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翻訳の見積もりに必要な6つのポイント

翻訳の見積もりに必要な 6 つのポイント

翻訳やローカライズは、無形のサービスであるため、お見積りを作成する時点で、しっかりと仕様を決めておく必要があります。なぜなら仕様が間違っていると出来上がりもお客様の期待するものとかけ離れてしまうからです。

「概算お見積り」や「参考お見積り」であれば、分量が分かれば作成することは可能です。

しかし、実際の翻訳対象の分量に増減があったり、ドキュメントの内容が予想していたよりも専門的であったりすると結局は追加コストが発生してしまい、お客様にご迷惑をおかけすることがあります。

このような事態を起こさないためにも、可能な限り正確なお見積りを作成する必要があります。 正確なお見積りを作成することで、貴社の予算や納期管理が一度で済みます。

・追加コストの発生率を抑える=貴社の予算管理がスムースに

・追加作業の発生率を抑える=貴社の納期管理がスムースに

また逆に、正確なお見積りでなければ厳密な意味での比較は困難となります。結果として、貴社の選択が誤ってしまうこともあるかも知れません。

金額で判断して安い翻訳会社に発注したが、納品された訳文の品質が悪く、他社に発注しなおしたり、自分たちで手分けして翻訳せざるを得なかったり、というケースはよく聞く話です。

翻訳会社に正確なお見積書を作成してもらい、失敗のない選択をするためには、翻訳対象のファイルを渡し、構成や内容をチェックしてもらうのが最良の方法といえます。

そこで今回は正確な翻訳・ローカライズのお見積り作成に必要なポイントをお伝えします。

※データの機密性が高い場合には、NDA(機密保持契約書)を事前に締結するのを忘れないようにしましょう。

ポイント1:翻訳・ローカライズ対象ファイルの準備をする

最初に必ず準備しなくてはならないのは、実際の翻訳やローカライズ対象の原稿ファイルです。具体的には以下のような種類のファイル形式があります。これらのファイルを手元に用意します。

ドキュメントの修理一般的に使用されるアプリケーション
マニュアル(取扱説明書)Adobe FrameMaker(フレームメーカー)
Adobe InDesign(インデザイン)
MS-Word
ソフトウェアやユーザインタフェース(UI)Resource ファイル
exe ファイル
テキストファイル
xml ファイル
マーケティング(販促資料)Adobe InDesign(インデザイン)
Adobe Illustrator(イラストレーター)
Adobe Photoshoo(フォトショップ)
MS-Powerpoint
MS-Word
PageMaker
QuarkXpress
HTML
WordPress

ポイント2:翻訳・ローカライズ作業に必要な参考資料の準備をする

実際の翻訳、ローカライズ作業に参考となると思われるものを準備します。

例えば、マニュアル翻訳なら旧バージョンの原文と訳文のセット等。用語集やスタイルガイドがあればベターです。

※とはいえ、信頼性の低い参考資料や旧バージョンのドキュメントなどは翻訳作業の判断を混乱させる一因となりかねませんのでご注意下さい。

翻訳に役に立つ参考資料とは

ポイント3:翻訳メモリ(Translation Memory)の準備をする

SDL TRADOS(トラドス)等で作成されている Translation Memory=TM(翻訳メモリ)をお持ちの場合には、品質の安定、コストダウン、納期短縮に大きく影響しますのでご支給下さい。

※ただし、これらの参考資料や TM の品質、精度については、信頼性がある場合のみ有効となります。これは簡単に言えば、「過去の訳文を流用する」=「良くも悪くも、過去の訳文の品質を踏襲する」ことになるからです。

つまり、貴社が納得していない品質の訳文が登録されている Translation Memory(翻訳メモリ)は、新規翻訳の助けにはならず、むしろ判断を惑わせた上に品質も上がらないことになるため、不要であるという意味になります。

TM の精度について

旧バージョンの翻訳に信頼性がない場合には、別途 TM メンテナンスも承っておりますので、お気軽にお問い合わせ下さい。

ポイント4:依頼予定の作業範囲を確定する

どこからどこまでの作業の見積もりを必要とされているのかをお知らせ下さい。

作業範囲納品形式
翻訳作業のみテキストファイル等で納品
翻訳作業+ DTP レイアウト作業ご指定のファイル形式で体裁や見た目を整えて納品
翻訳作業+ DTP レイアウト作業+印刷紙媒体として納品
翻訳作業+ HTML 編集/コーディングHTML 形式で納品
翻訳作業+ HTML 編集/コーディング+Web サイト更新/アップロードWeb サイト更新
テクニカルライティング+翻訳作業原文、訳文共に納品

これらのローカライズプロセスがそれぞれコストに直結しています。ただ安くするのではなく、プロセスを理解し、不要なプロセスや作業を極力排除することで、翻訳やローカライズの品質を保持したままコストダウンを行なうことが可能になります。

ポイント5:希望のスケジュールを伝える

お客様のご希望のスケジュールをお知らせ下さい。

そのスケジュールにそった形で作業を進めるという条件での翻訳のお見積もりや、その他の様々なご提案を行なっております。特にご指定がない場合には、一般的な翻訳作業スピードで算出いたします。

翻訳業界と翻訳会社

ポイント6:対象読者は誰になるのかを伝える

どのような職種、どのような知識レベルの方が対象読者となるのかをお知らせ下さい。

経営者と技術者向けでは、ドキュメント内で使用する用語も異なります。一般消費者に、専門的な用語を羅列したドキュメントを配布しても、伝わらないことが多く、それではせっかく翻訳しても無駄になってしまいます。「誰が読むのか」、つまり対象読者をハッキリさせる理由はここにあります。

これらの情報をお見積り対象ファイルと共にお知らせいただくことで、正確な翻訳作業やローカライズのお見積りを作成することが可能になるため、貴社の予算管理や納期管理のお役に立ちます。

※個別案件によっては、上記以外の情報が必要な場合もございます。あらかじめご了承ください。その他ご不明な点などございましたら、お気軽にお問い合わせください。

まとめ

翻訳やローカライズに関して正しいお見積りを入手し、適正なコスト、適正なスケジュールを元に納得できる品質でのサービスを受けることは、貴社の将来への成長を促すための 1 つのキーポイントであることは間違いありません。

弊社では、ご予算やご希望の納期、そしてご満足いただける品質とのバランスを最適化して翻訳やローカライズ サービスのご提供を行なっております。


意外と知らない翻訳の注意点

意外と知らない翻訳の注意点

これまでのお取引の中で、共通している「翻訳・ローカライズ作業前のご注意点」についてまとめております。

業種問わず、共通するケースをご参考にしていただき、スムースな翻訳、ローカライズのお見積り、ご発注を実現してください。
特に翻訳お見積り時とご発注前後に見られる、意外と知られていない点をお知らせします。

翻訳は、「1 文字いくら、1 ワードいくら」の世界

翻訳、ローカライズというビジネスの基本は、「1 文字いくら、1 ワードいくら」をベースとして成り立っています。基本的にこの方法にてお見積り金額やスケジュールの算出を行っております。

そのため、ご発注後に翻訳対象原稿が変更になってしまうと文字数やワード数をカウントしなおす必要が出てきます。 これはつまり、

・翻訳見積もり金額の変更

・翻訳スケジュールの変更

に直接影響を与えることになります。

それはダイレクトに貴社へのチャージという形になりますので、このようなことを避けるためにも、翻訳対象原稿の変更はできるだけ少なく、翻訳会社への連絡前に、できれば確定させるぜひともご注意いただきたい点の 1 つとなります。

弊社としましても、このような事態は極力避けるべく、ご確認をさせて頂いておりますが、予期せぬ翻訳対象原稿の変更の連続は、コストやスケジュールだけでなく、翻訳そのものの品質にも影響を与えてしまうことがあります。

ご発注後にスムースに翻訳作業を進めるために、ぜひとも貴社にて翻訳対象原稿の再度のご確認をお願いいたします。

※紙原稿しかない、画像ファイルしかない場合にはこの限りではありません。

PDF ファイルと元データのバージョンが違う

「翻訳対象ファイルのバージョンが異なる」

このケースもよく見かけられます。PDF を先にお借りするケースで「バージョン違い」によるトラブルが起きることがあります。例えば、以下のような流れで翻訳のお見積りを作成する場合です。

  1. PDF ファイルをお借りする
  2. 概算翻訳お見積りを作成する
  3. PDF ファイルの元データ(InDesign や FrameMaker、Word 等)をお借りして再度正式なお見積りを作成する

概算お見積りと正式なお見積りとでは、多少の金額の差が出ることがあります。それは翻訳不要箇所などもハッキリするためですが、問題はそこではありません。

仮に PDF のバージョンが 1.0 だったとして、実際の翻訳対象ファイルがバージョン 1.1 となるマイナーバージョンアップの場合には、ほとんど見た目が同じで変更箇所に気がつかない場合があります。

ブローシャやカタログなどではあまり見られませんが、マニュアル翻訳の場合には、このケースに当てはまることがあります。つまり、

PDF のマニュアル = 元データ(InDesign や FrameMaker 等)のマニュアル

となっていない場合を指します。

通常、翻訳お見積り自体は上記の元データに基づき算出し、作業対象も当然ながら元データとなります。しかし以下のような場合には、何度かのデータの確認が必要になってきます。

パターン A
PDF ファイルのバージョン古い1 つ前のバージョン
元データ(FrameMaker、InDesign、Word 等)新しい最新のバージョン

パターン B
PDF ファイルのバージョン新しい最新のバージョン
元データ(FrameMaker、InDesign、Word 等)古い1 つ前のバージョン

このように、データ間でバージョンに違いがあると、ドキュメントの内容が異なるためカウントのやり直しやデータの確認などが発生し、スムースに翻訳、ローカライズを進めることが難しくなってしまいます。

これは貴社にとってもデメリットばかりになってしまいますので、くれぐれもバージョン管理、バージョンのご確認をお願いいたします。

弊社でも確認するようにしておりますが、原文のバージョン管理については判断材料が乏しいため、確実かどうかが不明な場合もございます。それらをベースに何度も見積を作ったり、またファイルを取り寄せたりすると時間もかかります。

できるだけこういった部分は省き、効率的に見積を作り、スピーディに業務を進めるようにしましょう。

まとめ

今回お知らせした 2つのケースは、非常に間違えやすいバージョンやファイル管理によって引き起こされます。FrameMaker(フレームメーカー)や InDesign(インデザイン)などの元データをご入手いただくタイミングや、マニュアルそのもののバージョンアップのタイミング、マーケットへのローンチのタイミング、開発元や本社との調整など、あらゆる要素が複雑に関わっているからこそ、ぜひともご注意いただきたい点でもあります。

マニュアル翻訳やローカライズ、カタログやブローシャ等の翻訳サービスにつきましては、お問い合わせよりお気軽にご連絡下さい。

 


「翻訳力」とは何か

「翻訳力」とは何か?

「翻訳が上手」「翻訳の実力がある」というのは、具体的にはどういうことを指すのでしょうか?元の言語(例えば英語)が堪能だということでしょうか?

私たちはついつい、そのように考えてしまいますが、実際はそうではありません。それは素人が陥ってしまう考えです。

本当のプロの翻訳者は、元の言語が堪能だけではなく、むしろ翻訳後のターゲット言語の表現力や語彙が豊富であり、そして、ある特定分野の知識を豊富に持っているからこそ、読むものをうならせ、感動させるだけの文章を構成することができるのです。

つまり「翻訳力」とは、

 

と定義することができます。

弊社の高品質の翻訳およびローカライズサービスを根底から支えるのは、翻訳ドキュメントマップ(TM)による的確な翻訳者のコーディネーションだけでなく、確かな実績と安心の実力を兼ね備えた翻訳者の最高のパフォーマンスによるものです。

翻訳ドキュメントマップ

 

出身大学および専門分野(順不同)

ここで、弊社に登録していただいている翻訳者の出身大学および専門分野の一部をご紹介します。

※個人情報保護のため、順不同にし、特定されることのないよう記載しております。

大学名東京大学
上智大学
東京都立大学
東京学芸大学
関西学院大学
同志社大学
大阪外国語大学
東北大学
広島大学
法政大学
東京外国語大学
明治学院大学
東京外語専門学校
Boston University(米/ボストン大学)
Harvard University(米/ハーバード大学)
Monash University(豪/モナシュ大学)
University of Canterbury(ニュージーランド/国立カンタベリー大学)
Victoria University of Wellington (ニュージーランド/ヴィクトリア大学)
学部名学部名
工学部
理学部
理工学部
農学部
経済学部
英文学部
社会学部
文学部英文学科
Japanese Studies (Japanese-English literary translation strategies)
Graduate School English Literature
Faculty of Law
Graduate School Linguistics (Far Eastern Languages)
English Literature and Translation, Russian and Russian Literature

 

翻訳者の専門分野の豊富な知識と、ビジネス経験、そして豊かな表現力が高いレベルで組み合わさるところに、本当の高品質の翻訳が存在します。 この「翻訳力」を最大限に生かすことで、貴社の翻訳・ローカライズ業務に貢献できると考えております。

「翻訳力」から生み出されたトライベクトルの翻訳・ローカライズ実績

彼らの翻訳力から生み出された、これまでの弊社の翻訳・ローカライズ実績をご覧ください。

翻訳・通訳・ローカライズ実績一覧

トライベクトルの翻訳・ローカライズ実績について

トライベクトルでは、上記のように本当の意味で実力のある翻訳者だけが貴社のお仕事を担当しております。翻訳・ローカライズにつきましてはお気軽にお問い合わせください。


SDL TRADOS(トラドス)の解析アルゴリズム

SDL TRADOS(トラドス)を理解する

SDL TRADOS(トラドス)という翻訳支援ツールは、マニュアルや取扱説明書などの大量のボリュームを翻訳する際に非常に有効なツールとして広く翻訳業界では知れ渡っています。もっと言えばマニュアル翻訳では TRADOS(トラドス)を使用するのが常識です。

しかしながら、その SDL TRADOS(トラドス)の原理原則についてしっかりと理解しなければ、本当に使いこなせているとは言い切れません。そんな中、もっとも基礎的な原理である TRADOS(トラドス)の解析アルゴリズムについて解説いたします。

SDL TRADOS(トラドス)では旧バージョンとの比較・解析が可能です。つまり、「旧バージョンの原文と新バージョンの原文との間で、どの程度の改訂率があるのか」を数値(ワード数や文字数)で確認することができます。 ではこの TRADOS(トラドス)の解析アルゴリズムは具体的にどのように行われているのでしょうか。

SDL TRADOS(トラドス)の解析アルゴリズム

例として以下のような翻訳・ローカライズケースを考えてみます。

・IT 系のユーザマニュアル

・英語 → 日本語への翻訳

・旧バージョンの翻訳時にすでに TRADOS(トラドス)を使用済み

・Translation Memory(TM)あり

・原文データは FrameMaker(フレームメーカー)で作成されている

SDL TRADOS(トラドス)を使用して解析作業を行う場合、厳密には、Translation Memory 内のセグメント(文節)と実際の翻訳対象ファイルとの原文同士のマッチングによる解析なります。

 

TRADOS(トラドス)の Translation Memory 内は、旧バージョンの英語と日本語のペアになって格納されています。

 

この Translation Memory 内の原文(この場合は英文)と、実際の翻訳対象ファイル(英文)とのマッチングが行われます。これが TRADOS(トラドス)の原文同士による比較です。

 

このように、TRADOS(トラドス)TM と翻訳対象である現行バージョンのFrameMaker(フレームメーカー)マニュアルとのマッチングにより「マッチ率」と呼ばれる数値が算出されます。

この数値が今回のマニュアル翻訳のお見積書のベースとなります。まれに、原文同士の比較ではなく、訳文同士の比較(差分)だと勘違いしてしまう場合もありますが、訳文同士による比較アルゴリズムではありませんのでご注意ください。

TRADOS(トラドス)による解析結果の意味

TRADOS(トラドス)による解析結果では、旧バージョンとの比較結果が、数値になって現れます。解析結果にある CSV ファイルおよび Log ファイル中には以下の項目が含まれています。
解析表の意味は以下のようになっております。

解析項目解説
No Match前回の訳文が流用できない、新規翻訳箇所
100% Match前回の英文とまったく同じであるため、訳文をそのまま流用
95-99% Match前回の英文とほとんど同じであるため、訳文を若干変更して流用
75-94% Match前回の英文と同じではないが、編集することで流用できる
Repetitions同一ファイル内での繰り返し表現

※No Match は Full Rate と同じ意味です。
※実際の解析結果項目はより詳細に分かれています。あくまで説明のために省略しております。

トライベクトルの TRADOS(トラドス)によるマニュアル翻訳について

このように、TRADOS(トラドス)によるマニュアル翻訳についてはトライベクトルの最も得意とする翻訳領域となります。
いままでのマニュアル翻訳にご満足できない方、お気軽にお問い合わせください。

TRADOS によるマニュアル翻訳

 


機械翻訳(自動翻訳)と翻訳支援ツール

機械翻訳(自動翻訳)(Machine Translation)と翻訳支援ツール(CAT)

いまや機械翻訳(自動翻訳)をはじめとした様々な翻訳・ローカライズサービスが世の中に存在しています。

例えば、機械翻訳(Machine Translation/マシントランスレーション)では、Yahoo!や Google をはじめ様々な検索エンジンが稼働しています。これらは別名自動翻訳と呼ばれることもあります。

近年は、AI 翻訳と呼ばれたりもしますが、ニューラルネットワーク技術を駆使したクラウド翻訳サービスなども登場しています。

大手外資系企業ではすでに機械翻訳(自動翻訳)システムを導入し、はじめに機械翻訳による下訳を行い、その後の編集やレビュー(ポストエディット)を翻訳者が行うというプロセスによってコストの圧縮を図っています。

自動翻訳システムも翻訳支援ツール(CAT)も AI による翻訳もこれらは今後ますます精度が上がっていくことは間違いないでしょう。引いてはこれらの翻訳システムや SDL TRADOS(トラドス)などの翻訳支援ツールを使いこなしていくことは翻訳会社、翻訳者にとって重要な部分を占めることになります。

翻訳は「言葉」という非常に曖昧で流動的で変化のあるものを扱うために、その動向はますます注目に値します。

機械翻訳(自動翻訳)と翻訳支援ツール(CAT)の違い

機械翻訳(自動翻訳)翻訳支援ツール(CAT)
説明翻訳作業時は人間が介在しない。プログラム(システム)によって翻訳を行う人間(翻訳者)が翻訳作業を効率的に行うことを支援するためのツール
Yahoo! 翻訳や Google 翻訳などが代表的(AIによる翻訳システム)SDL TRADOS(トラドス)や MemoQ、Wordfast、Transit、TRATOOL、PASSOLO など

翻訳コストを抑えるため?翻訳品質を安定させるため?

これらの機械翻訳(自動翻訳)や翻訳支援ツールをどういう目的で使用していくのか、ここには各社の考え方があります。例えば、

・翻訳やローカライズをより一層スピーディに行うため
・機械翻訳(自動翻訳)によってとにかくコストを抑えるため
・TRADOS(トラドス)などの翻訳支援ツール(CATツール)によって品質を安定させるため

 

といった目的が挙げられます。これらは翻訳会社、クライアント、翻訳者としての考え方によって利用目的が少しずつ異なってくるでしょう。やはりここでも重要なのは「何のために?」という目的意識です。

機械翻訳(自動翻訳)と翻訳者

これまで見てくると、ひとつの疑問が浮かび上がります。

それは「機械翻訳(自動翻訳)は、翻訳者の仕事を奪うのか」という点です。 これに現時点で答えを出すには難しいでしょう。そうなるであろう部分と代替不可能な部分があるからです。

例えば、誰でもできる簡単な内容であれば、機械翻訳(自動翻訳)がとってかわる部分はありますし、現実にすでにそうなっています。また、お金をかけられない、意味さえ分かればいいといった場合には Yahoo!や Google 翻訳で十分ということも考えられます。AI 技術の発達である程度の品質の翻訳ができるサービスも増えてきました。

また、大企業であれば、社内ですべて処理できるように機械翻訳システムを導入してカスタマイズしていくということも考えられます。これらは初期投資が大きくなり、ランニングコストもかかりますので慎重に検討しないといけません。システムバージョンアップを繰り返しつつ、精度を高めていくということが必要になってきます。

一方、「文章の意味を理解して異なる言語で表現する」作業は人間しかできない部分だと言えます。この「意味を理解する」という部分がまず難しい作業であり、そして「異なる言語で表現する」という部分がさらに難しいわけです。

これを「機械翻訳(自動翻訳)でどこまでできるのか」がポイントになるのではないでしょうか。

つまり、「文章を解析し、数値に置き換えることと同時に、その「言葉の意味」を正確にとらえ、異なる言語に翻訳することができれば、機械翻訳(自動翻訳)を使用する頻度は飛躍的に増えてくるはずです。

翻訳力の必要なドキュメントは、翻訳会社(翻訳者)へ、そうでないものは機械翻訳へ、と使い分けながらそれぞれの技術的な進歩を進めていくことが必要だと言えます。

「翻訳力」とは何か

そして当然、その使い分けをする側にも知識や経験に基づく明確な判断基準が求められるようになるのは言うまでもありません。

トライべクトルの翻訳支援ツール(CAT)による翻訳・ローカライズサービス

トライベクトルでは、翻訳支援ツール(CAT)による翻訳・ローカライズをご提供しておりますのでお問い合わせよりお気軽にご連絡下さい。