月別アーカイブ: 2014年12月

読むこと、書くこと

「コンテンツマーケティング」や「インバウンドマーケティング」というキーワードを多く見かけるようになりました。

Google の至上命題である「Google の使命は、世界中の情報を整理し、世界中の人々がアクセスできて使えるようにすることです。」というフレーズがそのすべてを物語っていますが、ユーザにとって役に立つコンテンツやコンテキストを「どれだけ、どのように、どのくらいの頻度で」提供するのかを求められるようになりました。

(小手先の SEO 対策は一切通用しなくなりつつあります)

そしてその情報の受け取り手でもある私たちは、それらの有用な情報を検索から得て、日々の生活に活用しています。

そんな中で、恐らくこれからもしばらく活躍するのが「読むこと」と「書くこと」でしょう。

これは人間の五感のうちの「視覚」ですね。

視覚優位の時代

文字情報を読むことで、理解し学習し、活用するという情報取得プロセスはインターネットがない時代からありました。その基本思想は特に変わっていません。

しかし、問題はその量です。現在、その量は恐らく何十倍にも、何百倍にもなっているのではないでしょうか。

参考:Cisco Visual Networking Index:全世界のモバイル データ トラフィックの予測、2013 ~ 2018 年アップデート

http://www.cisco.com/web/JP/solution/isp/ipngn/literature/white_paper_c11-520862.html

すでに日々の私たちの生活では、

  • スマホやタブレットで移動中に文字を読む
  • 家の中でもスマホやタブレットで文字を読む
  • 口頭での会話ではなく、LINE などのメッセンジャーでやり取りする

といったことが当たり前になっています。

また一方で書くことも爆発的に増えています。

質はともかく、その文字の総量は1秒ごとにますます増えています。

つまり、「読むこと」と「書くこと」の日常生活に占める割合がますます大きくなり、重要になっていると言うことです。これは本当にすごいことです。

直接会うよりも電話で、電話をするよりもメールで、メールをするよりもメッセンジャーでというようにコミュニケーションの手段の占める割合が変わってきているのは周知の事実です。直接会っていても会話をせずにLINEやメールでということもよく聞く話です。

またこの記事も「書くこと」によって情報を発信しています。

読み手は「読むこと」によって考えを巡らせて、共感したりまたその逆を感じたりしています。冒頭の「コンテンツマーケティング」や「インバウンドマーケティング」はまさにこの「読むこと」と「書くこと」がベースになっています。

  1. 顧客へのアプローチの方法が「書くこと」に変わっています。
  2. サービス提供者の選定が「読むこと」に変わっています。

 

ECサイトならこれで受発注が完結します。

結局のところ、「視覚」を意識しているかどうかがより重要になっており、それを絶対にないがしろにはできないということです。

完全に「視覚優位」の状態です。

文字が武器になる

今の時代はこれまで以上に「ペンは剣よりも強し」を体現するような時代です。言葉は時に人を傷つけ、そして時に人を癒すこともできます。

乱暴な言葉を使う人、優しい言葉を使う人など、さまざまですが周囲はその「言葉」を聞いて人柄を判断します。(本質的には行動を見ますが)

そうであれば、この「書くこと」を疎かにすることなく、習得していかなければなりません。

弊社のコミュニケーションサービスのひとつである翻訳サービスも同じです。

「何となく日本語になっていればいい」レベルで済むドキュメントなら何も問題ありませんが、そうでない場合は、しっかりと翻訳しないといけません。

想像してみてください。

  • もしクライアントが電車の中で貴社のドキュメントを読んでいたら?
  • もし新規客が自宅のソファで貴社のサイトを読んでいたら?
  • もし見込客が貴社と他社の資料を読み比べていたら?

Mature couple at home websurfing with tablet

 

彼らが受け取るのは文字情報です。そこに書かれている条件や仕様もさることながら適当に書かれた(翻訳された)言葉で彼らをこちらに振り向かせることができるのでしょうか?

逆にひきつけることができたら?

これだけ多くの情報が氾濫する中で、同じような製品、同じような商品、似たようなサービスがあれば、選択する側から見ると、もしかしたら「書くこと」で簡単に他社と差がついてしまうかもしれません。

これはある意味非常に怖いのですが、しかし同時にチャンスでもあります。

書いている人と書いていない人には埋められない差ができる

このような状況をピンチと捉えるか、チャンスと捉えるかはその人次第ですが、実際に、「書くこと」を続けている人とそうでない人にはこれから確実に差がついてきます。

当たり前すぎる話です。書いていれば段々文章が上手になりますし、書いていなければ(恐らくその時間は読んでいる)上手くはなりません。

翻訳も作業をする中で上手になっていく、つまり熟練の域になってきますが、やらなければ上手くなりようがありません。文章を書くことは、日々の積み重ねでしかないのです。

すべて当たり前のことばかりですが、この地道な作業の繰り返しが、ネット上では大きな力の差となって現れるのは間違いありません。

では、今何をすべきなのか

繰り返しになりますが「読むこと」と「書くこと」は人間の根本的な活動のひとつです。スマホやタブレットを使わない日はありません。誰もが読み手となり、書き手となる時代です。

人間の五感の嗅覚や味覚はまだこれからですから、それまでは読むこと、書くことが優位(視覚優位)な時代は続くでしょう。

そこで個人として、企業としてどんな振る舞いをするのか、どんな表現をするのかが問われ続けることになります。

  • どんなコンテンツを持っているのか
  • どんなコンテキストで伝えていくのか
  • どんな手段でそれらを表現するのか

こんな当たり前のことをわざわざ意識するかしないか、それが今後の自身の行動に現れるのですから、気づく人は気づき、変わっていくのだと考えています。

そして、視覚はさらに「見ること」にシフトし始めています。そう、つまり「動画」です。シスコシステムズのレポートでも「トラフィックは2018年に1.6ゼタバイトまで増加し、また同年にはIPトラフィック全体の79%が動画コンテンツ」と記載されています。

参考:ゼタバイト時代:トレンドと分析http://www.cisco.com/web/JP/solution/isp/ipngn/literature/VNI_Hyperconnectivity_WP.html

急速にそんな時代に向かいつつある中、2015年には視覚、そしてゆくゆくは、嗅覚や味覚などに訴える方法が出現するのではないでしょうか。

最後に宣伝になりますが、弊社では、動画コンテンツの制作や字幕編集プランなどもご用意しておりますのでお気軽にお問い合わせください。

IT 分野導入事例制作サービス

http://casestudy.trivector.co.jp/

字幕編集プラン

http://www.trivector.co.jp/movie/

翻訳・通訳・ローカライズ全般のお問い合わせ

160508-www-bnr_03


壁が壊れるとき

既存の枠組みが壊れていく過渡期

今回は、映像翻訳と産業(実務)翻訳との垣根が壊れつつある点について、記載したいと思います。

弊社では「テープ起こし+翻訳+字幕編集」までを一式 20,000円(税別)でご提供する「字幕編集プラン」があります。

字幕編集プラン

http://www.trivector.co.jp/movie

http://www.trivector.co.jp/movie/result

弊社のお客様の中には、海外本社で制作された動画をマーケティングや PR に活用したり、プレゼンに使用したり、展示会で流したりと様々な使い方をされていらっしゃいます。

そういったニーズに応えるべく「字幕編集プラン」をご提供しておりますが、その中から色々と見えてくるものがありました。動画については、まだまだ試行錯誤の部分があり、今後どうなっていくのか分からない部分もありますが、だからこそ、今ここで弊社が把握している状況をきちんとまとめておきたいと思います。

誰もが動画を撮り、編集できる時代がやってきた

Kid holding clapper board in hands

 

Youtuber(ユーチューバー)と呼ばれる人々が徐々に増えています。自分で撮影した動画を Youtube にアップロードして閲覧者数を増やして収入を得るという流れが生まれつつあります。

これまで、動画の撮影には撮影機材や知識、優秀な撮影クルーが必要でした。
そうしなければ動画や映像を撮影することなどできなかったのです。

しかし今は違います。

簡単な動画であれば携帯やスマホでも撮影ができ、そしてアプリ等で編集ができ、アップロードも可能になります。
すべてが自分ひとりの「手のひらの中」で完結します。
そしてこのことは従来のビジネスを大きく変化させるほどのインパクトをもっていました。

個人利用から企業利用へ

このように誰もが簡単に動画を撮影できるようになると、当然それは個人レベルだけでなく企業レベルでも行われるようになります。

非常に安価な導入コストで、訴求力の高い動画を作ることができると気づいた企業は会社案内や導入事例、インタビュー、製品や商品の解説用の動画、製品の操作方法など、様々な種類の動画を作るようになりました。

具体的に考えてみましょう。

例えば、海外で撮影され制作された動画があります。
ビデオには CEO が登場し、今後の会社の戦略や方向性などを語っています。当然ながら日本支社をはじめとした各国の支社のスタッフにも同様のメッセージを届けなくてはなりません。

わずか10分程度の動画ですが、理念の共有は非常に重要ですから、それらをしっかりと伝えなくては一丸となってビジネスを推進することはできないからです。しかし異なる言語のスタッフにメッセージを伝えるには、以下の2つの方法しかありません。

  • 字幕を入れる
  • ナレーション(音声)を入れる

ビデオの内容をしっかりと理解してもらうことが目的であり、そのためには上記のいずれかの方法を選択する必要があります。

具体的には、複数の国でビジネスを展開しているなら、多言語で字幕を入れるか、または多言語でナレーションを入れることになります。

(ここで弊社の字幕編集プランやナレーションプランをご利用いただいております。字幕編集プランでは、英語のみならず、中国語や韓国語の字幕編集の対応も可能になりました)

  •  字幕編集プランのポイント

http://www.trivector.co.jp/movie/points/

  • 字幕編集プランの中国語、韓国語

 http://www.trivector.co.jp/movie/service/pricelist/

こうして企業は、これらのプランを活用しながら、自社のメッセージを内外に発信していきます。

映像翻訳と産業翻訳(実務翻訳)との融合が始まり、垣根が崩れるとき

上記にあげた例のように、一般企業が「字幕翻訳をやりたい」という流れが加速してきました。
顧客のニーズが、それまで「映像翻訳」と「産業翻訳」とを明確に分けていた垣根を崩しつつあるのです。
ところが、翻訳サービスを提供する側としては、そこだけに注目してはいけません。

一般企業や個人が動画を自由に使えるようになってきたという事実を見つめたときに本当に考えないといけないのは「映像翻訳」との違いを理解しておくことです。

そもそも翻訳業界は、産業翻訳、映像翻訳、出版翻訳に分けられます。

3fields

  • 翻訳業界とは

http://www.trivector.co.jp/knowledge/structure.html

映像翻訳は、字幕翻訳などとも呼ばれ、映画の翻訳が象徴的です。

例えば、日本で作られた映画を世界の人に見てもらうために多言語翻訳を行ったり、ハリウッドで制作された映画に日本語の字幕や音声ナレーションをつけたりという具合です。

この場合、どちらも役者の台詞の意味を考え、決められた文字数の中で表現することが求められます。
産業翻訳も文字数制限がないとは言いませんが、映像翻訳の方がはるかに厳しいでしょう。
これらを踏まえて、映像翻訳や字幕翻訳と呼ばれる分野と、産業翻訳や実務翻訳との「境目」はどこにあるのかを検討してみたいと思います。

一般企業の意図とは

まず初めに、この流れの中で特に注意しなければならないのは、一般企業が「字幕をつけたい」といったときに、一体どういうものを「完成品」として想像しているのか?という点です。

業界人であれば、「映像翻訳はこういうもの、産業翻訳はこういうもの」という括りやルールを知っているので、実はそれは似て非なるものだということが分かります。ところが、クライアントはそう思いません。

 「自社の動画に字幕を入れたい。きっと映画の翻訳みたいになるはずだ」

と完成イメージを持っている方が圧倒的に多いのです。(もしかしたら、翻訳関係の方もそう思う人がいるかもしれませんが・・・)

そしてこのギャップが、産業翻訳における字幕翻訳に対するクレームを生み出すことがあります。この違いを理解してもらうのはなかなか大変です。実際にはなかなかそこまで期待通りの形にはなりにくいからです。

 映像翻訳の字幕翻訳と産業翻訳の字幕翻訳の違いとは

通常、字幕翻訳といった場合、、字幕は映像と一緒に表示されないといけませんから当然ながら文字数の制約を受けます。

例えば、日本語の場合、文字数制限は「1秒間に3文字~4文字以内」と言われています。

これ以上の文字数を入れて表示させたとしても、読みきれずに次の文章に移ってしまうためです。
いくら素晴らしい文章であっても、読まれなければ何も伝わりませんから、これは映画であろうが企業の紹介動画であろうが同様です。

では産業翻訳の字幕翻訳と映像翻訳の字幕翻訳では、いったい何が違うのでしょうか。

それは、「求められる翻訳」です。

具体的には「もっとセリフっぽく」とか「もっとこなれた日本語で」といった内容です。

一般企業の担当者が上記に述べたように「映画のように翻訳される」と思っていれば当然の要求です。

しかし、産業翻訳(実務翻訳)では、それがなかなか難しい。

なぜ難しいのか?

誤解を恐れず言えば、映画では台詞の意味を理解して翻訳するために、情報の取捨選択を行います。そうしないと定められた文字数内に収まらないからです。
ところが企業の動画では、(勝手に)情報の取捨選択をした場合、それは「誤訳」や「訳抜け」と指摘される可能性があります。このギャップが、お客様の期待を裏切ってしまうことがあります。

さらに、作品の意図を伝えたいわけではないので、解釈が異なり、企業ごと、担当者ごとに「訴えたいポイント」が違うことがあります。そのために(ある意味)翻訳作業時に勝手に文章を丸めたり、縮めたり、付け足したり、端折ったりすることはできません。原文にある情報を過不足なく翻訳しなければならないのです。

しかし、それを知らないお客様の方が多いでしょう。

「もっと短くしてほしい」
「もっと日本語っぽくしてほしい」

こういったリクエストと実態がかけ離れてしまうのは、取り扱っているのものがあくまで産業翻訳や実務翻訳においての「字幕の翻訳」であり「字幕の編集」だからです。
つまり、お客様が想像する「字幕編集」や「字幕翻訳」は映画の字幕だからです。

ここに、「映像翻訳の字幕翻訳と産業翻訳の字幕翻訳の違い」が明確に出てしまいます。

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翻訳者リソースの問題

また一方で、翻訳者リソースの問題もあります。以下は、極端な例ではありますが、理解しやすくするために二分します。

  •  映像翻訳者は一般企業の求める字幕翻訳はできるのでしょうか?

映画の会話や台詞を翻訳するスキルはあっても、もし製品の紹介動画なら、専門知識が必要な場合もありますし、独自の判断で内容を端折ってもいいのでしょうか?

  • 産業翻訳者は一般企業の求める字幕翻訳はできるのでしょうか?

今度は逆に、産業翻訳者は翻訳はできても、映画や映像のように(できる限り)日本語を短く表現したり、文字数制限に対応することができるのでしょうか?

では、一般企業や個人が作成する動画に字幕をつけたいと思ったとき、どちらの翻訳者がよりスムースに対応できるのでしょうか?そもそも、そこに明確な回答はあるのでしょうか?

大切なことは「目的」を見失わないこと

いかがでしょうか。
この違いを一般企業のみならず、翻訳会社も理解しなければなりません。そして当然ながらクライアントに説明する必要があります。結局のところ、動画を使用する目的が異なるためにこのような問題が起きるのです。

映像翻訳は、作品そのものを取り扱っています。映画なら作品それ自体が一人歩きしていきます。
ですからきっちりと訳文を作り、自分たちの手を離れても誤解を生むことなく「伝わる」ものではなくてはなりません。

そのため、字幕もナレーションも同じ機能を持たなくてはなりません。

一方で、一般企業の動画は、あくまでコミュニケーションツールです。この動画そのものを販売するのではなく(そういうケースもあるかもしれませんが)、商品や製品を販売するための、または社員に大切なメッセージを伝えるための補助的なツールです。
つまり、クライアントの「ニーズありき」になるため、毎回求められる仕様もバラバラになります。

そして目的が違っていればやり方も変わりますし、リソースもプロセスも変わります。

目的を失わずに字幕翻訳を行い、字幕編集を行うことが大切です。

  • 映像翻訳、映画の翻訳レベルの品質を求めるのか(映像翻訳としての字幕翻訳なのか)
  • ツールとして動画を活用できるレベルの翻訳品質を求めるのか(産業翻訳としての字幕翻訳なのか)

これによって発注先も翻訳者リソースも変わります。大切なのは「何のためにそれをするのか」という目的を失わないことです。やみくもに映画っぽさを求めるのではなく、目的をもった動画の制作や動画の編集、字幕翻訳などを行うべきではないでしょうか。

なお、弊社ではこれまで述べてきたことをしっかりと説明し、ご理解いただいた上でご発注をいただいております。

  • 弊社の字幕編集の制作実績

http://www.trivector.co.jp/movie/result

誤解されがちですが、産業翻訳の翻訳品質が映像翻訳より劣るとか、またはその逆があるということはありません。単純比較できないものだからこそ、お客様が勘違いされたりするので、私たちのしっかりとした説明が必要なのです。

※本記事はあくまで現時点での見解であり、ご自身の責任においてご理解ください。

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