コミュニケーションが「うまくいく」ときの 5つの要素

コミュニケーションに関しての講座や記事、研修など、世の中には多くありますが、コミュニケーションが重要な能力であるのは疑いようもない事実です。

「コミュニケーションがうまくいっている」時と言うのは、テクニックだけでも、また精神論だけでもなく、「お互いを理解している」という感覚を持つことができます。そしてそれは取り立てて珍しいことでもありません。

にも関わらず、ビジネスとなると急に「コミュニケーション能力」や「コミュニケーションの難しさ」がクローズアップされるのは何故でしょうか。

それをひも解いてみれば、どんなところに「うまくいく」ポイントがあるのか気づくことができるのではないでしょうか。今回はこの点に注目したいと思います。

「うまくいっている」というのはどういう状態か

そもそも、コミュニケーションが「うまくいっている」というのは、具体的にはどういう状態を指すのでしょうか。これが曖昧なままだと、目指すゴールがはっきりしないため、改善しているかどうかさえ評価することができません。

ここでは、「うまくいっている」という状態は、イコール「相互理解がある」と定義し、そのためには具体的にどうすればいいのかを考えてみます。

そもそも、「うまくいっている」と感じるのはどういう時か

さて「相互理解」というのは、「お互いの考えを理解することができること」であり、それによって、自身も前向きな気持ちで安心して行動に移すことができるということです。

家族や仲の良い友人たちとの会話であれば、特に意識せず、この状態を得ることができ、またこのように感じることができるでしょう。

ただ、ビジネスにおいてはこれだけではうまく行かないというのも事実です。そこで、以下の5つのポイントを押さえておく必要があります。

1. テーマや方向性が共有されている

大前提として、話すテーマや進むべき方向性やゴールがはっきりしていて、共有されていることが必須となります。「何が言いたいのか分からない」「どんな意図があるか不明」という不安を覚えるときというのは、何のためにそんな発言をしているのかという意図が見えないからです。

ひとたび不安を覚えれば、疑心暗鬼のまま、コミュニケーションが進みますので結果としてうまくいきません。

例えば、「今期の売上を20%アップするためにはどうすればいいか」という目的を共有していれば、コミュニケーションはこの目的を達成するための会話となるはずですし、それはお互いに理解しているからこそ、建設的なコミュニケーションを構築することができると言えます。

2. テーマに対してそれぞれ意見や感想がある(価値観が見え隠れする)

テーマが共有されているからこそ、はじめて自分の立ち位置がハッキリします。

「今期の売上を20%アップするには、これまでのやり方を踏襲していてはダメだ。もっと抜本的な改革が必要だ。これまで事業部制にしていたが、プロジェクト単位の横断的なチーム編成にする」

という意見があるかもしれませんし、

「いや、これまでの事業部制に問題があるのではなく、取扱商品の価格低下と新規商品への新たな投資やマーケティング活動に力を入れた方がいい」

という意見もあるかもしれません。いずれにせよ、目的達成のための意見があるとき、その発言者の「真意」が見えます。

  • 本当にその方法を推薦したいと考えているのか?
  • それとも、立場的にそう言わざるを得ないのか?

こういった部分まで話し込むことができれば、意見の対立はあっても相互理解は進むはずです。

3. お互いに意見を言い合える、また聞くことができる(自己開示、関係性がある)

対立意見があっても、それ以外は共感することが多い、という関係性もあるでしょう。またこれは社内だけでなく社外でも有効ですが、人間関係は信頼関係でもあります。異なるバックグラウンドを持つ人間が集まって1つの方向に進もうとするわけですから、様々な調整も妥協も必要です。しかしそれらが禍根を残すことなく健全な関係性を保つことができるのは、お互いにどんな人かを知っているからです。

そしてお互いを知っているというのは、つまり「自己開示」があるかどうかに限ります。

「実は先日子供の学校の運動会に出まして・・・」

「来月に両親と妻の両親と入籍前の顔合わせがあるんですけどね」

「今年は海外旅行に行こうと思ってて、貯金してるんですよ」

「娘が高校受験するって言うので、家の中がピリピリしてましてね。。。」

「正月に久しぶりに親戚一同が集まる機会がありまして、これが意外と盛り上がったんですよ」

「実はプライベートで大きな悩みがありまして。。」

「聞いてくださいよ、先週の日曜日にとっても嬉しいことがあって」

といった様々なレベルでの「自己開示」を行うことによって自分がどんな人間か、どんなことを大切にしているのかといったことを知ることができます。

これによって程度の差こそあれ、相手も開示してくれるでしょうし、そういう関係から会話が始まると、仕事の話はその「関係性の延長線上に存在する」ことになるので非常にスムースになります。

また対立する意見が出ても比較的発言しやすくなるのは、想像に難くありません。これは、あらかじめ自己開示による関係性が構築されているからだと言えます。

4. ユーモアをはじめとした「笑い」が存在する

良い関係が築けているかどうかのひとつの判断基準として、そのコミュニケーションの中に適度な「笑いが存在するかどうか」があります。

これも想像するのは簡単ですが、緊張関係では絶対笑顔にもなりませんし、なれません。また笑顔や笑い声は自分自身だけでなく相手にも伝染し、影響を与えます。張り詰めた空気も、同じように伝染します。

「会社の雰囲気」や「社風」といった言わゆる目に見えなくても、感じることができるものがコミュニケーションをスムースにするかどうかのカギを握っていることはよくあります。

プライベートでもビジネスでも「笑い」の無い関係は長続きしません。遅かれ早かれコミュニケーションはうまく行かずに失敗するでしょう。

5. 会話のテンポやリズムがある(共同作業)

「相性がいい」という表現は良く使われますが、これはコミュニケーションでも同じでしょう。同じスピードで言葉のキャッチボールが出来ることや、言葉の定義が一致しているため同じ用語を使えるなど、リズムのあるコミュニケーションが展開されていくのは、お互いに心地よいものです。

また嫌味の無い範囲でミラーリングやオウム返しのようなテクニックを駆使することができれば、より一層関係性を強くすることができるでしょう。

まとめ

このように、5つのポイントを抑え実行するだけでコミュニケーションをスムースに進めることができればそれに紐づくビジネスの結果もおのずと向上するでしょう。また社内であれば上司や同様、後輩や部下との関係性も強くなるでしょうし、同じ方向を向いて強力なチームワークを発揮することができるといえます。

多様性が叫ばれるこの時代にコミュニケーションはますます重要になることは間違いありません。チームビルディングの要素でもあり、人間関係の基本とも言える「良好な関係性」をベースに、ビジネスを推進することができるのではないでしょうか。