報通信技術(ICT = Information and Communication Technology)を活用した、場所や時間にとらわれない柔軟な働き方のことです。

引用:日本テレワーク協会(https://japan-telework.or.jp/

たしかに、現在の働き方は多岐にわたっていますし、そもそも正社員ではなくともフリーランス、個人事業主もますます活躍している時代でもあります。(翻訳者や通訳者という職業はそれこそ、その走りかもしれません)

※「翻訳者」という職業については、弊社が撮影協力した厚生労働省 職業情報提供サイト(日本版 O-NET)にも掲載されております。

https://www.trivector.co.jp/contents/?p=2905

いずれにしても、テレワークは造語ではありながら、いま確実に日本社会に根付いている働き方だと言えるでしょう。

働き方改革と 5G の登場

もうひとつ、テレワークと並び、在宅勤務を含めた自由な働き方を後押しするのが、2019年にはじまった「働き方改革法」です。

「働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律」について

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000148322_00001.html

さらに、テクノロジーが後押しします。5G の登場です。

5Gと4Gで何が変わる?何ができる?

https://www.softbank.jp/biz/5g/column3/

テレワークをしやすい環境が今後続々と始まっていくということです。

テレワークで活躍する各種サービス

テレワークが始まると移動時間が無くなったり、無駄な残業も減る、無駄な会議も減るという点は相違ないと思います。しかし、隣の席にちょっと声をかけるのと同じ感覚ではいられないのも事実です。

そんな違和感をできるだけ払拭できるのが、以下に挙げる様々なツールやサービスです。テレワークで必須なツールには以下のようなものが存在します。

Chatwork:https://go.chatwork.com/ja/

Slack:https://slack.com/intl/ja-jp/

Skype:https://www.skype.com/ja/

LINE:https://line.me/ja/

ZOOM:https://zoom.us/

WebEx:https://www.webex.com/ja/index.html

Microsoft Teams:https://products.office.com/ja-jp/microsoft-teams/group-chat-software

これらについてはすでにご使用の方も多いと思いますが、コミュニケーションをリアルと同じようにするにはこのようなサービスを利用すべきでしょう。

弊社のお客さまの中には、「メールと電話だけだとさすがに厳しい」という声も聞こえてきます。

テレワークのデメリット

テレワークが IT業界特有のものから社会全体に浸透する背景は理解できましたが、とはいえ、まだまだ慣れていないシーンも多いでしょう。ここでは考えられるデメリットもご紹介します。メリットとデメリットを合わせて検討することで対策しやすくなります。代表的なデメリットは以下になります。

時間管理が難しい(自己管理能力の低い人は相当大変)

これまでは通勤時間を計算して始業までに出社をしていた生活から急に、始業までにテレワークの準備をしておけばいいということになり、通勤時間がゼロになります。

それによって満員電車などのストレスは軽減されると考えられますが、一方で時間管理をきちんとしないと強制力が働きにくくなるため、ダラダラと仕事をしてしまう傾向もあります。

逆に時間管理をきっちりできる人には有効な手段です。

他者との接触頻度の低下によるメンタル面の不調(ネガティブな人は特に)

こちらは最近多くの声を聴くようになりましたが、やはりずっと在宅でひとりで仕事をするということに性格的に向いていない人もいますし、元々少しネガティブに物事を捉えてしまいがちな人は、これまでのようにコミュニケーションが十分に取れないと余計な心配をしてしまったり、あらぬ方向に考えてしまったりということが発生します。

特に気持ちが切り替えにくくなる人や、気持ちが下がっているときなどは、どうしても悪い方向に考えてしまうのが人間ですので、このあたりはチームや部署として、上司としてどうフォローしていくかという課題にも直結します。

完全な成果主義

こちらも最近特に言われていますが、これまではオフィスでのコミュニケーションだけで仕事をしていた人の場合は、在宅ではその方法が通用しないですから、純粋に作業の成果や仕事の成果で評価されることになります。

テレワークやリモートワークは、「完全なる実力主義の世界」とも言えるでしょう。無駄な会議や打ち合わせなどは発生しにくいため、「今日はどんな仕事をしたのか」「今日の成果は何か」をきちんと示せないと、周囲からの信頼も失ってしまいます。

何となく惰性で仕事をしてきていた人にはかなり辛い環境になるでしょう。

(見えない)コミュニケーションコストの増大

また、隣の席同士なら一言、二言で済んでいた話が、チャットやメールになると急にやり取りが増えます。

例えば、YES か NO かだけを問うケースで考えてみましょう。

■リアルな場所で直接会って話をする場合

部下:「・・・ということで、こちらは進めてよろしいでしょうか?」

上司:「うーん、いいんだけど、この前にあった別件はどうなったんだ?」

部下:「(別件は関係ないよな)・・・ああ、あちらはまだ交渉中でして」

上司:「あれはさ、早くしないとダメって言ったよね?」

部下:「はい、それはそうなんですが、こちらの件を先に進めるという先方の要望で」

上司:「うん、だからそれは分かるんだけど、ウチにとったら別件の方が重要なんだから」

部下:「ええ、それは分かってますが、まずはこちらを進めてから検討するということで・・」

上司:「いやだから、それはやっていいんだよ、でもさ、その前に別件も合わせて考えてほしいんだよね」

部下:「分かりました、、、ではまずは別件を聞いてみます」

これは同じ場所にいると、(確かにイライラはしますが)まだ我慢できなくはない回答です。しかし、これはチャットやメールになると想像するといかがでしょうか。

■チャットやメールの場合

部下:「・・・ということで、こちらは進めてよろしいですか?」

上司:「いいけど、別件はどうなりましたか?」

部下:「(あれ?これって OK ってことかな)・・・別件はまだ交渉しています」

上司:「まだですか。こちらを先に進めてください」

部下:「(それは分かってるけど)・・はい、かしこまりました。しかし、こちらの件を先に進めてほしいと先方はおっしゃっています」

上司:「(いや、だからさ)それはそうですが、ウチにとったら別件の方が重要なのはわかりますよね?」

部下:「(はあ?当たり前だろ)もちろん理解しています。しかしこちらを進めてから検討するとおっしゃっていますが」

上司:「(いやいや、そうじゃなくて)理解しているなら、別件を含めて考えてもらうように伝えてください。」

部下:「(え、結局 NO ってこと?)はい、分かりました、、、ではまずは別件を聞いてみます」

これらは極端な例ではありますが、なぜか文章になるとそれぞれ丁寧な言葉遣いになります。そしてそれがかえって冷たい印象を与えます。また、顔が見えない分、断定してしまうことも多くなるでしょう。

これらは、少しずつ積み重なり、見えないコストが増大していくことになります。

非言語コミュニケーション(Non Verbal Communication)が通じない世界

コミュニケーションは、言語情報と非言語情報に分けられますが、上記の例のように「言語情報」が主を占めてしまうと、これまでコミュニケーション内で受け止めてきた「非言語情報」がゼロになるため、本当に相手が何を言いたいのか分からなかったり、間違えてしまうこともあります。また文章だけだと、「どういうトーンで書いているのか分からない」ことも多くなるため、「怒っているのかも」と推測したり「大して重要ではない」と軽く受け止めたりという誤解も招きやすくなります。

非言語情報は、実はコミュニケーション上では大変有効な情報なのですが、それらを受け取れないという前提で仕事をすることを考えなくてはなりません。

テキストによるコミュニケーションがますます重要に

非言語情報が使えないということは、テキストがメインになりますが、その場合には文章力がますます重要になります。

数年前にこんな記事も書いています。

読み書きができないと取り残される時代がやってきた

読み書き、つまり視覚情報が重要になるとき、いったいどういう点に注意すればいいのでしょうか。

テキストコミュニケーションにおける10個の注意点

テキストがメインになる世界では、これらのポイントをしっかり押さえておきましょう。

1. 言葉の定義をする

これはコミュニケーションにおける「基本」です。これまでにも何度もお伝えしていることですが、これがないと、リアルの場でのコミュニケーションも上手く行きません。

例えば、弊社の「良い品質」という言葉の定義は、「お客様の望むものを作ること」となっていますが、これがもし決まっていなければ「自分たちが良いと思ったものが良い品質」というように勝手な解釈が含まれてしまいます。それでは、一定の品質をお届けすることができません。

会話の中で「良い品質、良いものを作りたい」という発言があったとき定義が定まっていれば問題ありませんが、そうでない場合には、「自分勝手な品質」という解釈で進めてしまうと、コミュニケーションそのものがおかしくなります。きちんと言葉の定義から始めましょう。

2. 1つのテーマの中に複数のテーマを入れない(誤解が生じる)

これはメール等でもよくあるのですが「1つのテーマの中で、別のテーマを論じない」ということです。リアルな場であればそれも流れをつかめるケースも多いのですが、基本的にテキストメインになると情報量が減少するため、その中で別の話をしてしまうと、読み手はついてこれない可能性があります。

プライベートならまだしも、ビジネス上では1つのテーマが話し終わってから次に移る方が結果的にスムーズになるでしょう。

3. YES/NO の質問には最初に結論を述べる(結論、意見 → 理由、意図の順番)

上記例でも説明した通り、まずは結論を述べるということです。これは、リアルな場でも同じことですが、結論が出ない話し合いや打ち合わせは意味がありません。ただ参加者が何となく不安だからということで開催されるケースがほとんどです。その場合、何となくの安心感だけ手に入れて業務への改善が見られません。

結論を先に、次にその理由を述べていくというのは、テキストベースのコミュニケーションでも基本中の基本です。

4. 日付は、曜日だけで答えない

これは無意識にやってしまいがちなのですが、「来週の木曜日までに納品してください」といったケースです。

「木曜日」だけだと、勘違いする可能性を作ってしまいます。もちろんそうならないように、お互いに注意すべきなのですが、であるならば、初めから「4月9日木曜日に納品してください」と言えばいい話です。端折らずにきちんと伝えましょう。

5. 言葉を端折らない(主語、述語、目的語がないと指示や話が曖昧になる)

こちらもよく見かけるケースです。「いつ、だれが、何をするのか」をはっきり書くことです。もしチャットツール等で複数のテーマで話しているとき、これが結論として書いていないと結局誰もやらないことになります。

指示がハッキリしなければ動けないですし、曖昧な個所は質問して確認しなければ進められません。「いつまでに、誰が何をするのか」は抑えましょう。

 

6. 箇条書きを使って順番に話をする

これも簡単なことなのですが、意外とできない(やっていない)ことです。文章をダラダラと書くくらいなら、箇条書きにしてシンプルに伝えた方がよいでしょう。

二重否定のような文章は、一見読むだけでは分からないことも多いですし、ストレートに書くのが一番です。ただ、文章としてそれを書くと冷たい印象を与えるケースもありますので、箇条書きにしておくことで、ここはそういう書き方、表現なのだと理解してもらうことができます。

7.  全体として 5W1H を意識する

5番と重複する部分ですが、これを意識しないと自分の視点だけになり、話が分からなくなることがあります。「いつまでに、誰が、何をするのか」をはっきり書くことが大切です。

必要であれば、各種のチャットツールにあるリマインダー設定を利用しましょう。

5W1Hはコミュニケーションの基本

8. 多少冗長になっても、明確に書いておく

言葉を端折れば端折るほど、誤解は生まれやすくなります。たしかに会話の中では、端折って話ても伝わることも多いのですが(非言語情報が多いため)、テキストだけでやり取りしようとするときには、面倒ですが、きちんと書いておきましょう。

それによって余計な質問もなくなりますし、結果的にやり取りが一度で済みます。

9. テキストコミュニケーションは予想以上にコストと時間がかかるという前提でいる

またそもそも論、心構えとして「テキストによるコミュニケーションは、(意外と見えない)コストがかかるということも念頭に置いておきましょう。

これまでは、「隣にいるから話しかけたらすぐに終わる」「電話すればすぐに済む」という状況も多かったため、そのやり方に慣れている人も多いとは思いますが、チャットツールやメールでは、そうはいきません。その分、予測しながら書くようにしなければなりません。

10. ポジティブに書くのかネガティブに書くのか

これは書き手の思想に影響を受けますが、例えば何らかの報告などのケースでは、どうしても主観が入ります。そのため、ポジティブに書くのか、ネガティブに書くのかによって読み手の持つ印象は変わってしまいます。

よく「事実」と「意見」を分けて書くことを推奨されますが、チャット等ではそれらをテンプレ化してもいいかもしれません。

読み手の判断が変われば打ち手も変わってしまうので、特に注意が必要です。

テキストに振り回されないために

ここまでテキストによるコミュニケーションの注意点を書きましたが、これらを注意するだけでなくZOOM などを合わせて活用することもお薦めします。映像が入ると、非言語情報を発信/受信できるようになるため、リアルな場でのコミュニケーションに限りなく近くなります。

弊社でもオンラインでの商談では、ZOOM や Skype 等を利用しています。

オンライン商談の対応について

まとめ

テレワーク時代のテキストによるコミュニケーションは、これからの新ルールになるでしょう。その中でこれまで以上の仕事の成果を出すために、どういうポイントに気を付ければいいのかのご参考になれば幸いです。


オンライン商談の対応について

世界的に蔓延するコロナウィルス対策のため、様々な企業や団体がイベントや展示会の中止や延期を発表しています。

弊社では、これまで企業様への訪問活動を積極的に行っておりましたが、この機会に ZOOM を利用した「オンライン商談」に対応しております。

オンライン商談のメリット

これまでも弊社ではオンラインでの商談やお打ち合わせを行っておりましたが、改めて整理したいと思います。

メリット①:時間や場所の選択肢が広がる

これまでは移動時間や、営業時間を考慮してお約束をさせていただいておりますが、ZOOMの場合には、ある意味でどこにいてもお打ち合わせができるため、時間や場所に制限されにくくなります。

メリット②:低コスト

ZOOM自体は無料での使用も可能です。移動などが無い分、余計なコストがかかりません。

メリット③:クリアな音声品質、映像品質

使ってみると分かるのですが、オンラインへの抵抗があったとしても、非常にクリアな音声、映像品質であるためすぐに慣れてしまうと思います。

必要な準備

商談に必要になるのは、ZOOM社の「ZOOM」です。こちらをお使いの PCにインストールしていただき、ミーティングルームを作ることでスムースにオンラインでのお打ち合わせが可能になります。

ZOOM

https://zoom.us/

カメラ

PC に内蔵されているカメラでも問題ありませんし、別売りのカメラでも安いものであれば、数千円程度で購入できるものもあります。またスマートフォンの場合には、アプリをインストールするだけでミーティングが可能です。

マイク

こちらも PC なら内臓のマイクでも問題ありませんし(テストは必要)、別売りのヘッドセットでも問題ありません。

※ご希望のお客様には ZOOM の簡単な操作方法などはお伝えし、弊社とのお打ち合わせをサポートさせていただきます。

「貴社のビジネスを止めない」ために

相次ぐコロナウィルスの影響により世界経済が大きく揺れております。リーマンショック以上という声や東京オリンピック開催自体も不透明な状態(2020年3月23日現在)になっていますが、だからといって完全にビジネスを止めてしまうと、今度は経済的な悪影響が出てしまいかねません。

「安全かつ、ビジネスを止めずに経済活動を継続する」ということを考えた場合、オンラインで進められるものはスピーディに進めていくことが非常に重要ですし、今後、ウィルスが収束したときこそ、スタートダッシュを決めるためにも今進められるものは進めていくことが必要になると思います。

お問い合わせフォームの備考欄に「オンライン商談希望」とご記載いただければ、弊社営業担当から折り返しご連絡させていただきます。

ぜひお気軽にお問い合わせください。どうぞよろしくお願いいたします。


「分からない人が悪い」という傲慢

ビジネスにおける「コミュニケーション」の神髄はどこにあるかといえば、「分からない相手にも伝わるようにする」ということだろう。また一方で「分からない人には分からなくていい」「分かってくれる人だけ分かってくれればいい」という論調があるのも事実だ。

これはどちらが正しいのだろうか?果たしてどのような結論を出すべきだろうか。

ビジネスにおけるコミュニケーションの目的は何か

まず上記の問いを考える前に、ビジネスに必要なコミュニケーションは、そもそも何のために行っているのだろうか。

一般企業で考えてみれば、よく人間の体で例えられる血液とも言える利益(お金)を上げなければ長期的には存続できないし、存続できなければ、真に価値あるサービスを社会に対して提供できない。また非営利団体や公的機関であってもそれは何らかの価値のある公共サービスを提供しているわけで、それには(入口は色々あるとして)当然お金がかかる。

つまり、あらゆる組織は適正にお金を投資し、それを回収するという活動に抗うことはできない。

このルールに則る以上、自社のビジネス(という呼び方が嫌ならサービスでも価値でもいい)をきちんと買い手や利用者に説明して納得、了解の上で使用してもらわなければならない。

至極当たり前のことで繰り返しになるが「お金を儲ける」という表現よりも「適正に投資して回収し、さらに投資する」活動をし続けなければならない。

それが未来の社会への投資の源泉となるからだ。新規投資によって新しいサービスやイノベーティブなテクノロジーが生まれ、人々の生活が豊かになっていく。これは世に多く存在する企業の経営理念に(表現の違いがあれど)共通して見られることであるし、利益を出し、その中から投資に回し、社会に貢献するというサイクルは、あたかも渋沢栄一の謳う「論語と算盤」に通じるものがある。

お金が第一ではないが、お金はなければならない。そしてそのために「ビジネスコミュニケーション」があるべきだろう。

コミュニケーションが取りにくいのはなぜか

さて、誰もが一度は「この人とはコミュニケーションが取りにくいな」と感じた経験はあるだろう。これには様々な要因が考えられる。

  • 相手が理解していない/理解できない
  • テーマが共有されていない
  • テーマの定義がされていない
  • テーマのゴールが共有されていない
  • そもそも伝える気が無い
  • そもそも聞く気が無い
  • 伝え方が下手
  • 使用言語が違う
  • 手段がずれている

など多岐にわたる。これらのうちどれかひとつが邪魔をしているというよりも、現実には複数の要因が絡み合っている場合が多いだろう。

これらの要因によってミスコミュニケーションを誘発してしまい、最終的にはエラーを引き起こす。

一方、「コミュニケーションが取りやすい」と感じる時はこの逆のことが起きているはずだ。例えばこんな会話はどうだろう。

「この打ち合わせの目的は、弊社サービスの解約率を 5% から 3% に下げることです。そのためにどんな手段や改善が必要になるか、意見を出しあいたいと思います」

さらに「会議の前日までに、1人1つ以上の改善案を共有ページに投稿して下さい」と具体的にすることや「2% 改善されると、粗利率も3%ほど改善されるため、今期の予算達成に大きく前進します。それによって支給されるボーナスもアップします」といった「自分のメリット」まで明確になっていれば、さらにモチベーションは上がるかもしれない。(あくまで分かりやすい例として)

ビジネスにおけるコミュニケーションでは、具体的で明確なゴールがなくてはならないのだ。

わざと難解な用語で逃げる人たち

コミュニケーションが取りにくいと感じるときは、相手の狙いや目的が見えず、どう対処していいのかわからないケースが多いはずだ。「結局、何が言いたいのか分からない」というのは不安でしかない。

上述のような伝え方は当たり前のはずだが、まれにそうならないケースや人がいる。

それはわざと難しい言葉に言い換えたり、自分に都合のよい解釈をしたり、揚げ足をとったりする人たちだ。こういう人たちの中には、残念ながら初めからコミュニケーションをとろうとは思っていないケースもある。

また、難解な用語を使っていてもその意味が共有されていないので、相手には「何となく」の雰囲気やイメージしか伝わっていないケースさえある。

結果的に(本人が意図しなくても)知識自慢になってしまったり、(本人が意図して)煙に巻こうということもあるだろう。

本来の目的である「ビジネスをスムーズに進めていく」という部分はないがしろにされてしまう。また「分かる人だけ分かってくれればいい」というスタンスも透けて見えることもある。

本当に「分かる人にだけ分かればいい」のか

正直なところ、翻訳もその一面は否定できないし、過去に実際にそういう発言をする人がいたのも事実だ。しかしビジネスをするなら、すべての人が、自分や自社のことを完全に理解してくれるわけではないのだから、その前提でコミュニケーションをとらなくてはならないはずだ。

そういう人たちは(残念ながら)、「分かる人」を自分たちの物差しで判断、評価すること自体が傲慢だということに気づかない。

ビジネスを進めるには、他者/他社との関係は絶対に必要であり、そこを「分からないならいいです」というスタンスで仕事をすれば、間違いなく世界は狭く、小さくなる。それではせっかくの技術も専門性も限定された使い方になってしまうし、社会の役に立つという目的からもそれてしまう。「相手が分からない、分かってくれないのだから仕方ない」と嘆く声も聞こえてくるが、実は「分からない人」にも2種類あることをご存知だろうか。

  1. そのことに詳しくないが、前向きに知ろうとする人(知る意欲がある)
  2. 知らないことを笠に着て放棄をする人(知る意欲がない)

 

後者の場合には、聞き手に問題がありそういう人はいずれ周囲が気づくし、自然と離れていくのでやがて自然淘汰される。そもそもこのタイプは自分のビジネスに対してコミットしていないので、上手く行っても行かなくても構わないと考えている。

そうではなく、私たちが懸命に伝える努力をしなければならないのは、前者の人間だ。

彼らに対して「分からない人には伝わらなくていい」というスタンスをとるのはいただけない。どうやったら分かるのかを考えていかなくてはならない。

ではどうすればいいのだろうか。

相手に伝える具体的な方法

相手にこちらの意図を伝えなければならない時、いくつかの具体的な方法があるのでそれをご紹介しよう。

相手の知識、経験レベルにかみ砕いて話をする

まず初めに専門用語は使わない。これ自体が実はとても難しいのだが、「中学生がわかる言葉で」とか「できるだけ平易な単語で」という部分に相当する。

業界用語や専門用語のオンパレードは、話している方は気持ちがいいが、同レベルの知識がない場合、相手には苦痛でしかない。例えば、お医者さんが患者さんに専門用語を使ってまくし立てて説明し、「だから明日手術しましょう」と言われてもまるで納得できないのと同じことだ。

そうではなく「親指程度のデキモノがあるので、それを切除します」といった言葉に置き換えてもらった方が(その手術が正当かどうかは別として)、患者は理解しやすい。

同意が得られなければ手術ができないように、ビジネスの世界でも契約を結んでもらうことはできない。「私に任せておけば安心だからとにかくサインして」というお医者さんは、自分自身は安心でも、患者側は良く分からないので不安になるし、結果として別の先生や別の病院に移ってしまうかもしれない。

※ただし 1点注意するとすれば、かみ砕いて伝えることの弊害は、情報がそぎ落とされる可能性を孕む。そのためしっかりとした補足説明が必要になるケースもある。しかし、現時点ではそれよりも全く伝わらないという事態が良くない。ビジネスにならないからだ。

例え話をする

相手が分かる例え話をすると理解を得やすい。相手が営業職なら、彼らの日々の業務に近い例えをすべきだし、相手の業種やビジネスモデルに当てはめて伝えたりすることが有効だ。特に無形のサービスなどは「具現化」してあげると伝わりやすい。

例え話は、「相手の知っているもの」とリンクさせることが重要なので、当然相手のことを知らなければならないし、自分自身のビジネスモデルなども抽象度を高めておかなければならない。そういう意味でも初見の場合にはハードルが上がるが、ある程度相手のことが分かってくれば「○○のようなものです」というのは伝わりやすくなる。

ストーリー(物語)にする

読んで字のごとくではあるが、これは非常に有効な手段のひとつ。「プロジェクトX」が受けるのも、そこには「ストーリー」があり、共感しやすいからだ。「専門的なことは良く分からないけど、とにかく伝わってきた」ということは十分に有り得る。

数字で話す

ふわっとした、感覚を表現する言葉は沢山あるが、それらを多用すると話自体がぼんやり、ふわっとしてしまい、何だかわからないので数字を入れて話をするとグッと内容が引き締まる。例えば、部下からの報告で以下の2パターンがあるとする。

A:「今月は10件のお問い合わせがありました」

B:「今月の問い合わせは結構多かったです」

(実はどちらも同じ件数だったとしても)どちらが分かりやすいか、また報告の形をなしているかは一目瞭然だ。上司の安心感が違う。

コミュニケーションは「言語」だけではない

このように伝える手段はいくつかあるが、コミュニケーションにおいては言語だけがすべてではないということも知っておくべきだろう。

ノンバーバル コミュニケーション(Non-Verbal Communication)という言葉をご存知だろうか。これは、言語以外の部分=非言語によるコミュニケーションであり、たとえば仕草や態度、声などが相当する。いわゆるボディランゲージに近い。

商談などはノンバーバルな部分が重要なのは言うまでもない。その証拠として、身だしなみや態度、立ち居振る舞いの研修や講座が存在している。

伝えるというのは、相当に奥深いことが分かるだろう。


【コラム】

弊社の業務(翻訳や通訳)でも、「分からない人は分からないで良い」というスタンスをとるシーンを目撃するが、実はこれ自体に非常に矛盾を感じる。

何故なら翻訳や通訳というのは異なる言語間を「伝える」仕事だからだ。伝えることが目的のサービスにも関わらず、伝わらないと「分かる人だけ分かればよい」というのは本末転倒だろう。

極論だがたとえ話として、生まれたばかりの赤ちゃんに契約書の内容を伝えるのは不可能に近いが、大人同士、海外との取引であっても、ビジネスの作法や商習慣に多少の違いはあれど正確に翻訳すること、必要であれば申し送りをつけたり(クライアント側で)補足説明やたとえ話を含めたりということはできる。

それによって文意が伝わり、ビジネスが推進されることが大切なはずなので、「分からない人が悪い」では仕事が進まなくなってしまう。

翻訳は「手段」であって「目的」ではない

 

コミュニケーションの根底にあるもの

これはビジネスに限った話ではないかもしれないが、コミュニケーションで最も重要なのは「共感」だといわれる。例えば、犬や猫などのペットと話がしてみたいと思ったり、海外旅行にポケトークを持っていくのも、多くの SNS の存在もすべて人間同士、人間と動物、人間とAI などの「つながり」、そして「共感」を得るためだといえる。

コミュニケーションに「共感」があるからこそ、その「関係性」自体が自身の人生を豊かにしてくれる。それはビジネスでも同様だろう。社会に役に立つサービスや商品はひとりでは作れないのだから。

だからこそ、「分からないのが悪い」「分かる人だけ分かればいい」となるのではなく、「共感」を得るべくコミュニケーションに対して努力しなければならないのだろう。


これからはハイコンテクストとローコンテクストのコミュニケーションを使い分けて成果を出す時代に

グローバル化した世界では、多種多様な人々との交流が必須になります。またグローバル化によってコミュニケーションも形を変えています。言い換えれば、Slack や Chatwork、Skype などのチャットツールだったり、ZOOM だったり、様々なクラウドサービスだったり、スマホを使えばすぐに海外の人々とコミュニケーションを取れる時代だということでしょう。

日本は島国であり、「ガラパゴス」と揶揄されています。それは他国と異なり、自然と日本人以外の人種の方々とのコミュニケーションを制限し、最小限にしていたことにも起因しています。

そしてそのことによって日本語の特殊性がより一層際立っている事実があります。これが「日本はハイコンテクスト文化、ハイコンテクスト社会だ」と言われる所以です。

今回はこの「ハイコンテクスト」と対極となる「ローコンテクスト」の 2 つのキーワードに迫ります。

ハイコンテクスト、ローコンテクストとは何か

まず初めに「ハイコンテクスト」と「ローコンテクスト」とは何かを解説します。

「コンテクスト」とは、「文脈や背景」と訳されますが、つまり言外の部分=「文化、慣習、知識、価値観」などのことを指します。

「ハイコンテクスト」とは、「コンテクスト(文脈や背景)」が共通認識となっている状況であり、この場合には、すべてを言葉にする必要がなくともお互いに理解し合えるので、ハイコンテクスト文化と呼ばれます。

一方、こういった背景が共有できていない場合には、すべて言葉で説明しないといけないため「ローコンテクスト」と呼ばれます。これは例えば様々な人種がいるアメリカのような国の場合は、背景がそれぞれ違うので「言わないと理解してもらえない」ということです。

表にまとめると以下のようになります。

 ハイコンテクスト社会ローコンテクスト社会
背景・単一民族、単一国家である意味でクローズドな環境
・醸成される価値観などが似通っている
・移民や他の人種が極端に少ない
・様々な人種が住む世界
・文化や歴史的背景が多様
・価値観も多様
特長・言葉ですべて説明しなくても意思疎通しやすい
・間接的な表現が多い
・「空気を読む」ことができる
・「察する力」が必要とされる
・きちんと正確に意図を伝える必要がある
・相手に敬意を払いつつ直接的な表現を使う
・言わなかったことは言わない方が悪い
・察するよりもきちんと伝える

ハイコンテクスト文化からローコンテクスト文化へのシフトはすでに始まっている

このように「はっきり具体的に伝えないと相手には伝わらない」というのが「ローコンテクストの社会」です。

そしてご存知の通り、世界はローコンテクスト社会です。

しかし残念ながら私たち日本人は、このローコンテクストが非常に苦手なのです。「ツーカー」という言葉や「阿吽の呼吸」という言葉、または「空気を読む」などという日本語があるくらい、日本語というのは「言外を察する」「空気を読む」ことを求められていますし、私たちは子供の頃からそれに慣れ切っています。

これはつまり、受け手の解釈に委ねられている部分が大きいとも言えます。(「気が利く」というのは褒め言葉ですが、まさにハイコンテクストならではでしょう)

ところが世の中は多様化しています。働き方が画一的なものでない現在、日本だけで考えても明白でしょう。

その変化スピードは落ちるどころかますます早くなる一方です。日本の中でも世代によっては価値観がまるで異なっています(働き方ひとつとってもそう)し、歴史的側面からも考え方が違えばハイコンテクストな状態を維持するのは難しくなっています。

これは世界基準で見れば(当然、前述のようにローコンテクストですから)日本国内でも、きちんと説明しなければならない世界(=ローコンテクスト社会)に傾いているということです。

つまり受け手ではなく、話し手側が、必要な情報を必要なタイミングで必要な量を提供しなければならないということです。

参考:落ちぶれるハイコンテクスト人材、台頭するローコンテクスト人材

https://diamond.jp/articles/-/186382

「コミュニケーションの欧米化」と「察する時代」の終焉

これまで述べてきたとおり、コミュニケーション自体が欧米化(=ローコンテクスト化)しているということです。

例えば、海外の、特に欧米で作成される契約書はとても厚さがありますが、これは契約時に誤解を無くすためであり、「すべて文字にして書いておく」のは当たり前というひとつの好例ではないでしょうか。

そして日本でもインバウンドブームしかり、外国人労働者しかり、このグローバル化=ローコンテクスト化の波はすでに、確実にやってきています。

今までは「アレ、やっといて」で済んでいたものが「いつまでに、どうやって作業してほしいのか」ということを確実に伝えなければなりません。

これは日本人の感覚にとってみると大変煩わしい部分もあります。しかし、(繰り返しますが)誰もが「空気を読む」ことはあり得ないですし、「察する」という行為が通用しない時代なのです。

つまり、個人の価値観が多様化しているということなのです。

ローコンテクスト社会に適応するために

ローコンテクストな社会では、「1から10まで誤解を生まない表現で説明をする」必要があります。

私たち日本人はなかなかこの発想になれませんが、この根底には「自分と相手は違う」という価値観があります。この部分は、コミュニケーションの根幹でもあり、これまでのコラムでも何度も述べてきました。

上手なコミュニケーションをとるための要諦とも言えますが、「価値観の違いを認める」ところがスタートなのです。

コミュニケーション能力の高い人が行っている6つの行動

 

コミュニケーションが「うまくいく」ときの 5つの要素

 

「僕はコミュニケーション能力があります」と発言した人の話

 

これらの記事でもポイントは「自分と相手が違う」という前提があります。違うのだから「価値観も違う」という理解です。

これが完全に欠落してしまっている日本人の場合、いったい何が起こるのか想像してみましょう。

話し手は、受け手の知識や経験を考慮することなく、「自分の話したい順番で、略語を使い、相手の理解度を確認せずに、主観と客観を混在させ、一方的に、話す」ことになります。

そして、話したほうだけが満足します。「全部伝えることができた」と感じています。

一方、受け手が上述の前提を理解も共有もしていない場合、話している内容以外の「話し方や素振り、態度」ばかりに目が行ってしまいます。いわゆるノンバーバルな部分だけが情報として入ってくるわけです。

 

「分からない人が悪い」という傲慢

 

ときには「この人、本当は違う意見なのではないだろうか?」といった(ある種)勘ぐってしまうような心理も働いてしまいます。

※コミュニケーションにおいてノンバーバルな部分は言語よりも多いので、あながち間違ってはいないのですが、これが過度になると「察する」ことばかりに意識が向いてしまい、肝心の部分を聞き逃してしまうことにもなりかねません。

これは、受け手が(勝手に)想像力を駆使するから、誤解が生まれてしまうケースです。

そしてこれがこれまでの「日本式のコミュニケーション方法なのだ」というのは誰しも経験があるでしょう。

では、こういった無駄なトラブルを回避し、ローコンテクスト社会に適応するためにはどうすればいいのでしょうか?

実は、簡単に実践できます。

1. テンプレートやフォーマットを用意する

ローコンテクスト社会では、「言わないと伝わらない」ため、必然的に話し手の責任が大きくなります。これは先ほどの契約書の例と同じですが、説明する量が圧倒的に増えるのです。説明責任が大きくなると言えます。

これは、ビジネスでは上司が部下に伝えるときがイメージされやすいですが、ホウレンソウにおいては、部下から上司への説明でも同様です。

徹底的な「ホウレンソウ」でコミュニケーションを活性化する

 

「正確に伝える」ことがビジネスで成果をあげる上で非常に重要になります。正確に伝えるために、いつでも同じ品質で行動するためには、報告する項目をテンプレート化したり、フォーマットに則って話をするということが考えられます。

どんな人でも、このルールさえ守っていれば人種も性別も年代も関係なく、一定の品質で情報を伝えることができますし、受け手も安心です。

まず、同じ部署、同じグループといった数人でスタートしてみましょう。

これなら明日からと言わず、今日からでも実践できるでしょう。最近は、チャットツールなども沢山ありますので、これらをカスタマイズしたりすればすぐに実践できますし、さほど追加コストもかかりません。

2. 運用ルールを徹底する

テンプレートやフォーマットを準備したら運用ルールを定めます。この「フォーマットに則って報告すること」が絶対です。例外はありません。例外を作った時点でルールではないためです。

またルールを破った場合には何らかのペナルティを課しても良いでしょう。全員で「テンプレートで基本的なコミュニケーション取るのだ」というルールを徹底するためです。

これには聞き手も話し手も関係ありません。どちらの立場の場合もルールを順守します。

3. 業務マニュアルなどに集約し発展させる

ルールを徹底するとスムースに運用できるようになります。そしてローコンテクスト社会でのコミュニケーションに慣れて来たら、それらを拡大させるために業務マニュアルに落とし込んでいくことが必要です。

このようにして、グループや部署から事業部、全社、世界へと展開していきます。もちろん、ローコンテクスト社会への適応は日本人にとって決して簡単なことではありません。

しかし、徐々に変化させていくことで「習慣化」されますので、いつしかそれが当たり前になってくるでしょう。

ハイコンテクスト(日本語)からローコンテクスト(英語)にするとき、言葉を補うから長くなる

ちなみに、翻訳の場合、日本語から英語に翻訳する場合、英語の方が文章として長くなる傾向があります。これはまさにハイコンテクストとローコンテクストの文化の違いが影響していると言えます。日本語は省略できますが、英語はなかなかできません。補足する必要があるからです。

どの言語も歴史や文化の影響をモロに受けていますから、文法構造が違ったり、逆に似たような言葉を遠い国が使用していたりすることもあります。

ハイブリッド コミュニケーション

これまでローコンテクスト社会へのシフトとその対応をお伝えしましたが、日本語の良さ、日本の良さというものもできるだけ失いたくありません。

また現実的な問題として、すべてをローコンテクストのコミュニケーションで行うということは不可能ですから、私たちが意識するのは TPO に応じた「使い分け」ではないかと思います。

簡単に言えば、仕事とプライベートでの切り分けです。

仕事は、必ずその先に社内、社外の「お客様」がいます。そのお客様へ商品やサービスを提供するために、「正確なコミュニケーション」が必要になります。そのためにはローコンテクスト コミュニケーションの方が安全です。

一方、プライベート、例えば家族で話をするのにローコンテクストである必要はありません。(もちろん敬意を払うという点は前提としてありますが)「アレ」「コレ」という言葉が出てきても、相手も理解できるでしょう。コンテクストの共有が強いからです。

また、最悪の場合、まったく理解されなかったとしてもコミュニケーション上の問題はありません。(他の問題はあるかもしれませんが)リカバリする機会があるからです。

例えば、日本のお笑いなどは明らかなハイコンテクストコミュニケーションです。もしローコンテクストになってしまえば言外の意味まで説明することになり、「オチ」が先に分かってしまったり、想像する楽しみがなくなってしまいます。

日本語の素晴らしさは、その「奥ゆかしさ」や「間接的な表現」でもあります。読み手の想像力に委ねる部分も大きいのです。だからこそ、同じ言葉を見ても、様々な感じ方ができるわけです。感性に問う言葉も多いのは日本語ならではでしょう。

日本はハイコンテクスト文化、ハイコンテクスト社会の代表格です。察したり、気を遣うというのは日本の美点だとも言えます。これがあったからこ発展したものも多くあります。

一方、ローコンテクストはこれらをすべて破壊するものではなく、相手との関係性によって使い分けることが大切です。

そして、私たち日本人だからこそ、ハイコンテクストでもローコンテクストでもどちらの文化、世界を知っているからこそ、「ハイブリッドなコミュニケーション」を取れるのではないでしょうか。


5W1Hはコミュニケーションの基本

他者とのコミュニケーション、特にビジネスにおいては「言った言わない」という低レベルの話をしている時点で仕事はできないというレッテルを貼られてしまいます。

当然ながらそういったことが起きないように、議事録があったり、Slack やチャットワーク、メールなどの様々なツールがあるわけです。

これは社内外問わず同じことです。

本来、コミュニケーションにおいて抑えるポイントが分かっていれば、このレベルの話にはならないはずですが、誰でも一度は経験があるのはなぜでしょうか。日常的に起きているのは何故なのでしょうか。

相手との相性が悪いから?ウマが合わないから?

そうではありません。相性が悪いなら悪いなりの、会わないなら合わないなりのコミュニケーションの手段はあるはずです。

今回は他者とのコミュニケーションの基本となる「5W1H」について解説します。

「5W1H」とは何か

5W1H という言葉は学校の英語の授業などで習うと思いますが、ビジネスコミュニケーションでは、どれもが非常に重要です。ひとつずつ解説します。

5W は、W から始まる英単語、「なぜ(Why)、いつ(When)、どこで(Where)、だれが(Who)、なにを(What)」の 5つの W を取っています。

1H は、「どのように(How)」です。

※なぜ誰でも知っているような「5W1H」をわざわざ説明するのかと言えば、言葉の定義の統一を図るためです。相手(この場合は読み手)が勝手な解釈をしないために、それぞれ定義しておくことで、これ以降の説明の理解度を深める働きを持っています。

この辺りは「自分と他者が違う」という前提を持っていなければできないことですが、以下の記事も参考にしてみてください。

コミュニケーション能力の高い人が行っている6つの行動

 

このように、5つの W と 1つの H を「5W1H」と呼ぶわけですが、多くの方がご存知でしょう。しかし、これをきちんと使いこなせているでしょうか。

特に日本語は、主語が無かったり、動詞が最後に来るので結論を最後まで聞いていないといけないわけですが、そこがはぐらかされたり、言わなかったりということは多くあります。

なお、「ツーカーの仲」「阿吽の呼吸」で理解するには、相手を深く知らないといけないため、それまではしっかりとしたコミュニケーションをとる必要があります。

ビジネスコミュニケーションの「5W1H」

ビジネスでは、自分に関わる登場人物が多くなります。自分が顧客との窓口(接客や営業)であれば、相対するお客様、さらに自分の上司、上司の上司、他部署の人たち、さらにお客様が企業ならお客様の上司などなど、どんどん増えていきます。

しかも「阿吽の呼吸」仕事ができる仲間や同僚、上司、パートナー、クライアントとなるとかなり厳しいことが分かるでしょう。

登場人物が多いこと、それぞれが持つバックグラウンドが異なることなど、指数関数的に状況が変わっていきます。

このようにある種、伝言ゲームになりがちな仕事をしなければならないとき、「5W1H」が機能しなければどうなってしまうでしょうか。

以下は「5W1H」がはっきりせず起きたトラブル例です。

営業:「部長、昨日私あてに連絡があったみたいなんですけど、先日注文のあったお客さんが来週までに A 商品をあと500個追加したいということでした。」

(直属の)部長:「そうか、それは良かったな。ただ恐らく、ウチの部に A の在庫はそこまでないだろうから、在庫は管理部に聞いてみてくれ」

営業:「分かりました。確認します」

営業:「すみません、A 商品の追加の注文がありまして、500個ほどなんですが、それってそちらにありますか?」

管理部社員「A 商品ですか?ちょっと調べてみますね」

管理部社員「ああ、先週にちょうど500個注文してくださったお客様がいらっしゃって、そちらにすべて納品の手配をかけてしまいました」

営業:「ああそうだったんですか・・・それだと 500個はないですね」

管理部社員:「はい、今はありませんね。これからの生産予定を見ますと・・・えーと・・ああ、これだ、完成するのは来月ですね」

営業:「来月ですか・・・ちょっとそれだと遅くて・・・何とかなりませんか?」

管理部社員:「そう言われても無いものは出せないですしねえ・・・そうしたら、ほかの支社にあるかもしれませんが、私では分かりかねるので、部長に聞いてもらえますか?」

営業:「分かりました。お手数かけました」

営業:「部長、管理部に聞いたんですが、500個分の在庫は無いそうです」

(直属の)部長:「そうか、で、どうするつもりなんだ?」

営業:「えっ?いや、それは部長に聞いてみてくれと言われまして・・・」

(直属の)部長:「はあ?オレが分かるわけないだろう。オレは在庫管理してないぞ」

営業:「そうですよね。。。。」

これは極端な例ですが、これは Who(誰が)が曖昧なケースです。「部長」という役職名だけで会話が進んでいます。もし「○○部長」や「管理部の部長」「私の上司」などがあれば、このような勘違いはしません。

営業:「すいません、すっかり勘違いしちゃって。管理部の部長さんですよね」

管理部社員:「え?ええ・・・はい(そりゃそうだろ)」

管理部の社員も「納期はいつですか?」と聞けばよかったのですが、完成品が出来上がる時期だけを伝えて、あとは知らん振りです。

営業:「部長すいません、すでにご存じかもしれませんが、私の担当するお客様で、A商品の追加注文をいただいておりまして、在庫を確認していただいたのですが、ここにはない為、ほかの支社にあるかどうかを確認させていただきたいのですが・・・」

管理部部長:「ああ。話は聞いたよ。支社への連絡は部下にさせるが、いつまでに必要なんだ?」

営業:「はい、来週です」

管理部部長:「来週?!私は来週とは部下から聞いてないぞ」

営業:「し、失礼しました。私が伝え忘れていました。申し訳ありません」

管理部部長:「うーん、とにかく来週だったら、今週中にはどうにかして発送しないといけないじゃないか。部下からは在庫が支社にあるかどうか確認したいという事しか聞いてないんだ。そんなに急ぎなら、もっと早く言ってくれないと困るよ」

営業:「も、申し訳ありません。。。よ、よろしくお願いします」

これは、W のうち、When(いつまでに)を伝えていないために起きるケースです。直属の部長には報告してあったのですが、それで自分は報告したつもりになっており、管理部に相談するときに伝えていなかった(=忘れた、または伝える意志がそもそもなかった)ため、時間が経ってから納期が無いという事が発覚しました。

そして3日後。

管理部社員:「他の支社に当たったら、3か所分を集めれば、500個あるそうなので、急ぎこちらに送ってもらうようにしました。まとまったらお知らせしますね」

営業:「ありがとうございます!助かります(ああ、良かったー、これでお客さんに迷惑かからなくて済む・・・)」

これで何とか在庫を確保し、発送できるようになりました。めでたしめでたし・・・とはならないのが仕事です。

お客さま:「お世話になってます。この間お願いした A 商品の追加注文なんだけど、アレ、もう届いたから結構です」

営業:「えっ?まだこちらからはお送りしていませんよ」

お客さま:「いや、今日届きましたよ。今、私の目の前にありますし。間違いなく御社からですよ?」

営業:「ええ?ちょ、ちょっと待ってくださいね、、、(どうなってるんだ??)」

お客さま:「とにかくこちらはもう大丈夫なので、請求書だけ送ってください。よろしくお願いします」

あ営業:「え、ええ・・・(一体何が・・・)」

何とかかき集めた 500個分の商品ですが、すでにお客様に納品されているというのは一体どういうことなのでしょうか。

実はこれは冒頭の管理部社員との会話にヒントがあります。

管理部社員「ああ、先週にちょうど500個注文してくださったお客様がいらっしゃって、そちらにすべて納品の手配をかけてしまいました」

この「お客様」ですが、実は同じお客様だったのです。担当者がいない時に追加注文をしていたことが社内できちんと伝わっていないために起きてしまいました。

営業のいう「お客様」と管理部社員のいう「お客様」は同じ企業だったのです。

営業:「部長、先日の件ですが実はちょっと問題がおきまして・・・」

(直属の)部長:「何っ?納品が間に合わなかったのか?それとも在庫が無かったのか?」

営業:「いえ、在庫はあったんですが・・・実は、すでに500個納品されたみたいなんです・・・」

(直属の)部長:「えっ?間に合ったってことか?それは良かったじゃないか。それの何が問題なんだ」

営業:「あ、いえ、違うんです。ご相談した 500個ではなく、別の 500個がお客様のところに・・・」

(直属の)部長:「何だと?一体どういうことだ、それは・・・・!」

あくまでもこれはコミュニケーションにおいて 5W1H を理解するための例文のため、これ以降の会話は割愛させていただきます。

ホウレンソウは「5W1H」を意識して話す

上記は極端な例ではありますが、これに近い会話はあちこちで起きています。

上司への報告や相談、お客様への連絡では必ず「5W1H」にそって話をするようにします。

逆に言えば、「5W1H」のうち、When(いつ)、Where(どこで)、Who(誰が)は外すことなく伝えなくてはいけません。時間と場所、主語を取ってしまうと急にぼやけた話になり、責任の所在も曖昧になってしまうためです。

上記の例でいけば、Who=「部長」、When=「来週まで」から始まり、ミスを報告する際にも部長への報告が時系列で整理されて話されていないため、部長は「間に合ってよかったじゃないか」と勘違いしています。ミスの報告自体にミスが含まれている状態です。

お客様に対しても、社内のコミュニケーションがスムースに進んでいないのが明白です。

※実際には、在庫管理システムなどがあればこういった事態は起きないとは思いますが、コミュニケーション上の行き違いや勘違いはシステムでもどうにもできない部分があります。

徹底的な「ホウレンソウ」でコミュニケーションを活性化する

 

まとめ

「5W1H」をしっかり意識して話をするだけで、ミスコミュニケーションはかなり回避できると考えられます。

冒頭でも書きましたが、日本語は省略しても意味が通じる言語体系を持っています。そしてそれはある意味では非常に便利です。

ところが、グローバル化が進むにつれてハイコンテクストなコミュニケーションではなく、ローコンテクストのコミュニケーションが重要になっています。

様々な価値観を持つ人々を相手にビジネスをするために、キッチリ、ハッキリ伝えていかなくてはならないのです。言わなくても分かるだろという会話は、日常生活では OK でも、ビジネスでは致命的です。

それらを回避するために、「いつ、どこで、誰が、どうするのか」を間違いなく伝えることは、発信者の責任だと言えるのではないでしょうか。

そして同時に、上長はこれらの要素が満たされていないホウレンソウは、しっかりと確認する責任があります。

仕事は1つの目的を達成するためにチーム一丸となって取り組む必要があり、その潤滑油として機能するものこそコミュニケーションなのです。これをサボるというのは、必要な油を差さずに機械を動かそうとするのと同義です。

実際、機械なら定期点検やメンテナンス日がありますが、コミュニケーションにはそれがありません。だからこそ、定期点検やメンテナンスの代わりに「5W1H」をしっかり使うことが必要とされるのです。


日本語を理解できない日本人

AI などのテクノロジーが進化するに従い、「日本語が読めない」「話が噛みあわない」といった記事も増えています。コミュニケーションは常に他者との対話から始まります。今回はこのコミュニケーションのズレはどうして起きるのかを読み解いていきたいと思います。

文章の読解ができずに単語で反応する人たち

先日、以下の記事が拡散されていました。

日本の生産性を引き下げている「文章を読めない人」

http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/53224

「日本人が、日本語を理解できなくなっている」という驚愕の事実です。以下、記事の一部を引用します。

昔からそうだが、ニュースサイトのコメント欄を見ても、明らかに文章を読んでいない人のコメントや、1つのキーワードだけに反応し、文脈をまったく無視したコメントが無数にアップされている。文章を読んでいない、あるいは読めていない人が一定数存在しているのは間違いない。

またそれに伴い、生産性の低下にもつながっている、との記述も。

投資銀行家で「ぐっちーさん」の愛称でも知られる山口正洋氏は、ビジネス上のメールの内容をきちんと読めていない人が多いと自身のコラムで指摘している。内容があいまいなまま物事が進むので、実際に会って内容を再確認しなければならず、これが日本の生産性を引き下げているという。

これが本当だとしたらかなり致命的ではないでしょうか。

この記事でもうたっていますが、主な理由としては「読解力の低下」が著しいことが原因でしょう。

「読解力」は、学力の基本と言われています。実際、子どもの読解力も低下しているという調査もあります。

OECD生徒の学習到達度調査(PISA2015)のポイント

PISA2015年調査国際結果の要約

ベストセラーにもなった「AI vs. 教科書が読めない子どもたち」でも、人間(日本人)の読解力不足が指摘されています。

AI vs. 教科書が読めない子どもたち

https://amzn.to/2QsDuyB

「教科書が読めない」子どもたち 教育現場から見えた深刻な実情

https://dot.asahi.com/aera/2018041200052.html

そもそも「読解力」とは何か

では、「読解力とは何か」また「読解力を上げるためにはどうすればいいのか」を考えてみましょう。その答えのひとつをご紹介します。

子どもの学力は読解力で決まる(斎藤孝 著)

https://amzn.to/2pElgi1

メディアでもよく見かける有名な斎藤先生の本によれば、読解力は子供の頃からトレーニングし、獲得すること、そしてそのために具体的に何をすればいいのかが書かれています。子どもの学力というタイトルですが、大人が読んでも十分ためになる内容です。

詳細は省きますが、読解力を上げるためには

  • 本を読むこと(名作を読む)
  • その本の一番言いたいことは何かを把握する(要約、客観性)
  • その上で自分なりの視点を持つ(コメント、主観性)

が大切とあります。細かい説明は著書をご覧いただくとして、確かに読解力がなければ、意味を理解することができないので、要約することもできずに、表面上のリアクションしか取れません。

実は、読解力は対人においても大いに活かされています。「相手が何を言いたいのか?」を理解することができない(読解できない)からこそ、冒頭でご紹介した「日本語の読めない日本人」が増えてしまったわけです。

コミュニケーションは、対人関係を成立させる上で重要ですが、「話が噛み合わない」「何が言いたいのか理解できない」「どう伝えればいいか分からない」ということが増えれば増えるほど、自分自身が苦しくなり、対人コミュニケーションそのものへの恐怖が生まれます。

逆に、読解力があれば、コミュニケーションが楽になり周囲との意思疎通も良くなりますから、仕事もやりやすくなるでしょうし、多少大げさかもしれませんが、自分自身が生き生きと働けるかもしれません。

誰しも経験があると思いますが、コミュニケーションがうまくとれない人とは、やはり何をしても上手く行かないものです。そしてそれはもしかしたら自分自身の「読解力」に原因があるのかもしれません。

コミュニケーションがうまくいかない、ズレていると感じるときは、「読解力」を疑ってみる必要があります。

翻訳でも同じことが起きる

さて、翻訳という業務においても同じ「言語」や「読解力」という枠組みで考えれば、同様のことが起きています。例えば、プロの翻訳者が翻訳したものを、レビューする人の読解力が低い場合、仮に訳文が正しいものだったとしても、理解されない=受け入れられないかもしれません。(ちなみに、プロの翻訳者自身の読解力が低い場合には、訳文もそれに伴った品質になりますが、プロである以上は、読解力があるはずという前提です)

これは極端な例ですが、もしこれが頻発すればその企業にとっては致命的です。

前述の記事にも以下のような記載があります。

米国のサイトの方が英語という外国語であるにもかかわらず、内容が直感的に理解できるのだ(参考までに、筆者は外国に住んだ経験はなく、ごく一般的な英語力しかないので、英語の基礎力が高いことで内容が容易に理解できているわけではない)。

日本のサイトは、統計データと関連するおびただしい注記事項が羅列してあるだけというケースが多く、情報が整理されていない。様々な立場の人が読むことをまったく想定していないのだ(あるいは想定していても、体系立てて表記できないのかもしれない)。

確かに、日本語はその「曖昧さ」が美しい表現を支えている部分もありますし、行間を読むような「相手の読解力」や「共感力」に委ねる部分もあります。(いわゆるハイコンテクスト)

しかし、ビジネスにおいては、(そういうシーンが許されることがあるとしても)大抵が明確であり正確であることが重要です。この部分にもっとフォーカスしなければなりません。

「理解できないのは相手の問題」と一蹴するのは簡単ですし、ある特定の内容であれば、相手も同程度の読解力があるという前提になりますから、難解な表現でも通じる可能性が高いでしょう。

しかし、これまで述べてきたように、日本語力の低下は一部に起きるものではありません。全体への影響が大きいと推測されます。その時に、「相手の読解力の問題=相手が悪い」という見解だけでは仕事としても成立しないでしょう。

翻訳や通訳をサービスとして利用する理由は、本業のビジネスをうまく成功させるためです。主従が逆転することはあり得ません。

翻訳は「手段」であって「目的」ではない

 

また、百歩譲って「相手の問題」であったとしても、読解力の低下に合わせて文章を短くしてみたり、平易な言葉を選択したりすることによって、相手のビジネスがスムースになることを主眼に置かなくてはならないのではないでしょうか。

翻訳サービスを提供する上では、「読者は誰か、読み手は誰なのか」という観点を見失ってはならないのです。読み手の読解力に依存するのは危険だと言えます。

※自分の趣味で翻訳する場合には他人が読むことはないので、難解であっても長文であっても問題ありません。

これからはハイコンテクストとローコンテクストのコミュニケーションを使い分けて成果を出す時代に

まとめ

読解力を持つことは、これからの時代ますます大切な能力となります。AI への代替やよりクリエイティブな仕事が求められるようになるためです。単純労働では、人間が働く価値は見いだせなくなってしまう可能性があります。

より一層クリエイティブな仕事をするためには、自分一人の知見だけでなく、チームを組み、様々な意見を出し合うことが求められます。その時に、読解力がなければ、表面的な意見ばかりになってしまい、生産性が上がることはないでしょう。

そうならないためにも、日頃からしっかりと「日本語を読める」状態にしておく必要があるのではないでしょうか。


翻訳は「手段」であって「目的」ではない

弊社は主に「コミュニケーションサービス」を提供している企業ですが、そのうち、翻訳や通訳といった言語サービスを中心にご提供を行っています。

お客様からサービス提供への対価をいただきながら、経済活動を行っていますが、時折、そこに該当しないケースがあります。より大きな目的(弊社の場合には経営理念の実現)の場合であれば、該当しなくても(長期的には整合性が取られるため)問題ありませんが、以前にはそうでないケースも散見されました。

このあたりはもしかしたら業界構造や業界の変化にも関連しているかもしれません。

翻訳の功と罪

今回はビジネスでついつい「勘違い」してしまいがちな点について考察します。

陥りやすい「手段の目的化」

今はもうほとんどありませんが、以前に多かったのは「手段の目的化」です。翻訳や通訳サービスは、それを利用するクライアントのビジネスコミュニケーションをスムースにするためのツールのひとつであるべきで、それ自体が目的になってしまうのは本末転倒です。

具体的には、翻訳者の作る訳文がクライアントが求めるものとずれ、クレームになる場合などを指します。プロの翻訳者が行なう翻訳作業なのですから、ある一定の精度があるはずです。にもかかわらず、どうしてクレームになるのでしょうか?

考えられる原因はいくつかあります。

  1. 翻訳者の実力不足(一定の精度が無い訳文だった)
  2. 翻訳会社のヒアリング不足(営業窓口の力不足)、不適切なアサイン(人には向き不向きがある)
  3. クライアントが翻訳以上のものを求めている
  4. クライアントの好み(恣意的なもの)
  5. 納期等のその他の条件

 

これ以外でも、できない原因はあげればキリがないので、このあたりにしておきますが、いずれにしても様々な原因でクライアント期待とは違うものが納品されてくればクレームになる場合があります。

つまり、上記のような点が「ずれているから」起きてしまうトラブルやクレームが一定数存在します。

いったい何のために翻訳するのか?通訳するのか?

手段を目的化しないために、最初から最後までブレてはいけないのは、この翻訳、通訳の目的は何か?いったい何のためにクライアントは翻訳や通訳を利用するのか?ということです。

これは翻訳会社としてもしっかりヒアリングしなければならない部分ですし、それをコーディネーターから的確に翻訳者に伝えなければならない点です。

逆に、それをしっかりと汲み取って訳文を作ったり、通訳していくことができれば、理論上は大きな齟齬というのは出ないはずです。

※特に通訳の場合には、現場での対応になり、クライアントの担当者と直接打ち合わせができることも多いため、本来の目的を確認しやすいと言えます。

どの企業も、どの業界でも共通しているのは、ビジネスのコミュニケーションをスムースにして期待する成果を得ることであり、それを達成するために私たちは翻訳や通訳サービスを提供することで何ができるのか?ということです。

これを見失ってしまうと、クライアントの期待する翻訳や通訳サービスにはなりません。誤解を恐れず言えば、「作り手の独りよがりのサービス」になってしまうのです。

翻訳や通訳というサービスは、限りなく商品に近いところにあるために、ついつい勘違いしてしまいそうですが、残念ながらそれ自体は目的にはなりません。もし「翻訳すること」自体が目的であれば、それはビジネスではなく、ボランティアや趣味、また自分自身の勉強のためであることがほとんどではないでしょうか。(ちなみに、これらが悪いということではなく、ビジネスコミュニケーションサービスとして提供する以上はクライアントがいるわけですから、その要望も汲み取っていかなくてはならないということです)

これは英会話なども同様です。英語と言うツールを使って、仕事をスムースに進めることが重要な目的であって「英語が話せます」という話ではありません。実際の現場では、TOEIC の点数が非常に高くても、ビジネスの基礎がない人は活躍することできないのは何も英語に限った話ではありませんので、細かく説明するまでもないでしょう。

エグゼクティブ専門英会話 [Be Confident]

翻訳という仕事をしていると、どうしても TOEIC が高得点でなければならないといった類のことを言われることも多いですが、実態はそうではありません。「翻訳力」とでも言うべき能力はまったく定義が異なります。

 

「翻訳力」とは何か

 

「お客様に喜んでもらう」ことがひとつのバロメーター

仕事にはどれも相手(お客様)がいます。その「お客様のために価値を提供する」ことが重要なのであり、結果として収入や報酬があるのです。

クライアントが困っていることに対し、自ら蓄積してきた能力や経験で解決することが重要です。大ざっぱに言ってしまえば、人の役に立つことです。お客様の役に立つことを本気で考えれば、自ずととるべき行動は定まってくるでしょう。それは自己満足でも自慢でもないはずです。手段が目的化されている場合には、「自分がやったから結果が出たんだ」となりがちなので要注意です。

それよりも全力を尽くし、その結果としてお客様から感謝されるほうが自分が持つ能力が誰かの役に立てたと思えるのではないでしょうか。こういう真摯な気持ちで仕事に向き合ったとき、人はさらなる成長をすることができます。

翻訳も通訳も「お医者さん」と同じ

翻訳も通訳も様々なテクニックや最新のツールやテクノロジーがあります。ドキュメントによって訳し方が違ったり、分野によっても扱うドキュメントは様々です。

しかしそれ以前のスタンスの問題として自覚しておかないといけないことがあります。

それは、プロフェッショナルとしての翻訳者や通訳者は、その高い専門性や高い言語能力を駆使して、お客様の困りごとを解決できるということです。いわば「お医者さん」と同じように正しい診断を行い、治療法を提案していくこと、また専門性が高ければ、ブラックボックス化せず、インフォームドコンセントを行い、クライアントが満足する治療を受けることができるのです。

この正しい心構えを持ち、最新のテクノロジーを駆使し、自らの能力を最大限発揮することができれば、クライアントの悩み(顕在的/潜在的)を解決することができるのです。


企業が求めるコミュニケーション能力とは

経団連は「新卒採用に関するアンケート調査結果」でコミュニケーションをする上で16年連続で「コミュニケーション能力」を選考時に重視していると発表しました。

https://www.keidanren.or.jp/policy/2018/110.pdf#page=2

https://www.keidanren.or.jp/policy/2017/096.pdf#page=2

「新卒採用に関するアンケート」結果を公表

2018年度

https://www.keidanren.or.jp/policy/2018/110.pdf

2017年度

http://www.keidanren.or.jp/journal/times/2017/1214_08.html

これらを読む限り企業が新卒採用時に求めるものは、毎年「今年の新人は○○型」と流行りのキーワードになぞらえて発表されるにもかかわらず、この16年間、根っこの部分は何ひとつ変わっていないのでしょう。

つまり、学生が「○○型」だろうが、大切なのは「コミュニケーション能力」ということです。今回はこのコミュニケーション能力、特に企業の求めるコミュニケーション能力について改めて考えてみます。

必要な言葉の定義

どんな言葉でも「意味」を持っていますが、「勘違いや早とちり、誤解」というのはその言葉の「意味」が違っていることから起きるケースも少なくありません。そのため、まずは「コミュニケーション能力」という言葉の定義を行う必要があります。「どんな意味でその言葉を使うのか」という共通認識です。

こちらの記事にも記載していますが、「言葉の定義が統一された共通言語」を使うことでコミュニケーションはスムースになります。

徹底的な「ホウレンソウ」でコミュニケーションを活性化する

 

企業が求めるコミュニケーション能力とは

では、企業が求めるコミュニケーション能力というのは具体的に何を指すのでしょうか?

それは「論理的な思考力」です。

例えば、以下の会話を考えてみましょう。

上司「A 君、B社(クライアント)のプロジェクトの納期はもう1日早くならないか?」

部下「いえ、難しいと思います。エンジニアも不足している状況で今の納期でもギリギリの状態でして・・・」

上司「そうか、、、もうどうにもならないか」

部下「はい、ただ期日通りには納品できると思いますので、B 社さんにはそのようにお伝えいただけると助かります。ここで無理をして不完全なものをお渡ししてしまうと結果的に B社さんにもご迷惑をおかけしますし。。。」

上司「分かった。先方にはそのように伝えておこう」

これは「納期」という要素に対して、部下は顧客の納期を変更したいという希望を拒否しつつ、ただ最善の努力はしているということを伝えています。また長期的な信頼関係を構築するという点でも、上司と部下は同じ見解であり、クライアントである B社に対して、プロジェクトに対して誠実であろうとしていることが分かります。

ではもうひとつの事例を見てみましょう。

クライアント「先日ご提案いただいた貴社のサービスですが、社内でも前向きに検討中です。そこで1点教えてほしいのですが、このサービスをすでに導入した企業さんですが、差し支えの無い範囲で構いませんので、どの点が最も効果があったとおっしゃってるんでしょうか?」

営業マン「そうですね、先日お話しした通り、コスト削減にはかなり貢献しているようですし、あとは期間の短縮も見られましたし、ああ、あとは管理がすごく楽になったとおっしゃっていましたね」

クライアント「ということは、その企業さんは、コスト削減がもっとも良かったと?」

営業マン「あー、そうですね。元々は弊社のサービスがオールインワンなので、管理が簡単になるのではないかということでしたが」

クライアント「ええと、ということは、最初は効率的な業務管理をするためにサービスを探していらっしゃったんですね」

営業マン「でも今回は、コスト削減や期間短縮もできたので喜んでいただけたんじゃないかと思います」

クライアント「なるほど。コスト削減は素晴らしいことなんですが、元々お持ちだった悩みは業務管理を楽にしたいということですよね?」

営業マン「はい、コスト削減だけでなく、予想以上にスケジュールの短縮もできたというのが弊社のサービスを採用していただいた理由ですね」

クライアント「そ、そうですか・・・ありがとうございます」

このクライアントは、他社の事例を聞き、そこで得られた最も大きな効果を知りたがっていたわけですが、営業マンが回答しているのは「コスト削減、期間短縮、管理が楽になった」という3つの要素であり、これらを並列に答えてしまっていることによって、クライアントが混乱しています。

そこでクライアントは途中で質問の仕方を変え「事例のクライアントの悩みは何だったのか」と聞き直しています。「悩み=解決したサービスのポイント」と考えたからでしょう。自社の悩みや自社の求める効果と同じなのか、それとも違うのかを確認したかったと考えられます。

しかし残念ながらこの営業マンはそれに気づくことなく、相変わらずすべての要素を並列に回答しています。

一見、コミュニケーションが成立しているように見えますが、実際には噛みあっていない会話になり、クライアントはストレスを抱えています。

論理的思考力があれば、これらの要素を並列ではなく、従属関係に置き換え、構造化することができ、相手にとって分かりやすい回答をすることができます。

企業が求めるのは、こういったシーンでのコミュニケーション能力です。

「考える力」はインプット&アウトプット&フィードバックの繰り返しによって強化される

では、論理的な思考力、つまり「考える力」というのはどうやって磨けばいいのでしょうか。

例えば、赤ちゃんが言葉を覚える過程を想定してみましょう。この場合、赤ちゃんは周囲の(特に親の)圧倒的な(本人にとっては意味不明な)量の言語情報を浴びることになります。

これらの言葉(というよりは音)を聞き続けることで、徐々に単語を聞き分けることができるようになります。しかし意味はまだ分からないので言語としては認識できません。

それでもずっと言葉を浴び続ける(学習する)と、意味を含めて言語を理解することになります。単語、文法、構成などは意味を繋げるものであり、それらを自分で発音したり真似をしたりしながら、少しずつ自分のものにすることができます。

これらのインプットを中心とした生活から、発言したり様々な表現をすること、つまりアウトプットすることへとシフトしていきます。

また、アウトプットすることによって何らかのフィードバックがあります。そのフィードバックを取り入れ、再度インプットし改善していきます。そしてまたアウトプットするというサイクルが繰り返されていきます。

このように学習することにより、「考える力」が育っていくことになりますが、逆に考える機会が少ない場合、相手が何を期待しているのか、また何を望んでいるのかを察知しにくくなりますし、言われたことは遂行できても自分で考えていないので応用がききません。

さらに日本語は元々省略されやすいハイコンテクストな言語体系で、いわゆる「察する」「空気を読む」といった傾向が強く、考える力がないとそれも分からないという事態も現実には起こります。(「察する」「空気を読む」こと自体の是非はここでは論じません)

インプットとアウトプットをつなげるのは「考える」こと

コミュニケーションというのは他者とのやり取りになるわけですから、「話す」「書く」という部分がインターフェースとして重要になります。

しかしそれらを支えるのは実は「聞く」、「読む」のインプットです。取り込んだ情報を元に自分自身の意見や考えをまとめていきます。これが「考える」ということです。

インプットした情報を加工して(=相手に伝わるように)アウトプットするには、考えなくてはならないのです。つまり自分で「考える力」こそが、インプットとアウトプットをつなげる機能を持っているということになります。

企業の求めるコミュニケーション能力を向上させるために

例えば「空気を読む」といった能力があれば、確かにベターですが、それ以前に企業としては「5W1H」で過不足なく情報(事実)を伝えてくれて、それに対しての主観や提案をしてくれる人物の方が評価は高くなります。空気を読むことができても、指示待ち人間になってしまえば、成果を出すことは難しいでしょう。

上述のとおり、インプット→考える→アウトプットの流れにあるわけですから、結局のところ企業の求めるコミュニケーション能力のベースとなるのは「考える力」を鍛えていくことしかありません。

そしてすべては学習する(インプット)ことからスタートしているといっても過言ではありません。

企業の求めるコミュニケーション能力を磨くためには、「考える力」があるかどうかを意識してみるといいでしょう。

「コミュニケーション能力」不足は新卒に限った話ではない

この問題は、実は企業と学生間の話だけではなく、社会人の中でもバラつきがあるのが実情です。

そもそも「なぜコミュニケーション能力が大切だ」と企業が考えるのか?ということですが、これは裏を返せば「社会人になってもコミュニケーション能力が低い人がいて、とても困っているから」ということです。

自分の発言が誤解されたり曲解されたりした経験は誰でもあるはずです。それは相手との共通言語や共通認識がなかったりする場合に起きやすく、また逆に相手に甘え、省略し過ぎてしまうケースでも起こります。ですから、誤解のないように前提を共有し、端折らずにしっかり系統立てて伝えることが重要なのです。これができない社会人が多いからこそ、企業がコミュニケーション能力を重視していると言えます。このことは決して対岸の火事ではありません。

まとめ

いかがでしょうか。さらに昨今のネット時代では「書く」という行為の比重はますます増えていくでしょう。メールでもチャットでも、テキストのやり取りが爆発的に増加し、コミュニケーションは重要度を増しているのです。ますます自分の考える力を駆使してアウトプットしていかなくてはならないのです。

働き方改革等で、作業効率を上げるという部分がフォーカスされていますが、コミュニケーションにかかるストレスが大きい人というのは、それだけで敬遠されます。実際に想像すれば分かりますが、何度説明しても理解してくれない人、報告も例のように的を射ていない人と仕事をしようとは思いません。それが無理でもできるだけ接触頻度をさげようとします。

自身を取り巻く状況を冷静に把握して、それに見合ったアウトプットを出すこと、そしてそのアウトプットを支えるインプット、学習を怠らないことなど、知的集約産業におけるコミュニケーション能力について理解しておきたいものです。


徹底的な「ホウレンソウ」でコミュニケーションを活性化する

4月に社会人デビューした方も、そうでない方も、ビジネスでは世代を超えたコミュニケーションがとても重要であることは理解できるでしょう。

コミュニケーションを取りながら、相互補完しつつ、ゴールに向かって進んでいくというプロセスはどの企業活動でも同じです。基点となる他者/他社とのコミュニケーション能力が低いと、総じてその後のゴールまでのプロセスの精度が下がってしまいます。また最悪の場合にはゴールまで辿りつかず頓挫してしまうこともあります。

今回は、そうならないためにも、基本の「ホウレンソウ」を徹底活用することをお薦めします。

うまくいかないコミュニケーション

コミュニケーションの手法はいくつもありますが、そもそもコミュニケーション量が少ないと仕事がスムースに進まないこともあります。とはいえ、何でもかんでもすぐに話ができるわけでもありません。まずは信頼関係がなくてはならないからです。

ホウレンソウの前に、まず必要なのは「信頼関係の構築」です。コミュニケーションがうまくいかないのは、信頼関係がないからです。

そもそもお互いに「違う人間」だということが前提にあることを理解する

では、信頼関係はどうすれば構築できるのでしょうか?

相手を信頼するために必要なステップの第一歩は「自己開示」です。相手に信じてほしければ自分をオープンにすることが大切です。「自分はこんな人間です」ということを伝え、相手にも心を開いてもらう必要があります。

相手からすれば、「いったいどんな人なのか?」という風に思っているわけですから、まずはその不安を取り払わなければなりません。

これはつまり、本質的には「自分と相手は違う人間だ」という前提を理解しているかどうかです。

相手と違うからこそ、自己開示をし、信頼関係を構築していき、コミュニケーションをスムースにさせなくてはなりません。

違う人間同士が協力するには絶対に「共通言語」が大切

自分とは違う相手と手を取ってビジネスを進めるために必要になるのが「共通言語」です。共通言語とはそのビジネスで使用している専門用語かもしれませんし、社内用語かもしれません。業界用語の場合もあるでしょう。

これらをきちんとピックアップしてまとめて、共有することが最初のステップとなります。「身内ネタ」は共通言語ではないですし、そこに登場する言葉も伝わりませんから、ビジネスで使用しても一切通じません。これらはちょっと考えれば分かることなのですが、意外と無意識に使ってしまうこともあるのではないでしょうか。

また、社内の一部で使っているような略語などもついつい使ってしまいがちですが、「どうして分からないのか?」と嘆く前に、「もしかしたらこれは共通言語でない、特有の言葉を使っているのではないか?」と自問してみましょう。

共通言語は、共通の意味を定義付ける

共通言語をピックアップしたら、その意味を定義づけます。

実は同じ言葉を使っていても微妙にその意味が違っているということは往々にして起きていることです。相手は「○○という意味のつもりで話していた」と後から分かったという経験はないでしょうか。

例えば、納期に絡む言葉で「~まで」といった表現をします。実際のビジネスの現場では、以下のようなことが起きています。

「納期は4月30日までに提出」

と言う言葉の意味は、

「4月30日中に提出する」

という解釈をするケースが多いと思いますが、稀に4月30日を含まずに、

「4月29日中に提出する」

という解釈をする人もいます。

「まで」は、その日(この場合は 4月30日)を含むかどうかという解釈の違いです。

このように、せっかく同じ言葉を使っているのに意味が違えば、コミュニケーションのボタンの掛け違いは解決しません。むしろ少しずつ意味が違うので大きな事故につながってしまう可能性が高いでしょう。

「私はその言葉をこういう意味で理解していますが、どういう意味で使っていますか?」とすり合わせておくことが重要になります。

※ちなみに先ほどの例の「まで」は、一般的には「当日を含む」解釈が正解です。

高い質のコミュニケーションをお互いに取るというのは、「共通言語」を使って対話すること

共通言語をピックアップし、意味の定義づけを終えれば、あとはそれらを使ってコミュニケーションをとっていくことになります。そこで大切なのは定性情報と定量情報をバランスよく伝えることです。

ホウレンソウは、その頻度も大切ですが、定性情報と定量情報がなければビジネスでは成り立たないということを知っておきましょう。

例えば、「頑張って売り上げます!」という報告があったとしても何の意味もありません。「誰に、どうやって、いくら売るのか?その具体的な目標金額はいくらなのか?今どれくらい達成しているのか?」を伝えなければ報告にはならないからです。ただ「頑張ります」を100回報告したとしても相手はそれを聞いて納得はしません。定量情報を含めて、一度にきちんと報告するほうがベターなのは明白です。

つまり「徹底的なホウレンソウ」というのは、量を増やすということでなく、相手にとって過不足なく情報を伝えることが大切だという意味です。

この定性情報と定量情報をバランスよく入れるには、「フォーマットを作る」ことでカバーすることができます。もちろん SFA ツールでも問題ありません。ただ、ツールを増やし過ぎて3つも4つも導入するとどこに何があるのか分からなくなってしまいますし、作業効率が下がります。できるだけシンプルで簡単にアクセスできる SFA を選択するようにしましょう。

どんなツールでもフォーマットでもいいのですが、毎日簡単に報告するには、基本的なところでは以下の情報があればよいでしょう。

例えば、部下からの営業活動の日報だとしたら、以下のような項目になります。

項目詳細
企業名xxxx 株式会社
案件名/プロジェクト名xxxxx プロジェクト
行動訪問件数、見積金額、コール件数など
目標売上xxxxx 円
今日の売上xxxxx 円(進捗率 xx %)
気づいたこと、感じたことなど実は異なる二―ズがあった、今度の担当者はxx からの異動なのでxx あたりを注意したほうがよさそうだ等

定性情報から定量情報に転換することもあるので、どんな風に感じたのかなどは重要な情報となります。

一方、部下からの報告を受けた上司は、ただその報告を見ていればいいということではありません。むしろ上司からどんどんコミュニケーションを取らなくてはなりません。せっかく現場で感じたことを部下があげてきたなら、長年の経験から分かるアドバイスや対策などをしっかりフィードバックしなければなりません。

上司からのフィードバックの例としては、「xx 社の担当者さんは、以前に xx という商品に興味を示していた。今回は予算次第では、xx の提案をしてもいいと思うし、必要なら同行して提案説明もする」といった内容でしょう。

数字を達成するために行なうアドバイスはもちろんですが、定性情報に対し、経験を駆使してアドバイスができるのが上司の強みです。部下にとっては「目標の達成までの道のりが見えるようになる」わけですから、適切なフィードバックをすることが重要です。ここにもホウレンソウが活きてきます。

一方、社内での信頼関係を構築するケースでもホウレンソウは大切です。

部下に信じてもうためには、まずは「自己開示」をします。そして信頼関係の基盤を固めていきます。普段から相手の興味がある共通の話題などでコミュニケーションを円滑にしておきます。冗談のひとつも言い合えるような関係性が理想的です。なぜなら、コミュニケーションにおいて「笑い」というのは大変重要な要素だからです。

普段からしっかりと関係性ができていれば、仕事の本題に入るときもスムースですし、同じ温度感で話をすることができます。

例えば、打ち合わせでは「そのテーマや目的を伝える」「相手に何を期待しているのか(役割分担)を決める」「いつまでに行うのか(期限)を決める」というのはしっかり伝えます。

コミュニケーションはお互いの意思のキャッチボールです。フォーマットに則った精度の高い言語のやり取りは、チーム力向上には欠かせません。

まとめ:「ホウレンソウ」を徹底的に活用する

このように、チームが活性化するときというのは、このホウレンソウが適切な量と質で回っているときです。チームプレーでプロジェクトを推進したり、大きな案件を受注するためにチームが一丸となっていくというプロセスでは適切な量と質のコミュニケーションが欠かせません。

繰り返しになりますが、がむしゃらに報告すればいいわけでもありませんし、何でもかんでも相談すればいいということでもありません。また口を出し過ぎてしまったり、細かすぎるところまで言う必要もありません。

それらの適切な量と質を担保するために、システムを活用する、ルールを決める、定義を決めるなどが重要になってきます。

強いチームを作り、共に戦っていくためにも徹底的に「ホウレンソウ」を回すだけでも大きな効果が得られるのではないでしょうか。