「一貫性」とブランド構築

あなたは「一貫性」がありますか?

「一貫性」という言葉は大変重要なキーワードです。これは翻訳だけでも、法人だけでも、ビジネスだけでもなく、広範囲にわたって重要な概念です。

ビジネスで言えば、一貫性がない場合、営業マンが「以前と言っていることが逆」になってしまったり、「そもそも話していることに脈絡がない」ことになってしまったりと、相手の不安を与えるだけです。「原因と結果の法則」にもあるように「○○があるから□□になる」というロジックが欠如していればビジネスでは信用してもらうことは困難でしょう。

信用できないからです。

「一貫性」というのは、簡単に言えば、「筋が通っているかどうか」ということです。

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ライティングや翻訳、Webサイトでの一貫性とは何か

一般的な概念の「一貫性」に準拠しますが、弊社の翻訳業務やライティング業務に関連付けて考えてみると、具体的には以下のようなポイントが「一貫性」として重要だということが分かります。

文章を書く(ライティング)時の「一貫性」とは

これは表記ルールやスタイルガイド、用語集などのことです。このルールやスタイルがないドキュメントは読みにくくなります。例えばこちらは翻訳業界の用語集です。

翻訳、ローカライズ用語集

また、スタイルというのは、例えば本を読むときに、1行目は「ですます調」で書いてあるのに、2行目から「である調」になれば誰でも違和感を覚えますね。

そういった大切なことは、最初にルールや表記スタイルを決めておき、それに従って文章を書くことが求められます。ちなみにこれは翻訳でも同じことが言えます。

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「一貫性」は継続すれば「信頼性」に変わりますが、「一貫性」の失われた文章はその「信頼性」も同時に失っていることになります。

これは文章だけでなく人間そのものも同じでしょう。

デザインの一貫性

例えば Web デザインでも「一貫性」は重要です。

Webサイト全体のデザインの方向性やテイストを揃えておかなければ、ユーザビリティという側面でも、また単純に、そのサイトの見た目からもおかしな印象を与えてしまいます。

こんなことはあり得ませんが、例えば、トップページは青がベースカラーなのに、2ページ目だけ脈絡もなく赤になっている、グローバルメニューもページごとに違っている(これをグローバルメニューとは呼ばないかもしれませんが)というような Webサイトは使いにくいでしょう。

これも大切なのは、(当たり前ですが)事前に仕様を決めておくことです。

ターゲット(ペルソナ)の設定や、自社の強みの分析など、様々な角度から内容を吟味してそれらを一貫性のあるデザインで表現することが大切です。

以上のように、これらは極端な例ですが、そういうことが「一貫性」を担保する要素であることは間違いありません。

「一貫性」を確保するために

上記の例のように、一貫性を持つことは大変重要であり、弊社のコミュニケーションサービスのひとつである「翻訳・ローカライズ」事業においても同様です。

翻訳・ローカライズの場合には、

  • 表記スタイルはどうするのか

・ですます調、である調のどちらなのか?
・カタカナ語の連結時の間のスペースの有無は?
・サーバ、サーバーなどの音引きはどうするのか?

  • 専門用語は?

・用語集を準備して同じ訳語を使用できないのか?

といったものが代表的かもしれません。

ちなみに宣伝になってしまいますが、弊社ではお客様の一貫性を補強する上で「用語集作成プラン」をご用意しています。

用語集構築・運用

これらをご利用いただくと、用語や TM(Translation Memory)の一貫性を保つことができますので、当然ながら翻訳の品質を向上させることが可能になります。

「 一貫性」がもたらすメリット

逆に、一貫性のある文章やデザインといったものを作り上げていくと、いくつかのメリットが生まれてきます。

貴社ブランディングに好影響

大きく言えば「どう見られるか」「どういうイメージを持ってもらえるか」に良い影響を与えることができます。それは企業イメージにつながり、ビジネスを左右することにもなりかねません。(個人でも同じことが言えます)

「○○はこんな会社だよね」「○○と言えば」という印象は、こういう些細なところから始まっていきます。

ユーザビリティの向上

読み手が読みやすいと感じる文章、ユーザが使いやすいWebサイトは、(なかなか気づかれないことも多いですが)実は一貫性を保ちながら様々な工夫が施されています。

使いやすい(ユーザビリティ、アクセシビリティ、リーダビリティ)というのは、やはりユーザ側にとっては大変大きなメリットです。そしてそれは結果として、そこまで気を遣って制作している側へのプラスの評価に変わります。

差別化要因

当然ながら、一貫性のある企業は、ある一定のブランド価値を醸成しますので、そうでない企業と比較すると安心感、信頼性が異なります。一貫していることは、安心材料になるのです。

そしてその安心感は、サービスや商品購入の選定の際にも重要な差別化ポイントです。

常に「一貫性」への挑戦を続ける

これまで見てきた通り、ユーザはあらゆる情報を意識的、無意識的に取得し、総合的に判断します。その判断基準に「一貫性」が含まれているのは周知の事実です。

常に自社として「どうあり続けるか」が問われています。

そうはいっても、これらは簡単なことではありません。目先の利益に惑わされることもあります。一貫性を失ってしまうこともあるかもしれません。企業サイズが大きくなればなるほど、関わる人員が増え、理解度の差ができます。一貫した行動を取るのは容易ではありません。

しかし、ライティングでも翻訳でも、Webサイトの制作でも、企業でも、個人でも、一貫性を確保することは戦略ポジショニング面でも重要なことです。

実は、顧客やユーザはその一貫性を無意識的にも意識的にもいつも観ていることを理解しておくことです。自社のブランドをどう構築するのかは、経営理念にも関わってきますし、各ドキュメントの構築や運営方法に大きなインパクトを与えることになるため、ぜひじっくりと腰を据えて取り組んでみましょう。

ご参考までに弊社では以下のガイドブックも取り揃えておりますのでご興味があればお問い合わせください。

今すぐできる!知識・経験ゼロの中小企業経営者向けマーケティングガイド

弊社は「お客様のマーケティングチームの一員として」翻訳をはじめとした各種マーケティングサポートを行っておりますが、常に「一貫性」を保つべく、日々努力していきます。

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