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翻訳の見積もりに必要な6つのポイント

翻訳の見積もりに必要な 6 つのポイント

翻訳やローカライズは、無形のサービスであるため、お見積りを作成するにも色々なポイントが必要です。

「概算お見積り」や「参考お見積り」であれば、分量が分かれば作成することは可能です。しかし、実際の翻訳対象の分量が異なったり、ドキュメントの内容が予想していたよりも専門的であったりするため、結局は追加コストが発生してしまい、お客様にご迷惑をおかけすることがあります。

このような事態を起こさないためにも、可能な限り正確なお見積りを作成する必要があります。 正確なお見積りを作成することで、貴社にとって以下の点がクリアになります。

・追加コストの発生率を抑える=貴社の予算管理がスムースに

・追加作業の発生率を抑える=貴社の納期管理がスムースに

また逆に、正確なお見積りでなければ、複数の見積もりを比較する場合でもまったく同じ条件でない可能性が高くなるので、厳密な意味での比較は困難となります。
結果として、貴社の選択を誤ってしまうこともあるかも知れません。

正確なお見積書を作成してもらい、失敗のない選択をするためには、翻訳会社に翻訳対象のファイルを渡し、構成や内容をチェックしてもらうのが最良の方法といえます。そこで今回は正確な翻訳・ローカライズのお見積り作成に必要なポイントをお伝えします。

※データの機密性が高い場合には、NDA(機密保持契約書)を事前に締結いたしますのでご安心下さい。

ポイント1:翻訳・ローカライズ対象ファイルの準備をする

最初に必ず準備しなくてはならないのは、実際の翻訳やローカライズ対象の原稿ファイルです。具体的には以下のようなファイル形式があります。これらのファイルを手元に用意します。

ドキュメントの修理一般的に使用されるアプリケーション
マニュアル(取扱説明書)Adobe FrameMaker(フレームメーカー)
Adobe InDesign(インデザイン)
MS-Word
ソフトウェアやユーザインタフェース(UI)Resource ファイル
exe ファイル
テキストファイル
xml ファイル
マーケティング(販促資料)Adobe InDesign(インデザイン)
Adobe Illustrator(イラストレーター)
Adobe Photoshoo(フォトショップ)
MS-Powerpoint
MS-Word
PageMaker
QuarkXpress
HTML
WordPress

ポイント2:翻訳・ローカライズ作業に必要な参考資料の準備をする

実際の翻訳、ローカライズ作業に参考となると思われるものを準備します。

例えば、マニュアル翻訳なら旧バージョンの原文と訳文のセット等。用語集やスタイルガイドがあればベターです。

※とはいえ、信頼性の低い参考資料や旧バージョンのドキュメントなどは翻訳作業の判断を混乱させる一因となりかねませんのでご注意下さい。

翻訳に役に立つ参考資料とは

ポイント3:翻訳メモリ(Translation Memory)の準備をする

SDL TRADOS(トラドス)等で作成されている Translation Memory=TM(翻訳メモリ)をお持ちの場合には、品質の安定、コストダウン、納期短縮に大きく影響しますのでご支給下さい。

※ただし、これらの参考資料や TM の品質、精度については、信頼性がある場合のみ有効となります。これは簡単に言えば、「過去の訳文を流用する」=「良くも悪くも、過去の訳文の品質を踏襲する」ことになるからです。

つまり、納得していない品質の訳文が登録されている Translation Memory(翻訳メモリ)は、新規翻訳の助けにはならず、むしろ判断を惑わせることになるため、不要であるという意味になります。

TM の精度について

旧バージョンの翻訳に信頼性がない場合には、別途 TM メンテナンスも承っておりますので、お気軽にお問い合わせ下さい。

ポイント4:依頼予定の作業範囲を確定する

どこからどこまでの作業の見積もりを必要とされているのかをお知らせ下さい。

作業範囲納品形式
翻訳作業のみテキストファイル等で納品
翻訳作業+ DTP レイアウト作業ご指定のファイル形式で体裁や見た目を整えて納品
翻訳作業+ DTP レイアウト作業+印刷紙媒体として納品
翻訳作業+ HTML 編集/コーディングHTML 形式で納品
翻訳作業+ HTML 編集/コーディング+Web サイト更新/アップロードWeb サイト更新
テクニカルライティング+翻訳作業原文、訳文共に納品

これらのローカライズプロセスがそれぞれコストに直結しています。ただ安くするのではなく、プロセスを理解し、不要なプロセスや作業を極力排除することで、翻訳やローカライズの品質を保持したままコストダウンを行なうことが可能になります。

ポイント5:希望のスケジュールを伝える

お客様のご希望のスケジュールをお知らせ下さい。

そのスケジュールにそった形で作業を進めるという条件での翻訳のお見積もりや、その他の様々なご提案を行なっております。特にご指定がない場合には、一般的な翻訳作業スピードで算出いたします。

翻訳業界と翻訳会社

ポイント6:対象読者は誰になるのかを伝える

どのような職種、どのような知識レベルの方が対象読者となるのかをお知らせ下さい。

経営者と技術者向けでは、ドキュメント内で使用する用語も異なります。一般消費者に、専門的な用語を羅列したドキュメントを配布しても、伝わらないことが多く、それではせっかく翻訳しても無駄になってしまいます。「誰が読むのか」、つまり対象読者をハッキリさせる理由はここにあります。

これらの情報をお見積り対象ファイルと共にお知らせいただくことで、正確な翻訳作業やローカライズのお見積りを作成することが可能になるため、貴社の予算管理や納期管理のお役に立ちます。

※個別案件によっては、上記以外の情報が必要な場合もございます。あらかじめご了承ください。その他ご不明な点などございましたら、お気軽にお問い合わせください。

まとめ

翻訳やローカライズに関して正しいお見積りを入手し、適正なコスト、適正なスケジュールを元に納得できる品質でのサービスを受けることは、貴社の将来への成長を促すための 1 つのキーポイントであることは間違いありません。

弊社では、ご予算やご希望の納期、そしてご満足いただける品質とのバランスを最適化して翻訳やローカライズ サービスのご提供を行なっております。


翻訳に役に立つ参考資料とは

翻訳に役に立つ参考資料とは

翻訳やローカライズ作業を行う際に、1 つの指針として重要になる参考資料や SDL TRADOS(トラドス)の Translation Memory。これらをどう扱えば翻訳、ローカライズ業務に有効なのかを考えてみましょう。

良い参考資料、悪い参考資料とは?

翻訳やローカライズにおいて、新しいビジネス、新しいお客様とのお取引は、特に注意すべき事項や確認すべき事項が多くなります。

翻訳作業前に確認すべき項目の中でも SDL TRADOS(トラドス)の Translation Memory(TM)や、参考資料をどう取り扱えばいいのかという点は企業ごとに異なります。そのため、まずは以下の点について確認が必要になります。

・お借りする TM(Translation Memory) や参考資料内での一貫性は取れているか?

・そもそも貴社が信用できる翻訳の品質となっているか?

少なくともこれらの基準をクリアしていなければなりません。

例えば部署ごとに、用語や表記の揺れがある場合には、対象の翻訳、ローカライズドキュメントはどれに従うべきかを事前に確認しなければ翻訳作業時に混乱を来たしてしまうばかりか、結果として貴社にご迷惑をかけてしまうことにもなります。

つまり、「どれに従えばいいのか判断に迷う」状態を作り出すことにより、かえって翻訳の品質を下げてしまいかねないのです。

TM の精度について

 

翻訳、ローカライズ作業に役に立つ、つまり良い参考資料というのは上記の条件を満たしているもののことであり、残念ながらそうでない資料というのはその取り扱いが非常に難しくなってしまいます。

この点においては、翻訳作業前の事前のお打ち合わせにより解消しておくことが必須となります。

良い参考資料とは「信頼できる品質であること」であり、「用語や表現が統一されている」ことなのです。

その逆の場合には、残念ながらあまり効果的とは言えません。

そのため、不要な資料や余分な資料は極力避ける、もしくは優先順位をつけるなどの対策が必要になります。

「参考」の意味を取り違えないこと

参考資料としてお借りしたドキュメントや旧データ。翻訳やローカライズ作業の際に、これらの参考資料ににどこまで従うのかなども大切なポイントです。

・用語や表記スタイルまで完全に従う場合

・内容の理解のための資料の場合

「参考」という意味を取り違えてしまうと、翻訳作業での方向性も変わってしまうことがあるため、事前に貴社、弊社ならびに翻訳者の三者間でのコンセンサスをとっておく必要があります。

SDL TRADOS(トラドス) Translation Memory 内の品質について

SDL TRADOS(トラドス) の Translation Memory においても上記に類似したことが言えます。TRADOS(トラドス)の特性である「旧版の品質をそのまま流用する」ことができるのは、大きなメリットですが、翻訳の品質の信頼性が低い場合にはその品質を引き継いでしまうことになります。

それは TRADOS(トラドス)の大きなメリットの 1 つである「翻訳の流用」がまったく逆の結果を生み、信頼できない訳文を踏襲、流用しながらバージョンアップを繰り返すことになるため、結果として貴社にご迷惑がかかる上、満足度の低い翻訳、ローカライズになりかねません。

こうなってしまうと、翻訳やローカライズ作業のみならず様々な疑問点、問題が出る可能性が高くなります。DTP やコーディングなどの後工程にも大きな影響を与える事になりますので注意が必要です。

TM の精度について

トライベクトルの翻訳・ローカライズ サービスについて

TRADOS(トラドス)Translation Memory(TM)や参考資料を有効活用し、貴社がご満足できるドキュメント制作を行うためのフルサポートを行っております。

翻訳、ローカライズサービス、翻訳コンサルティング サービスについてはお気軽にお問い合わせ下さい。


TM の精度について

TRADOS(トラドス)Translation Memory の精度

SDL TRADOS(トラドス)に代表される Transaltion Memory の翻訳品質の精度。この盲点を理解するのとそうでないのとでは、長期的な視点から考えると品質的に大きな差が出ます。

精度の高い TM と精度の低い TM

SDL TRADOS(トラドス) に代表される翻訳支援ツールの Translation Memory(TM)は、マニュアル翻訳などの大量のドキュメントに対し、翻訳の品質、納期、価格のすべてに対して良い効果を与えることが可能です。

しかし、ここで注意しなければならないことがあります。それは、「既存の Translation Memory(TM)の精度(=品質)は信頼に値するものかどうか」という点です。

SDL TRADOS(トラドス)を代表とする翻訳支援ツールでは、解析結果として表示されるマッチ率に従って価格を決定するのが通常ですが、それに相当した作業だけで済まない場合も稀に起きることがあります。その理由を考えてみましょう。

TRADOS(トラドス) Translation Memory は以前のマニュアルのバージョンで翻訳した訳文が格納されています。

マニュアル翻訳等の大量の翻訳・ローカライズの場合には、TRADOS(トラドス)を使用することによって過去の訳文が良くも悪くも踏襲されていきます。
その格納されている訳文の品質がもし信頼できない、もしくは貴社にて納得できていないものである場合には、その TM を使用して翻訳すること自体、逆効果になってしまう可能性が出てくるためです。簡単に言えば、悪い訳文をずっと引きずることになるからです。

「何のための TM なのか?」という本質を考えずに使用することは、かえって余計なコスト増やスケジュールの延長を引き起こしかねません。

逆に、しっかりした信頼できる TM を使用すれば TRADOS(トラドス)のメリットを大きく得られる事になります。
そしてそれは TRADOS(トラドス)等の翻訳支援ツールのメリットを最大限引き出していることになります。

Translation Memory(TM)の精度を高めるには

では、その Translation Memory(TM) の精度を高めるにはどうすればいいのでしょうか?

すでに翻訳会社へ発注し、翻訳作業をしていく中で誤訳や品質の低い訳文が出てきてしまった場合には、そのセグメント(文章)は TM から取り除く必要があります。
Translation Memory(TM) 全体に比べて手動で処理できるレベルであれば問題ありませんが、TM の大多数を占めるようになってしまうと、そもそも Translation Memory(TM) 内の翻訳の品質自体に問題があると言えるでしょう。

この場合には、次回バージョンアップ時に Translation Memory(TM) を使用すること自体を回避する、もしくは再検討する必要があります。
それらを無視して使用し続けると、「品質の良い訳文を流用していく」という TRADOS(トラドス)のメリットが失われ、主目的から外れてしまうからです。当然のごとく、それは貴社にとってもデメリットでしかありません。

Translation Memory(TM) の精度を高く保つためには、

・最初の翻訳の品質をきちんと検証して信頼できる訳文を登録する

・Translation Memory(TM) のメンテナンス、更新、管理を定期的に正しく行う

ことが必要です。

地道な作業の繰り返しになってしまいますが、これが王道であり、長期的視点から見た場合には、翻訳の品質を安定させ向上していくうえで最も効率的であると言えます。

また、すでに翻訳品質の信頼ができない Translation Memory を保有している場合にはどうすればいいでしょうか。

この場合には貴社のご予算やスケジュールなども関係してくるため一概には申し上げられませんが、翻訳会社によっては、TM のメンテナンスのみを行うサービスを提供している場合もありますのでこれらのサービスを利用してみるというのも良いかも知れません。

過去の訳文を正しくバージョンアップに使用することで貴社のマニュアルやその他ドキュメントの精度が上がることが本来の目的であるならば、見落としがちな Translation Memory(TM)についての管理にも気を配る必要があるのではないでしょうか。

トライベクトルのTranslation Memory メンテナンス サービスについて

既存の TRADOS(トラドス) Translation Memory に対してメンテナンスすることでより効果的に TM を使用して頂くことが可能です。また、TRADOS(トラドス)によるマニュアル翻訳も可能ですので、お気軽にお問い合わせ下さい。

TRADOS によるマニュアル翻訳


SDL TRADOS(トラドス)の解析アルゴリズム

SDL TRADOS(トラドス)を理解する

SDL TRADOS(トラドス)という翻訳支援ツールは、マニュアルや取扱説明書などの大量のボリュームを翻訳する際に非常に有効なツールとして広く翻訳業界では知れ渡っています。もっと言えばマニュアル翻訳では TRADOS(トラドス)を使用するのが常識です。

しかしながら、その SDL TRADOS(トラドス)の原理原則についてしっかりと理解しなければ、本当に使いこなせているとは言い切れません。そんな中、もっとも基礎的な原理である TRADOS(トラドス)の解析アルゴリズムについて解説いたします。

SDL TRADOS(トラドス)では旧バージョンとの比較・解析が可能です。つまり、「旧バージョンの原文と新バージョンの原文との間で、どの程度の改訂率があるのか」を数値(ワード数や文字数)で確認することができます。 ではこの TRADOS(トラドス)の解析アルゴリズムは具体的にどのように行われているのでしょうか。

SDL TRADOS(トラドス)の解析アルゴリズム

例として以下のような翻訳・ローカライズケースを考えてみます。

・IT 系のユーザマニュアル

・英語 → 日本語への翻訳

・旧バージョンの翻訳時にすでに TRADOS(トラドス)を使用済み

・Translation Memory(TM)あり

・原文データは FrameMaker(フレームメーカー)で作成されている

SDL TRADOS(トラドス)を使用して解析作業を行う場合、厳密には、Translation Memory 内のセグメント(文節)と実際の翻訳対象ファイルとの原文同士のマッチングによる解析なります。

 

TRADOS(トラドス)の Translation Memory 内は、旧バージョンの英語と日本語のペアになって格納されています。

 

この Translation Memory 内の原文(この場合は英文)と、実際の翻訳対象ファイル(英文)とのマッチングが行われます。これが TRADOS(トラドス)の原文同士による比較です。

 

このように、TRADOS(トラドス)TM と翻訳対象である現行バージョンのFrameMaker(フレームメーカー)マニュアルとのマッチングにより「マッチ率」と呼ばれる数値が算出されます。

この数値が今回のマニュアル翻訳のお見積書のベースとなります。まれに、原文同士の比較ではなく、訳文同士の比較(差分)だと勘違いしてしまう場合もありますが、訳文同士による比較アルゴリズムではありませんのでご注意ください。

TRADOS(トラドス)による解析結果の意味

TRADOS(トラドス)による解析結果では、旧バージョンとの比較結果が、数値になって現れます。解析結果にある CSV ファイルおよび Log ファイル中には以下の項目が含まれています。
解析表の意味は以下のようになっております。

解析項目解説
No Match前回の訳文が流用できない、新規翻訳箇所
100% Match前回の英文とまったく同じであるため、訳文をそのまま流用
95-99% Match前回の英文とほとんど同じであるため、訳文を若干変更して流用
75-94% Match前回の英文と同じではないが、編集することで流用できる
Repetitions同一ファイル内での繰り返し表現

※No Match は Full Rate と同じ意味です。
※実際の解析結果項目はより詳細に分かれています。あくまで説明のために省略しております。

トライベクトルの TRADOS(トラドス)によるマニュアル翻訳について

このように、TRADOS(トラドス)によるマニュアル翻訳についてはトライベクトルの最も得意とする翻訳領域となります。
いままでのマニュアル翻訳にご満足できない方、お気軽にお問い合わせください。

TRADOS によるマニュアル翻訳

 


機械翻訳(自動翻訳)と翻訳支援ツール

機械翻訳(自動翻訳)(Machine Translation)と翻訳支援ツール(CAT)

いまや機械翻訳(自動翻訳)をはじめとした様々な翻訳・ローカライズサービスが世の中に存在しています。

例えば、機械翻訳(Machine Translation/マシントランスレーション)では、Yahoo!や Google をはじめ様々な検索エンジンが稼働しています。これらは別名自動翻訳と呼ばれることもあります。

大手外資系企業ではすでに機械翻訳(自動翻訳)システムを導入し、はじめに機械翻訳による下訳を行い、その後の編集やレビュー(ポストエディット)を翻訳者が行うというプロセスによってコストの圧縮を図っています。

そして自動翻訳システム然り、翻訳支援ツール(CAT)然り、これらは今後ますます精度が上がっていくことは間違いないでしょう。引いてはこれらの翻訳システムや SDL TRADOS(トラドス)などの翻訳支援ツールを使いこなしていくことは翻訳会社、翻訳者にとって重要な部分を占めることになります。

翻訳は「言葉」という非常に曖昧で流動的で変化のあるものを扱うために、その動向はますます注目に値します。

機械翻訳(自動翻訳)と翻訳支援ツール(CAT)の違い

 機械翻訳(自動翻訳)翻訳支援ツール(CAT)
説明翻訳作業時は人間が介在しない。プログラム(システム)によって翻訳を行う人間(翻訳者)が翻訳作業を効率的に行うことを支援するためのツール
Yahoo! 翻訳や Google 翻訳などが代表的SDL TRADOS(トラドス)や Wordfast、Transit、TRATOOL、PASSOLO など

翻訳コストを抑えるため?翻訳品質を安定させるため?

これらの機械翻訳(自動翻訳)や翻訳支援ツールをどういう目的で使用していくのか、ここには各社の考え方があります。例えば、

・翻訳やローカライズをより一層スピーディに行うため
・機械翻訳(自動翻訳)によってとにかくコストを抑えるため
・TRADOS(トラドス)などの翻訳支援ツール(CAT)によって品質を安定させるため

 

といった目的が挙げられます。これらは翻訳会社、クライアント、翻訳者としての考え方によって利用目的が少しずつ異なってくるでしょう。やはりここでも重要なのは「何のために?」という目的意識です。

機械翻訳(自動翻訳)と翻訳者

これまで見てくると、ひとつの疑問が浮かび上がります。

それは「機械翻訳(自動翻訳)は、翻訳者の仕事を奪うのか」という点です。 これに現時点で答えを出すには難しいでしょう。そうなるであろう部分と代替不可能な部分があるからです。

例えば誰でもできる簡単な内容であれば、機械翻訳(自動翻訳)がとってかわる部分はありますし、現実にすでにそうなっています。また、お金をかけられない、意味さえ分かればいいといった場合には Yahoo!や Google 翻訳で十分ということも考えられます。

また、大企業であれば、社内ですべて処理できるように機械翻訳システムを導入してカスタマイズしていくということも考えられます。これらは初期投資が大きくなり、ランニングコストもかかりますので慎重に検討しないといけません。システムバージョンアップを繰り返しつつ、精度を高めていくということが必要になってきます。

一方、「文章の意味を理解して異なる言語で表現する」作業は人間しかできない部分だと言えます。この「意味を理解する」という部分がまず難しい作業であり、そして「異なる言語で表現する」という部分がさらに難しいわけです。

これを「機械翻訳(自動翻訳)でどこまでできるのか」がポイントになるのではないでしょうか。

つまり、「文章を解析し、数値に置き換えることと同時に、その「言葉の意味」を正確にとらえ、異なる言語に翻訳することができれば、機械翻訳(自動翻訳)を使用する機会は飛躍的に増えてくるはずです。

翻訳力の必要なドキュメントは、翻訳会社(翻訳者)へ、そうでないものは機械翻訳へ、と使い分けながらそれぞれの技術的な進歩を進めていくことが必要だと言えます。

「翻訳力」のある翻訳者情報

そして当然、その使い分けをする側にも知識や経験に基づく明確な判断基準が求められるようになるのは言うまでもありません。

トライべクトルの翻訳支援ツール(CAT)による翻訳・ローカライズサービス

トライベクトルでは、翻訳支援ツール(CAT)による翻訳・ローカライズをご提供しておりますのでお問い合わせよりお気軽にご連絡下さい。


用語集と木こりのジレンマ

glossary

翻訳会社から見ると、翻訳業務に欠かせないのが用語集ですが、お客様の立場から見ると意外と軽視されているケースが見受けられます。

用語集があるのと無いのとでは品質に差が出てしまうにも関わらず、その重要性が浸透しない理由はいくつか考えられます。今回は、この専門用語集について考察したいと思います。

そもそも「専門用語」とは何かが曖昧

まず初めに「専門用語」というのはどこからを指すのでしょうか。その境界はなかなか見極めが難しい場合があります。

例えば、医療や医薬の分野には多くの専門用語が登場します。以下の例で考えてみましょう。

日本語英語
抗体Antibody
アレルギーAllergy
手術Operation
妊娠Pregnant

ひとつ目の「抗体」は、医療用語(専門用語)というのは何となく納得できますが、では2つ目の「アレルギー」はどうでしょうか?日常的に使用している用語ですが、実はこれも医療用語です。「手術」も病院ではよく聞きますし、一般人でも使いますが、医療用語です。「妊娠」という言葉も日常会話でも登場する言葉ではありますが、医療用語です。

これらはすべて医療用語なので、専門用語としても間違いではありません。

一般の人が「専門用語」として感じるのか、もしくは「一般用語」として感じるのかは、その人の持つ背景知識などにも左右されます。逆に言えば、ある特定の分野の専門家が「これは一般用語だ」と思い込んでいたら、それは用語集には入らないことになります。

これは、自分の常識が他人の常識とは限らないという話に似ています。

また、仮に市販の用語辞書に掲載されていれば専門用語であり、そうでなければ専門用語ではないのでしょうか。しかし、こういう基準で考えるのもおかしな話です。

つまり、専門用語かどうかの線引きは、ある種、非常に曖昧だと言えます。

これが用語集の価値を認めにくい一つ目の要因です。

実際の用語の使い方が曖昧

多くのお客様と接していて感じるのは「お客様ごとに用語の使い方は違う」ということです。これは10年以上前は考えられないことでした。

例を挙げてみましょう。

例えば IT 専門用語で “Virtual” という言葉があります。この翻訳について、

  • A 社:「バーチャル」
  • B 社:「仮想」

と訳語が異なるケースがあります。意味は同じでも、表記が異なっているわけです。10年以上前の IT 業界なら業界内で統一できていましたが、テクノロジーの発達や各社の差別化要因としても「ウチは”仮想”ではなく、”バーチャル”を使っている」という企業が増えています。

また、別のケースとして、同じ単語であっても状況によって訳し分けなければならないこともあります。この場合は用語集にどこまで登録するのかといったことも検討しなくてはなりません。

これらの曖昧さも用語集の価値が伝わりにくい要因となっています。

それでも用語集がある方がいい

これまで述べてきたように、曖昧さが引き起こす原因はあるとはいえ、それでも用語集は構築したほうがいいというのが弊社の見解です。

仮に曖昧さを排除しきれなかったとしても、それを補って余りある効果を得ることができるからです。翻訳作業時に複数の翻訳者で対応しなければならない場合には、用語集があれば、統一が容易になります。

また様々なドキュメントがあっても、用語が統一されていればブランディングの観点からもイメージアップ、ユーザビリティアップにつながります。

もし、用語集がなければ何が起きるのでしょうか?

  • 企業のドキュメントの統一が図れない(=ブランディングの統一ができない)
  • 全ドキュメントでの統一はおろか、自分が担当するドキュメントすら統一できない

大した影響はないとお考えでしょうか?それともこういった部分のバラつきが読み手に与える印象は決して小さいものではないと思うでしょうか。

この判断が貴社のドキュメントの品質を変えるとすればいかがでしょうか。

翻訳業界の用語集

ちなみに、弊社でも翻訳業界用語についてまとめています。

翻訳、ローカライズ用語集

 

翻訳やローカライズ業務で頻出する用語とその意味をまとめてありますが、「どこから掲載するか」という上記の問題は孕んだままです。しかし、それでも上述のように単語の意味、定義を共有しておくことの方が大きなメリットがあると考えています。

本当は自社で作る方がいい

このように、用語集があるとあらゆる貴社のドキュメントに使用できるようになります。それはつまり、貴社の資産になるということです。

私たちがお伝えしたいのはまさにこの点であり、そういう観点から考えると、本来は貴社で構築していくのがもっとも確実であると言えます。

用語集と木こりのジレンマ

このように、用語集の構築に関してお伝えをしても、「そうはいってもなかなか時間を取れない」というお話もお伺いします。そこで弊社では、「用語集構築プラン」をご用意しております。

 

用語集構築・運用

 

このプランをご利用いただき、その後のドキュメント制作をスムースにするかどうかは、「木こりのジレンマ」と似ています。

木こりのジレンマとは

ある日、旅人が森の中を歩いていると、一人の木こりに出会った。その木こりは、一生懸命、木を切っていた。旅人はそんな彼を見ていた。
旅人は、その木を切る姿を見ていて、木こりが一所懸命切っている割には木がなかなか切れないのを不思議に思った。そこで彼ののこぎりを見ると、随分と刃こぼれが目立っていた。

そこで、旅人は「木こりさん、そののこぎりは随分刃こぼれしているようだ。のこぎりの刃を研ぎ直してから、あらためて木を切ったらどうだろうか」と言った。

ところが木こりは旅人に向かってこう言った。

「あなたの忠告は非常にありがたいが、私は今、木を切るのにとても忙しく、それどころではないのです」

そして木こりはその刃こぼれしたのこぎりを使って木を切り続けた。

もし、この「のこぎりの刃」が貴社にとっての「専門用語集」だとしたら、バラバラのまま翻訳作業を続けたところで品質アップにはなりません。

一度用語集を作ってみる。そしてそれを使って展開することで、翻訳作業もレビュー作業ももっとスムースになるとしたら、専門用語は価値があると言えるのではないでしょうか。

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「一貫性」とブランド構築

あなたは「一貫性」がありますか?

「一貫性」という言葉は大変重要なキーワードです。これは翻訳だけでも、法人だけでも、ビジネスだけでもなく、広範囲にわたって重要な概念です。

ビジネスで言えば、一貫性がない場合、営業マンが「以前と言っていることが逆」になってしまったり、「そもそも話していることに脈絡がない」ことになってしまったりと、相手の不安を与えるだけです。「原因と結果の法則」にもあるように「○○があるから□□になる」というロジックが欠如していればビジネスでは信用してもらうことは困難でしょう。

信用できないからです。

「一貫性」というのは、簡単に言えば、「筋が通っているかどうか」ということです。

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ライティングや翻訳、Webサイトでの一貫性とは何か

一般的な概念の「一貫性」に準拠しますが、弊社の翻訳業務やライティング業務に関連付けて考えてみると、具体的には以下のようなポイントが「一貫性」として重要だということが分かります。

文章を書く(ライティング)時の「一貫性」とは

これは表記ルールやスタイルガイド、用語集などのことです。このルールやスタイルがないドキュメントは読みにくくなります。例えばこちらは翻訳業界の用語集です。

翻訳、ローカライズ用語集

また、スタイルというのは、例えば本を読むときに、1行目は「ですます調」で書いてあるのに、2行目から「である調」になれば誰でも違和感を覚えますね。

そういった大切なことは、最初にルールや表記スタイルを決めておき、それに従って文章を書くことが求められます。ちなみにこれは翻訳でも同じことが言えます。

consistency

 

「一貫性」は継続すれば「信頼性」に変わりますが、「一貫性」の失われた文章はその「信頼性」も同時に失っていることになります。

これは文章だけでなく人間そのものも同じでしょう。

デザインの一貫性

例えば Web デザインでも「一貫性」は重要です。

Webサイト全体のデザインの方向性やテイストを揃えておかなければ、ユーザビリティという側面でも、また単純に、そのサイトの見た目からもおかしな印象を与えてしまいます。

こんなことはあり得ませんが、例えば、トップページは青がベースカラーなのに、2ページ目だけ脈絡もなく赤になっている、グローバルメニューもページごとに違っている(これをグローバルメニューとは呼ばないかもしれませんが)というような Webサイトは使いにくいでしょう。

これも大切なのは、(当たり前ですが)事前に仕様を決めておくことです。

ターゲット(ペルソナ)の設定や、自社の強みの分析など、様々な角度から内容を吟味してそれらを一貫性のあるデザインで表現することが大切です。

以上のように、これらは極端な例ですが、そういうことが「一貫性」を担保する要素であることは間違いありません。

「一貫性」を確保するために

上記の例のように、一貫性を持つことは大変重要であり、弊社のコミュニケーションサービスのひとつである「翻訳・ローカライズ」事業においても同様です。

翻訳・ローカライズの場合には、

  • 表記スタイルはどうするのか

・ですます調、である調のどちらなのか?
・カタカナ語の連結時の間のスペースの有無は?
・サーバ、サーバーなどの音引きはどうするのか?

  • 専門用語は?

・用語集を準備して同じ訳語を使用できないのか?

といったものが代表的かもしれません。

ちなみに宣伝になってしまいますが、弊社ではお客様の一貫性を補強する上で「用語集作成プラン」をご用意しています。

用語集構築・運用

これらをご利用いただくと、用語や TM(Translation Memory)の一貫性を保つことができますので、当然ながら翻訳の品質を向上させることが可能になります。

「 一貫性」がもたらすメリット

逆に、一貫性のある文章やデザインといったものを作り上げていくと、いくつかのメリットが生まれてきます。

貴社ブランディングに好影響

大きく言えば「どう見られるか」「どういうイメージを持ってもらえるか」に良い影響を与えることができます。それは企業イメージにつながり、ビジネスを左右することにもなりかねません。(個人でも同じことが言えます)

「○○はこんな会社だよね」「○○と言えば」という印象は、こういう些細なところから始まっていきます。

ユーザビリティの向上

読み手が読みやすいと感じる文章、ユーザが使いやすいWebサイトは、(なかなか気づかれないことも多いですが)実は一貫性を保ちながら様々な工夫が施されています。

使いやすい(ユーザビリティ、アクセシビリティ、リーダビリティ)というのは、やはりユーザ側にとっては大変大きなメリットです。そしてそれは結果として、そこまで気を遣って制作している側へのプラスの評価に変わります。

差別化要因

当然ながら、一貫性のある企業は、ある一定のブランド価値を醸成しますので、そうでない企業と比較すると安心感、信頼性が異なります。一貫していることは、安心材料になるのです。

そしてその安心感は、サービスや商品購入の選定の際にも重要な差別化ポイントです。

常に「一貫性」への挑戦を続ける

これまで見てきた通り、ユーザはあらゆる情報を意識的、無意識的に取得し、総合的に判断します。その判断基準に「一貫性」が含まれているのは周知の事実です。

常に自社として「どうあり続けるか」が問われています。

そうはいっても、これらは簡単なことではありません。目先の利益に惑わされることもあります。一貫性を失ってしまうこともあるかもしれません。企業サイズが大きくなればなるほど、関わる人員が増え、理解度の差ができます。一貫した行動を取るのは容易ではありません。

しかし、ライティングでも翻訳でも、Webサイトの制作でも、企業でも、個人でも、一貫性を確保することは戦略ポジショニング面でも重要なことです。

実は、顧客やユーザはその一貫性を無意識的にも意識的にもいつも観ていることを理解しておくことです。自社のブランドをどう構築するのかは、経営理念にも関わってきますし、各ドキュメントの構築や運営方法に大きなインパクトを与えることになるため、ぜひじっくりと腰を据えて取り組んでみましょう。

ご参考までに弊社では以下のガイドブックも取り揃えておりますのでご興味があればお問い合わせください。

今すぐできる!知識・経験ゼロの中小企業経営者向けマーケティングガイド

弊社は「お客様のマーケティングチームの一員として」翻訳をはじめとした各種マーケティングサポートを行っておりますが、常に「一貫性」を保つべく、日々努力していきます。

翻訳・通訳・ローカライズ全般のお問い合わせ

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