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No.1 翻訳業界の構造とは

【翻訳 発注担当者向け】翻訳業界の構造とは?

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【翻訳 発注担当者向け】字幕翻訳の発注のポイントとは?

No.3 翻訳会社の3つのカテゴリーとは

【翻訳 発注担当者向け】発注前に知っておきたい 翻訳会社の3つのカテゴリーとは


そのフィードバックは大間違い?訳文の品質を向上させるためのフィードバックとは

スタッフSです。

翻訳の仕事では、お客様とのやり取りが複数回にわたることもありますが、それは訳文をお客様のご希望の形に合わせていくためであり、「お客様がご希望の訳文品質」を作ることにほかなりません。

翻訳の目的は、お客様のチェック作業が楽になり、最終的には翻訳業務をアウトソースするコストパフォーマンスが向上することでしょう。

翻訳は「手段」であって「目的」ではない

そのためにはこの一連の「フィードバック」をしっかり定義しておく必要があります。

今回は、納品後の「フィードバック」について、翻訳会社の視点とお客様の視点の両方から見ていきたいと思います。

そもそもフィードバックとは

フィードバック(FeedBack)とは、もともと制御工学で使われていた用語で、出力された結果を入力側に戻し、出力を調整することを指します。

派生して、あらゆる分野でフィードバックという言葉を使うようになりました。翻訳やローカライズにおいても、同様の意味でお客様からのご指摘やご指示というニュアンスで使用しています。

フィードバックは非常に重要なプロセスです。なぜなら、これは品質改善に直接影響するプロセスだからです。

一方、「アンケート」や「お客様の声」などがあります。作り手にとって第三者による使用感、感想といったものは製品やサービスの改善のヒントとなることが多く、あらゆる業界で「現場の声」「使用者の声」や「アンケート」などを重要視しているのは言うまでもありません。

お客様からの反応はどちらも大切なのですが、フィードバックの場合には、納品後に訳文を戻していただく時から活用することができます。

特に初めてのお取引となる場合にはとりわけフィードバックは不可欠な要素であり、フィードバックをもとにした品質改善を行うことで、次回以降の翻訳やローカライズの品質やサービスの向上に役立てることが可能になります。

つまり、「ここが悪かった」、「ここをこうした方が良いのではないか?」という点において、お客様から具体的な指示をいただければ、それらをすべて検証し、次回以降に生かすことができます。

間違ったフィードバックの方法

まずはじめに、間違ったフィードバックの具体的な例をあげてみましょう。

間違った形でフィードバックをしてしまうと、その内容によっては、かえってミスが発生する、混乱を招くなど、結果的にお客様にご迷惑をおかけしてしまうことも少なくありません。

もちろん、そういったことのないように翻訳会社側も努力していますが、どうしても確認事項が増えてしまったり、ご希望の形になるまでに時間がかかったり、またあまりご満足いただけないこともあります。

その典型的なフィードバックをご紹介します。

例1:手書きで原稿に赤入れする

翻訳会社から納品された原稿をプリントアウトし、赤ペンで修正箇所を記入した。それを翻訳会社へPDFで送った。

頻度としてはそれほど多くはないのですが、しかし未だゼロにならないのが手書きによるフィードバックです。紙の原稿のお仕事の場合、どうしても手書きになってしまいがちです。たしかに、校正やチェック作業というのは、印刷してから行う方が間違いを見つけやすかったりするのは事実ですし、修正箇所を手書きですぐに書き込めることは便利だと言えます。

しかし、実はこれをそのままPDF化してお送りいただくと、修正ミスや抜け漏れが発生しやすくなってしまうのです。

理由は3つあります。

ファイル内検索ができない

手書きの場合、ファイル内検索ができないため、似たような文章が多くあるときには、該当箇所の特定に時間がかかります。

手書きが読めない

これはなかなか申し上げにくい点ですが、修正指示が走り書きのような文字だったり、省略形で記入されていたり、修正範囲が曖昧な場合など、どこをどう直せばいいのかがハッキリしないものもあります。その場合、読めなかった箇所については再度お問い合わせすることになり、結果的にお客様にご迷惑をおかけすることも少なくありません。

修正指示をコピペではなく入力しないといけない

これもよくありますが、修正指示がデータであれば、いったんそれをコピペして確認することもできますが、入力しなければならない時にはタイプミスの可能性を発生させてしまいます。

これらは純粋に修正作業ということではなく、余計な時間がかかってしまうため、手書き原稿よりは、PDF等にコメント機能を使用してフィードバックしていただくほうがより効率的です。

例2:修正意図がわからず、充分な確認が取れない

納品された訳文(英語)を読んでいたら変更したい単語があったので、訳文を消して(上書きして)入力しなおしたファイルを翻訳会社へ送った。

お客様の社内で、英語の堪能な方やネイティブの方にチェックして頂くこともあります。当たり前の話ですが、ネイティブがチェックを行う方が精度は格段に上がりますし、修正したい単語があれば、単語を直接修正したほうが効率的です。

しかし、納品原稿を上書きしてしまうことはお勧めしておりません。

その理由は、弊社側では「なぜこの単語の方が良かったのか」、「どういう意図があって修正されているのか」が読み取れないためです。そうなると私たちが出来ることと言えば、「英語としておかしくないか」という観点でのチェックになってしまい、内容への理解は及ばないことになります。

以下の例をご覧ください。

正しい修正指示の入れ方の場合、「どんな意図をもって修正しようとしているのか」が明確なため、翻訳会社側にもその修正の妥当性が判断しやすくなります。

そうでない場合には、翻訳者は原稿から読み取れる情報や調査を行い、内容理解を深めた状態で翻訳作業を行いますが、お客様側で修正した箇所が、どのような意図で修正されたのか、どんな基準で修正されたのかが分からないと、どうしても「英語として不自然でないかどうか」という表面的な確認になりがちです。

例3:ファイルを上書きする

お客様側で上書きされたファイルをお戻しいただくと、「どの部分が修正されたのか」が分からないため、まずは場所の特定から進めなければなりません。これは非常に非効率で、例えば 100ページにわたるマニュアルの場合、100ページ分を納品時のファイルと比較しなければならないからです。

「どこを変更したのか」がはっきり分かる状態でお戻しいただく必要があります。

例4:仕様が変更になってしまう

原稿作成者とチェッカーが別で、仕様の共有が行われておらず、修正箇所が全文に及んでしまい、翻訳しなおすことになった。

チェッカーがプロジェクトの概要を理解せず(または知らずに)訳文をチェックする場合、どうしても主観性が大きく入り込んでしまいます。

仮にチェッカーから「納品された訳文が全く使えない」というコメントが入っても、実はそれには理由があったりすることも少なくありません。コスト削減のため過去の訳文を流用するような指示があったとか、また、産業翻訳の大前提である、「原文に忠実に」という作業許可を頂いていたのに、原文から大きく乖離した訳文に修正してしまったり、といったケースは枚挙にいとまがありません。

こういった事態の場合、最初の仕様の共有をするところから始まり、その上で、訳文をどう修正するのかの方針を改めてお客様と決めなくてはなりません。

プロジェクト中の仕様の変更は、品質だけでなく金額や納期に大きな影響を与えるため、極力避けるべきですが、チェッカーの方のご意向などが強い場合には修正箇所が全文に渡り、使う単語や表現などを大きく方向転換しなくてはならないため再度翻訳作業を行わざるを得なくなります。

これでは、作業時間もコストも大きく無駄になってしまいます。

翻訳では、使用用途や完成イメージを共有するということはとても重要なポイントです。例えば、日本語だけで考えてみても「見出し」と「本文」では役割が違います。

「見出し」は一目見て内容がわかる事を「本文」は情報を正確に伝える事を目的としています。

目的が違えば、言葉選びや表現が変わってくるのは当然ですが、こういった(ある種細かいことですが)仕様の変更は、訳文全体に大きな影響を与えることになりますので注意が必要です。また、これはどの言語でも共通の注意点です。

スムーズなフィードバックのための3つのポイント

ではどうすればスムーズなフィードバックができるのでしょうか。ポイントは 3つあります。

ポイント1:コメント機能を使用する

Word、Excel、PDFなどの納品したファイルには「コメント機能」または「変更履歴機能」を使い修正箇所を指摘する

正しい修正指示の方法

 

ポイント2:修正意図を記載する

修正意図(なぜ修正したいのか等)が明確にわかるように元の言語で記載いただき、その上で使いたい単語がすでにある場合は「元の言語+修正したい単語」とセットで記載する

ポイント3:仕様を共有する

複数名による作業(執筆者:日本人、チェック担当者:ネイティブスピーカーなど)になる場合は、完成イメージや目的を必ず社内でも共有する(同じ方針でチェックする)

あらかじめ決められるものはしっかりと決めておく(特にプロジェクトの根幹にかかわるもの)ことが重要です。

フィードバックはその重要要素のひとつでもありますので、以下の記事等もご覧いただき、フィードバックを送っていただく際の参考にしていただければと思います。

翻訳、ローカライズのフィードバックの重要性


アート分野専門サービスの無料カタログ配布中です

このようなお悩みをお持ちの方に

「今まで知り合いの翻訳者にお願いしていたが、特にアートの専門ではないので修正が大変だった」

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このようにミュージアムをはじめ、出版社や大学、ギャラリー、アーティスの方々から寄せられるご相談は様々です。

これらのご相談にひとつひとつ丁寧に対応させていただきます。

トライベクトルは、アート分野専門の翻訳会社です

弊社は、アート翻訳を専門とする翻訳会社であり、これまでミュージアム(美術館、博物館)、ギャラリー、大学や研究機関、出版社、著名アーティストの翻訳を数多く行っています。

ミュージアムでは国立系の大規模館~中小規模館までを網羅しています。またギャラリーやトリエンナーレ、ビエンナーレなどの地域プロジェクト、アート系出版社からの出版物の翻訳など、アート分野で発生する多岐に渡るドキュメントを承っております。

ただし、アート分野は非常に難易度の高い分野のひとつでもあります。ひとことで「アート翻訳」といっても抽象度の高い文章や技術的な文章など、その細分化された分野には独自の用語や表現があります。

それらを正しく理解し、翻訳するには「文化や歴史などを含めた深い理解による知識」と「それらを表現するだけの表現力」が重要になります。

つまり、非常に高い「翻訳力」が必要とされる分野なのです。

「翻訳力」とは何か

ここにも記載されている通り、翻訳力とは以下の公式で表すことができます。

この「翻訳力」がなければ、アート翻訳は行うことができません。弊社が毎年実績を増やしているのはお客様からの厚い信頼をいただいているからこそだと言えます。

インバウンド翻訳とアート翻訳の違い

こちらもよく勘違いされる内容です。

世の中にインバウンドの翻訳ができる会社は沢山ありますが、その会社は外国人観光客向けにミュージアムの作品解説を翻訳するというお仕事で対応できるでしょうか。

残念ながら答えは NOです。

確かにジャンルとしてはインバウンド向けの翻訳かもしれませんが、ミュージアムなどのアートの場合には、その高い専門性がなければ翻訳することはできません。

「インバウンド翻訳」と「アート翻訳」の違いとは簡単に言えば以下のようになります。

アート翻訳は、アートというフィールドの中で継続して実績を残し、そしてそこから派生的にインバウンド関連のサービスを提供しています。

一方、インバウンド翻訳は、インバウンドと呼ばれるものすべて(交通機関や宿泊施設など)に対して翻訳サービスを提供しています。

https://art.trivector.co.jp/contents/differenceinboundandarttranslation/

どちらがより専門性が高いか、この違いを理解しておかないと大変なことになってしまいます。

「インバウンドの翻訳だから大丈夫」と思って依頼し、納品された訳文を見たら、まったく使い物にならなかったという話は本当によく聞きます。

「アート翻訳ができる」というのはどういうことなのかを確実に押さえておきましょう。

アート分野の翻訳で業界の発展に貢献

弊社は日本博物館協会、全国美術館会議の会員であり、翻訳だけではなく、アート業界の発展のため以下のサービスも提供しています。

ミュージアム向け インバウンドセミナー

不定期開催ですが、「ミュージアムのインバウンド対応」というテーマで毎回無料で開催。全国のミュージアムのご担当者様がいらっしゃいます。

インバウンドにおける最新情報や注力すべき点などをご提供しています。また毎回ゲスト講師もお招きし講演していただいております。

アート翻訳者養成講座

アート翻訳を希望される方々のための養成講座です。こちらも不定期開催ですが、お陰様で毎回すぐに定員になってしまいます。

ミュージアム向け インバウンドサービス

ミュージアム専門の 16のインバウンドサービスをご提供しています。特に最近では翻訳にとどまらず、Webサイト、音声ガイドやアプリなどのご依頼が増加しています。

いかがでしょうか。弊社もアート分野専門の無料カタログにはさらに詳しい実績やサービス説明が記載されております。ぜひダウンロードください。


多言語翻訳を行う際に抑えておきたい言語の選び方

日本企業が海外進出する際やインバウンド対応の一貫として多言語対応することは、今の時代、当たり前のことです。

ただお客様によっては、よくよく聞くと「多言語翻訳しなければならない」というだけで、弊社でも、具体的に「どうやったらいいか分からない」「そもそも何語から翻訳すべきなのか?」というご相談を受けるのも事実です。

そこで今回は、多言語翻訳、多言語での展開をしなければならないとき、何語を選択すべきなのか考え方のひとつをご紹介します。

貴社の多言語翻訳の目的とは何か

そもそも論になりますが、貴社が多言語翻訳を行う目的は何でしょうか?何のために多言語に翻訳するのでしょうか?

それはお客様ごとに異なっているはずですし、違っていないとおかしいですよね。選択した言語が結果として同じだったとしても、そこに至る思考プロセスは違っているのは当然です。

分かりやすい例で言うと、中国に進出すると分かっているのに「最初はタイ語に翻訳する」という選択はあり得ません。

もっと言えば、「そもそも翻訳する必要って本当にあるの?」という点も見落としがちです。(翻訳会社がこんなことを言ってはいけないのかもしれませんが)「それって、翻訳いらないよね?」というドキュメントや「テキストは辞めて、サインやピクトグラムなどのビジュアルにした方がいいんじゃない?」ということもあるはずです。

つまり、

  • そもそも本当に翻訳する必要があるのか(目的を明確にする)
  • するとしたら、なぜその言語に翻訳するのか(目的を達成するための手段)

という点は、一番に抑えておきたいポイントです。

貴社のプロダクトやサービスは、「誰の」「どんな課題」を解決するのか

翻訳とは少しずれてしまいますが、この視点も外せません。

貴社の製品やサービスが、その国の「誰」に向けて作られたものなのか、そして「彼らの持つ課題や悩みを解決してくれるのか」という点を考え抜く必要があります。

これが明確でなければ、どんなに翻訳が素晴らしくても売れるということはないでしょう。

例えば、骨折しているのに、風邪薬を処方されても意味がないのと同じですね。

そして、これらがハッキリしていないと翻訳にも支障が出てしまいます。なぜなら「対象読者も分からない」「サービスの特長も無い」ような文章は、それなりの文章にしかならなず、結果として誰に向けての翻訳なのか分からなくなり、何の効果も得られなくなります。この部分は翻訳そのものとは直接的には関係しませんが、間接的には大変重要ですので押さえておきたいところです。

世界の言語数とマーケットの把握

さて次は、マクロ的な視点からマーケットを理解します。この世界にどのくらいの言語数があるのかをご存知でしょうか。

Ethnologue によると、その数なんと「7,111言語」だそうです。

https://www.ethnologue.com/

これだけの言語があるとはいえ、少数の話者しかいない言語も多く、実際には統廃合が繰りかえされるそうですから、言語を維持していくというのは並大抵のことではありません。

しかもそれらを使う人がいなければ始まらないわけです。

その上で「自社製品やサービスをどこに打ち出していくのか」と合わせて知っておかなければなりません。

どのマーケットが向いているのかを決める際に、他社の事例や海外進出コンサルタントなど、プロフェッショナルにアドバイスを受けながら進めることもあるでしょうし、自社のスタッフが現地調査を行うこともあるでしょう。

いずれにせよ、ある程度のコストをかける以上は、マーケット調査は必要です。

「マーケットイン」か、「プロダクトアウト」か

製品やサービス開発でも同様ですが、「他の国で売れる=社会的に役に立つ」という点から考えた時、2つの視点があります。それがマーケットインとプロダクトアウトという考え方です。

Wikipedia プロダクトアウト/マーケットイン

https://ja.wikipedia.org/wiki/プロダクトアウト/マーケットイン

それぞれ正しい考え方ですので、どちらが自社に合っているのかを詳細に検討していきましょう。

人口だけで決めていいのか?それともプロダクトのコンセプトから考えるべきか?

一般的には「マーケットイン」と「プロダクトアウト」マーケティングのセオリーで行くなら、マーケットインの方が成功しやすい(=失敗しにくい)と言えます。

ニーズを捉え、そのニーズを満たすためのプロダクトやサービスを提供することができるためです。

ただ、iPhone が初めて登場した時のような、「ユーザも自覚していないニーズ」=「潜在ニーズ」を満たすようなイノベーティブな製品やサービスは生まれにくいと言えます。

また、世界的に見ると人口は増加していますが、その国の経済成長性や IT リテラシーなどの教育普及率などは国ごとに違うので、より重要な指標となるでしょう。人口が多いだけで、IT が生活に入り込んでいなければ、そもそも製品やサービスを使ってもらえない(使える環境がない)ということもあるからです。

例えば、何らかのアプリを多言語翻訳して世界展開をすると想定したとき、

  • メジャーな言語、かつその言語の話者が多いこと
  • IT リテラシーが高いこと
  • スマートフォンの普及率が高いこと
  • マーケットが成長していること

などがあるとすれば、どのように優先順位をつければいいのでしょうか。

これは、母数が多ければダウンロードは増えるだろうということなのか、このアプリは○○というコンセプトなのだから IT リテラシーが高くないといけないということなのか、というように抑えておくべきポイントが変わってくるはずです。

これらを考えずに、むやみにテストを繰り返してもあまり効果は出ないでしょう。

ペルソナの設定

マーケットがハッキリしたらそこに生活するユーザのペルソナを設定しましょう。ペルソナ設定は多言語翻訳をする上で大いに関係があります。

対象読者を設定していない翻訳は、誰に読んでほしいのか、使ってほしいのかが分からないままになってしまうので、せっかく訳文を作っても効果が半減してしまうといっても過言ではないでしょう。

極端な例を出すと、エンドユーザ(男性、50代、患者)に読んでほしい医療についてのサービスなのに、お医者さんにしか分からないような専門用語のオンパレードだと理解されません。読者は医者ではなく患者だからです。

サービスでも製品でも「誰に売るのか」を考えるのは基本です。これは冒頭の「誰の」悩みを解決するサービスや製品なのかと表裏一体のはずです。

そのため、この時点でペルソナが設定できないということはないでしょう。分かり切っていても、共通認識として言語化しておきましょう。アウトソーシングや社内の共通認識などで必要になるためです。

言語の選定と優先度(タイミング)

マーケットもペルソナも設定できたらどの言語に翻訳すべきかというのは決まったも同然です。ここはそれほど悩むべきポイントではありません。

どちらかと言えば、複数言語(多言語)の場合には「どの順番で翻訳して、対象マーケットのペルソナに対して製品やサービスを投入していくか」の方が重要ということです。

これは弊社のお客様でも色々とお悩みいただくところで、「これが正解!」というものはありません。プロダクトの性質やサービスのビジネスモデルによって異なるでしょうし、マネタイズの方法によっても異なるでしょう。

ただし、これらの要素を検討しすぎると複雑化してしまい、逆に動けなくなってしまうため、その時点で最良と思われる言語に展開するしかありません。誰も未来のことは分からないからです。高速で PDCA を回す方が結果としてうまく行くというのは事実でしょう。

「その時と思った時がそのタイミング」なのです。

元の言語は何語がいいのか?英語から?日本語から?

では、誰に何を売るのか明確になったとします。次に考えるのは、ターゲット言語ではなくソース言語(元の言語)です。

弊社にご依頼いただくお仕事の多くが、通常は日本語で開発されることが多いですから、日本語から外国語に翻訳するというのが一般的です。ゲームにしてもアプリにしても、日本語から行っているハズです。

もちろんそれでも問題はないですが、稀に、英語からヨーロッパ言語への翻訳など、別の言語(多いのは英語)を起点にするというプロセスもあります。

これには様々な理由がありますが、ひとつには文法構造の問題があります。英語の文法構造と、ヨーロッパ言語の文法構造が似ているから翻訳しやすかったりするためです。

また、文法だけでなく単語のルーツや発音も似ていることもあるので、意味を想像しやすいこともあるでしょう。

さらには、日本語からヨーロッパ言語へ翻訳できるネイティブ翻訳者は少ないが英語からだったら対応可能な翻訳者の数が多くなるというキャパシティ上のメリットもあるかもしれません。(ここは各翻訳会社によって異なります)

いずれにしても、どの言語から多言語翻訳するのかは、スケジュールや金額にも密接にかかわってくるため、慎重に検討すべきです。

 

多言語翻訳

 

またゲームアプリなどの場合、それらの持つ「世界観」やシナリオの重要度というのは、コンテンツの中核を成していますので、決して品質をおろそかにしないように注意が必要です。世界観を理解していない翻訳者や、社内スタッフで作業してしまったりすると、ユーザーからクレームが入ったり、不自然な表現が多くなり、ゲームそのものを楽しめなかったりします。

 

翻訳における「ゲームの世界観」をどう表現するのか問題

 

結果として販売も伸びず・・・というのもよく聞く話です。

スケジュールと品質の兼ね合いにはなりますが、「ペルソナがそれで納得して楽しめるのか?」「ペルソナの役に立てるのか?」という視点は忘れたくないものです。

何でもかんでもお金をかければいいというわけではありませんが、最も重要なユーザとのコンタクトポイントはどこか?と想像したとき、少なくとも翻訳はそのひとつに入ってくるのではないでしょうか。

まとめ

このように、実は多言語翻訳を行う際には、それ以前に検討しなくてはならない点が数多く存在し、しかもそちらの方がより重要であることも多いのです。

逆に、すでにターゲット言語が決まっている場合には、その言語の品質をどう担保するのか(品質プロセス)や金額、スケジュールといったより具体的なポイントを精査していくことができます。

ぜひ今回のポイントを抑えていただき、成果の出せる多言語翻訳を行っていただければと思います。


外資系企業のための CMS を活用した Web サイトローカライズ

Webサイトは BtoB ビジネスにおいても非常に重要な役割を果たしています。企業の基本情報、製品情報、また採用情報、プレスリリース、ソリューションやサービス、事例などありとあらゆるコンテンツを掲載することができ、今やお客様との最初の接点でもあります。

特に BtoB では購買プロセスにおいて営業担当者に会う前の段階でおよそ 6割が情報収集をしているという調査結果もあります。

その検討段階で利用されるのは、当然 Web サイトになります。

つまり、ユーザが欲しい情報に素早くアクセスすることができ、分かりやすい説明と明確な回答を得ることができるだけの Web サイト構成が求められるということです。

別の言い方をすれば「お客様の困りごとや悩みにきちんと回答してくれる Web サイト」です。

そのため、今やどの分野もどの業種も Web には力を入れているのが実情ですが、外資系企業様の場合には必ずしもそれが最優先とならないケースもあります。

弊社でも様々な形の Web サイトローカライズのご相談がありますが、今回は外資系企業における CMS を活用した Webサイトローカライズについてまとめました。

Webサイトローカライズの定義

まず初めに、Web サイトローカライズとはどんなものかについての概要は以下のページをご覧ください。

Webサイト ローカライズ

このように、Web サイトは国内企業と外資系企業との間で大きな違いがあります。

ローカライズに対する本社の理解度と拘束度合い

外資系企業特有とも言えますが、企業によって「本社からの拘束度合い」が異なっています。拘束度合いというのは、様々な Regulation に則ってビジネスを行わなければならないため(これは当たり前)、ある程度自由が奪われてしまっているという状態です。

例えば、アメリカ本社の外資系企業の場合でも、 大きく分けて以下の2通りがあります。

  1. 日本側にある程度の権限を与えてくれるケース
  2. 本社側で細部まで決定し準拠せざるを得ないケース

 

このどちらになるのかによっても、Webサイトローカライズへの理解度や自由度が変わるため、「現実的に打てる施策」が変わってきます。

これは、日本企業、国内企業ではほとんど見かけないケースです。なぜなら Web 制作においては自分たちの意向が通るのが普通だからです。もちろん予算やスケジュールの問題はありますが、制作そのものへの直接的な制限もあまりありません。

一方、外資系企業の場合には、まずスタート時点が異なる(ケースがある)という前提を理解しておく必要があります。

貴社ローカライズは CMS か HTML ベースか

次に、貴社の Web サイト(本社)が作られている環境について、ローカライズ前にチェックしておく必要があります。

今は多くの企業が CMS(Contents Management System)で制作されているので、これからのリニューアルには、CMS がベースになることが多いと思われますが、ごく稀に HTML+CSS で制作されているケースも存在します。

CMS なのか HTML なのかによっても作業負荷も変わりますし、自由度も変わってきますので、日本支社としてどういう方針でローカライズするのかは、事前に決めておく必要があります。

CMS とは何か

CMS とは Contents Management System(コンテンツマネジメントシステム)の略称です。

誤解を恐れずにいうと、ブログ記事を書いたことがあればイメージしやすいと思いますが、タグ等の専門知識がなくても文章を書いて、画像をアップロードすれば基本的な Web を制作することができるという大変便利なツールです。

慣れてしまえば、ある程度は自分で作業できることも多いのですが、導入している CMS によっては実際の操作方法が違っていたりするため、本社側でどんな CMS を導入して使用しているのかを把握しておく必要があります。

代表的な CMS 一覧

CMS は様々な種類がありますので、その一部を掲載します。

  • WordPress
  • Movable Type
  • Typo3
  • Joomla!
  • Drupal
  • Adobe Experience Manager
  • Microsoft Sharepoint
  • Kentico

これらはほんの一部となります。中でも WordPress は世界中でもっとも使用されている CMS であるため使いやすいですし、汎用性も高く更新、管理という点からでもお薦めです。

その他の CMS もそれぞれ特徴があり、また有料/無料の違いなどもありますので、ぜひご検討ください。特に外資系企業の場合には、本社側で導入している CMS を使用しなくてはならないケースなどもあり、日本という枠組みだけで考えても話が進まない場合もありますので注意しましょう。

なぜ CMS を使うべきなのか(使うのは当たり前)

CMS を活用すべき理由はいくつもありますが、仮に本社の Web が HTML+CSS で制作されていたとしても、現状では日本語版は CMS で作ることをお薦めしています。

その理由としては以下になります。

  • HTML 等の知識が無くても自分で作業可能
  • 外注コストの削減
  • スムースな運用管理

それぞれご説明しましょう。

HTML 等の知識が無くても自分で作業可能

これはまさにその通りです。上述のように、管理画面から簡単にページを生成することができます。従来は、HTML言語をはじめとして様々なプログラミング言語の知識が必要でしたが、CMS の場合にはそれらは不要です。

※ただし実際には細かい設定やプラグインなどを使用するケースが多いので、あくまで基本的な操作のみということになります。しかしこれからもトレーニング次第で習得は可能です。

外注コストの削減

自社で CMS を活用できるメリットのひとつがコスト削減になります。これまでは外部に依頼しなければならなかった作業を自社で行うことができるため、その分の外注費は削減されます(内部コストは別)。

スムースな運用管理

これもコストと同じくらい重要なスピードを含めた運用管理です。業者に依頼すると 2、3日かかっていたものが自社内で更新できると、早ければその日のうちに更新できるようになります。このスピードの違いは確実にビジネスに有利に働きます。

CMS を活用した Web サイトローカライズの注意点

外資企業特有のルールはありますが、Web サイトローカライズを CMS を使って成功させる上で最低限必要なポイントを列挙しますのでご参考になさってください。

Web サイトのゴールは何か?(本社と同じか)

これはローカライズに限った話ではありませんが、「Webサイトを作る目的は何か」はしっかりと明文化して関係者と共有しておくべきでしょう。

「誰に対してどんな内容をお届けするのか、それによって相手はどんな変化があるのか」

という超基本を抑えておく必要があります。

その1:本当に必要なページを見極める

これも外資系企業ならでは、と言えますが、本社側にあるすべてのコンテンツを丸ごと日本語化する必要があるのかどうかは、事前に取り決めておくべきです。日本市場の日本のお客様に情報を届けるということを考えた時に「この情報は本当にいるのか?」というのは今一度、自分自身に問いかけてるべきでしょう。

その2:日本に合わせたオリジナルコンテンツを作る(ローカルまたはセントラライズド)

逆に「本社のサイトには無いけれど、この情報は日本語版には入れておきたい」というコンテンツがあるかもしれません。

そういったものは本社側にはなかなか伝わりにくい上、本社からの理解度や拘束度合いにも影響を受ける部分です。そのためある程度の交渉は必要になるかもしれせんが、理解してもらえれば、より自由に設計できるようになりますので、リード増加に貢献する可能性があります。

その3:「伝わる翻訳」をする(トーン&マナー)

こちらも重要な要素です。ユーザは文章やイラストなどを総合的に判断して問い合わせをします。意味の分からない翻訳、一見しては気づかないが実は間違っている翻訳などがあると、それだけでビジネスチャンスを失ってしまいます。

また適当な翻訳をすればトンマナが合わずに読みにくくなって結果的に言いたいことが伝わらない、知りたい情報が手にいれられないという事態を引き起こしてしまいます。

弊社では、「クリエイティブ翻訳」といったサービスもご提供しておりますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。

マーケティング担当者に必須の「マーケティング翻訳」とは

 

その4:デザインとメッセージ

Webはテキストだけでなく動画やイラストなど様々な要素で構成されています。特にそのデザイン性は、その企業のメッセージを体現していますし、ブランディングという点からも非常に重要なものだといえます。

外資系企業の場合にはブランディングガイドラインなどが存在し、それらに準拠してデザインされています。ガイドラインに従いつつ、貴社が絶対に伝えたいメッセージを表現しなければなりません。

その5:ユーザビリティを検討する

デザインと同じくらい重要なのがユーザビリティです。BtoB 企業の場合、特に「使いやすさ」というのはないがしろにされがちですが、しかしその実、操作性が悪ければ離脱しやすくなりますし、結果的にコンバージョンはしません。

UX などとも呼ばれますが、操作しやすい、分かりやすい、問い合わせしやすいなどはテストなどを通じて確認しておく必要があります。

その6:できるだけ自社運用を心がける

最後は、自社内での運用を目指すことです。CMS、特に WordPress を利用する理由のひとつでもあります。自社内での運用ができればいつでも好きなときに変更できますし、運用管理もスムースになります。

コスト削減にもスケジュール短縮にもなりますし、ノウハウも社内に溜まりますのでお勧めです。

最初は外注業者に依頼していてもマニュアルを作ったり操作を徐々に覚えていければ、やがて自社運用ができるようになります。

まとめ

CMS を上手に活用することで、Webサイトが大きく変わってきます。ただ本社サイトを翻訳しただけ、ではなく有機的に活用するためにも上記のポイントはおさえておくべきしょう。

チェック項目日本側の自由度が高い
(Local)
本社の拘束度合いが高い
(Centralized)
デザイン(見た目)とメッセージ・ブランディングの不統一の恐れ
・ブランディングの統一感高い
コンテンツ(必要なページ)・必要なページを見極めることで Webサイトの質が向上・不要なぺージがあるとユーザビリティ低下
オリジナルコンテンツの有無・日本のユーザが知りたい情報を掲載できる・グローバル単位でのニーズなので日本独自のニーズには対応できない
翻訳の品質(伝わる翻訳かどうか)・オリジナルコンテンツと共に作り上げることでリーダビリティ向上・刺さる翻訳ではないのでユーザの理解が薄い
ユーザビリティ・必要なページとデザインを合わせることで使いやすい Webサイトに・グローバルのまま使用するので使いにくい可能性も
更新・管理・運用・CMS(Wordpress)等で進めることで自社運用が可能・グローバル CMS で進めることで自社運用は可能だが権限や操作によっては外注化も必要に