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自動翻訳 API の失敗事例から学ぶ目的の重要性

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成功事例というのは世にあふれていますが、なかなか「失敗事例」についてはお目にかかることが少ないと思います。そこで今回は、失敗事例から学べることをご紹介したいと思います。

※架空の企業 A 社の事例を解説

A 社の多言語翻訳プロジェクト背景

  • 近年増え続けるインバウンド(外国人観光客)向けの Web サイトの多言語翻訳プロジェクト
  • 取り扱う言語は英語や中国語など合わせて5言語以上
  • インバウンド情報を各言語で定期的に発信
  • 多言語への翻訳が必要になるのでコストもそれなりにかかる

最近はよく聞く話ですが、この A 社様では上記の多言語翻訳を行う際に、すべて手動で行うかもしくは、自動翻訳 API を使うかという検討期間がありました。

翻訳が「意味不明」「読めない」という事態

結果としては、「手動で行うとコストもかなりかかるので、自動翻訳で行う」という方針に決定しました。そしてその多言語で自動翻訳された言語を、翻訳会社にチェックしてもらおうという流れになりました。

まずはテストとして少量を自動翻訳し、翻訳会社に見てもらったところ、翻訳会社からは以下のようなコメントが寄せられました。

「この文章が何を言っているのかがわからない。意味を成していない」

「この中国語は簡体字と繁体字が混在していて読めない」

つまり、そもそもの訳文が、チェックしてどうにかなるレベルではないということでした。これには担当者も困り果ててしまいました。当然ながらチェック料金で対応できるものではなく、やり直したほうがいいということになりかねません。

確かに予算が無尽蔵にあれば、手動で翻訳を依頼するほうが品質的には良くなるのかもしれません。しかし、実際にはそんなことはありません。なんとかコストを抑えつつ・・・ということで自動翻訳を選択したものの、テストしてみればそれでは今度は使い物にならないというジレンマ。

そんな状態で進めても Web サイトそのももの評価が下がるのは目に見えています。今回の Webサイトは、インバウンド向けですから、色々な国の方が閲覧する可能性が高いわけです。そのために制作するのですから当たり前です。社内文書ならともかく、外国人が見てネガティブな口コミなど広がってしまったら、その方が影響が大きくなってしまい修復できません。

結局、この後、A 社としてなかなか方向性が定まらず、いったんプロジェクトは頓挫してしまいました。

何を優先するのかの見極めを

これらはよく聞く話かもしれません。ただ実際に「金額と品質と納期」のバランスをどうやって取るのかは本当に難しいものがあります。

ご相談内容から分かる「失敗しない翻訳サービス」とは

 

関連する内容になりますが、数年前に以下の記事を掲載しています。

 

機械翻訳(自動翻訳)と翻訳支援ツール

 

この記事でも触れていますが、自動翻訳にせよ、翻訳支援ツールにせよ、ツールやAPI が悪いではなく、それらを使う「人間がどういう判断基準をもって使用するのか」が重要だということです。

本質的な部分で理解をしていないと、ツールが悪い、API が使えないという話になってしまいます。テクノロジーが進化していっても、それを使う側の発想がまったく進んでいないという事態になれば、ますます「不適切な場面」で使用したり、「必要な場面」で使用しなかったりということになりかねません。

テクノロジーに原因を求めるのではなく、何を優先するのか、つまり「目的は何か」をしっかりと見極めることがますます重要になってきていると言えます。

AI の進化でますます求められる人間の役割とは

「ディープラーニング」という言葉を多く見かけるようになりましたが、このディープラーニングが今後進化し、発達すれば、人間に代わるほどの言語処理を行うことができる可能性があります。

それほどこの「ディープラーニング」は自然言語処理技術でも注目されているテクノロジーです。こちらの内容を解説してしまうとテーマと外れてしまうため、割愛いたしますが、AI が研究段階にある現在では、やはり人間がきちんと基準をもって判断をしていかなくてはならないという事実は何も変わりません。

いやむしろ、AIの真価が進めば進むほど、私たちはより一層人間的な部分を使わなくてはならなくなります。

そうなると、「全体をざっと自動翻訳しておいてあとはチェックすればいい」という発想では、まったく太刀打ちできないということになります。(すでに Google 翻訳はその精度が飛躍的に向上したというニュースが流れたのも昔の話です)

また現時点では、想定される翻訳品質が上述のようなものであれば、翻訳者も喜んで対応するということはないのではないかと推測します。(実際、弊社の翻訳者さんでも、機械翻訳や自動翻訳で翻訳された訳文を積極的にチェックしたいという方はひとりもおりませんでした)

となると、お客様側の想いだけが先行してしまって、その実情が伴ってこないという事態になりかねません。

一番大切なのは「伝わるか伝わらないか」

もっと言えば、自動翻訳でも AI でも人間が翻訳する場合でも、大切なのはその目的が果たせられるかどうかということです。

上記の例であれば、Web サイトを利用する外国人観光客が、この Webサイトを見て、「すごく便利だし使いやすいし、わかりやすいね」と思ってもらえるかどうかが重要なのであって、常に考えなくてはならないのは、それを達成するためにあなたはどうしますか?ということです。

テクノロジーはそれらをサポートしたり効率アップのためのツールです。しかし残念ながら現状ではそこまで辿りついていないとすれば、何か他の手を考えたり組み合わせたりという発想の転換が必要になります。

繰り返しになりますが、この点こそがひとつの多言語翻訳プロジェクトを成功させるかどうかの分岐点になると言えます。

まとめ

  • 自動翻訳 API も人間による翻訳も AI もそれぞれの特性がある
  • その特性を見極めることこそ、人間の重要な仕事
  • 目的に沿った明確な判断基準を持つことで「使われる」のではなく「使いこなす」ことができる

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最初に知っておきたい iPhone / android アプリローカライズ時のポイント

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何事も初めて取り組む事業はトラブルがつきものです。とは言え、ビジネスであれば初めてであっても結果を出さなくてはいけません。開発担当者、マーケティング担当者にとって、それは「アプリの販売金額やダウンロード数」になります。

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弊社では、多くのアプリ開発会社様のローカライズのお手伝いをしておりますが、その多くはこのようなお悩みをお持ちです。

「初めて自社アプリを翻訳するがどこに注意すればいいのか分からない」

「アプリローカライズをするのに最初に何を準備すればいいのか」

これらは重要な問題であるかのように見えますが、実際にはもっと本質的な部分を見落としている場合が多いのです。

「盲点」は元の言語

結論から言うと、「元の言語」が最重要だという事です。はじめから海外展開を見込んでいるアプリなら、開発段階ではなく設計段階から仕様や要件に入れておくべき項目と言っても差し支えありません。元の言語の品質が非常に重要です。

翻訳する場面をイメージする

こんなシーンを想像してみてください。

上司から誰かが書いた簡単な英文を明日までに日本語に訳しておくようにいわれた。ほかの業務の合間を縫って日本語にし始めたはいいが、妙に冗長になってしまったり、うまい日本語が出てこない。読めば意味は分からなくはないけれど、もう少し上手な表現があるのではないか・・・。

実はこれがまさに「翻訳の試行錯誤」なのです。友達に頼まれた英文だから何となく意味が分かればいい、ということではありません。上司に指示された「仕事」で、適当なことはできません。それを使う場面も自分でも分かっていて、そのドキュメントがどのくらいの影響があるかも想像できるからです。

ここで悩みの種となるのは「言いたいことは頭では分かるけれど、それを適切に表現する言葉を見つけられない」という状況です。

言語の本質が違う

最も重要なのは、「元の言語の品質は一定のものであり信頼できるものか」ということです。つまりそれは、言語の性質・本質の違いに初めて気がつくということです。具体例で考えてみましょう。

アプリローカライズでもっとも多い日本語⇔英語のケースで考えてみます。

言語の性質(文法や表現等)上、基本的に日本語から英語に翻訳すると、日本語原文より英文の方が長くなる傾向にあります。おおよそ、その長さは、日本語1に対して、英語が1.5~2倍になると言われています。

当然ながら、翻訳した文章を日本語のUIの枠の中に収めるには工夫が必要になります。しかし、ほとんどの開発担当者は、なぜか日本語原文とほとんど同じ長さをイメージしているために、アプリローカライズの段になって「英文が収まりきらない」という事態に直面するのです。

言語が違うという事は文法が違うという事です。それは大きく言えば、歴史や文化が違うのです。だからこそ異なる言語がそれぞれ発達しているのですが、そこまで考慮されていないアプリが多いのもまた事実です。

例えば日本語で「確認」という文章があるとした場合、英語では、誰が動作しているかによって、「Read」「Check」「Confirm」等、複数の動詞が当てはまります。つまり日本語版では、アプリ中では「確認」のみとなりますが、英語版の場合、使用箇所によって「Check」の時もあれば「Confirm」の時もあるのです。(もちろん、UIメニューなどで使用される場合には、あらかじめひとつの単語に合わせておかなければなりません)

開発担当者から見ると、英語版は文言が「統一されていない」ように見え、困惑してしまいます(英語圏人は揃っていないと感じる人は少ないようです)。

さらに、「主語」や「所有格」を表す「私」や「私の」等は、日本語では省けますが、英語も同じように省いてしまうと、英文の本質が変わってしまったりします。

日本語と英語では、言語の性質・本質がまるで違うというのがご理解いただけるでしょうか。

翻訳を「意識」して元の言語を作成する

学生時代に言語学を学んでいる場合は別にして、初めてのローカライズ作業前に、言語の性質・本質の違いを完全に理解し、開発・設計することはまず不可能です。しかし、「意識」することはできるはずです。

「英語の方が長くなる傾向にある」と知っていて日本語版を設計する場合とそうでない場合とでは、アプリローカライズ時にかかる負荷がかなり変わってしまいます。

当然ながら後者は、成り行きで対応しなくてはならないため翻訳を何度もやり直したり、最悪、日本語版を修正したりといった余計な作業が発生してしまいます。

どんな仕事も最初から上手く行くわけではありません。「失敗は成功のもと」といいますが、まずは開発担当者自身が身を持って元の言語の重要性を理解し体験するのは外す事のできないプロセスです。机上の空論ではなくやってみないと理解できないポイントも多くありますから、「意識」しながらも、アプリのローカライズに取り組む姿勢が重要です。

ローカライズ作業者選定の重要性

また、実際に作業をするローカライズ作業者の選定は慎重に行う必要があります。

なぜなら、アプリローカライズ作業というのは、開発担当者と翻訳者が、アプリの動作や文言の意味などを慎重に協議して訳語・訳文の調整を行うべきものであり、こういった点をしっかりと理解し協力してくれる翻訳者(翻訳会社)を選定しなくてはならないからです。「翻訳して終わり」という対応では、まずローカライズ作業は成功しないと言えます。パートナーシップに則って共に作り上げていく姿勢が何よりも求められます。

アプリローカライズ成功事例

弊社にてアプリのローカライズをさせていただきました事例のひとつをご覧ください。

アマネファクトリー株式会社様

まとめ

なぜ何度も「原文が大切」だというお話をするかといえば、翻訳は基本的に元の言語以上の品質を作ることができないからです。まったくのゼロベースで文章を書けるのはあくまでライティングであり、翻訳は異なります。原文があるからこその制約や考え方があり、その条件の中でどうやって伝わる文章を作っていくのかが求められています。

ぜひこの点を意識しながら、素晴らしいアプリの開発を進めていただければローカライズ作業もスムースになり、貴社のビジネスへ好影響を与える事ができるでしょう。

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アプリをローカライズするときに気をつけたい7つのこと

topapp

今回はアプリのローカライズについてお伝えしたいと思います。

最初からローカライズを意識した日本語版を開発する

当たり前のようで意外とできていないことが多いのですが、多言語翻訳での展開を考えたときに、日本語原文に影響を受けてしまう事が少なからずあるため、事前に日本語版を作る際には、しっかりと設計する必要があるということです。

例えば、日本語を翻訳すると英語の文章が長くなる傾向にあります。理由としてはいくつかありますが、文法構造が違っていたり、書いている人が違っているなど、まったく同じ分量にはなりにくいわけです。

それにも関わらず、UI としての長さ(幅)は変わりません。つまりこのまま翻訳して英語にしてしまうと、英語が長くなってはみ出してしまうような事態になります。

アプリの内容を熟知し、使いこなしているのであれば、日本語の内容を踏まえて英語を短くしてしまったり、端折ったりということができますが、基本的に産業翻訳では「原文に忠実に」というルールが存在すること、また翻訳者が(勝手に)判断をして情報を取捨選択することはできないという側面があるため、日本語の内容を過不足なく伝えようとすると、どうしても自然と英語が長くなってしまうわけです。

日本語版の開発時に、英語やその他の言語に翻訳することを意識することは非常に重要です。

特に日本語は主語がなくても文章が成立しますが、英語などはそうはいきません。日本語を短くしても、他の言語では長くなってしまう可能性がありますので、その場合は以下のいずれかを検討する必要があります。

  • 多言語を意識して日本語の構造をハッキリさせる
  • それができない場合には、多言語が長くなっても余裕のある UI デザインを考える

ターゲット言語を決める

これは当たり前の話ですが、大変重要です。

「何語に翻訳するのか?」を検討するときには、前回ご紹介した「ダウンロード数」や「収益」を検討しなければならないからです。

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ただ何となく中国語に翻訳しようとか、スペイン語にしておけばいいという判断では、当然ながらうまくいかないでしょう。

仮に、「スペイン語」を選ぶなら、「なぜスペイン語に翻訳するのか?」「なぜスペイン語版を作るのか?」といった裏づけが必要です。

どうしてスペイン語なのか?それは言語の特性が関係したり、その国の法律や制度なども関係するかもしれません。アプリのコンテンツによってもターゲットの言語は変わるはずです。

日本語は、基本的に日本でしか通じません。しかし英語は多くの国で読まれています。単一言語が複数の国で通用するなら、それは汎用性が高いということですので、そういった基準からターゲット言語を決めるというのもありです。

ローカライズのスケジュールを検討する

アプリをローカライズし、多言語に展開するためにはある程度の時間を要します。

例えば、日本語から英語への翻訳なら、1日に処理できる(翻訳できる)分量というのはおおよそ 3,000文字程度といわれています。それ以上のスピードアップは、品質に影響する(低下する)ため、お勧めできません。

翻訳業界と翻訳会社

このように言語ごとにスピードや処理量が違います。例えば、日本語からドイツ語に翻訳するとした場合、直接ドイツ語に翻訳できない可能性もあります。それはアプリの内容やボリュームによってリソース不足に陥る事があるためです。

その場合にはいったん英語を経由してからドイツ語に翻訳することもあります。コストはかかってしまいますが、英語→ドイツ語の方がリソースも多くキャパシティも大きいためです。

また同じヨーロッパ言語としての親和性も高いので、スピーディに展開できる事もあります。(※ドイツ語に翻訳するようなアプリは、通常は英語版があることがほとんですし、そうでない場合には英語版もリリースすべきでしょう)

無論、開発プロセスは翻訳だけではありませんが、ある程度目安を持ってスケジューリングしないと、無理な納期で翻訳することになります。当然品質は上がらず、アプリを使う現地ユーザーからも「意味が分からない」とか「文章として成立していない」といったものになってしまうことがあります。

特に多言語の場合にはその影響が全世界に広がってしまうので、慎重にローカライズを行っていかなくてはなりません。

アプリそのものの評価に直結します。

外注先を検討する

ターゲット言語とスケジュールが決まったら、今度は外注先を検討します。(社内で対応できる、という方は本エントリー自体があまり意味がありませんので、あくまで必ず外注するという前提でお読みください)

以下の図のように、外注にはいくつもの種類があります。

コスト、品質、スケジュールのバランスをしっかりと検討して発注する事をお勧めします。どの項目を重視するのか、どれが優先なのか、それを決めておかなければ期待する効果は得られません。

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翻訳の功と罪

専門用語やスタイルガイドを準備する

これは特にアプリのローカライズに限ったことではありませんが、信頼できる参考資料のうち、もっとも重要度が高いのが専門用語です。アプリ内でしか使われていない言葉だったり、製品名のような固有名詞であれば、事前に準備して指示する必要があります。

それがなければ、翻訳者は調査できる範囲で調査して訳文を作りますが、それが果たして希望通りの訳語になっているかどうはふたを開けて見ないとわかりません。

これは単純に時間の無駄ですから、事前に準備できるものは準備しておくことで、スムースになるのは間違いありません。

用語集構築・運用

翻訳対象となるテキスト原稿を準備する

周辺資料の準備が整ったら、実際の作業対象ファイルを準備します。アプリのローカライズの場合、当然ながらソースコード内に翻訳対象テキストが記述されていますが、そのファイルをそのまま翻訳者または翻訳会社に渡しても、翻訳ができないこともあります。

余計な記述は、翻訳者にとっても混乱の元ですし、また作業中に謝ってプログラムコードを1文字消してしまった、というようなことも無いとは言えません。

そういった事故を予め防ぐために、「翻訳対象テキストだけを抽出して渡す」ことが必要になります。

例えば、エクセルにテキストを抽出します。以下はイメージです。

sample

 

このように、翻訳者にも「どこを翻訳すればいいか」を視覚的に明示してあげることで、作業スピードもあがりますし、また品質も安定します。

アプリの深い理解を促すため、翻訳者に参考となる情報を渡す

さらに翻訳の精度をあげて、アプリのローカライズを成功させるには、アプリそのものをダウンロードして触ってもらったり、事前にトレーニングや簡単なミニセミナーなどを開き、翻訳者に説明するといったことも有効です。

プロの翻訳者なら事前にアプリの動作を分かっていれば、より適切な訳語を選択する事ができます。

ひと手間かかってしまいますが、事前のレクチャーや準備こそが、アプリのローカライズプロジェクトの成功の確率を上げるのだということを理解しましょう。

まとめ

いかがでしたでしょうか。これまでにご説明した項目は、私たちが日常的にアプリのローカライズをご依頼いただく中で、最低限やっておいたほうがいいものばかりです。

アプリのローカライズの良し悪しによっては、原作(日本版)の良さやアプリの魅力が伝わらない可能性も多いにあるため、自社のアプリが現地の人々に受け入れられるかどうかを左右する重要なポイントでもあるのです。

つまり、アプリのローカライズは決して翻訳者だけの仕事ではなく、お客様、信頼できる翻訳会社、翻訳者とプロジェクトチーム全員が一丸となって取り組む仕事であるといえます。

当然その場合には、コミュニケーションやチームをまとめるマネジメント力も求められます。この総合力の違いがローカライズの品質に大きな影響を与えるといっても過言ではありません。

そして、事前にしっかりと準備をし計画を立て、投資すべき点にはしっかりと投資(お金をかける)できるアプリ開発会社のみが世界に進出するアプリのローカライズを成功させることが出来るのです。

アマネファクトリー株式会社様

ローカライズとは

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美術館向け外国人観光客(インバウンド)対策サービスのご案内

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インバウンド産業の中でも観光施設として重要な位置を占めるのが美術館、博物館です。弊社ではこのミュージアム向けのインバウンド対策サービスを積極的にご提案していますが、その理由や想いをお伝えします。

日本の美術館を取り巻く状況

広くアートやミュージアム等に関わる人は、「世界中から観光客が日本にやってきて、そして自分たちの美術館を訪れてくれる。そしてその人たちに日本の文化や伝統の素晴らしさを伝えたい」という想いを持っているのではないでしょうか。この想いのない人というのはいないと思います。

では、そのために具体的に何をすればいいのでしょうか?

具体的な行動が分からなければ、ただの希望で終わってしまいます。私たちはそれではいけないと考えています。具体的に何をするかを考えるために、まずはここ5年ほどのスパンで美術館を取り巻く状況を分析してみましょう。

縮小する日本の美術市場

日本の美術市場は、およそ3,270億円程度といわれています。リーマンショックや東日本大震災などの影響などもあると言われていますが、いずれにせよ縮小傾向にあるのは間違いありません。

東京オリンピック・パラリンピック開催

2020年 東京オリンピックが開催されます。それに伴い、外国人観光客数も毎年増加しています。2020年には4,000万人、2030年には 6,000万人の外国人観光客を目指すと公言しています。

このオリンピックも追い風となり、ミュージアムをはじめとした観光施設にも多くの外国人観光客がやってくることが予想されます。

COOL JAPAN から VISIT JAPAN へ

フランスをはじめとして、海外では日本のマンガやアニメなどのサブカルチャー文化は依然として根強い人気がありますが、海外ではアニメやマンガだけが人気なのでしょうか?

決してそんなことはありません。海外で活躍する日本の現代アーティストも多く存在しています。それは外国人からすれば自国にいても触れることができる「日本文化」なのです。

そしてより詳しく日本を知りたいと考えたとき、外国人観光客はCOOL JAPAN から VISIT JAPAN へとシフトします。

東京オリンピック以降は?

オリンピックは長い準備期間を経て、大会自体は数ヶ月で終了します。

では、その後は外国人観光客は激減するのでしょうか?もし色々な企業や施設、自治体が「オリンピックがあるからお金をかけて準備しよう」と考えているなら、観光客数が減ってしまえばその後は想像もしたくないはずです。いわゆる「オリンピック特需」で終わってしまうのでしょうか。

ミュージアムとして、そう考えるのは妥当ではありません。

極端な表現ですが、「東京オリンピックがあってもなくても、外国人観光客対策を粛々と進めておく」ことが大切なのです。

2020年 東京オリンピックを第一の目的としてしまうと、それが終了した途端に目標を失ってしまいます。

このように、日本全国のミュージアムを取り巻く状況というのは決して楽観視だけではいけませんが、これらは適切な目標設定と適切な打ち手を続けていけば、むしろ美術館や博物館にとっては追い風となるでしょう。

「世界から愛される美術館」になるためには

では、どうすれば東京オリンピック以降も外国人観光客がやってきて、彼らがリピーターとなってくれるのでしょうか?

まず最初に大切なのは、「どんな美術館を目指すか」ということです。

日本には歴史や伝統のある美術館、新設の美術館、一風変わった美術館など様々なスタイルの美術館があります。しかし、どの美術館もこの想いは同じでしょう。

「世界中から観光客が日本にやってきて、そして自分たちの美術館を訪れてくれる。それによって日本の素晴らしさを伝えたい」

これはつまりフランスのルーブル美術館のように「世界中から愛される美術館」になることです。なぜなら世界中から愛される美術館は、同時に「日本人にも愛される美術館」であるはずだからです。

私たちはそのための方法やプロセスを共に考え、共に実行していきたいと考えています。

私たちの想いと私たちができること

私たちは「大切な想いをつなぐ」という経営理念のもと、美術に関わる方々の「想い」を理解し、相手に伝え、そして未来へとつないでいくお手伝いをしております。

経営理念

美術館様の作品解説やガイドブック、表示案内、また動画の字幕翻訳、ギャラリートークなどをお手伝いするのは、私たちも「日本の伝統、美術の素晴らしさを正しく伝え、未来へと想いをつなぎたい」と考えているからです。

そしてそのためにも適切なインバウンド対策をご提供しています。具体的なインバウンド対策サービスについては以下のページをご覧ください。

こんなお客様に向いています

本サービスプランは、ミュージアムの大小問わず様々なお悩みに対応いたします。

「そもそも外国人観光客への対策が必要なの?」

「自分たちで進めているが今のやり方があっているのかどうか不安だ」

「具体的に検討していることがある」

「インバウンド対策はしないといけないと感じているが、何からはじめればいいのかわからない」

なお、現在はコンサルティングプランもご用意しておりますのでお気軽にお問い合わせください。

ミュージアム専門 インバウンド コンサルティングプラン

インバウンド対策 導入事例:紙の博物館様

まとめ

日本の美術館は海外の美術館と比較して多くの予算があるわけでもありません。また、「観光立国」という考え方もまだまだ新しいため、本腰を入れて(資本等)色々な事を一気に準備する事は難しい状況にあります。

しかし、オリンピックをひとつのピークとして、外国人観光客は続々と来日しています。国が、政府がという前にまず自分たちでできることから始めていく事が重要なのです。

私たちはそのためのサポートをし、外国人観光客が増加しても日本の美術を楽しんでいただき、そして後ろ髪をひかれながら帰国し、「また来たい」と思ってもらえるような美術館を目指すお手伝いができたらと考えています。

そして私たちは、今回翻訳や通訳のみならず、「集客」からのサービス提供をすることで、美術館様にとってワンストップで相談、依頼できる体制を整えました。

ぜひこの機会に「世界から愛される美術館」への道のりを目指してみてはいかがでしょうか。

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インバウンド対策は何語から始めるべきか

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拡大するインバウンド業界

まず、どんな言語に対応すればいいのかを考える前に、現在の日本への観光客数を知っておく必要があります。

このように、年々外国人の訪日数は増えています。これにはさまざまな理由がありますが、2020年には東京オリンピックもありますので、さらに加速度的に増えていくことが想定されます。

つまり、インバウンド業界はまだまだ大きくなるということです。

言葉の壁を乗り越える

では、この拡大するインバウンド業界で、どのように差別化を図ればいいのか、そしてどのように表現すればいいのかを考えたとき、まず真っ先に浮かぶのが「言葉の壁」を取り除くということです。

この言葉の壁を取り除くことは観光客側も強く望んでいることでもあります。なぜなら、私たち日本人が海外旅行に行くことを想像してみてください。

どの国にいってもワクワクとドキドキがあります。だからこそ旅行は楽しいわけですが、もしそこに多少なりとも日本語表記のあるお店があったり、片言でも日本語を話せるスタッフがいたら、距離がぐっと縮まるのではないでしょうか。特に、ここ数年の外国人観光客の困りごとは「コミュニケーション」にシフトしています。

ここから分かる通り彼らも同じなのです。だからこそ、言葉の壁をできるだけ取り除いてあげることが重要になるのです。

データから読み取る言語の比率

では、訪日観光客は、いったいどの国からきているのでしょう。

日本政府観光局(JNTO) の調査によれば、近年は以下のような比率になっています。

訪日外客数の動向:日本政府観光局(JNTO)

http://www.jnto.go.jp/jpn/reference/tourism_data/visitor_trends/

訪日観光客の推移

https://www.jnto.go.jp/jpn/statistics/marketingdata_tourists_after_vj.pdf

中国や韓国は相変わらず多く、アジア圏からの観光客はこれからも増えるでしょう。元々近隣ですから日本に来やすいというのはありますし、円安や免税効果なども大きいでしょう。さらに日本政府が国を挙げて誘致しているということも大きな後押しになっていると考えられます。

とはいえ、消費額ランキングを見ると欧米の観光客のほうが多くお金を使っているため、日本政府としても欧米豪圏へのプロモーションを強くしようと動き出しています。(欧米豪市場準備室:http://www.mlit.go.jp/kankocho/about/soshiki.html

つまり、アジアの観光客、アメリカの観光客、ヨーロッパの観光客のそれぞれに対しての言語を準備していく必要があります。

インバウンド対策としての多言語を絞る

具体的な言語としては、以下が挙げられます。

  1. 英語
  2. 中国語(簡体字、繁体字)
  3. 韓国語
  4. 主要なアジア言語(タイ語など)
  5. 主要なヨーロッパ言語(フランス語、スペイン語、ドイツ語など)

すべての言語を翻訳して対応しようというのはさまざまな面から無理がありますので、まずは主要なものから抑えていくべきでしょう。

この順番で対応するのが王道

1. 英語

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国別の観光客数で見ると中国が一番なので、中国語へ翻訳するのが一番効果がありそうですが、それよりも英語の方が実は効果は高いです。

なぜなら中国語は中国人しか理解できませんが、英語は中国人も韓国人も我々日本人も理解できる確率が高まるからです。分母が桁違いに大きいためです。

また、英語にしておけばヨーロッパ圏もアメリカ圏もまとめて対応できることになりますので、コストパフォーマンス上、最も効果的であると言えます。

ただし、それだけ広く多くの人々が見るものになるので、ヘタな英語を作ってしまうと、マイナスの影響度もはるかに大きくなりますので、品質には注意が必要です。

英語の翻訳サービス

2. 中国語(簡体字、繁体字)

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英語の次は中国語です。簡体字と繁体字のどちらが必要なのか、それとも両方準備したほうがいいのか、しっかり考えましょう。

中国人は特に「爆買い」も下火になってはいますが、購買力は高いままです。どちらかというと観光よりも買い物中心です。

そこから考えると対策すべきドキュメント類や業種も少し変わってくるのかもしれません。

中国語(繁体字、簡体字)の翻訳サービス

3. 韓国語

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中国人と同様に、韓国人も多く来日しています。ですから、韓国語への翻訳は必須項目でしょう。

韓国語の翻訳サービス

4. 主要なアジア言語(主にタイ語が狙い目)

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主要なアジア言語といってもピンとこないと思います。この統計から考えると、次に翻訳すべきはタイ語です。タイからの観光客数は年々増加しています。元々親日が多いタイ人が日本に旅行に来るというのは自然な流れかもしれません。

タイの旧正月(ソンクラーン)は、日本の春にあたりますので、そのあたりをしっかりとアピールし、タイ語への翻訳を行うことで、より訴求力の高いアピールができるのではないでしょうか。

タイ語の翻訳サービス

5. 主要なヨーロッパ言語

上記のアジア言語は、直近の増加しているアジア人への対応として必須ですが、英語以外の言語である、ドイツ語、スペイン語、ポルトガル語、イタリア語、フランス語、ロシア語などの翻訳も大切です。

多言語翻訳

ただ観光客数から考えるとアジア言語に比べて優先順位は落ちてしまいますが、それでも少しずつ対応が求められるでしょう。ただし、英語を理解する人も多いので、それで何とかなってしまうというケースも多いようです。

まとめ

  • インバウンド対策として重要な「言葉の壁」の問題は、多言語の翻訳を行ったり、スタッフの教育を行わなければならない。中長期的な視点からの多言語翻訳が必要になる
  • 翻訳しなければならない言語は、英語、中国語、韓国語がトップ3となる
  • その次は、アジア圏で親日の「タイ語」に注目し、投資すべき
  • 多言語を一度に翻訳しようとすると大きなコストがかかるため、重要な言語から少しずつ進めていくのがよい
  • まとめて3言語以上を同時に発注したい場合には、「翻訳まとめてお得プラン」がオススメ。

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