おもてなし」タグアーカイブ

インバウンド市場における多言語翻訳 実践ガイド

今、なぜ多言語翻訳が重要なのか

2024年の訪日外国人観光客数は 3,600万人を突破し、コロナ禍以前を上回るペースで回復しています。しかし、多くのインバウンド/観光事業者が直面している現実は「翻訳はしたが業務負荷はなかなか減らない」という状況です。

これは、単なる翻訳から、質の高いコミュニケーションへの転換が求められている証拠です。

「もうひとつの言葉の壁」とは

「とにかく多言語対応をしておけば大丈夫」と考えていた時代から、現在は「質も伴なった多言語対応」をしなければならない時代に変わっています。「とにかく多言語」という状態だと以下のような問題が起きていました。

  • 多言語翻訳したが、誤訳があって余計に質問や問い合わせが増えてしまった
  • AIで翻訳したのにまったく違った情報が提示されてしまった
  • 導入した AI 翻訳システムが動作しない
  • スタッフのための言語研修をしたがマインドが変わらないので効果がない

これではまったく意味がありません。超えたはずの「言葉の壁」ですが、実は「もうひとつの言葉の壁」があったということです。

上記と関連しますが、多言語対応がうまくいかない理由はいくつかあります。

  • そもそもスタッフが外国語対応に不安を感じる(マインドセット)
  • 情報を正確に伝えられず、クレームに発展する
  • できる人とできない人の対応の質にばらつきがあり、業務効率が低下

このように「多言語対応」といっても企業や組織、団体ごとにかなりバラつきがあるのが実情です。こういった事態を避けるためには表面的な多言語対応ではなく、戦略的な多言語対応を計画しなければなりません。

  • 多言語対応そのものができていない(黎明期)
  • 翻訳はあるが正確に伝わらない/伝わっていない(現在)

実践的な多言語対応の進め方

対象言語の戦略的な選択と具体的なステップ

前述の通り、外国人観光客が満足する多言語対応というのは、実は通り一遍の「すべての言語に対応する」ということではなく、しっかりと自分たちのターゲットに合わせて選択する必要があるということです。では、そのためには何をしなければならないのでしょうか。

戦略設計のための準備(現状分析と計画策定)

これはどの事業でも同じですが、インバウンド市場においてもきちんと戦略を立てるべきでしょう。考えなしに闇雲に行動してもうまくいきません。

自分たちのお客様は誰なのか、その人たちにはどうアプローチすればいいのかを具体的に落とし込む必要があります。

作業項目補足説明
1現在の来場者データを分析特に外国人観光客の全体に対しての割合など
2今後誘致したいターゲット層を明確化
ペルソナ設定は必須
3戦略、施策決定予算と効果のバランスを検討
4競合施設の対応状況を調査
3C分析
5戦術決定、PDCA 運用PDCA を高速で回していく

言語を選択する(自社にとって優先度の高い言語は何か?)

そして次にどの言語から翻訳するのか(その理由)、どの言語に翻訳するのか(その理由)を決める必要があり、全体戦略に沿った決定をします。

言語補足説明
1英語世界共通の言語
2中国語(簡体字、繁体字)アジア市場では欠かせない
3韓国語リピーター率も高い
4その他言語自分たちの特性と来館者属性にあった言語

AI翻訳の効果的な活用法

次に、戦略に沿ってどのようなツールを使用するかを決定します。代表的な AI 翻訳テクノロジーはいくつかに分けることができます。使用用途に応じて、最適なツールやシステムを選択します。

  • 生成AI翻訳:ChatGPT、Gemini、Claude など
  • リアルタイム音声翻訳:ポケトーク、VoiceBiz® Remote など
  • マルチモーダル翻訳:画像認識とAR翻訳の組み合わせなど

成功事例

成功事例として多言語対応が進んでいる企業様をご紹介します。

  • 京阪電鉄:ポケトーク導入により駅員の多言語案内が強化され、駅構内の案内がスムーズになった結果、外国人観光客の満足度が向上しました。
  • 食べログ:生成AIの導入で92.3%の正解率と73%のコスト削減(参考 URL)

なお、これ以外でも AI 翻訳の上手に利用するとコストや業務改善につながる例は多くあります。

翻訳品質を高める4つのポイント

しかしながら、翻訳会社の立場から見解を述べると、上記のように AI 翻訳でうまくいケースとそうでないケースがあるのも事実です。前述の企業様も含め、実際は「AI に全部お任せ」というわけではありません自分たちにあった適切なプロンプトを書くためにも、以下のポイントをしっかり押さえる必要があります。

ポイント1:専門用語、固有名詞、表記スタイルの管理

翻訳の品質が高いというのは「正しく伝える力が強い」ということですが、それを支える要素のひとつに「専門用語や固有名詞の統一」があります。

例えば、地名や施設名、個人名、作品名など固有名詞はいたるところに存在します。

また、どのような表記ルールにするかも同時に決めなくてはなりません。

例えば、最近話題になった「ローマ字表記を約70年ぶり見直しの検討をする」というニュースですが、これらは翻訳時にも影響を与える重要なルールとなります。

https://www.bunka.go.jp/seisaku/bunkashingikai/kokugo/roman/roman_08/pdf/94182101_01.pdf

また観光庁や文化庁などが発行しているインバウンド関連の各種ガイドラインなどの内容にも準拠する必要があります。

文化庁:文化財の多言語化ハンドブック

https://www.bunka.go.jp/tokei_hakusho_shuppan/shuppanbutsu/handbook/index.html

観光庁:観光立国実現に向けた多言語対応の改善・強化のためのガイドライン

https://www.mlit.go.jp/kankocho/seisaku_seido/kihonkeikaku/inbound_kaifuku/ukeire/kankochi/annaihyoji.html

ポイント2:文化的な背景を説明する

また、これは意外と見落としがちなのですが、ただ単に翻訳するだけだと外国人観光客には理解できない内容のものがあります。特に伝統工芸など文化や歴史の共通認識がテーマだとそれがより顕著になります。

例:「江戸時代」という言葉を英語に翻訳する場合

  • ❌ 「江戸時代」→「Edo Period」
  • ✅ 「江戸時代」→「Edo Period(1603-1868)」

※単に、Edo Period だけでは伝わらないため、西暦での表記も入れなくてはなりません

アート翻訳×インバウンドサービスのご案内|トライベクトル株式会社

このように、日本特有の概念には何らかの説明を付与しなければならず、これは外国人視点で内容を調整しなければならないということです。また飲食店などの場合には「宗教・文化的配慮(食材表示など)」がマストになります。(ハラール、ハラームなど)

ポイント3:自然で分かりやすい表現を心がける

これはインバウンドに限った話ではありませんが、言語の品質としてどの言語への翻訳であっても以下のポイントは押さえなくてはならない重要なポイントです。

  • 直訳ではなく、自然な表現を心がけるようにする
  • 専門用語や業界用語はできるだけ平易な言葉に翻訳する
  • 文化的ニュアンスを考慮した「カルチャライズ」を意識する

逆に言うと、こういった点ができていないからこそせっかく翻訳したのに業務負荷が減らなかったり、むしろクレームになってしまうということが発生します。

ポイント4:人間によるチェック、ポストエディットは必須

そしてここが非常に重要になりますが、現時点で「AI翻訳」は完璧ではありません。これまでのポイントを全て押さえ、プロンプトを駆使しても限界があります。ハルシネーションを起こしてしまったり、そもそも欲しい結果を得られなかったりということがあります。

そのため、現時点では AI 翻訳後の「ポストエディット」という人間によるチェック作業が欠かせません。誤訳や訳抜けがないかはもちろん、固有名詞は正しく翻訳されているか、また文章自体のもつ文脈は適切か(誤解を招かないか)、前述の文化的な配慮はされているかなど多岐にわたりチェックし修正をする必要があります。

多言語対応の投資対効果を最大化するコツ

これまで述べてきたように、インバウンドが盛り上がっているからといっても闇雲にビジネスを進めるのではなくしっかりマーケティング戦略をもって取り組むべきだというのはお分かりいただけたと思います。

さらにワンランク上の多言語翻訳やインバウンド対応を行うためには、改めて以下のポイントを押さえておきましょう。

  • 段階的なシステムやツールの導入:優先度の高いポイントから順次対応する
  • 既存システムとの連携:WebサイトやPOSシステムとの統合
  • スタッフ教育:マインドセット、AI翻訳ツールの効果的な使い方をマスターする

また同時に、それがうまくいっているかどうかを評価しなくてはなりませんが、評価軸を事前に決めておく必要があります。例えば、以下のような指標です。

  • 外国人観光客の増減
  • 外国人観光客の満足度向上
  • クレーム件数の減少
  • 売上・客単価の向上
  • スタッフの業務効率の改善率

これらの指標をチェックしながら、多言語翻訳を進めていきましょう。

まとめ:言葉の壁を越えた「おもてなし」の実現

インバウンドにおける多言語翻訳は、単なる言語変換ではないことは言うまでもありません。

直接のコミュニケーションで最もパワーを発揮する多言語翻訳は、訪日外国人に日本の魅力を深く理解してもらい、感動を与える重要なツールです。

AI技術の進化により、以前より効率的で高品質な多言語対応が可能になりました。しかし、最終的に重要なのは「相手に伝えたい」「相手を理解しよう」という姿勢と、人間らしい温かさであることは変わりません。

適切なマーケティング戦略と実行により、言葉の壁を越えたワンランク上の質の高い「おもてなし」を提供し、インバウンドにおける多言語対応を実現しましょう。

「旅の恥はかき捨て」だが「受け入れ側の恥はずっと残る」という話

インバウンドの伸びに伴い、様々なトラブルも増えている

年々、インバウンド需要が高まる中、同時に様々な課題や問題も起きています。

例えば、以下のようなものが挙げられます。

忍び寄るオーバーツーリズム 日本も危機に?

https://www3.nhk.or.jp/news/web_tokushu/2018_1017.html

「観光公害」とは何か?京都の夜桜ライトアップ中止に見る実際の観光公害事例

https://honichi.com/news/2017/06/21/kankokogai/

新たな観光公害 訪日客の「医療費未払い問題」…解決策はあるのか?

https://honichi.com/news/2017/08/21/medicalexpensesunpaid/

観光庁 温泉などの入浴施設にタトゥー・入れ墨を入れた訪日客への対応改善を促進も、日本人一般客は半数が入れ墨NO!

https://honichi.com/news/2016/08/16/kankochoonsennadonony/

訪日香港人観光客が好む移動手段:レンタカー利用者が多い反面、事故などのトラブルも多発

https://honichi.com/news/2016/05/27/honichihonkonjinkanko/

これらは、外国人観光客側への十分な説明が不足していたり、外国人観光客側のマナーの違いとそれぞれのギャップによるものだったりしますが、外国人観光客数が増えれば増えるほど、今後もこういった何らかのトラブルや問題は起きると言えます。

「観光立国」を目指していく以上はこれらのトラブルへの対応や事前の対策もさらに徹底していく必要があります。

そもそも旅行というのは「非日常」であるわけで、普段経験できない事やモノを見たり、聞いたり、触れたり感じたりしたいわけです。日本の伝統や文化などに触れたり、日本でしかできない体験などを求めています。

「旅の恥はかき捨て」という言葉もありますが、誰しも気持ちが解放的になるのは仕方がないことでしょう。また「非日常」の世界に移動するわけですから、文化的な背景や知識を持っている観光客の方が珍しいという前提で考えるが妥当です。

これは外国人だからというわけではなく、旅行する人なら誰でも当てはまることです。

しかし、一方で「かき捨て」ることができないのが、受け入れ側の問題です。受け入れ側として上記のようなトラブルや問題を起こさないために、何ができるのでしょうか。

【解決法:1】まずは外国人観光客が困っていることをきちんと解決する

受け入れ側が真っ先に行うことは、どこにでも載っていますが「外国人観光客が困っていること」を順番に解決することです。

観光庁:受入環境について訪日外国人旅行者にアンケート調査を行いました

http://www.mlit.go.jp/kankocho/news08_000233.html

こちらのアンケート結果にもありますが、Wifi 問題は解決の方向に向かっています。

しかし一方で「コミュニケーション」はあまり改善しているとは言い難い状況です。特に「飲食や小売店」でのコミュニケーションです。

具体的には、以下のように「スタッフとのコミュニケーション」と「多言語表示」に分けることができます。

旅行の場面ごとの多言語表示・コミュニケーションの課題が明らかになりました ~多言語表示・コミュニケーションの受入環境について訪日外国人旅行者にアンケート調査を実施~

http://www.mlit.go.jp/kankocho/news08_000239.html

※弊社サイトでも接客英会話について記載しております。

これさえ覚えれば大丈夫!外国人観光客向け 接客英会話 22フレーズ(飲食店編)

コミュニケーションをどうやって円滑にするのか

アンケートを見てもわかるように、言語の違いはあっても、結局はコミュニケーションの問題ですので、本質をしっかり抑える必要があります。

「コミュニケーションの本質は何か」と言えば、それは「思いやる心」「慮る心」「姿勢」です。

受け入れ側として、まずは「外国人観光客が困っているコミュニケーションを改善する」ことに腐心しなくてはなりません。

「とにかくメニューを多言語化し、注文はタッチパネルで」というのは理解できますが、それ以上に相手の状況を理解したり声をかけるという部分は人間にしかできない部分です。

「ハードとソフトの組み合わせ、そしてバランス」という点は今回のテーマとは異なりますので、割愛しますが、外国人観光客がコミュニケーションが取れないと感じるのは、何も「注文がスムースにできればそれでいい」ということだけで解決するのではないということです。

何故なら現地の「人との触れ合い」も旅の醍醐味だからです。

そういう意味での「コミュニケーション」をどうスムースにしていくのかと言えば、言語のプロフェッショナルとしては「地道な学習と実践しかない」というお伝えするしかありません。

根本的な解決は「継続的な学習」しかないためです。

英語の学習法は様々ですが、やはり日々の継続がモノをいうので、コツコツと行うしかありません。そこでまずは「外国人観光客の不満を解消するため」という目的を持てば、「接客英会話」という括りで学習するのが効果的でしょう。

弊社では「飲食店向け接客英会話」を不定期で開催しております。

「飲食店向け接客英会話」セミナーのご案内(終了いたしました)

※チェーン店様の場合などは、法人向けサービスとしてもご提供しております。ご興味があれば別途お問い合わせください。

この「コミュニケーション」は決して上手である必要はありません。大切なのは、離そうとすることであり、伝えようとすること、相手の言うことを理解しようする「姿勢」です。

その「姿勢」こそが外国人観光客に届けば、多少やり取りが増えたとしても、それを含めた「非日常」体験となるからです。

「楽しんでもらいたい」「楽しい思い出を作ってもらいたい」という「姿勢」こそが、最も大切でそれこそが「おもてなし」なのではないかと思います。

コラム:銀座のお店

銀座にある化粧品店の話です。

そのお店は昨今のインバウンドブームで中国人旅行者が大挙をなしておしかけています。もちろん売り上げは順調です。

しかし、ひとつ大きな問題があります。それはお店のスタッフの質です。

・どうせ日本語が分からないだろうからと、目の前で「早く決めろ」といったことや「邪魔なんだよ」といった小声で暴言を吐く

・周りのスタッフもそれを止めないどころが、便乗する

こんな態度を取っていれば、日本語が分からなくても誰でも気づきます。このお店はブームの最中にも関わらず、徐々に旅行者が来なくなりました。

実は、それ以前に別の女性スタッフが、暴言や接客態度が悪いことを経営陣に報告していたのですが、それも改善されることなく時間だけが過ぎていっていました。

当然この女性スタッフも「この店は将来がない」と見切りをつけて早々に辞めていきました。

優秀な人は辞め、暴言を吐く人だけが残るお店に、いったい誰が来店するのでしょうか。

【解決法:2】この先も見据えて、「恥にならない翻訳」をする

ちなみに、コミュニケーションをすぐにスムースにすることができるツールとしては(手前味噌になってしまいますが)「多言語翻訳」は今後も重要なツールだと言えます。

最も分かりやすい例として英語で考えると、対人の場合には英会話となりますし、表示物であれば英語への翻訳となります。

飲食店なら

  • 接客英会話(お客様とスタッフ)
  • 英語翻訳(メニューや看板など読むもの)

でしょう。後者の翻訳は、テキスト情報としてずっと目に触れるものです。ですから、その品質を軽んじてしまうと、それなりのものにしかならないということです。

例えば、こんな事例があります。(名称等は伏せております)

  1. 某庁の肝いりのプロジェクトで、日本全国に点在する某観光施設のパンフレットの多言語翻訳を行なうことになった
  2. 大手代理店や制作会社が担当し、プロジェクトは年度末の納品で決定
  3. プロジェクトのキックオフミーティングが開かれることもなく、なし崩し的にプロジェクトがスタート
  4. 打ち合わせが曖昧で、作業の仕様が揺れているために、各担当者とのやり取りもどんどん煩雑になり、結果的に制作会社も代理店も翻訳会社も納期に間に合わせるため、やっつけ仕事になった
  5. 結果、納期には間に合い、印刷をし全国の施設に配布されたが、外国人観光客からは「訳抜けや誤訳、スペルミスなどが多く散見されるパンフレットとなった
  6. 大型のプロジェクトだったので目立ってしまい某メディアや書籍で「失敗事例」として取り上げられる

これらは、よく聞く話と言えばよく聞く話です。一番大切な「外国人観光客視点」が完全に抜け落ちてしまっています。

翻訳を行う上で、大切なのは「読者は誰か」を把握し、「伝わる翻訳」を作ることです。その視点を見失ってしまうと上記のような問題は頻繁に起きるでしょう。

また AI 翻訳のミスとしてこのような事例もありました。

堺筋だけやない、天下茶屋は… 大阪メトロのサイト誤訳

https://www.asahi.com/articles/ASM3M32R5M3MPTIL006.html

「堺筋」→「サカイ・マッスル」? 大阪メトロ外国語版サイト「めちゃくちゃ誤訳」多数で閉鎖に

https://mainichi.jp/articles/20190318/k00/00m/040/164000c

これと似たようなケースでは、「コスト優先が強すぎて品質が置いてけぼりされた」ということもよく聞きます。入札案件などでは常にこのリスクを抱えることになります。

莫大な費用をかけて新しい技術を導入するのもいいですが、まずは正確に読者が分かるように翻訳することの方が先決ではないでしょうか。

上記のように本末転倒になってしまったプロジェクトは関係者も徒労感に襲われますし、最もまずいのは、受け入れ側として、「この先ずっと残る訳文」になってしまったわけです。(大阪メトロの場合はサイト閉鎖という事態に)

そして、それを利用しなくてはならない外国人観光客はどう思うでしょうか?

冒頭のアンケートにあった「コミュニケーションが取れないことによって困った」というのは、まさにこのことではないでしょうか。

言葉には100点満点はありません。しかし、インバウンドの大きな潮流の中、文章の品質というのは、外国人観光客に直接目に触れるものであり、決してないがしろにしてはならないもののはずです。

その直接のコンタクトポイントを適当に済ませてしまうことは、長期的に見てもあまりにもリスキーではないでしょうか。

まとめ

一生の思い出で日本に旅行にやってくる観光客もいます。決して安くないお金を支払ってくるわけですから、その期待に応えていくことはリピーターになってもらう場合でも重要なことでしょう。

彼らに対してコミュニケーションをしっかりとるためにも、以下の2点は改善していくことが期待されます。

  1. すでに顕在化した「外国人観光客が困っていること」をまずは解決する
  2. 特にコミュニケーションは、会話と文字情報に分け、文字情報は後に残るものとしてしっかり翻訳する
  3. その上でおもてなしの心を持って外国人観光客と接する

 

受け入れ側がしっかりと対応することが、これからのインバウンド対策にはより一層求められていくことになります。

翻訳・ローカライズのお問い合わせ

「飲食店向け接客英会話」セミナーのご案内(終了いたしました)

「飲食店向け接客英会話」セミナー開催のご案内

2016年、外国人観光客が初の2,000万人を突破しました。これから、2020年の東京オリンピックに向けて、さらに倍増の4,000万人の外国人観光客が押し寄せると言われています。

日本政府は「観光立国」を目指し、オリンピック後にも継続して外国人観光客が訪日する体制を整えなくてはなりません。

とはいえ、日々の経済活動の中で考えるとき、外国人観光客との接点が最も多いと言えるのが飲食店の皆様ではないでしょうか。

しかも外国人観光客が訪日する1番の目的は「日本の食事」です。

こういった背景を受けて、今回弊社では 2017年2月2日(木)に、「飲食店向け 接客英会話」セミナーを開催することにいたしました。マクロ視点だけでなくミクロの視点でインバウンドを見たとき、こういったセミナーによって接客英会話力を高めることにより、日々の接客、サービスが外国人観光客の満足度を向上させ、さらなるリピーター化につなげることができるのではないかと考えております。

セミナー開催日時:終了いたしました。

セミナー参加対象となる方(15名様限定)

飲食店勤務の方限定となります。特に以下のようなお悩みをお持ちの方には最適な内容となります。

外国人観光客に英語で話しかけられて困っている

英語が全然わからないけれど、何とか少しずつコミュニケーションをとっていき、ビジネスチャンスを生かしたい

来店、注文、料理の説明、会計など一連の流れを知っておきたい

外国人観光客の質問に答えられず、相手も不満そうなので何とかしたい

ハイレベルな英会話というよりは、飲食店で想定されるシーンを元に、最低限コミュニケーションが取れるようなレベルを想定しています。

セミナーの内容と特徴について

セミナープログラムは以下になります。詳細時間等についてはセミナーチラシ(Trivector-SeminarFlyer)をご覧ください。

セミナープログラム

  1.  ご挨拶、セミナー概要説明、外国人とのコミュニケーションの取り方
  2.  お客様の来店、メニュー説明、オーダー
  3.  お客様へ案内、雑談
  4.  お会計、お見送り

セミナーの特徴と得られる効果

  • 本セミナーは、参加者の「実践」を重視しているため、ロールプレイングが中心となります。
  • ネイティブ講師が直接講義をしますので、生の英語、本物の英語に触れることができます。
  • 繰り返し重要なフレーズを体で覚えることで、実際の現場ですぐに使うことができます。
  • 英語への恐怖心がなくなります。
  • 来店、注文、会計までの一連の流れを英語で話せるようになります。

無料プレゼント!ポケットサイズ「接客フレーズ集」

さらに、セミナーにご参加いただいた方には、もれなくポケットサイズに収まる「接客フレーズ集」をプレゼントいたします。胸ポケットに入れておくだけでイザというときのお守り代わりにもなります。

またこのフレーズ集には渋谷駅周辺の観光スポットも掲載しておりますので外国人観光客の質問にも対応できます。

お申し込み方法について:終了いたしました。

本セミナーのチラシを以下からダウンロードしていただき、お申込書にご記入の上、弊社まで FAX(03-5459-2376)していただくか、以下のメールアドレスあてに必要事項をご記入の上、お申し込みください。

チラシダウンロード:Trivector-SeminarFlyer

※ご記載いただく項目(記載例)

件名:接客英会話セミナー申し込み

お名前: 渡来 太郎

店舗名: 「和食処 とらいべくとる」

店舗住所:〒150-0044 東京都渋谷区円山町25-4

お電話番号:03-5459-2375

※なお、15名限定での募集となるため、定員に達した場合にはお断りさせていただくことがあります。あらかじめご了承ください。

 

これさえ覚えれば大丈夫!外国人観光客向け 接客英会話 22フレーズ(飲食店編)

Banner_English1

「日に日にお店にやってくる外国人観光客が増えてきた」

「いらっしゃいませ」「お支払方法はどれにしますか?」「食べられないものはありますか?」これらのフレーズは毎日使用するものなのに、英語が口からでてこない。心なしか相手も不満の様子-

日本各地でこんな感覚を覚えることが増えてきているのではないでしょうか。来店する彼らにいったいどう言えばいいのか?どう伝えればいいのか?飲食店におけるこの「22フレーズ」を覚えることでスムースな接客を行えるようになります。

外国人観光客急増の背景

ここ数年で、外国人観光客数は一気に増えました。日本政府は、2020年の訪日外国人を2,000万人から倍増の 4,000万人に上方修正したのは記憶に新しいところです。

なぜこれほどまでに外国人観光客が増えたのでしょうか?その背景には様々な理由があります。

  • ビザが不要だったり、ビザの条件が緩和されたりしたこと
  • 円安が影響していること
  • 海外からの日本への高い関心

これらの要因により年々増加しています。そのため、あらゆる場面で「外国語での接客」が求められるようになります。

外国人観光客の来日の目的の第1位は「日本食」

Chopsticks

彼らの来日の目的は様々ですが、不動の第1位は「日本食を食べること」です。

訪日前に期待していたこと (全国籍・地域、複数回答)

graph

この調査からも分かるように、外国人観光客は「日本食を食べたい」と思って日本にやってきます。その理由としては以下の点が挙げられるでしょう。

  • 世界での空前の「日本食ブーム」
  • 「和食」の無形文化遺産への登録
  • ミシュランガイドなどの「日本食」レベルの高さ

ということは、当然、飲食店勤務の方がもっとも彼らと接する頻度が大きくなると言えます。

しかしながら、現場の日本人の気持ちは彼らの高いモチベーションとは裏腹な場合が少なくないようです。

「(何を言っているか分からないから)話しかけられたくない」という想い

日本人がシャイな人種であるこということは有名ですが、接客となればそうも言っていられません。慣れてしまえばどうということはないのかもしれませんが、単一民族の中で必ず母国語が通じ、「言わなくても察することができる」という文化の中で育ってきた日本人からすれば、彼らとのコミュニケーションはまさに異文化体験であり、いったいどうやって接すればいいのか戸惑ってしまうのも致し方ないのではないでしょうか。

それでも「日本食を楽しんでもらいたい」「美味しい料理を味わってもらいたい」という気持ちがあるので、自分で表現ができない現実との間で板挟みになってしまいます。

今回はそんなジレンマを解消すべく、飲食店のための接客英会話のうち、主要な22フレーズをご紹介します。たったこれらのフレーズを覚えるだけで、外国人観光客とのコミュニケーションがスムースになるでしょう。

理屈よりなにより、まずは丸暗記でもカタカナ英語でも構いません。何度も反復して覚えてしまいましょう。

何もしないよりも行動すれば、状況は変わるからです。

シチュエーションごとの英語

これらのフレーズの主体はあくまでお店側のスタッフです。発音は気にせず、何度も反復して覚えてしまいましょう。

来店時のフレーズ

shop1

注文時のフレーズ

shop2

会計時のフレーズ

shop3

退店時のフレーズ

shop4

いかがでしょうか。まずはとても簡単なフレーズから覚えてしまうことが大切です。日本語を覚えるときも耳から覚え、自分で声に出して修正しながら正しい発音をし、意味を覚えていったはずです。

そのため、まずは恐れることなく声に出してみることが重要なのです。

補足:大切な心構え

「日本人の英語力が向上しない」というのは昔から言われることですが、これらは「笑われたらどうしよう、失敗したらどうしよう」という気持ちが強すぎるためです。

しかし想像していただきたいのですが、もしあなたが逆の立場だったときに、例えばアメリカ人が日本語を一生懸命話しているときに私たちは「下手な日本語だ、これじゃ会話にならない」と思うでしょうか?普通は思いません。むしろ逆の感情を抱くのではないでしょうか。「ああ、一生懸命伝えようとしている。なんとか彼/彼女の言うことを理解したい」と。

これは私たちが積極的に英語を使えばいいという証明です。話していれば多少文法がおかしくても、発音がおかしくても伝わるのです。もちろん努力を重ねていく必要はありますが、最初から流ちょうに話せるわけがありません。

ですから、英語力よりも大切なのは実は「心の持ち方」なのです。

  1. 怖がらずにどんどん話しかける(相手も流ちょうに話せるとは思っていない)
  2. そして、多少なりとも英語が通じれば楽しくなってくる(相手も嬉しい)

 

https://www.trivector.co.jp/beconfident/essential_grid/speakenglish/

そうやって言葉を覚えれば言語の壁も乗り越えられるでしょう。そのために必要な心の持ち方の方が重要だということがお分かりいただけたでしょうか。

とにかくまずはフレーズを丸ごと覚えて(自分自身の)心の壁を乗り越えましょう。そうすれば日本人らしい「おもてなしの心」が伝わるのではないでしょうか。

コミュニケーションをサポートするツール

それでもいきなり英会話はハードルが高いという場合や、誤解のないように補足説明をするには、以下のようなツールを準備しておくのが良いでしょう。

  • メニューの翻訳:最初は英語版から制作する
  • カタログやパンフレットの翻訳:最初は英語版から制作する
  • ポスターやPOPツールの翻訳:最初は英語版から制作する
  • アプリの多言語版開発:英語版、中国語版、韓国版は必須
  • 指さし会話:共通のイラストを制作してまとめておく
  • 英語の話せるスタッフを雇用する

また、あらゆるシチュエーションにすべて対応できるということはありません。ですから出来る範囲で準備を行い、あとは臨機応変に対応しなければならないシーンも多くなります。それは人間同士の交流では至極当たり前の話であり、それこそが「出会いの醍醐味」です。逆の立場になれば、観光客の方もそれを旅の楽しみとしているのは明白でしょう。だからこそ私たち日本人も彼らとしっかり交流して楽しむ気持ちも持ちたいものです。

なお、弊社では不定期に「飲食店向け接客英会話」も行っておりますので、ご興味があればお気軽にお問い合わせください。

 

「飲食店向け接客英会話」セミナーのご案内(終了いたしました)

 

また、ミュージアム向けの接客英会話も公開しております。こちらは中国語と韓国語も公開しておりますのでご参考までにご覧ください。

これさえ覚えれば大丈夫!外国人観光客向け 接客英会話 32フレーズ(ミュージアム編)

 

インバウンド多言語翻訳サービス

インバウンドとは何か(初心者向け)

インバウンド対策は何語から始めるべきか

インバウンド担当者なら抑えておきたいWebサイトまとめ

多言語翻訳まとめてお得プラン

inbound_inquiry

インバウンド多言語翻訳サービス

Banner_Inbound

今後ますます重要なインバウンド多言語翻訳

コロナ中に開催された2020年東京オリンピック、パラリンピック、そして2025年の大阪万博など、現在、日本のあらゆる企業が多言語化を進めています。

インバウンド熱が高まった初期の訪日観光客のニーズは、Wifi などのハード面での不備などが上位にありましたが、現在では、ハードからソフト、そして「モノ」から「コト」消費へと移行しています。

訪日外国人消費の動向-円安で消費額はコロナ禍前の95%、インバウンドもモノからコトへ

https://www.nli-research.co.jp/report/detail/id=75778?site=nli

円安で「コト消費」沸騰 3月の訪日客、初の300万人突破

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA170XB0X10C24A4000000/

コロナ前では、ソフト面でも特に「コミュニケーション」にポイントがおかれており、どの施設でも「施設等のスタッフとのコミュニケーションがとれない」と「多言語表示の少なさ・わかりにくさ(観光案内板・地図等)」が問題になっていました。

なお、「コト消費」になったからといって、このコミュニケーション問題を棚上げしていいというわけではなく、むしろより一層重要になっていると言えます。

つまり、ただ多言語にしてあればいいのではなく、「伝わる多言語翻訳」と「安心できるコミュニケーション」が必要になっています。

もし貴社のインバウンド対策が「機械翻訳で英語にしたものを掲載している」「旅行者に話しかけられると、つい逃げてしまう」というものであれば、率直に言って致命的です。

弊社ではこのようなお客様向けに、多言語翻訳をはじめとしたさまざまなインバウンド対策サービスをご提供しております。特に翻訳・通訳会社という特性を生かし、集客に向けてのコミュニケーションツールとしての多言語翻訳やWebサイト制作、動画制作などを中心にご提供しております。

inboundcircle

翻訳対応言語一覧

弊社では世界の主要言語は完全に対応しております。

languages

country_ttl3

country_ttl2

その他の言語につきましても対応可能ですので、お気軽にお問い合わせください。

inbound_inquiry

インバウンド多言語翻訳・通訳実績

インバウンド多言語翻訳、通訳実績をご紹介いたします。

観光施設(ミュージアム)・館内パンフレット翻訳(英語、中国語、韓国語)
・Webサイト翻訳(英語、中国語、韓国語、フランス語)
・サイン翻訳(英語、中国語、韓国語)
宿泊施設・パンフレット翻訳(英語、中国語、韓国語)
・Web サイトネイティブチェック(英語、中国語、韓国語)
交通機関・サイン翻訳(英語、中国語、韓国語)
・地図翻訳(英語、中国語、韓国語、フランス語)
・Web サイト翻訳(英語、中国語、韓国語)
商業施設・フロアガイドマップ翻訳(英語、中国語、韓国語、タイ語)
・パンフレット翻訳((英語、中国語、韓国語、タイ語)
飲食店・居酒屋メニュー翻訳(英語、中国語、韓国語)
・タブレットシステム翻訳(英語、中国語、韓国語)
自治体・観光ガイドマップ翻訳(英語、中国語、韓国語、スペイン語、ポルトガル語)

インバウンド向け多言語翻訳にベスト!「翻訳まとめてお得プラン」

インバウンド対策のため、複数言語を同時に翻訳しなければならないお客様向けに「翻訳まとめてお得プラン」をご提供しております。

このプランでは、お好きな言語を 3つお選び頂き、ご発注いただくとそのボリュームに応じて最大で20%のディスカウントがある大変お得なプランです。

例えば、英語、中国語、韓国語の翻訳を同時に行う場合、分量に応じて、ディスカウントが可能です。

多言語翻訳まとめてお得プラン

img3

img2

飲食店のための接客英会話講座

また「飲食店」には、日々多くの外国人観光客が押し寄せ、「コミュニケーション」を求められています。日本は「おもてなし」の国というイメージ戦略を行っているにもかかわらず、英語での接客がほとんどできておらず、外国人観光客が不満を感じております。

さらに外国人観光客の来日の目的は、「日本食を食べること」というのが最も多いのはデータでも証明されています。

これは何も、日本食だけを食べるということでなく、そのお店の雰囲気や接客も含めて「日本を感じたい」ということでしょう。

また、ハラルやハラム対応、ベジタリアンなどへの対応もますます重要になります。

にもかかわらず、英語での接客がまだできていないというのは大変もったいないことです。そこで弊社では、「接客英会話」セミナーを開催しております。

また、お客様のメニューを使用しカスタマイズした「接客英会話講座」を行っております。法人向けの接客英会話もございます。

※以前に開催した接客英会話セミナー

「飲食店向け接客英会話」セミナーのご案内(終了いたしました)

アート分野専門翻訳サービス

観光スポットとして必ずと言って良いほど組み込まれるのが、観光施設である美術館や博物館です。特に、日本の美術やアートは、伝統工芸だけでなく、現代アートについても高い評価を得ています。

観光スポットの目玉として取り上げられることも多いため、美術館や博物館様でも、インバウンド観光客向けにしっかりと多言語翻訳対策をとる必要に迫られています。

美術館、博物館様の翻訳実績の詳細は以下の専門サイトをご覧ください。

https://art.trivector.co.jp/results.html

また翻訳のみならずインバウンド集客やコンサルティングも行っております。

https://art.trivector.co.jp/inbound/

ミュージアム専門 動画制作サービス

インバウンド対策のひとつして、集客手段で大きな訴求力を持つ「動画」。この動画を訪日前(タビマエ)の外国人にアピールすることで旅行プランの中に、貴館へのルートを組み込んでもらうことができます。動画の種類は、館の紹介動画や展覧会紹介、作品紹介などがあり、以下のようなさまざまな用途に使用する事ができます。

・Web サイトでの集客用動画

・Youtube  への掲載(チャンネル登録)

・来館者への案内動画

上記は一例ですが、使い方はさまざまです。制作実績として朝倉彫塑館様と戸栗美術館様の動画をご覧ください。

朝倉彫塑館様では館内用の動画を制作しているためご覧いただくことはできませんが、ダイジェスト版でその一端を垣間見ることができます。

朝倉彫塑館 ダイジェスト / Digest -ASAKURA Museum of Sculpture—

戸栗美術館様では、動画制作にインバウンド対策として英語字幕を掲載し、海外の方がアクセスし、来館しやすいような対策を行っております。

戸栗美術館のご案内

館蔵青磁名品展のご案内

古伊万里の変遷~戸栗美術館所蔵品より~

鍋島焼と図案帳展のご案内

まとめ

国を挙げてますますインバウンドニーズは高まっています。コロナ禍を超え、毎年外国人観光客数は増えています。

冒頭のとおり、外国人観光客の求めるものが変化し、そして「コト消費」、「コミュニケーション」が重要視されるようになってきました。

これからのインバウンド対策で間違いなく必要になるのは「多言語翻訳をしっかり外国人観光客に提供できること」です。これができるかどうかがインバウンド対策の大きな分かれ目になると言えるでしょう。

inbound_inquiry