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インバウンド市場における多言語翻訳 実践ガイド

今、なぜ多言語翻訳が重要なのか

2024年の訪日外国人観光客数は 3,600万人を突破し、コロナ禍以前を上回るペースで回復しています。しかし、多くのインバウンド/観光事業者が直面している現実は「翻訳はしたが業務負荷はなかなか減らない」という状況です。

これは、単なる翻訳から、質の高いコミュニケーションへの転換が求められている証拠です。

「もうひとつの言葉の壁」とは

「とにかく多言語対応をしておけば大丈夫」と考えていた時代から、現在は「質も伴なった多言語対応」をしなければならない時代に変わっています。「とにかく多言語」という状態だと以下のような問題が起きていました。

  • 多言語翻訳したが、誤訳があって余計に質問や問い合わせが増えてしまった
  • AIで翻訳したのにまったく違った情報が提示されてしまった
  • 導入した AI 翻訳システムが動作しない
  • スタッフのための言語研修をしたがマインドが変わらないので効果がない

これではまったく意味がありません。超えたはずの「言葉の壁」ですが、実は「もうひとつの言葉の壁」があったということです。

上記と関連しますが、多言語対応がうまくいかない理由はいくつかあります。

  • そもそもスタッフが外国語対応に不安を感じる(マインドセット)
  • 情報を正確に伝えられず、クレームに発展する
  • できる人とできない人の対応の質にばらつきがあり、業務効率が低下

このように「多言語対応」といっても企業や組織、団体ごとにかなりバラつきがあるのが実情です。こういった事態を避けるためには表面的な多言語対応ではなく、戦略的な多言語対応を計画しなければなりません。

  • 多言語対応そのものができていない(黎明期)
  • 翻訳はあるが正確に伝わらない/伝わっていない(現在)

実践的な多言語対応の進め方

対象言語の戦略的な選択と具体的なステップ

前述の通り、外国人観光客が満足する多言語対応というのは、実は通り一遍の「すべての言語に対応する」ということではなく、しっかりと自分たちのターゲットに合わせて選択する必要があるということです。では、そのためには何をしなければならないのでしょうか。

戦略設計のための準備(現状分析と計画策定)

これはどの事業でも同じですが、インバウンド市場においてもきちんと戦略を立てるべきでしょう。考えなしに闇雲に行動してもうまくいきません。

自分たちのお客様は誰なのか、その人たちにはどうアプローチすればいいのかを具体的に落とし込む必要があります。

作業項目補足説明
1現在の来場者データを分析特に外国人観光客の全体に対しての割合など
2今後誘致したいターゲット層を明確化
ペルソナ設定は必須
3戦略、施策決定予算と効果のバランスを検討
4競合施設の対応状況を調査
3C分析
5戦術決定、PDCA 運用PDCA を高速で回していく

言語を選択する(自社にとって優先度の高い言語は何か?)

そして次にどの言語から翻訳するのか(その理由)、どの言語に翻訳するのか(その理由)を決める必要があり、全体戦略に沿った決定をします。

言語補足説明
1英語世界共通の言語
2中国語(簡体字、繁体字)アジア市場では欠かせない
3韓国語リピーター率も高い
4その他言語自分たちの特性と来館者属性にあった言語

AI翻訳の効果的な活用法

次に、戦略に沿ってどのようなツールを使用するかを決定します。代表的な AI 翻訳テクノロジーはいくつかに分けることができます。使用用途に応じて、最適なツールやシステムを選択します。

  • 生成AI翻訳:ChatGPT、Gemini、Claude など
  • リアルタイム音声翻訳:ポケトーク、VoiceBiz® Remote など
  • マルチモーダル翻訳:画像認識とAR翻訳の組み合わせなど

成功事例

成功事例として多言語対応が進んでいる企業様をご紹介します。

  • 京阪電鉄:ポケトーク導入により駅員の多言語案内が強化され、駅構内の案内がスムーズになった結果、外国人観光客の満足度が向上しました。
  • 食べログ:生成AIの導入で92.3%の正解率と73%のコスト削減(参考 URL)

なお、これ以外でも AI 翻訳の上手に利用するとコストや業務改善につながる例は多くあります。

翻訳品質を高める4つのポイント

しかしながら、翻訳会社の立場から見解を述べると、上記のように AI 翻訳でうまくいケースとそうでないケースがあるのも事実です。前述の企業様も含め、実際は「AI に全部お任せ」というわけではありません自分たちにあった適切なプロンプトを書くためにも、以下のポイントをしっかり押さえる必要があります。

ポイント1:専門用語、固有名詞、表記スタイルの管理

翻訳の品質が高いというのは「正しく伝える力が強い」ということですが、それを支える要素のひとつに「専門用語や固有名詞の統一」があります。

例えば、地名や施設名、個人名、作品名など固有名詞はいたるところに存在します。

また、どのような表記ルールにするかも同時に決めなくてはなりません。

例えば、最近話題になった「ローマ字表記を約70年ぶり見直しの検討をする」というニュースですが、これらは翻訳時にも影響を与える重要なルールとなります。

https://www.bunka.go.jp/seisaku/bunkashingikai/kokugo/roman/roman_08/pdf/94182101_01.pdf

また観光庁や文化庁などが発行しているインバウンド関連の各種ガイドラインなどの内容にも準拠する必要があります。

文化庁:文化財の多言語化ハンドブック

https://www.bunka.go.jp/tokei_hakusho_shuppan/shuppanbutsu/handbook/index.html

観光庁:観光立国実現に向けた多言語対応の改善・強化のためのガイドライン

https://www.mlit.go.jp/kankocho/seisaku_seido/kihonkeikaku/inbound_kaifuku/ukeire/kankochi/annaihyoji.html

ポイント2:文化的な背景を説明する

また、これは意外と見落としがちなのですが、ただ単に翻訳するだけだと外国人観光客には理解できない内容のものがあります。特に伝統工芸など文化や歴史の共通認識がテーマだとそれがより顕著になります。

例:「江戸時代」という言葉を英語に翻訳する場合

  • ❌ 「江戸時代」→「Edo Period」
  • ✅ 「江戸時代」→「Edo Period(1603-1868)」

※単に、Edo Period だけでは伝わらないため、西暦での表記も入れなくてはなりません

アート翻訳×インバウンドサービスのご案内|トライベクトル株式会社

このように、日本特有の概念には何らかの説明を付与しなければならず、これは外国人視点で内容を調整しなければならないということです。また飲食店などの場合には「宗教・文化的配慮(食材表示など)」がマストになります。(ハラール、ハラームなど)

ポイント3:自然で分かりやすい表現を心がける

これはインバウンドに限った話ではありませんが、言語の品質としてどの言語への翻訳であっても以下のポイントは押さえなくてはならない重要なポイントです。

  • 直訳ではなく、自然な表現を心がけるようにする
  • 専門用語や業界用語はできるだけ平易な言葉に翻訳する
  • 文化的ニュアンスを考慮した「カルチャライズ」を意識する

逆に言うと、こういった点ができていないからこそせっかく翻訳したのに業務負荷が減らなかったり、むしろクレームになってしまうということが発生します。

ポイント4:人間によるチェック、ポストエディットは必須

そしてここが非常に重要になりますが、現時点で「AI翻訳」は完璧ではありません。これまでのポイントを全て押さえ、プロンプトを駆使しても限界があります。ハルシネーションを起こしてしまったり、そもそも欲しい結果を得られなかったりということがあります。

そのため、現時点では AI 翻訳後の「ポストエディット」という人間によるチェック作業が欠かせません。誤訳や訳抜けがないかはもちろん、固有名詞は正しく翻訳されているか、また文章自体のもつ文脈は適切か(誤解を招かないか)、前述の文化的な配慮はされているかなど多岐にわたりチェックし修正をする必要があります。

多言語対応の投資対効果を最大化するコツ

これまで述べてきたように、インバウンドが盛り上がっているからといっても闇雲にビジネスを進めるのではなくしっかりマーケティング戦略をもって取り組むべきだというのはお分かりいただけたと思います。

さらにワンランク上の多言語翻訳やインバウンド対応を行うためには、改めて以下のポイントを押さえておきましょう。

  • 段階的なシステムやツールの導入:優先度の高いポイントから順次対応する
  • 既存システムとの連携:WebサイトやPOSシステムとの統合
  • スタッフ教育:マインドセット、AI翻訳ツールの効果的な使い方をマスターする

また同時に、それがうまくいっているかどうかを評価しなくてはなりませんが、評価軸を事前に決めておく必要があります。例えば、以下のような指標です。

  • 外国人観光客の増減
  • 外国人観光客の満足度向上
  • クレーム件数の減少
  • 売上・客単価の向上
  • スタッフの業務効率の改善率

これらの指標をチェックしながら、多言語翻訳を進めていきましょう。

まとめ:言葉の壁を越えた「おもてなし」の実現

インバウンドにおける多言語翻訳は、単なる言語変換ではないことは言うまでもありません。

直接のコミュニケーションで最もパワーを発揮する多言語翻訳は、訪日外国人に日本の魅力を深く理解してもらい、感動を与える重要なツールです。

AI技術の進化により、以前より効率的で高品質な多言語対応が可能になりました。しかし、最終的に重要なのは「相手に伝えたい」「相手を理解しよう」という姿勢と、人間らしい温かさであることは変わりません。

適切なマーケティング戦略と実行により、言葉の壁を越えたワンランク上の質の高い「おもてなし」を提供し、インバウンドにおける多言語対応を実現しましょう。

「品質と価格は比例する」と言い切ったお客様の話

ある外資系企業のお客様がおっしゃっていました。

「私は品質と価格は比例すると思っています。だから価格が上がるのは問題ありません」

という発言をされました。(それまでの文脈は割愛)

もちろんですが、その通りと感じましたが、こういったことをなかなか面と向かって言うことも少ないのではないでしょうか。

また、実際にはそれが分かっていても実行できないケースや状況が(残念ながら)存在するのも事実でしょう。「そんなことは綺麗ごとだ」という意見もあります。

それでもハッキリと断定したこのご担当者様には、ご自身のお仕事に対する非常に強いポリシーを感じましたし、弊社をパートナーとして見ていただいているのだという良い意味でのプレッシャーを受けました。とにかく安ければいいという風潮もある中で、実際には胸が熱くなるようなシーンもありました。このお客様の言葉をお借りして、品質が高ければ価格が高いのは当然であること、またその逆も然りであることを改めて考えてみたいと思います。

「品質」とは何か

価格が品質によって決まるとするならば、まず先に「品質の定義」が必要となります。

※すべての業界、すべての企業で品質の定義をしているでしょうから、その解釈には多くのパターンがあると考えられます。

弊社の場合、品質とは、お客様が「望んでいるとおりのものを得る」状態のことを指しており、以下のコンテンツでより詳細の説明(定義)をしておりますのでご確認ください。

翻訳、ローカライズの品質とは

さらに、これらの品質を確保するために弊社では「良い品質の翻訳とは」というページも作成、公開しておりますので合わせてご覧ください。

トライベクトルが考える「良い翻訳」とは|翻訳会社トライベクトル

※「品質」は訳文だけの話ではなく、対応品質なども含まれています。

※今回のご担当者様の発言は、この「ご担当者様がご希望のモノやサービス」通りに、または「希望以上のモノやサービス」をお届けしたあとのご感想です。

「価格」よりも「価値」を考える

品質が高ければ後から価格があがりますということを言いたい訳ではありません。またそういうケースはかなりレアでしょう(詳細は伏せますが、今回はそういうことが可能なお仕事だったというだけ)。

よく「価格」ではなく「価値」を考えなさいと言われます。価値とは何でしょうか。あまり難しく考えるよりも、自分がモノやサービスを購入することを想像してみます。

モノやサービスを購入する決断をするときには価格を見ます。しかし、価格を見る以上に見ているものがあります。

「価格に納得できるとき」というのは、「これを買ったら自分の課題や悩みが解決できるかも」と思うときです。価格の向こう側にある「自分が得られる価値」を想像するのです。

そして実際にそれが解決したら「ああ、良い買い物をした」と思うのです。逆に「期待外れ」だった場合には二度と購入されることはありません。

つまり、買い手にとっては「そのモノやサービスの価値を見出すことが大切」ということですし、売り手にとっては正しく価値を伝えることが大事になってきます。

「迷う理由が値段なら買え、買う理由が金額ならやめとけ」

という言葉もあります。つまり、値段(価格)を基準にして判断してはいけないという意味です。「安いから買う、高いから買わない」のではなく、「自社にとって価値があるかどうか=自社が課題解決できるかどうか」が基準であるべきということでしょう。

「品質=お客様にとっての価値が高い=課題解決できる」であるならそれは当然買うし、(仮に高かったとしても)買いますということです。これは誰しも経験があるでしょう。

価格を考えるのではなく価値を考えるというのはこういうことです。

「品質が高い」は「価値が高い」

このように考えると、「品質が高い」という言葉は「お客様にとっての価値が高い」という意味になります。例えば、これを無視して「自分が作ったものは最高だ」と言ったところで、それはビジネスではあまり意味がありません。

ビジネスにおけるプロフェッショナルは、お客さまの課題をしっかりとヒアリングし、それについての改善案を提案し、共に伴走する人のことです。

医者ならばきちんと患者さんの病状を把握し、できる限り相手に負担をかけず、時には激励したり、寄り添ったりしながら最適と思われる治療方針を出し、伴走していくのと同じでしょう。

腹痛を訴えている患者さんに何も確認せずに「この薬を飲みなさい」という医者はいません。しっかりと相手の話を聞き、かつプロとしての視点から改善方法を模索しつつ、提案を繰り返していくからこそ患者さんは安心して任せることができるのです。もちろん、病状からの回復が最大の価値であることは言うまでもありませんが、そこに価値があるのです。

今回の外資系企業の担当者様はこれらの基本的な、でもとても大切な構造をしっかりと理解した上で発言をされていらっしゃいました。だからこそ非常に納得感が強かったわけです。

「価値」はどういう人や企業と付き合うかの基準にもなる

一転して、数年前にこのような記事を書きました。

「翻訳なんて誰がやっても一緒」だが、誰もが「言葉に魂を込めている」ものを求めている

こちらのエピソードも大変驚いたのでよく覚えていますが、今回の担当者さんは、この記事に登場する部長さんとはまったく真逆の発想だと言えます。

ただ、よく考えると要求水準は今回のお客様のほうが高いのです。

なぜなら「私たちが要求する品質のものを出してください。それができれば価格が上がるのは問題ないが、逆にその品質が出せないのなら価格は下がりますよ」と言っているのと同じことだからです。またもっと言えば「価値がないなら取引自体がありませんよ」ということでしょう。

(もしかしたら、一見厳しそうに見えた以前のお客様の方が「翻訳なんて誰がやっても一緒」と思っている分、品質への評価基準がブレている可能性があるため、あまり細かいことを言わないのかもしれません)

いずれにせよ、弊社の提供する言語サービスについてある一定の価値を見出してくださっているお客様である以上、弊社も毎回真剣勝負でお仕事をしています。

重要なのは「価格優先なのか、価値優先なのか、それは担当者 個人としての考えなのか、企業としての考えなのか」といった様々な要素がある中で、「何を課題として持っていて、どういう解決策がお客様にとってベストなのだろうか」ということをもっと真剣に考え、提案しなければならないですし、こういった考え方を持つためには、そもそも自分たちが何を大切にしたいと思っているのか、どう有りたいと思っているのかといった根本の思想が問われているのだということです。

どういった企業と取引をするのか/付き合っていくのかは、まさにこの部分(価値基準)に根差すものであるべきです。そうでなければ「翻訳なんて、通訳なんて、英会話なんて、誰がやっても一緒でしょ」という言葉に流されてしまいます。

まとめ

お客様の要求水準を満たす/超えるために、様々な側面からサービス品質を上げてお客様の課題を解決しようとする(価値)という行動は、長期的に見てお客様との信頼関係をより強固なものにし、また仕事の拡大を促す大きなドライバーになります。

このように(顧客にとって)価値があると感じるものにはそれなりの理由があるということです。そしてそれを無視して「誰がやっても一緒」なんてことはあり得ないということでしょう。

これまで以上にもっともっと努力しなければならない、身の引き締まる思いでした。

 

 

翻訳は「手段」であって「目的」ではない

弊社は主に「コミュニケーションサービス」を提供している企業ですが、そのうち、翻訳や通訳といった言語サービスを中心にご提供を行っています。

お客様からサービス提供への対価をいただきながら、経済活動を行っていますが、時折、そこに該当しないケースがあります。より大きな目的(弊社の場合には経営理念の実現)の場合であれば、該当しなくても(長期的には整合性が取られるため)問題ありませんが、以前にはそうでないケースも散見されました。

このあたりはもしかしたら業界構造や業界の変化にも関連しているかもしれません。

翻訳の功と罪

今回はビジネスでついつい「勘違い」してしまいがちな点について考察します。

陥りやすい「手段の目的化」

今はもうほとんどありませんが、以前に多かったのは「手段の目的化」です。翻訳や通訳サービスは、それを利用するクライアントのビジネスコミュニケーションをスムースにするためのツールのひとつであるべきで、それ自体が目的になってしまうのは本末転倒です。

具体的には、翻訳者の作る訳文がクライアントが求めるものとずれ、クレームになる場合などを指します。プロの翻訳者が行なう翻訳作業なのですから、ある一定の精度があるはずです。にもかかわらず、どうしてクレームになるのでしょうか?

考えられる原因はいくつかあります。

  1. 翻訳者の実力不足(一定の精度が無い訳文だった)
  2. 翻訳会社のヒアリング不足(営業窓口の力不足)、不適切なアサイン(人には向き不向きがある)
  3. クライアントが翻訳以上のものを求めている
  4. クライアントの好み(恣意的なもの)
  5. 納期等のその他の条件

 

これ以外でも、できない原因はあげればキリがないので、このあたりにしておきますが、いずれにしても様々な原因でクライアント期待とは違うものが納品されてくればクレームになる場合があります。

つまり、上記のような点が「ずれているから」起きてしまうトラブルやクレームが一定数存在します。

いったい何のために翻訳するのか?通訳するのか?

手段を目的化しないために、最初から最後までブレてはいけないのは、この翻訳、通訳の目的は何か?いったい何のためにクライアントは翻訳や通訳を利用するのか?ということです。

これは翻訳会社としてもしっかりヒアリングしなければならない部分ですし、それをコーディネーターから的確に翻訳者に伝えなければならない点です。

逆に、それをしっかりと汲み取って訳文を作ったり、通訳していくことができれば、理論上は大きな齟齬というのは出ないはずです。

※特に通訳の場合には、現場での対応になり、クライアントの担当者と直接打ち合わせができることも多いため、本来の目的を確認しやすいと言えます。

どの企業も、どの業界でも共通しているのは、ビジネスのコミュニケーションをスムースにして期待する成果を得ることであり、それを達成するために私たちは翻訳や通訳サービスを提供することで何ができるのか?ということです。

これを見失ってしまうと、クライアントの期待する翻訳や通訳サービスにはなりません。誤解を恐れず言えば、「作り手の独りよがりのサービス」になってしまうのです。

翻訳や通訳というサービスは、限りなく商品に近いところにあるために、ついつい勘違いしてしまいそうですが、残念ながらそれ自体は目的にはなりません。もし「翻訳すること」自体が目的であれば、それはビジネスではなく、ボランティアや趣味、また自分自身の勉強のためであることがほとんどではないでしょうか。(ちなみに、これらが悪いということではなく、ビジネスコミュニケーションサービスとして提供する以上はクライアントがいるわけですから、その要望も汲み取っていかなくてはならないということです)

これは英会話なども同様です。英語と言うツールを使って、仕事をスムースに進めることが重要な目的であって「英語が話せます」という話ではありません。実際の現場では、TOEIC の点数が非常に高くても、ビジネスの基礎がない人は活躍することできないのは何も英語に限った話ではありませんので、細かく説明するまでもないでしょう。

エグゼクティブ専門英会話 [Be Confident]

翻訳という仕事をしていると、どうしても TOEIC が高得点でなければならないといった類のことを言われることも多いですが、実態はそうではありません。「翻訳力」とでも言うべき能力はまったく定義が異なります。

 

「翻訳力」とは何か

 

「お客様に喜んでもらう」ことがひとつのバロメーター

仕事にはどれも相手(お客様)がいます。その「お客様のために価値を提供する」ことが重要なのであり、結果として収入や報酬があるのです。

クライアントが困っていることに対し、自ら蓄積してきた能力や経験で解決することが重要です。大ざっぱに言ってしまえば、人の役に立つことです。お客様の役に立つことを本気で考えれば、自ずととるべき行動は定まってくるでしょう。それは自己満足でも自慢でもないはずです。手段が目的化されている場合には、「自分がやったから結果が出たんだ」となりがちなので要注意です。

それよりも全力を尽くし、その結果としてお客様から感謝されるほうが自分が持つ能力が誰かの役に立てたと思えるのではないでしょうか。こういう真摯な気持ちで仕事に向き合ったとき、人はさらなる成長をすることができます。

翻訳も通訳も「お医者さん」と同じ

翻訳も通訳も様々なテクニックや最新のツールやテクノロジーがあります。ドキュメントによって訳し方が違ったり、分野によっても扱うドキュメントは様々です。

しかしそれ以前のスタンスの問題として自覚しておかないといけないことがあります。

それは、プロフェッショナルとしての翻訳者や通訳者は、その高い専門性や高い言語能力を駆使して、お客様の困りごとを解決できるということです。いわば「お医者さん」と同じように正しい診断を行い、治療法を提案していくこと、また専門性が高ければ、ブラックボックス化せず、インフォームドコンセントを行い、クライアントが満足する治療を受けることができるのです。

この正しい心構えを持ち、最新のテクノロジーを駆使し、自らの能力を最大限発揮することができれば、クライアントの悩み(顕在的/潜在的)を解決することができるのです。

「飲食店向け接客英会話」セミナーのご案内(終了いたしました)

「飲食店向け接客英会話」セミナー開催のご案内

2016年、外国人観光客が初の2,000万人を突破しました。これから、2020年の東京オリンピックに向けて、さらに倍増の4,000万人の外国人観光客が押し寄せると言われています。

日本政府は「観光立国」を目指し、オリンピック後にも継続して外国人観光客が訪日する体制を整えなくてはなりません。

とはいえ、日々の経済活動の中で考えるとき、外国人観光客との接点が最も多いと言えるのが飲食店の皆様ではないでしょうか。

しかも外国人観光客が訪日する1番の目的は「日本の食事」です。

こういった背景を受けて、今回弊社では 2017年2月2日(木)に、「飲食店向け 接客英会話」セミナーを開催することにいたしました。マクロ視点だけでなくミクロの視点でインバウンドを見たとき、こういったセミナーによって接客英会話力を高めることにより、日々の接客、サービスが外国人観光客の満足度を向上させ、さらなるリピーター化につなげることができるのではないかと考えております。

セミナー開催日時:終了いたしました。

セミナー参加対象となる方(15名様限定)

飲食店勤務の方限定となります。特に以下のようなお悩みをお持ちの方には最適な内容となります。

外国人観光客に英語で話しかけられて困っている

英語が全然わからないけれど、何とか少しずつコミュニケーションをとっていき、ビジネスチャンスを生かしたい

来店、注文、料理の説明、会計など一連の流れを知っておきたい

外国人観光客の質問に答えられず、相手も不満そうなので何とかしたい

ハイレベルな英会話というよりは、飲食店で想定されるシーンを元に、最低限コミュニケーションが取れるようなレベルを想定しています。

セミナーの内容と特徴について

セミナープログラムは以下になります。詳細時間等についてはセミナーチラシ(Trivector-SeminarFlyer)をご覧ください。

セミナープログラム

  1.  ご挨拶、セミナー概要説明、外国人とのコミュニケーションの取り方
  2.  お客様の来店、メニュー説明、オーダー
  3.  お客様へ案内、雑談
  4.  お会計、お見送り

セミナーの特徴と得られる効果

  • 本セミナーは、参加者の「実践」を重視しているため、ロールプレイングが中心となります。
  • ネイティブ講師が直接講義をしますので、生の英語、本物の英語に触れることができます。
  • 繰り返し重要なフレーズを体で覚えることで、実際の現場ですぐに使うことができます。
  • 英語への恐怖心がなくなります。
  • 来店、注文、会計までの一連の流れを英語で話せるようになります。

無料プレゼント!ポケットサイズ「接客フレーズ集」

さらに、セミナーにご参加いただいた方には、もれなくポケットサイズに収まる「接客フレーズ集」をプレゼントいたします。胸ポケットに入れておくだけでイザというときのお守り代わりにもなります。

またこのフレーズ集には渋谷駅周辺の観光スポットも掲載しておりますので外国人観光客の質問にも対応できます。

お申し込み方法について:終了いたしました。

本セミナーのチラシを以下からダウンロードしていただき、お申込書にご記入の上、弊社まで FAX(03-5459-2376)していただくか、以下のメールアドレスあてに必要事項をご記入の上、お申し込みください。

チラシダウンロード:Trivector-SeminarFlyer

※ご記載いただく項目(記載例)

件名:接客英会話セミナー申し込み

お名前: 渡来 太郎

店舗名: 「和食処 とらいべくとる」

店舗住所:〒150-0044 東京都渋谷区円山町25-4

お電話番号:03-5459-2375

※なお、15名限定での募集となるため、定員に達した場合にはお断りさせていただくことがあります。あらかじめご了承ください。

 

お客様のお悩み(その3)「翻訳会社はたくさんあるけど、どう選べばいいの?」

3d human with a red question mark

お問い合わせいただく中でも、このご質問も多く、お客様がかなり混乱されているのが良く分かります。弊社では、そんなお悩みをお聞きし「自社に合った翻訳サービス」を一緒に考え、最適なサービスをご提案いたします。

翻訳サービスの全体を知ろう

まず、全体像を知らなければ選択することはできません。

台頭する翻訳サービスは、主に以下の4つに分類されます。

  1. 翻訳者が対応する翻訳サービス
  2. 機械翻訳、自動翻訳(例:Google 翻訳)
  3. クラウド翻訳サービス
  4. 海外ローカライズベンダー

 

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このうち、貴社にとってどれが最適であるのかも含めて一緒に考え最適なご提案をさせていただきます。

なお、上記の4分類において弊社では以下の記事にてさらに詳細の考察を行っております。

翻訳の功と罪

翻訳業界情報について

また弊社では、様々な形で最新の翻訳業界情報をお届けしております。

翻訳業界と翻訳会社

 

メールマガジン

翻訳会社の正しい選び方

Podcast「プロフェッショナル翻訳者への道」

これらの情報も同時に取得し、業界情報を理解することで現在のトレンド、また自分の仕事へ応用していただくことも可能です。

自分に合った翻訳・通訳サービスとは

上記のように自社に合った翻訳・通訳サービスを選ぶのには、まず「判断基準が何か」を考えなくてはいけません。例えば、以下の4つはお問い合わせいただく中で多いご相談です。

  • とにかく安ければいい
  • 多少コストがかかっても品質が高いほうがいい
  • 急いでいるからスピード優先で
  • 色々相談しながら決めたい

これらの要望は、それぞれ「金額優先」「品質優先」「納期優先」など、優先順位が異なっています。優先順位が違えば、それに合わせて弊社でご提案させていただく内容も変わります。

弊社では、初めてのお客様でもご安心いただけるよう、様々なご要望をお伺いしながらお仕事を進めております。

弊社の既存のお客様の声

お客様の声/翻訳者の声

トライベクトルが選ばれる6つのポイント

以上のように、弊社では、「コミュニケーションとバランス」を大切にしながら貴社に合った翻訳サービスをご提供しております。

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「たくさんある翻訳会社や翻訳サービスの中で、どうしてトライベクトルが選ばれたの?」

その6つの理由について解説しておりますのぜひご覧ください。

トライベクトルの強み

ご相談内容から分かる「失敗しない翻訳サービス」とは

まとめ

弊社は「翻訳・通訳」サービスを事業のひとつとしてお届けしておりますが、実際のところ弊社が販売しているのは「バランスの取れたコミュニケーション」です。

弊社の最大の強みである「品質、価格、納期、対応のバランス」をベースに、マーケティングコミュニケーションにおける様々なお手伝いを行っております。

「バランス」を失ったビジネスや事業は、長期的な繁栄はありません。私たちは翻訳も通訳も、バランスのとれたサービスをご提供することを大切にしています。ぜひお気軽にお問い合わせください。

翻訳・通訳・ローカライズ全般のお問い合わせ

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